イベントテクノロジーの進む道は  #3 Plugnauts / スプライン・ネットワーク

 

会場内行動と収穫をひもづけて分析−Plugnauts−

【大規模展示会向け 高精度分析レポート】

「機能する展示会にしたい」という主催者・出展者の切実なニーズに、電子デバイスの専門家と計量経済学の専門家のアカデミアによるタッグで実現したサービスがPlugnautsの提供する「大規模展示会向け高精度分析レポート」だ。

導入実績として、中小機構が主催する「新価値創造展2014」(東京開催)と「新価値創造展2015 in Kansai」(大阪開催)があり、継続的なレポーティングがされている。

白倉さんPlugnauts代表取締役でエグゼクティブアナリストの白倉重樹さんは「来場者の会場内行動と、その展示会での収穫をひもづけて分析することで、業種や職種ごとに動きのパターンが導き出され、どんな動きで評価が高まったのか、あるいは高まらなかったのかがわかります」と説明するがこれはサービスの一部。「ここまでは会場で実際に起こっていることの見える化になる訳ですが、データの収集と分析で終わりではなく、本来の目的である、次の一手の発見、活性化のためのソリューション提案までを含め、ワンストップのサービスであることが特徴」と話す。

もう一つの特徴は、行動データの取得に、ビーコンなどの通信インフラを必要とせず、独自の電波マッピングで位置情報の記録ができること。コストが比較的安く、どのような施設にも準備なく使用可能で、また無線Wi-Fiなどさまざまな通信が飛び交う環境下においても影響を受けないというメリットがある。

モバイルバッテリー無料貸し出しサービス+高精度アンケートサービス会場を回遊する前に来場者に電波を発信するデバイスを持ってもらうというハードルを、モバイルバッテリー(デバイス付)の無料貸し出しというサービス提供で解消した手法もユニークだ。

「ほとんどの来場者に喜ばれますし、返報性の法則ではありませんが、バッテリー返却時に展示会評価アンケートを行うため、回答率が99.2%と高いんです」(白倉さん)

リアルな行動と生の声を拾う(アンケートは対面方式で実施)レポートでは、来場者だけでなく、出展者の動向も知る興味深い結果もある。「実は展示技術のアピールは会期2日目が狙い目」というものだ。大手商社の若手営業担当者は情報収集のため多くが2日目の午前中に集中して来場しており、事前情報をもとに交渉窓口となる上長が最終日に出展ブースを訪れる。一方で、展示側の代表やトップマネジメントのブース滞在率は初日と3日目が高く、2日目に大きなチャンスを逃している可能性があったというのだ。

白倉さんがこのサービスを開発したのは、自身も10年間製造業で出展者の立場におり「展示会の具体的成果を上に報告しづらい」というジレンマに悩んだからだという。

「主催者側で展示会の評価を提示できれば、Webに比べ非効率なコミュニケーションとも言われる展示会が、再び創発の場として評価されるのではないかと期待しています」(白倉さん)

 

双方向コミュニケーションでイベントの価値を向上−スプライン・ネットワーク−

【SmartClick(スマートクリック)】

先端技術や都市開発のオピニオンリーダーが集う「Innovative City Forum」では講演やセッションの最中に“リアルタイムアンケート集計ツール”を使うのが定番になっている。その日の来場者がどういった考えを持って参加しているかアンケートを行い、全員で共通認識を持って講演を進めていく。想定外の結果に驚きの声が沸く場面も多くみられ、その場の雰囲気を盛り上げている。

SmartClickこのようにイベントの場に活気を与えているのが「SmartClick(スマートクリック)」だ。来場者が渡された専用リモコンの該当ボタンを押して回答するだけで、集計結果が即座にグラフになるので、今までの一方通行なイベントやセミナーが一転、双方向性のある場になるのだ。来場者の参加意識と集中力が高まり、熱気のあるイベントができると好評だ。

スピーチの前に参加者の属性を聞いてみたり、少し笑いを誘う質問をしてアイスブレイクしたり、また講演後には理解度チェックや満足度調査に使うこともできる。

またSmartClickはマーケティング効率向上にも貢献する。紙のアンケート代わりに利用して回答率を向上させたり、来場者データとアンケート結果を紐づけすることで、見込み顧客の定性情報を作ることもできる。

SmartClickは専用ソフトウェアをパソコンにインストールするだけでPowerPointのアドイン(補助プログラム)になるため、既存のスライドに簡単にアンケートを組み込める。また、事前準備も専用レシーバーをパソコンにつなぐだけという「誰でもすぐに使える手軽さがウケて、展示会のプレゼンテーションやセミナーや社内研修の現場で利用する企業が増えている」とSmartClickを扱うスプライン・ネットワーク代表取締役社長の雪野洋一さんは話す。

双方向コミュニケーションを促進することで、イベントのROIを向上する強力なツールになりそうだ。

 

 

関連記事

PR

イベントの未来をつくる105人

イベントの未来をつくる105人 森ビル 虎ノ門ヒルズフォーラム   時代とともに進化していくイベント。 そのイベントの未来の形を考えながら、これから活躍する人々や技術を発掘し、イベントのつくり方などをサポート。5年後10年後の未来を探るコミュニティです。

2023年イベント一覧

2023年の展示会一覧・イベントスケジュール

次号空間デザイン 特集

97号特集: -空間デザイン
BtoBの集客に効く戦略設計・ツール選択 (2023年7月31日発行)

--マーケターに聞く集客の目標設定と戦略
-空間デザインでの集客 <トータルプロデュースできる空間デザイン会社>
-集客ツール紹介

イベントマーケティング バックナンバー

103号
2024年1月31日発行

2024年動向を聴く 月刊イベントマーケティング103号表紙・2024年動向を聴く

102号|2023年12月  
体験価値をあげるイマーシブな演出とビジネスイベントの映像活用

97号|2023年7月  
空間デザイン戦略

-- プロに聞く集客できるメソッド -
96号|2023年6月  
イベントテクノロジー

-AI・XR・プラットフォーム活用で どう変わる!?
95号|2023年5月  
LIVeNT2023の歩き方

ライブ・エンターテイメントEXPO、イベント総合EXPO、eスポーツビジネスEXPO
94号|2023年4月
映像 / 照明で体感する新たな世界観

プロに聞く、イベント演出の裏側と未来
93号|2023年3月
新しいイベント会場の選び方

エリア連携と多空間利用 リアル開催成功の方程式
93号|2023年3月
新しいイベント会場の選び方

エリア連携と多空間利用 リアル開催成功の方程式
92号|2023年2月
空間デザイン・ディスプレイ 2023

今年はこうなる!?
91号|2023年1月
BACKSTAGE2022

90号|2022年12月
イベントの集客

Like Us On Facebook

Facebook Pagelike Widget

イベマケYoutubeチャンネル

イベントマーケティングYoutubeチャンネル

2023年 編集計画(特集)

月刊イベントマーケティング 2023年 編集計画(特集)

5月31日95号 LIVeNT(イベント総合展)
6月30日96号 イベントテクノロジー
7月31日97号 集客・ブランディングの
    戦略・ツール・空間デザイン
8月24日98号 BACKSTAGE
    イベント企業合同説明会

カテゴリー

ページ上部へ戻る