こころを測る 空間が変わるイベントも変わる!?

商業・文化施設などの空間づくりを行う株式会社丹青社と理化学研究所発のベンチャーである株式会社Kokoroticsは、ワークプレイスでの従業員の気分・心地の微妙な変化を測定できるスマートフォンアプリ「KOKOROスケール for Workstyleを共同開発した。 きっかけは、2015年9月に実施した、丹青社の本社オフィス移転。「こころを動かす空間づくり」を掲げる丹青社として、空間と「こころ」の関係性にも着目し、そのパイロット調査に取り組んだ。本社移転を機に取り組んだワークスタイル変革の狙いは、クリエイティビティと業務効率の向上。その効果測定に「KOKOROスケール」にアレンジを加えて、「KOKOROスケール for Workstyle」を共同開発し、自らのオフィス空間で従業員の「こころ動き」がどのように変化したのか80名を対象に調査を行った。KOKOROスケール for Workstyleの共同開発を担当した丹青社の菅波紀宏さんと工藤鉄也さんは、「アプリを導入し、1日数回データを入力してもらうことで、いつ、どこで何をして、どんな気分〔やる気・快適さ〕だったか、気づきやひらめきがあったかリアルな実態を捉えることができました。経験値や感性などのアプローチに、さらに定量的なデータを加えて、より良い空間づくりにつなげていきたい」と話し、こころという主観的な気分・心地を定量化し、こころと空間の関係性の数値化にチャレンジしたと解説する。理化学研究所・片岡洋祐博士が脳科学の知見に基づいて開発した気分・ 心地の測定ツール「KOKOROスケー ル」をベースにしており、脳内物質「ドーパミン」「セロトニン」の働きに基づく気分尺度(安心感と不安感、やる気と無気力など)を横軸および縦軸にした4象限マトリクスで人の心の動きを捉える。片岡博士は「たとえば、不安や緊張感が強いときは無理にリラックスしようとしてもなかなか思い通りに気分をコントロールすることは難しいですが、興味のある話題などで一度ワクワク感を上昇させると、その後、不安が軽減されやすい、ということがKOKOROスケールでわかってきました。空間や イベントにも脳科学を入れることで、 いろんな道筋がみえてくる」と話す。たとえば、天井をあえて低くし、そ の先に吹き抜けをつくることで生ま れる心理変化を利用した空間構成や、イベントのプログラム順に活かせるかもしれない。「今回のアプリはオフィス空間向けでしたが、イベントや公共空間など、次の改善につなげることができるのではと期待しています」(丹青社 菅波さん・工藤さん)。

グラフ
分析結果:クリエイティビティの向上「アハ体験(気づき・ひらめき)は、コミュニケーション系の活動で多い」という結果から、部門を超えたコミュニケーション機会を増やす施策を実施すれば、より創造性が高まる可能性があることが導き出された。

関連記事

PR

イベントの未来をつくる105人

イベントの未来をつくる105人 森ビル 虎ノ門ヒルズフォーラム   時代とともに進化していくイベント。 そのイベントの未来の形を考えながら、これから活躍する人々や技術を発掘し、イベントのつくり方などをサポート。5年後10年後の未来を探るコミュニティです。

2023年イベント一覧

2023年の展示会一覧・イベントスケジュール

次号空間デザイン 特集

97号特集: -空間デザイン
BtoBの集客に効く戦略設計・ツール選択 (2023年7月31日発行)

--マーケターに聞く集客の目標設定と戦略
-空間デザインでの集客 <トータルプロデュースできる空間デザイン会社>
-集客ツール紹介

イベントマーケティング バックナンバー

103号
2024年1月31日発行

2024年動向を聴く 月刊イベントマーケティング103号表紙・2024年動向を聴く

102号|2023年12月  
体験価値をあげるイマーシブな演出とビジネスイベントの映像活用

97号|2023年7月  
空間デザイン戦略

-- プロに聞く集客できるメソッド -
96号|2023年6月  
イベントテクノロジー

-AI・XR・プラットフォーム活用で どう変わる!?
95号|2023年5月  
LIVeNT2023の歩き方

ライブ・エンターテイメントEXPO、イベント総合EXPO、eスポーツビジネスEXPO
94号|2023年4月
映像 / 照明で体感する新たな世界観

プロに聞く、イベント演出の裏側と未来
93号|2023年3月
新しいイベント会場の選び方

エリア連携と多空間利用 リアル開催成功の方程式
93号|2023年3月
新しいイベント会場の選び方

エリア連携と多空間利用 リアル開催成功の方程式
92号|2023年2月
空間デザイン・ディスプレイ 2023

今年はこうなる!?
91号|2023年1月
BACKSTAGE2022

90号|2022年12月
イベントの集客

Like Us On Facebook

Facebook Pagelike Widget

イベマケYoutubeチャンネル

イベントマーケティングYoutubeチャンネル

2023年 編集計画(特集)

月刊イベントマーケティング 2023年 編集計画(特集)

5月31日95号 LIVeNT(イベント総合展)
6月30日96号 イベントテクノロジー
7月31日97号 集客・ブランディングの
    戦略・ツール・空間デザイン
8月24日98号 BACKSTAGE
    イベント企業合同説明会

カテゴリー

ページ上部へ戻る