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企画の舞台裏

チッタエンタテイメント×antenna* 映画試写会のつくり方

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川崎駅すぐそば、地元に愛される日本初のシネマコンプレックス「チネチッタ」。チネチッタでは、2016年から音の職人が映画一作、一作を最適な音に調整し、その魅力を最大限に引き出す超シネマサウンドシステムを導入している。最新鋭のハイエンド音響装置「LIVE ZOUND(ライヴ ザウンド)」だ。

このほど川崎で古くから文化とエンタテインメントを発信しているチッタ エンタテインメントと、トレンド情報を配信するスマートフォンアプリサービス「antenna*」とラジオ局J-WAVE(81.3FM)の共同企画で、LIVE ZOUNDを体験できる映画試写会「J-WAVE J-me SPECIAL PREVIEW『ボヘミアン・ラプソディ』」が開催された。試写会イベントのようすと合わせて、イベント+広告配信の組合せでコラボ企画を展開した担当者インタビューをお届けし、イベントだけで終わらせないプロモーションのつくり方を学ぶ。

 

 

11月2日、金曜日の夜、チネチッタでは19:30から特別映画試写会が行われた。伝説のミュージシャン「クイーン」を題材とした映画『ボヘミアン・ラプソディ』の先行試写会で、超シネマサウンドシステムLIVE ZOUNDが体験できるCINE8が会場となった。

 

19時の開場から続々と参加者が来館、事前に募集の告知をしたantenna*記事とJ-WAVEのオンエアで、抽選で招待されたantenna*読者とJ-WAVEリスナー、関係者を含め約500名が特別映画試写会に集まった。赤い特注のシートはスタジアム方式に並んでいて、どのシートからも視界は良好。10代から40代まで幅広い年代層のクイーンファンや映画ファンで満席となった。

 

 

試写会では、上映の前にトークショーを開催。J-WAVE「POP OF THE WORLD」(毎週土曜6時〜8時)ナビゲーターのハリー杉山さんをMC、クイーンのファンであるミュージシャンのビッケブランカさんをゲストに、『ボヘミアン・ラプソディ』公開翌日の11月10日にオンエアする番組の公開収録も兼ねて行われたもの。トークショーでは、一足先に同じCINE8で『ボヘミアン・ラプソディ』を観たばかりのビッケさんが、興奮の伝わる熱いトークで場を盛り上げた。

 

ビッケさんは特に、超シネマサウンドシステム「LIVE ZOUND」による音響の迫力に圧倒されたと「この映画を観るための劇場」と感じるシーンにたくさん出会えると伝え、これから鑑賞する観客の期待を高めた。

 

いよいよ試写会。134分の上映が終わると、客席からは自然に大きな拍手が起こった。上映イベントのアンケートでは、作品満足度99.5%と非常に高く、「魂が震えた」「とくかく最高!もう1回観ます!」といった作品へのコメントや、「初めて来たが、音響が想像以上に良かった」「目の前で演奏しているような、心臓に響く音がすごかった」「音楽を聴きたい映画は、ここで観たいです」といったLIVE ZOUNDに対する満足感あるコメントが多く聞かれた。

 

川辺出さん(チッタエンタテインメント)

 

映画試写会企画の2つの動機

弊社グループである『チネチッタ』は、長年川崎で映画館を運営しています。この10年ほど、時代や駅周辺環境が変わる中で、チネチッタのことを知らない方々も増えてきたという現状があり、改めてチネチッタの良さを知って頂く機会を作りたいと思っていました。また、現在劇場として力を入れているオリジナルサウンドシステム『LIVE ZOUND』という音響設備について、感度の高い方々にもっと訴求していきたい、という二つの思いがあり、今回の企画となりました。

 

イベント+ラジオオンエア+antenna*配信のマーケティング設計

「LIVE ZOUND」の特性上、音楽映画と相性が良いことはわかっていたので、作品公開機会をうまく劇場プロモーションにも活かしたいと考えて企画しました。antenna*さんには弊社がターゲットにしたい20代〜30代の最新トレンド、カルチャーやエンタテイメント感度の高いユーザーさんが多いですし、J-WAVEさんも同様です。デジタルとラジオの双方から幅広く情報発信を行うことで、「音楽映画だからこそ、良い音響で観たい」という気持ちを喚起しながら、「チネチッタのLIVE ZOUNDは音響がいい劇場」という情報をセットで伝えることで、「この映画はチネチッタで観たい」というイメージしていただくことを狙いました。

 

KPIの設定は?

「若い世代、新しい方々にチネチッタを知っていただきたい」ということがゴールだったので、クイーン世代でもある50代以上の方よりも、クイーンは知っているけれどもリアル世代ではない20代〜30代の方々を中心にしたイベントにしていただくようにお願いしました。

 

映画試写会を通じて感じたイベントや体験会の価値とは

上映イベントを軸に、その劇場音響を体験した観客の様子をそのまま伝えるレポート記事、とすることで、伝えたいメッセージを届けられたと思います。また単なる記事広告的な露出ではなく、事前は告知と参加者募集、事後はレポートと映画公開情報というプロモーションの流れが一貫できたことで、観客動員という具体的な数字になって成果が検証できた、というのも今回のプロモーションにおける大きな収穫でしたし、メディアと組んだイベントプロモーションの効果を改めて実感できた機会でした。

 

加藤翔大さん(antenna*)

 

イベント企画提案のワケ

antenna*はスマートフォンアプリなのに、なぜイベントの企画もするの?と思われる方もいらっしゃいますが、イベント+広告配信のプロモーションにすることで、人数に上限のあるイベント単体のKPIではなく、広告配信でのKPIをみる構造ができて、イベント企画者の方が思いっきりやりたいことをイベントで展開できるようになるのではと考えてご提案している企画です。

 

ラジオを絡めてコラボ効果も

イベント+広告配信のように、antenna*というキュレーションアプリを元に、記事配信だけでなく体験型マーケティングなどへも事業領域を広げています。また、イベントという手法への展開もそうですが、今回のJ-WAVEさんとのコラボのように、いろいろな組み合わせで、プロモーションの効果を高められるようマッチングもしています。

 

今回のケースでは、川辺さんとJ-WAVEさんとの間につながりがあったのですが、企画内容での相談をいただいていました。『ボヘミアン・ラプソディ』という音楽映画のコンテンツ、「LIVE ZOUND」という訴求したいポイント、そしてJ-WAVEとantenna*のユーザー層とがぴったりと合い、実現することができました。

 

体験を入れたストーリー設計

「音がすごい!」とWeb記事での配信だけではどうしても伝わらない部分は正直あります。僕自身、今回の試写会でチネチッタさんの「LIVE ZOUND」で『ボヘミアン・ラプソディ』を観たのですが、五感を使って感じる、ということの大事さを体感しました。川辺さんからも説明を聞いて頭では理解をしていたのですが、実際に劇場に座り、トークショーでビッケさんが「重低音と高音が、両方ちゃんと聞こえることのすごさ」を興奮されながらも解説する話を聞き、上映後の自然な拍手まで、その場をともにしました。クイーン世代でない年齢層の方や女性からの生の反応、アンケート結果に現れた結果からも、「LIVE ZOUNDってすごくいいよね」というコメントが得られたのは、コンテンツの強さはもちろんですが、しっかりと体験というストーリー設計をしていたからこそだと思います。

 

 

音による感動体験をもっと多くの方に届けたいというチネチッタと、ユーザーに豊かな経験を提案するキュレーションアプリantenna*の相性のいいコラボレーションから生まれた本イベント。上映後には涙する姿も多く、「全身で音を感じ、感情が溢れ出して感動して泣いてしまった」という声も聞かれた。上映作品の力だけでなく、臨場感のある音を浴びながらの鑑賞が特別な体験であったことがうかがえた。

 

 

道艸舎×antenna* 「奈良で茶道はじめ 〜『茶論』で学ぶ、美しいお茶〜」イベントレポート

道艸舎×antenna* 「奈良で茶道はじめ 〜『茶論』で学ぶ、美しいお茶〜」イベントレポート »

「茶道」というと、由緒正しい師匠に入門し、畳の稽古場に和装で通う……といった敷居の高いイメージがあるが、「もっとニュートラルに、自由に茶道の文化にふれてほしい」「日常の中でお茶を愉しんでほしい」との思いから2018年春に立ち上がった新しいブランドがある。創業より茶道とつながりの深い中川政七商店のグループ会社である道艸舎(みちくさや)が手がける『茶論(さろん)』だ。

このほど『茶論』とトレンドやライフスタイルの情報を配信するスマートフォンアプリ「antenna*」との共同で、特別な茶道講座「奈良で茶道はじめ〜『茶論』で学ぶ、美しいお茶〜」が開催された。講座の様子を体験レポートする。

 

 

会場は奈良の「遊中川」本店奥にある「茶論奈良町店」。2018年8月11日土曜日、11時から、13時から、15時からの各90分で行われた。『茶論』の暖簾がある喫茶スペースの奥に、靴を脱いであがる掘りごたつの部屋がある。そこが普段『茶論』の「稽古」と呼ばれる講座が行われている部屋であり、今回の特別講座の会場だ。意外にも、正座ではなく、テーブル席で講座が行われる。とはいえ、部屋には掛け軸や日本画、部屋の向かい側には見事な日本庭園と、茶道の稽古場としてふさわしい品格のある雰囲気に満ちている。

 

筆者を含めて6名の参加者がそろう頃、香煎と和菓子、お手拭きが配られた。「和菓子は稽古中に食べるので我慢してくださいね」の言葉を受け、みな笑みながら香煎をいただく。そうして気持ちがほぐれてきたところで、講師が部屋に現れ、特別講座がスタートした。

まずは講師のお点前を見学。ひとつひとつの所作の美しさに息をのむ。その後、和菓子を食べ、講師の点てたお茶をいただいた。和菓子の食べ方、お茶のいただき方、それぞれの作法が講師から伝えられるが「今日は作法を気にせずに楽しく、召し上がってくださいね」との一言があり、参加者はリラックスしながらお茶と和菓子を楽しんだ。

続いて始まったのが、茶道についての講義だ。講師が手元でタブレットを操りながらスクリーンにより解説がすすんでいくという、なんとも現代的なスタイルに驚く。内容は、茶道の考え方や歴史など一見堅そうではあるが、「お茶と漢詩をたしなむことがステータスだった時代がありますが、スタバでマックを使っているとちょっとかっこいい……みたいな現代の感覚と通じるかもしれませんね」などとフランクな例や冗談を交えながらの講義に、参加者の笑顔がこぼれる。

講師の親しみやすくわかりやすい語り口には参加者を引き込む力があり、『茶論』が指導者を「師匠」ではなくあえて「講師」と呼ぶ意図の一端が理解できる。講師は、ただ教えるだけでなく、受講者とともに楽しみ、共有するというスタンスの存在なのだそうだ。とは言え、内容は茶道の本質に迫る本格的なもの。新たな発見や気づきに声をあげ、楽しみながら習得していく参加者の様子が印象的だった。

茶道についてたっぷり学んだら、次は参加者がお茶を点てる時間だ。講師が今日の参加者のことを想い見立てたという茶碗がそれぞれに割り当てられる。冒頭、講師の点てたお茶をいただいた漆黒の黒楽茶碗とうって変わって、カラフルな色合いだ。茶碗ごとの産地もさまざまで、自分に割り当てられた茶碗だけでなく、他の参加者の茶碗を眺めて目でも楽しむことができる。

「はじめはクラシカルな黒楽茶碗でおもてなしをして、その次はカジュアルな茶碗で楽しんでもらう。場やタイミング、人に合わせて茶碗を見立てるという考え方は、日頃のお料理での器選びなどにも生かせるものだと思いますよ」との講師の言葉に、茶道での学びと日常はかけ離れていないのだと実感する。

茶筅の持ち方、点て方など基本的な説明を聞いた後に、いよいよそれぞれがお茶を点てる。講師からのアドバイスに耳を傾けながらみな真剣だ。筆者も必死に点てたが、できばえは講師が点ててくれたお茶とは別物。残念ながら、泡のきめ細かさが全く違う。飲んでみると味もなんとなく違う気がした。

他の参加者も「先生が点ててくださったものより、苦く感じる」、「思った以上に手が疲れた」などと感想を口にした。講師からは直前に食べる和菓子の種類によってもお茶の味が変わって感じることや、稽古を重ねることでおいしいお茶が点てられるようになることなど、説明があった。自分が実践して気づきを得ることが、続けたい、上達したいという意欲につながるのかもしれない。

最後に、『茶論』で行われる茶道講座「稽古」についての紹介があった。料金やコースについての詳細というより「修行ではなく、学び」、「心、型、知をバランス良く養っていく」といった、稽古のコンセプトや理念を知ることができる。今回の体験イベントもそれらに沿った内容だったので、想像がしやすい。ただ技術を学ぶのではなく、茶道の歴史や物の見方、ひとつひとつの所作に宿る意味を学んだ上で稽古をすることによって、茶道の本質を体得していくという『茶論』の稽古の在り方が理解できた。

稽古後は座敷の喫茶スペースにて甘味をいただきながら、参加者同士で談笑し和やかな時間を過ごした。「今回講座を体験してみると学習の要素も多分にあり、教養を身につけるためのお稽古事として受け入れられるジャンルだと感じた」(20代・女性会社員)、「歴史や作法の意味を知ってから実践すると、身の入りようが違った。実は実家に母の茶道具があるので、一度自分でもやってみようかなと思う」(30代・女性銀行員)、「お茶で有名な宇治に住んでいるが、茶道文化にあまり触れずにきたためいい機会を得た。小学生と高校生の子どもにも今回の体験を共有したい」(40代・男性会社員)と参加者それぞれが心境や茶道への認識の変化を語ってくれた。

 

イベント終了後、今回の開催趣旨や効果について茶論の店舗ディレクターの藤本諭美さんとantenna* 広報の北見裕介さんにお話を伺った。

藤本諭美さん(茶論)

「ブランドの立ち上げ期はとても忙しいので、今ある体験講座がベースで良いというantenna* さんの言葉を聞いて実施のハードルが下がりました。企画面や運営面の負担が軽減されるだけでは無く、やはり『茶論』×antenna* の化学反応と言うべき、antenna*ユーザーさんからとても新鮮な反応を得られたので、私たちが普段行っていることには価値があるのだと再認識もできました。今回のイベントでは茶道へのイメージを変えることが目標でしたので、参加者の皆さんが自ら積極的に体験イベントを楽しんでくださって“茶道のイメージが変わった”、“とても楽しめたので、自分の周りの人たちにも伝えたい”など、ポジティブな反応をいただけたことは大きな収穫です。私たちが伝えたかったことが参加者の方々に確実に伝わっていると実感できました。SNSなどの活用ももちろん大切ですが、今回のように顔の見える形の施策は大切だと改めて感じました」

 

北見裕介さん(antenna* )

「茶論さんで普段行われている講座自体に大変魅力があると感じたので、コラボレーションするにあたって特別な企画をたてるのではなく、通常の体験講座ベースでイベントを開催しましょうとご提案しました。どちらかというと、一度に大きな規模のプロモーションをするというよりも、連続して体験イベントなどを仕掛けてリアルな口コミによって火がついていく、という方法がぴったりくるタイプのコンテンツ。まだあまり知られていないだけで、世の中にもっと知られさえすれば、需要が高まっていく良質な講座だと感じたので、手を加える必要はないと考えたのです。antenna* ユーザーは、新しいことを楽しみながら取り入れることが上手な人が多いので、茶論さんの講座とも相性がよく、うまく響き合うと考えました。茶論さんからの期待も大きく、当初計画していた2回開催を3回に増やしたのですが、どの回も盛況で手応えを感じました」

日常の中でもっと自由に茶道の文化にふれて、愉しんでほしいというコンセプトを持つ茶論と、ユーザーに豊かな経験を提案するキュレーションアプリantenna*の相性のいいコラボレーションから生まれた本イベント。イベント終了後の充足感にあふれる参加者の表情から、今回の特別講座が参加者の茶道に対する固定概念を覆し、ポジティブな「茶道はじめ」の時間になったことがうかがえた。

 

 

上島珈琲店×antenna*体験イベントのつくり方「上島珈琲店特別試飲会 コーヒーで笑顔になる日 supported by antenna*」レポート

上島珈琲店×antenna*体験イベントのつくり方「上島珈琲店特別試飲会 コーヒーで笑顔になる日 supported by antenna*」レポート »

2018年7月18日夕方、上島珈琲店にて、「上島珈琲店特別試飲会 コーヒーで笑顔になる日 supported by antenna*」が開催された。

今回のイベントは、上島珈琲店などのカフェの運営やフランチャイズ事業を行っているUCCフードサービスシステムズ株式会社(以下UFS)と、スマートフォンアプリ「antenna*」の共同開催。

UCCといえば、「カップから農園まで」の言葉通り、直営農園でのコーヒー豆生産、コーヒー飲料販売、上島珈琲店運営など、コーヒーに関連するあらゆる事業を展開していることで知られている。一方、「antenna*」は、おでかけやライフスタイルなど、東京近郊で暮らす・働くアクティブな大人に向けて多彩な情報を発信するスマートフォンアプリだ。

今回のイベントでは、上島珈琲店で普段提供されている6種類のコーヒーと、飲み比べや試飲用に、店頭では絶対にお目にかかれない2種類のコーヒーが提供されたが、冒頭のアイスコーヒーはそれとはまた別。汗だくで到着した参加者は嬉しそうに喉を潤していた。

今回の参加者は、応募者の中からランダムに選ばれた7名の男女。隣り同士から徐々に会話が始まり、アイスコーヒー片手に全体がほどよく打ち解けてきたところでイベントが開始された。

まずはUFSの小辻さんより、上島珈琲店の大きな特徴であるネルドリップについて説明があった。

上島珈琲店は、全てのコーヒーをネルドリップ式で抽出している。よくあるのは紙を使ったペーパードリップ式だが、ネルドリップ式は紙の代わりにネルを使う。

これがネル。「ネルシャツ」と同じ「フランネル」という織物でできている。外側は少しザラつきがあるが、中はなめらかで繊維が細かいことが見てとれた。この細かな繊維によって、滑らかな口当たりのコーヒーが抽出できるのだそうだ。

参加者はもちろんコーヒー好きばかりだが、自宅でコーヒーを飲むとしてもペーパードリップがせいぜいで、ネルドリップ式でコーヒーの抽出をしたことがある人はいなかった。

それもそのはず。ネルドリップは取り扱いが大変難しく、技術も必要な抽出方法だ。上島珈琲店では、ネルドリップ式の手の動きを再現した機械を使うことで、クオリティーを一定に保つことに成功している。また、使用するネルの形にもこだわっており、特許を取っているそうだ。

こういったこだわりによって、上島珈琲店のまろやかで香り豊かなコーヒーが生み出されているのだ。

まず配られたのは、最もスタンダードな「ネルドリップブレンドコーヒー」。ネルドリップのこだわりを意識しながら飲んでみると、確かにまろやかで香り豊かな気がする。ストーリーを聞きながら味わうことに大きな価値を感じた。

続いて運ばれてきたのは、かなり分厚いトースト。

こちらはモーニングでのみ販売されている「厚切りバタートースト」を半分にカットしたもの。ネルドリップブレンドコーヒーとの相性を考え、オリジナルのレシピで作っているそうだ。強力粉と薄力粉をブレンドすることでさっくりと仕上げたやや甘めのトーストは、深い味わいのコーヒーとぴったり。朝はこれだけで満足できるビジネスマンも多いのではないだろうか。

ネルドリップコーヒーに合うお菓子として、ブルゴーニュ産発酵バターを使った「塩マドレーヌ」と、京都の老舗宇治茶専門店「丸宗」のほうじ茶を使ったフィナンシェも配られたので、これらもお供として楽しみつつ、試飲が続いていく。

続いてやってきたのは「無糖ミルク珈琲」。

今回のイベントは、普段あまり頼まないメニューの美味しさを知ってほしいという狙いもあり、1杯目のネルドリップブレンドコーヒー以外は変わり種ばかりだ。

しかし、それらにもこだわりがたっぷり詰まっており、知れば知るほど上島珈琲店が好きになってしまった。

上島珈琲店のミルク珈琲は全て「ダブルネルドリップ方式」で抽出されたコーヒーを使っている。ダブルネルドリップ方式とはネルドリップで抽出したコーヒーを、新たなコーヒー粉でさらに濾過抽出する方式で二度濾過することによって、雑味や酸味が吸収され、よりクリアな味わいのコーヒーが抽出できるのだそうだ。

なんと今回は、通常では絶対にお目にかかることのできない、ダブルネルドリップ方式で抽出したコーヒーの原液まで試飲することができた。

参加者からは「まるでエスプレッソだ!」という声が飛び交っていた。「通常このままで飲むものではないので、残していいですよ」と小辻さんは言うが、それでも「これはこれで美味しいね」と飲みきった参加者も多かった。

しかし、上島珈琲店のミルク珈琲のこだわりはこれだけでは終わらない。ダブルネル抽出液を、コーヒー2:ミルク8の割合でブレンドするのもこだわりの一つ。小辻さんはこれを「黄金比」だと言う。

一般的なカフェオレはコーヒー1:ミルク1の割合でブレンドするため、上島珈琲店のカフェオレはかなりミルクが多いと言えるが、これによってミルクのまろやかさが十分に感じられる。また、コーヒーはダブルネル方式で抽出しているため、量が少なくてもミルクに負けることなく、程よい主張が感じられた。まさに黄金比なのだろう。

試しに、ダブルネル抽出液とミルクを1:1で合わせた特別なカフェオレも飲んでみた。これも通常は絶対に販売されることのない、イベントならではの試飲メニューだ。

さらっとして飲みやすいと思ったが、やはり「2:8の黄金比が美味しい」という声が多かった。一方で「もっとミルクが多くてもいけるよ」なんて声も挙がり、参加者同士で感想を述べあい盛り上がっていた。

続いてやってきたのは「黒糖ミルク珈琲」。

ここからは、ミルク珈琲のアレンジメニューが続く。

黒糖ミルク珈琲は飲んだ瞬間に口の中いっぱいに黒糖の風味が広がった。黄金比はそのままに、沖縄県産のサトウキビを煮詰めた黒糖蜜を加えている。店頭でも、「甘みが癖になる」という意見が多いそうだ。

「ブルボンヴァニラの無糖ミルク珈琲」には、レユニオン島(インド洋に浮かぶフランスの海外県)の「モンレニオンヴァニラ」を使っている。モンレニオンヴァニラは、世界のバニラ総生産量のうち1%程度しか採れないことから、バニラの女王と呼ばれている。

また、かつてレユニオン島では、ルイ王朝が愛した幻のコーヒー「ブルボンポワントゥ」が栽培されており、UCCはそれを復活させて毎年数量限定で販売しているのだとか。

肝心のブルボンヴァニラの無糖ミルク珈琲だが、口に含んだ瞬間にバニラの香りがブワッと広がる。無糖にも関わらず、甘みが感じられるのが嬉しい。

「名前を言うのにためらうから、普通だったらなかなか頼めないね」との意見で盛り上がったが、「とっても美味しいから次回から頼んでみよう」「無糖なのにバニラの香りで甘さが感じられるから、ダイエット中にいいかも」などと女性からの評価が大変高かった。普段頼まないメニューの美味しさを伝えたいというイベントの狙いの一つがしっかりと達成されていたようだ。

牛乳の代わりに豆乳を使った「豆乳ミルク珈琲」は、国産大豆の無調整豆乳を使っている。まろやかで自然な味わいが、とても飲みやすかった。

最後はこの夏のイチ押し商品「コーヒーモヒート」(現在は販売終了)。炭酸とオリジナルノンアルコールモヒートシロップにダブルネル抽出液をミックスしたもの。

オリジナルシロップには、コーヒー豆では有名な「ブルーマウンテン」の産地で作られている「ジャマイカンラム」を使用。夏の暑さにぴったりの爽やかなドリンクだった。

「もっとコーヒー感が強くてもいいかも」とダブルネル抽出液の量を自身で調節して楽しんでいる参加者もおり、小辻さんもリアルな意見に耳を傾けていた。

8種類のコーヒーから、上島珈琲店のこだわりがいくつも垣間見られる大変充実したイベントだった。

お気に入りを聞いてみたところ、女性はコーヒーモヒートや豆乳ミルク珈琲と答える参加者が多かった。

今回最も人気が高かったのは豆乳ミルク珈琲で、筆者も一番好きな味だと感じた。ある女性参加者は普段から豆乳ミルク珈琲が一番好きで、「これからも変わらず豆乳ミルク珈琲派です」と話す。

参加者の中には上島珈琲店のヘビーユーザーが意外と少なく、初めて来店したという人もいたが、今回のイベントをきっかけに「また来たい」と思った参加者も多かったようだ。

参加者も最後まで飲み比べやコーヒー談義を楽しんでおり、「ネルは使い捨て?」「コーヒーの味の決め手は品種? 産地? 焙煎度合い? 淹れ方?」など、さまざまな質問が飛び出していた。

参加者同士の会話も大変盛り上がり、イベントのタイトル通り、「コーヒーで笑顔になる」1日を過ごせたのではないだろうか。

最後に、今回のイベントの企画意図や感想を、UFSの小辻優子さん、antenna* の北見裕介さんに伺った。

小辻優子さん(UFS):これまで、コーヒーに関するイベントをしてこなかったわけではありませんが、実際に店頭で提供している商品を味わってもらうイベントは開催したことがありませんでした。

そこで、antenna*の北見さんにご提案いただき、普段は飲まないような幅広いメニューを試飲するイベントを開催することになりました。

上島珈琲店を利用したことがない方に魅力を知ってもらったり、普段来ている方にも未開拓のメニューを知ってもらったりすることができたと思います。

また、思っていた以上に参加者から意見がたくさん出てきて大変参考になりました。少人数でやりとりできるのは楽しいですね。これからの商品やイベント開催に活かしていきたいと思います。

北見さん(antenna*):今回は、antenna*で展開する「カフェとパンとスイーツと」のスピンオフ企画としてイベントを開催しました。上島珈琲店さんのメニューの豊富さに魅力を感じていたので、それをアピールできるようなイベントにしてはどうかと提案させていただきました。

イベントを終えて、その点はしっかりと伝えられたと感じています。特に、私が代表例にはなるのですが、普段ブラックを頼みがちな人には、そのほかにも魅力的なメニューがあることを知ってもらえたと思います。

また、このSNS時代に少人数イベントを行う価値も重要なポイントです。どんなにネットが発達していても、味わう、触れることはまだできません。では、効率よく直接体験してもらうために大きなイベントをやればいいのかと言うと、それだけでもないと思っています。

いくら大きなイベントを開催しても、SNS上でその話題は数日も持ちません。それなら、手間はかかっても、細かな発信を連続して行うことが大事だと思っています。きちんとおもてなしできる環境をつくり、普段の価値を伝え続ける機会をこれからもつくっていきたいです。

また、東京都内、関東近郊でさまざまなイベントが行われていますが、自社の発信だけでは伝えきれないを価値や魅力を代わりに発信し、antenna*ユーザーに楽しんでもらいたいと考えています。流行の発信場所としてantenna*を機能させたいので、これからもこういったイベントは続けていきたいです。

筆者もたまにコーヒーチェーンに足を運ぶが、言われてみれば確かに毎回同じメニューしか頼んでいない。他にどのようなメニューがあるかすら把握していないといっても過言ではないほどだ。

そんなカフェユーザーにとって、このようなイベントは、未知の領域へのハードルを越える後押しをしてくれる貴重なものだと感じた。筆者も今回6種類(店頭販売されている商品)のコーヒーを飲んでみて、普段なら絶対にチャレンジしないが、飲んでみると自分好みだと感じるものが多々あり、参加者も同様の感想を述べていた。

また、お客として店頭に足を運んだ時には知り得ないこだわりを聞くことによって、よりコーヒーを楽しむことができた。タイトル通り、「コーヒーで笑顔になる」素敵なイベントだった。

(取材・撮影=江戸しおり/編集=SAGOJO、樋口陽子)

キリン×antenna*「クラフトビールをカップルで飲み比べ!<antenna* SPECIAL> GRAND KIRIN CRAFT BEER ROOM」イベントレポート(2)

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まず、白石さんによるクラフトビールについての導入説明が開始される。アメリカ本土では「小規模で、独立していて、伝統的である」ことがクラフトビールの条件だが、キリンビールでは、「造り手の感性と独創性が楽しめるビール」と定義し
キリン×antenna*「クラフトビールをカップルで飲み比べ!<antenna* SPECIAL> GRAND KIRIN CRAFT BEER ROOM」イベントレポート(1)

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2018年7月23日夜、ビールを主とした酒類飲料の製造・販売を手がけるキリンビール株式会社(以下キリンビール)と、ライフスタイルや東京のトレンド情報を発信するキュレーションアプリantenna*の共同主催で、「クラフトビールをカップルで飲み比べ!<antenna* SPECIAL> GRAND KIRIN CRAFT BEER ROOM」イベントが開催された。会場は、千駄ヶ谷のフリーレンタルスペースGOBLIN。

ルシアン×antenna* の体験型イベントのつくりかた『「Quilts1989 / 100ネエサン」特別ワークショップ』レポート(1)

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1 8月, 2018
2018年6月22 日、代官山にあるLECIEN CREATIVE SPACEにて、『「Quilts1989 / 100ネエサン」特別ワークショップ』が開催された。ワークショップの内容は、手芸作家の中島一恵さんが手がける
ルシアン×antenna* の体験型イベントのつくりかた『「Quilts1989 / 100ネエサン」特別ワークショップ』レポート(2)

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1 8月, 2018
たとえば、こちらの参加者の方の作品。黒字にショッキングピンクという色使いの映え具合が美しく、極め付けにアクセサリーとなっているピアス・ネックレス・ブレスレットの部分が、玉留め技法を多く用いて立体的になっているところが面白
テイクアンドギヴ・ニーズ×antenna*の体験イベントのつくりかた 映画館とはひと味違う体験を〜『T&G Films』レポート

テイクアンドギヴ・ニーズ×antenna*の体験イベントのつくりかた 映画館とはひと味違う体験を〜『T&G Films』レポート »

2018年5月30日の夜、アーカンジェル代官山で「T&G Films」が行われた。婚礼の会場を全国で60店舗ほど運営するテイクアンドギヴ・ニーズと、ライフスタイル情報をキュレーションするスマートフォンアプリantenna* が共催する、ウェディング会場でショートフィルムを鑑賞するという新たなエンターテイメントイベントだ。

 

この日だけでなく、全国約30店舗で、平日夜にショートフィルムの鑑賞イベント「T&G Films」は行われているという。

都内会場は7店舗で実施。今回会場になっているアーカンジェル代官山の大きな玄関をくぐって、ポーチを抜け、ドアを開けると、婚礼会場らしく祝祭にあふれた非日常的な空間に包まれる。上質な空間に贅沢な気持ちになる。受付をして、上映会の会場へ。柔らかい色合いの生花のブーケと上品にテーブルコーディネイトされた丸テーブルに席をとる。

 

上映会がはじまるまで、参加者はしばしの間、特別な空間にただよう雰囲気を味わいながら、空間を写真に撮ったりと思い思いに自由な時間を過ごす。

 

ドリンクオーダーもでき、スパークリングワインやビール、彩り鮮やかなノンアルコールカクテルのほか、コーヒー、紅茶、ソフトドリンクも。この会場ではスペシャルドリンクとして色が変わる不思議なハーブティーバタフライピーが用意されていた。他にフォトスポットを用意する会場もあり、会場ごとに違ったおもてなしが用意され、いつもの映画館とはひと味違った、婚礼会場らしい趣を感じる。

 

いよいよショートフィルムの上映会がスタート。今回選ばれた上映作品は3作。米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭の「ショートショート フィルムフェスティバル& アジア」が今年20周年を迎えることを記念したプログラムで、映画祭の受賞作のなかから選ばれた3作を鑑賞する。

 

今回は受賞作品の鑑賞となったが、「T&G Films」では毎月上映作品を変えており、これまで「Happy End」や「Love」といったテーマでチョイスされてきた。ショートフィルムというジャンルには5分のものから長くても25分のものまであり、「T&G Films」では全体で1時間に収まるよう、毎回3〜4本の作品を上映している。6月からのテーマは「Romance」だ。

作品名:「ゲット・アップ キンシャサ! / Get Up Kinshasa!」(フランス/コンゴ民主共和国)2016年

 

作品名:「インタビュー/ The Interviewer」(オーストラリア)2012年

 

作品名:「合唱/ SING」(ハンガリー)2015年

 

この日、上映された受賞作品はこの3作品。ショートフィルムならではの短時間にシンプルなメッセージが込められたもので、上映合間の休憩時間には、参加者は「こっちの作品が好き」「こういう意味だよね」と作品の感想や解釈を語り合う姿もあった。

 

すべての作品を鑑賞し終わると、映画館のように入れ替え制ではないため、席にしばらくいて会話を楽しんでもいいし、世界観に浸っていてもよい。会場のチャペルを内覧することもできる。なかには、「T&G Films」の参加をきっかけに、実際に婚礼会場として利用に至ったケースもあるという。

 

上映会を共同開催したテイクアンドギヴ・ニーズ新規事業開発部の宮﨑いづみさんと、antenna*副編集長の小川智宏さんに企画の背景や開催効果についてお話を伺った。

宮﨑いづみさん(テイクアンドギヴ・ニーズ)

「テイクアンドギヴ・ニーズでは、婚礼の会場を全国で60店舗ほど運営しています。婚礼という性質上、お客様との接点は、結婚式の日を境に終わってしまうということがありました。企画の背景には、結婚式後に会場に足を運んでいただく機会を設けられていなかったという弊社側の思いもあるのですが、お客様からいただいた『思い出の場所にまた行きたい』という声もきっかけの一つです。また、会場ご利用者様だけでなく、近隣の方々にも会場のことを知っていただいて、周りの皆さまに愛していただける場所にと思いまして、『T&G Films』を企画いたしました」

 

「リピーターになっていただく方も多く、特に映画を観る時間以外に、前後の時間の過ごし方が式場ならではだと思います。フォトジェニックな場所も多くあるので、女性同士で写真を撮られたり、終わったあともソファに座りながら余韻に浸られたり、という姿をよく拝見します。通常の映画館とは違う時間や空間の提供に満足いただいていることが、アンケートのご回答からもみてとれます」

 

小川智宏さん(antenna*副編集長)

「テイクアンドギヴ・ニーズさんが『T&G Films』で表現されている上質な世界観が、われわれantenna*が標榜している豊かなライフスタイルを伝えるコンテンツとマッチして非常によかったと思っています。antenna*ユーザーさんたちが憧れられる世界観がテイクアンドギヴ・ニーズさんの空間にはあって、そのなかで映画を楽しむという体験を提供できています」

「antenna*でも、ショートフィルムをアプリ内で配信し、カルチャーとして芸術分野のコンテンツともコミットしてきています。記事の延長線上に、今回の『T&G Films』のようにリアルにその世界観を提供できるという流れをつくることができたこともありがたいですね。僕も実際に体感してみて、スマートフォンの画面でみるショートフィルムとも、映画館でみる映画とも、全く別物の体験だと感じました」

 

テイクアンドギヴ・ニーズといえば、ウェディング業界参入当初にはエンドロール・ムービーの当日編集という演出で驚かせ、いまでは業界の常識にしたというチャレンジャー。「変えるのはウェディングだけじゃない。全ての人の“心”を、“人生”を豊かに。」を掲げる。一方で、「より豊かな体験をしてもらいたい」と上質なコンテンツを届けるキュレーションアプリantenna*。提供する世界観に親和性があるだけに、参加者は居心地がよさそうに時間を過ごしていた。

 

ケンタッキー×antenna* の体験型イベントのつくりかた 「ケンタッキーフライドチキン『“チーズたっぷり”な新商品』発表会&試食会」レポート

ケンタッキー×antenna* の体験型イベントのつくりかた 「ケンタッキーフライドチキン『“チーズたっぷり”な新商品』発表会&試食会」レポート »

CMや動画でよく知っている商品や企業。SNSやオウンドメディアでタッチポイントはふえ、距離感は以前より近くなってきた。でも、開発に携わっているひとたちとのダイレクトなコミュニケーションの機会はまだまだ少ない。今回は、スマートフォンアプリサービスが仲をとりもち、企業とユーザーのリアルコミュニーションの場をつくった取り組みを紹介する。

 

2018年3月15 日夕刻、全国に「ケンタッキーフライドチキン」を展開する日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(以下日本KFC)と、ライフスタイル情報をキュレーションするスマートフォンアプリサービス「antenna* 」の共同主催で、「ケンタッキーフライドチキン『“チーズたっぷり”な新商品』発表会&試食会」が開催された。

日本KFCは、3月23日から、3つの新商品「サクサク骨なしケンタッキー<芳醇チーズ衣>」「とろ~りチーズチキンサンド」「Krushers(クラッシャーズ) キャラメルクランチ」を販売する。今回はその発表会・試食会とあって、antenna* のユーザーなど約80名が、横浜にある日本KFC本社6階に集まった。

同日昼間には一般メディア向けのリリースが行われていたが、それとは別に、今回のイベントが開かれた理由のポイントとなっているのが、KFCにとってターゲット層でありながらも普段なかなか接点を持つ機会のない、10代〜20代の女性たちの存在だ。普段直接アプローチできる機会の少ない生活者の中でも、流行に敏感で、SNSなどを使った拡散力の高い彼女達に、商品を事前に試してもらうことによって、よりみずみずしい「生の声」が、自然に広まっていくことへの期待ができる。

 

普段は一般の人々は立ち入ることのできない6階の会場で、イベントが幕を開ける。司会進行は世界に2人しかいない「オリジナルチキンマイスター」の笠原氏だ。もう一人の「オリジナルチキンマイスター」、羽鳥氏も同会場で進行を見守る。

早速、新商品についての説明が行われていく。

新商品紹介の間に挟まれる形で、3月23日から放送予定の新CMのプレ上映も行われた。また、続いて新しくリリースされたKFC公式アプリの「KFCマイレージプログラム」の紹介が続く。

 

いよいよ試食タイムへ

説明が終わると、待望の試食タイムへ。

会場内にはあらかじめ多数のテーブルが用意されており、それぞれに春らしくピクニックを思わせるような装飾と、ソフトドリンク、紙皿・紙コップ、紙ナプキンやおしぼりなどの準備がなされていた。

さらに今回、注目を浴びたサービスが限定店舗で展開中の「フィンガーナップ」だ。これは指先専用のビニール手袋で、脂などで汚れがちな手先にこれを装着することで、指を汚さずにチキン等を食べることができるという、画期的なアイテムだ。「スマホなどを触りながら食事をする方向けに」と、現代の社会の風潮に合わせ開発されたものだという。

「新商品と通常商品を食べ比べながら楽しんでもらえるように」との主催側の心遣いのもと、各テーブルに、特別な春仕様のバーレル(入れ物)に入ったオリジナルチキンと、カーネリングポテト、ハニーメイプル付きのビスケットが置かれていく。一方、新商品はブースでのビュッフェ形式となっており、早くも長蛇の列が見られた。

 

参加者の声

会場に訪れていた参加者の方々に、感想を聞いた。

「チーズが大好きなので、ケンタッキーの中で一番好きな商品のチキンとのコラボレーションが嬉しかったです。今日のチキンは骨がないから食べやすかったし、やっぱりチーズの風味がすごくいいと感じました」

「サンドの中のチキンがすごく厚みがあって、さすがチキンにこだわるケンタッキーならではのサンドだなって思います。ボリューム感も大満足」

「あと、チーズが、よくありがちな固形的な感触がなくてすごくとろけているので、癖がなくて、チーズが苦手な人にも楽しめるようになっていると思います」

 

「フィンガーナップ、手が汚れないので最高です!普段からケンタッキーにおいてあるのなら、毎回、商品を買ったお客さん全員につけてあげて欲しい。いちいち指ふかなくてもいいし、まとめて食べて、何か他のものを触るときは外して、ってできるので」

 

「チキンの骨がないのがすごく良かったです!やっぱり女の人って食べるの気を遣うじゃないですか、手を汚したくないし、口から骨を出したくないし。なので、キレイに食べられて満足感が高かったです。ゴミも出ないですし。それと、ビニール手袋最強。普段使いで、マイ手袋持ち歩いて使いたいです(笑)。チーズの味も、チーズ自体が大好きなので、いい意味で味が濃くって、それなのにくさみや臭いがなくて、おいしかったです」

 

「ケンタッキー大好きでよく行くんですけど、いつも食べるオリジナルチキンと今回の商品では“皮感”が違いました。サクサクしてておいしかったです」

「甘いのがすごく好きで、キャラメルのクラッシャーズは3つ飲んじゃいました(笑)。全然飽きなくて、いくらでも飲めちゃいます。通常メニューのビスケットも安定で美味しいし、全部するするいけちゃう感じ。」

「今日一番好きだったのはチキンです!チーズがすごく好きなので。時間が経ってない、できたてのサクサクを味わえたっていうのが最高でした。早速アプリダウンロードして、たくさんリピートしようと思います!」

 

「全部ペロッと食べちゃいました。新商品のチーズのチキンは、絶対お酒に合いそう。普通のオリジナルチキンと食べ比べながら、ビール飲みたいです(笑)。クラッシャーズは、ナッツのカリカリ感が美味しかった。サンドもおいしくて、持って帰りたいですね(笑)!」

 

イベント共同主催の理由

ベント閉会後、今回のイベントを行うことになった経緯とねらいについて、antenna* の北見裕介さん、日本KFCの鈴木真美子さんに、それぞれお話を伺った。

北見さん(antenna*):

「今回縁あってケンタッキーさんとのコラボが実現したわけですが、そもそも私たちはスマホ向けのアプリサービスを提供する会社とあって、昨今のスマホの使われ方の時流による変化というものを感じてきていたんです。かつてはゲームですとか、そういうバーチャル空間を楽しむ1デバイスとしての側面を持っていたものが、今は、出かけた先で写真を撮って残したりですとか、そういう日常生活に紐付いたものになってきている」

「であれば、僕らもバーチャル空間を抜けて、机上のものではないリアルな体験としての“出かけたくなる場所”を作ろう、と。どこかに行きたくなる、みたいな要素を提供していきたいと思ったんですよね。実際、CMとか動画で商品の説明を見ることはできるけど、途中で見るのが面倒になってしまったりするじゃないですか。でも、こうやって実際に足を運べば、商品づくりに深く携わっている人たちのお話を聞きながら“こういう風に食べたらおいしいんだ!”“こうやって作られているんだ、すごいな”っていうことを感じることができる。今回のイベントは、参加者の方々にそういった思いを持って帰ってもらうことができたら、それで成功かなって思っています」

 

鈴木さん(日本KFC):

「今回、私たちがなかなか普段リーチできない若い女性を中心とした一般のお客様と、ありがたいご縁でこういった場を設けていただけたことは、すごくいいきっかけになったと思っています。普段多少なりとも我々に興味をもってオウンドメディアを見てくださっている層とはまた違ったところに向けて、インスタグラムとかツイッターとか、拡散力のあるSNSを使っていち早く情報を発信していただけるかな、という要素もあります」

「また、今回のイベントで提供した新商品と、若い女性のお客様というターゲット層の合致も良かった点だと思います。チーズそのものが今女性に人気のある食材であるということと、クラッシャーズは元々若い女性に向けた商品として展開していたので。今回は食べ比べ用のメニューとして通常商品もご用意させていただきましたが、その中で選択したビスケットという商品も、女性に人気がある、というポイントがありました」

ケンタッキーでは、「おいしさ、しあわせ創造企業」という理念が掲げられ、日夜顧客に“おいしいもので幸せになってもらう”ための商品づくりが行われている。

今回のイベントに関しても、参加者層に合わせた提供商品の選定などが行われていた。

 

顧客の満足度第一に商品の展開を行っていくKFCと、ユーザーにスマホでの情報を契機とした「体験の楽しみ」を提供していくantenna*。それぞれの「顧客を思う気持ち」が相乗効果を生み、非常に来場者満足度の高い、和気藹々とした春先のイベントとなった。

(取材・撮影=本田恵理/編集=樋口陽子)