【特集:リアルイベント復活の舞台裏】日本能率協会 理事 小宮太郎さん インタビュー

関西ホテル・レストラン・ショー直前インタビュー 日本能率協会_小宮太郎さんWeb用_緊急事態宣言後初の展示会

特集:リアルイベント復活の舞台裏 より
関西ホテル・レストラン・ショー開催直前インタビュー
日本能率協会 理事 小宮 太郎 さん

いよいよ展示会が再開する。7月29日から31日の3日間、インテックス大阪で関西ホテル・レストランショーほか5展が開催される。新型コロナウイルスの感染拡大を懸念する自粛ムードもあるなか、開催を決断し、準備を進めている日本能率協会理事の小宮太郎さんにうかがった。

商談機会を求める声に応えて

–コロナ禍の影響は大きかったですか?

小宮 私ども日本能率協会は年間約30件の展示会を開催しています。2月18日から21日まで開催の国際ホテル・レストラン・ショー、翌日から開催の「国際物流総合展2020」を最後に、3〜6月のイベントを中止・延期しました。

–今回の開催に至った経緯は?

大企業はもちろん、特に中小企業にとって、展示会という商談機会が失われたことは大変大きいことです。営業活動、マーケティング活動を行いたい、と多くの方からお声をいただき、それにお応えするために開催を決意しました。

–大阪での開催については?

小宮 ホテル・レストランショーとしては2005年以来の大阪開催となります。東京2020の影響で大阪開催は決まっていたのですが、MICEによる都市づくりを進める大阪府・大阪市・大阪観光局のサポートをいただけるのはコロナ禍の状況では大変心強いです。ガイドライン作成だけでなく再開への気運づくりなどもしていただきました。出展者・来場者の声に自治体のバックアップをいただけ、とても心強いです。

時間制の来場予約と入場制限

–開催規模はどれくらいになりますか

小宮 インテックス大阪の1〜6号館を使用しての開催となります。

–感染防止対策はどのようにされていますか

小宮 サーモカメラの設置や救護室、隔離場所、医療従事者の常駐など、ガイドラインに沿った対策をしっかり実施します。6月末にスタッフが現地に入り、会場や協力会社との連携シミュレーションを繰り返して、あらゆる状況に対応するべく準備を進めています。

–ソーシャルディスタンスの確保についてはどのような対策をされていますか

小宮 今回は完全事前登録制にしており、さらに参加者には1時間ごとの来場時間を決めて申し込んでいただいております。当日はホールごとに実際の入場者数と来場者数をリアルタイムでカウントし、館内の人数を制限します。事前に登録されていても、その際の館内の人数によっては待機していただくこともありかもしれないので、そのあたりのご理解は来場者に事前に周知を図っていく必要がありますね。

 

–万全の備えですね

小宮 最善を尽くしていますが、これが最適解になるとは考えていません。会場には他の展示会の担当者も集まり、改善点を見つけて、10月の「北海道 都市開発・建設総合展 2020」11月に東京で開催する「ジャパンホームショー」などに活かしていきます。PDCAを高速でまわすのは、私どもの日頃の活動と一緒です。

 

今回のゴール

–展示会開催にあたり、目指すところは?

小宮 もちろん無事に開催することが絶対条件です。これからどう情勢が変わるかわからないので、すべてのステークホルダーに情報共有すること。場合によっては中止という選択を迫られることもあるかもしれません。出展企業様に向けての目標としては、来場者の数には制限がありますので、質の高い商談機会を提供するための有力バイヤーの誘致に注力いたします。もともと、私どもは、数よりも質にこだわっていたので、変化というより強化ですね。効果をあげるために、セミナーなど一部のハイブリッド対応も検討しています。そして、経済を振興させること。コロナ自粛によりこのままでは経済がしずんでします。我々の事業をサポートしてくださる企業と働く人がいる展示会産業のため、という使命感もあります。
それとあわせて出展者、来場者、産業界に対して、感動を届けられるような展示会にすることですね。

–感動する展示会ですか

小宮 私は展示会事業が天職だと思っています。なにもない広い会場に、展示会の設備が施工され、出展品が並ぶ。当日は、ワクワクしながら期待に胸を膨らませた購買意欲の高い来場者が多数集まり、出展企業の方がお迎えする。数日の会期が終わると、またなにもない広い空間にもどり、会期中に得たリードをもとに人々も日常に戻ります。しかし、会場以外のところでいろんなビジネスが動き始めている。それから半年、一年後のお客さまの笑顔との再会のために、昨年の反省をし、お客様や委員の声を聞いて改善していく。お客さまの笑顔のために今年はどうしていこうか。そういう熱気と意欲、向上心のあるコミュニケーションこそが、世の中を動かし、イノベーションがうまれるのではないか。今後はオンライン等も取り入れたハイブリット型にも挑戦していきますが、私はどんな時代になってもリアルな展示会はなくならないと思っています。

 

 

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