関西初の「熱エネルギー展」:産業のエネルギー消費の約6割は「熱」
リリースによると、今回、新設される熱エネルギー展は、ボイラー、ヒートポンプ、蓄熱、廃熱回収など、熱の「つくり方・使い方・回収・制御」に関わる製品や技術を紹介する展示会だ。主催者が、新設の背景として挙げるのは、産業分野のエネルギー消費の約6割を、「熱」が占めるとされる点だ。この数値は、経済産業省資源エネルギー庁の資料(2021年5月)が出典とされている。電力だけでなく、熱の脱炭素化にも取り組む必要があるという考え方である。
もう一つの背景が、制度の動きだ。リリースは、排出量取引制度(GX-ETS)が2026年度に本格的に始まり、CO2の直接排出量が、直近3か年度の平均で10万トン以上の事業者に、参加が義務づけられることに触れている。こうした動きが、熱の設計を見直す動機になるとしている。また、開催地の関西については、化学、鉄鋼、生産用機械などのメーカーが集積するものづくりの拠点だと説明している。大阪府の製造事業所数は18,481で全国最多、従業者数は446,661人で、愛知県に次ぐ全国2位とされる。東大阪市の製造事業所は5,564で、工場密度は全国1位という(令和3年経済センサス)。
熱エネルギー展の主な出展例
リリースには、熱エネルギー展の出展例として3社の製品が挙がっている。ノーリツの「ソフトクール」は、水が蒸発するときに熱を奪う性質(蒸発潜熱)を使った冷房機で、エアコンよりも省電力とされる。寺田鉄工所の太陽熱温水器「サントップ」は、ヒートパイプ方式で、給湯器やボイラーの一次側に直結できる。エー・アンド・デイの「サーマルエミュレータ」は、熱マネジメントの開発や評価に使う試験装置だ。
FUSION POWER WORLD:核融合発電の基盤技術
特別企画の「FUSION POWER WORLD -核融合発電ワールド-」は、核融合発電に関わる基盤技術を展示する。出展例として、Starlight Engine株式会社は、2030年代の発電実証をめざす民間主導のプロジェクト「FAST」を紹介する。リリースによると、方式はトカマク型で、概念設計は完了している。グレンエアは、ITER(国際熱核融合実験炉)の試験用装置に使われる、ロボットアーム用の角型コネクタを出す。アライドマテリアルは、ITERのダイバータに搭載されている「タングステンモノブロック」を展示する。
構成展と特別企画:太陽光、二次電池、スマートグリッド、水素
SMART ENERGY WEEK【関西】は、複数の専門展で構成される。リリースによると、「PV EXPO【関西】(第14回 太陽光発電展)」、「BATTERY JAPAN【関西】(第13回 二次電池展)」、「SMART GRID EXPO【関西】(第13回 スマートグリッド展)」の3展だ。特別企画として、「H2 POWER WORLD OSAKA -[関西]水素エネルギーワールド-」と、前述の「FUSION POWER WORLD」を設けた。同時開催は、「第6回 脱炭素経営 EXPO【関西】」と、新設の熱エネルギー展だ。水素エネルギーワールドの具体的な内容は、リリースには記載がない。
規模、来場登録、カンファレンス:公式サイトの情報
リリースの本文には、出展社数や小間数、来場者の見込みは書かれていない。「西日本最大級」の根拠は、脚注に、同種の展示会と比べた出展社数と製品展示面積(主催者調べ)とある。一方、公式サイトには、同時開催展を含む規模の見込みとして、出展企業・団体が230、来場者が12,000人、カンファレンスが80講演、海外からの出展社・来場者が29と掲載されている。いずれも見込みの数値だ。
公式サイトによると、来場には事前の来場登録が必要で、登録は無料だ。課長職以上の人を対象にした、無料のVIP来場登録もある。登録後は、公式のデジタルツール「NOW」にログインできる。カンファレンスは、来場登録とは別に、無料の事前申込が必要で、オープンセミナーは、無料で事前の申込みは要らない。カンファレンスの講演者として、経済産業省資源エネルギー庁新エネルギーシステム課長の渡辺信彦さん(省エネ・新エネ政策)、近畿経済産業局の潮崎雄治さん(GX実現に向けた国・関西地域の動向と支援策)、環境省近畿環境局の鈴木啓太さん(地域脱炭素)、E-Flowの川口公一さん(DER活用と電力ビジネスの未来)、京都フュージョニアリングの小西哲之さん(フュージョンエネルギー産業とサプライチェーン)、積水ソーラーフィルムの森田健晴さん(フィルム型ペロブスカイト太陽電池)、神戸製鋼所の深野雄大さん(水素利活用の取組み)、パナソニックエナジーの藤川万郷さん(二次電池の進化)が掲載されている。このほか、大阪府、関西広域連合、関西経済連合会、大阪商工会議所、関西電力、大阪ガス、川崎重工業、パナソニック エナジー、OZCaFなどが、イベントアンバサダーとして参画している。
取材と主催者について
報道関係者の取材は、事前申込制だ。取材の対象などの事前相談にも応じるとしており、会期前日の11月17日(火)の取材も、調整できる場合がある。当日の問い合わせにも、可能な限り対応するという。申込みは、取材申込のページから行う。主催のRX Japan合同会社は、代表執行役員社長を田中岳志さんが務め、リリースによると、2026年は年間38分野109本の展示会を開く予定だ。
実用化がこれからの分野
今回のSMART ENERGY WEEK【関西】は、これまで電力に関わる分野が中心だった構成に、「熱」の展示会が加わる点が特徴だ。主催者は、産業のエネルギー消費に占める熱の割合と、排出量取引制度の本格稼働を、新設の理由に挙げている。出展例も、冷房機、太陽熱温水器、試験装置と幅があり、核融合発電のような、実用化がこれからの分野も並ぶ。来場登録は無料で、カンファレンスは80講演が予定されている。関西のものづくり企業が、脱炭素にどう向き合うかを探る場になりそうだ。当日の来場者数や、新設の熱エネルギー展の反応が、どのように公表されるか、注目したい。
開催概要
- 名称:第14回 SMART ENERGY WEEK~スマートエネルギー WEEK~【関西】
- 同時開催:第6回 脱炭素経営 EXPO【関西】、第1回【関西】熱エネルギー展 -I-TEX JAPAN-(関西で初開催)
- 会期:2026年11月18日(水)〜20日(金)10:00〜17:00
- 会場:インテックス大阪
- 主催:RX Japan合同会社
- 構成展:PV EXPO【関西】、BATTERY JAPAN【関西】、SMART GRID EXPO【関西】
- 特別企画:H2 POWER WORLD OSAKA、FUSION POWER WORLD
- 入場:事前来場登録制(無料)
- 規模(見込み):出展企業・団体230、来場者12,000人、カンファレンス80講演(公式サイトより)
- 公式サイト:https://www.wsew.jp/osaka/ja-jp.html




















