東京ビッグサイトに出展する前に知っておきたいルール【2026年版】搬入出・駐車・重量制限・設営工事・事務室まで会場の手引きで解説

東京ビッグサイト 展示施設利用の手引き

東京ビッグサイトに出展する前に知っておきたいルール【2026年版】搬入出・駐車・重量制限・設営工事・事務室まで会場の手引きで解説

東京ビッグサイトの展示会に初めて出展する担当者が戸惑いやすいのが、搬入の段取りや、ブースの設営に関する決まりごとだ。会場の貸出ルールは細かく定められていて、守らないと搬入が止まったり、費用を請求されたりすることもある。

この記事では、東京ビッグサイトが公開している「展示施設利用の手引き」(2026年10月改訂版)をもとに、出展者が知っておきたい会場のルールと設備を整理する。会場の面積や天井高は東京ビッグサイトのホール構成と面積で、改修による使えないホールの情報は東京ビッグサイトの改修工事・休館スケジュールで解説している。

最初に知っておきたい、2つのルールの違い

出展者が守るルールには、2つの層がある。1つは、会場である東京ビッグサイトが決めた「施設利用の手引き」で、これは会場を借りる主催者に向けた決まりだ。もう1つは、展示会ごとに主催者が出展者に配る「出展マニュアル」である。

出展者は、会場と直接契約するわけではない。会場から借りるのは主催者なので、搬入の日時、車両の入場方法、ブースの高さ制限、電気や水道の申し込みなどは、基本的に主催者の出展マニュアルに従う。手引きの内容は、出展マニュアルの土台になっている決まりだと考えるとよい。出展マニュアルと食い違うときは、主催者に確認するのが確実だ。

なお、手引きは工事の状況などによって改訂される。この記事の数字は2026年10月時点の手引きに基づくので、出展前には最新の案内を東京ビッグサイトの公式サイトや主催者から確認してほしい。

搬入・搬出のルール

車両の動線と待機場所

搬入と搬出の車両は、ホールごとに通るゲートと動線が決まっている。東1〜8ホール、西1・2ホール、南1・2ホール、西3・4ホール、南3・4ホールで、それぞれ動線が違う。実際にどのゲートを使うかは、主催者が会場と打ち合わせて決め、出展者には出展マニュアルで知らされる。

  • ホール内での車両の速度は10km/h以下、トラックヤードは20km/h以下
  • 作業が終わったら、車両はすぐに移動する。フォークリフトなどの留め置きは禁止
  • 会場周辺の道路への駐車は、道路交通法で禁止されている。決められた待機場、トラックヤード、指定駐車場だけを使う
  • 宅配便での搬入は、日時と場所を指定し、出展者か主催者が必ず立ち会う。契約日以外の宅配は禁止
  • 宅配の荷物には、ホール名、展示会名、小間番号、受取人名、連絡先を明記する

搬入出口の大きさ

大型の機械や什器を運ぶ出展者は、搬入出口のシャッターの大きさを必ず確認してほしい。手引きに載っている寸法は、次のとおりだ。

  • 東1〜6ホール:間口7.2m、高さ5.8m(一部は高さ4.9m)のほか、間口9.2m、高さ8.0mの大型口もある
  • 東7・8ホール:間口7.4m、高さ5.9m
  • 西1・2ホール(1階):間口7.4m、高さ6.0m(連絡通路の下にある一部は高さ4.1m)
  • 南1・2ホール(1階):間口10.3m、高さ4.1m(南1-Cのみ間口6.9m)
  • 西3・4ホール、南3・4ホール(4階):高さは4.6〜4.7m程度で、スロープを通って入る

東1〜6ホールの高さ4.9mの口は、強風のときに防風シャッターを設置する場所とされている。どの口を使えるかによって運べる荷物の大きさが変わるので、大型の荷物は、事前に主催者へ伝えておくと安心だ。

4階のホールに入るスロープ

西3・4ホールと南3・4ホールは4階にあり、搬入出には専用のスロープを使う。スロープを通れるのは、荷物を積んだ状態で車両総重量10tまでの車両だ。西屋上展示場も同じく10tまでとなっている。西3・4のスロープは幅7.2mで最大傾斜が約7.5度、南3・4のスロープは幅7.2mの一方通行(4階から1階へ)で最大傾斜が約9.5度とされている。前の車両がスロープを通過したのを確認してから進むことも、決まりに入っている。

夜間の出入り

施設の自動扉が開いているのは、通常、8時から20時までだ。この時間の外に出入りするときは、各展示棟にある夜間通用口を使う。早朝や夜遅くまで作業が続く設営日は、通用口の場所を主催者に確認しておくとよい。

重量・車両の制限

東京ビッグサイトの床は、ホールによって耐えられる重さが違う。機械や車両などの重いものを展示する出展者は、特に注意が必要だ。

  • 床の耐荷重は、東1〜8ホール、西1・2ホール、南1・2ホールが1平方メートルあたり5t
  • 西3・4ホール、南3・4ホールは、1平方メートルあたり2t
  • 総重量5t以上(西3・4、南3・4は2t以上)の重いものを持ち込むときは、図面を付けた「重量物持込み申込書」の提出が必要
  • 展示物1つの重さが50tを超えるときは、会場との事前協議が必要
  • 東1〜8、西1・2、南1・2ホールに入れる車両は、荷物を積んだ総重量が45tまで
  • 吊り上げ用のクレーンは、45tのラフタークレーンまで。重さに応じた敷板の養生が決まっている

ホールの床は、ピットと呼ばれる溝に囲まれた区画に分かれていて、区画ごとに展示物の総重量の制限がある。ピットの蓋の上に重い車両や、クレーンの脚を載せることはできない。重量物の展示は、主催者を通して会場に相談するのが基本だ。

駐車場と車両の待機場

車で会場に来る出展者や、搬入の車両が多い展示会では、駐車場と待機場の確認が欠かせない。

  • 展示ホールのトラックヤードには、関係者用の駐車場がある。足りないときは、有料の駐車場を使う
  • 会議棟地下、東棟地下、南棟立体の各駐車場は、営業時間が8時から22時で、普通車は30分250円、1日の上限が2,000円
  • 東棟屋外、有明東、東雲には、展示会の開催時に開く臨時の駐車場がある
  • 夜間の留め置きはできない
  • トラックなどの待機場は有料で、事前に「待機場利用申込書」と警備の配置図を会場へ出す必要がある

駐車場の台数や料金は、工事の状況によって変わる。この記事の料金は2026年10月時点の手引きの数字なので、最新の情報は会場の公式サイトで確認してほしい。電車での行き方は東京ビッグサイトへの行き方にまとめている。

ブースの設営・工事のルール

建物に直接さわる作業は禁止

施設の傷みを防ぐため、次のような作業は禁止されている。

  • 釘や鋲の打ち込み
  • 床や壁を掘る、切る、ガスで溶接する作業
  • ペンキなどの塗料を直接塗ること
  • 接着剤を塗って貼り付けること
  • 柱への針金の巻き付けや、看板を支える物として柱などを使うこと

塗装の残りや、クロス貼りののりを排水管に流すことも禁止されている。違反すると、廃棄物処理法や下水道法に触れることもある。

床のアンカーボルト

ブースを床に固定するアンカーボルトは、東1〜8、西1〜4、南1〜4の各ホールでは、決められたものだけ打てる。打てるのは、直径16mm以内、深さ60mm以内の芯棒打ち込み式のものに限られる。リンクスペースや、アトリウム、屋上展示場には打てない。

アンカーを打つときは、事前に「アンカーボルト設置届」を出し、使った本数に応じた床補修費を、展示会の終了後にまとめて負担する。切り残しや無届けの工事があれば、補修費が別に請求される。

天井からの吊り物

  • 東1〜8、西1〜4、南1〜4ホールとリンクスペースには、吊り物用のフックがあり、1か所あたりの荷重は300kg以下
  • ガレリアやエントランスホールには、吊り物用のフックがない
  • 設置する前に、位置と重さを書いた図面を出し、「吊り物工事作業届」の承認を受ける
  • 作業には、キャットウォークは使えない。高所作業車を自分で用意する
  • ホールをまたいだ吊り物は禁止

設営・撤去の作業中の決まり

  • 施工の責任者と、防火防災の担当責任者を、作業中ずっと現場に置く
  • 足場の組み立て、玉掛け、高所作業車の操作には、決められた資格を持つ人が当たる
  • 火気や、火花の出る機器は、会場内で使わない
  • 装飾の資材は、防炎性能のあるものを使う
  • 東京湾に面しているため強風の日がある。屋外の展示物は、強風への対策を十分にする
  • 電気工事は、会場が開く電気保安講習会を受けて認定された会社だけが行える

主催者事務室・商談室・設備

各ホールには、主催者向けの部屋や設備が用意されている。これらを使うのは基本的に主催者だが、出展者が事務局に問い合わせをするときの参考になる。

  • 主催者事務室:各ホールにあり、鍵のキーボックス、照明の操作盤、AEDなどが備わる
  • 商談室:各ホールにあり、個別の商談や、控室として使える
  • 休憩更衣室:更衣ブースとシャワールームがある(東新展示棟と南展示棟は除く)
  • 東VIPルーム(有料):東1ホールの横にある90平方メートルの部屋で、主催者だけが借りられる。使える時間は朝7時から最長21時
  • 南会議室(有料):南1ホールの横にあり、会議室A(170平方メートル)と会議室B(220平方メートル)を、あわせて390平方メートルでも使える
  • 救護室:東、西、南の各展示棟にある(東新展示棟にはない)
  • 照明:ホール内はLED照明で、明るさは600ルクス以上

ホール内のコンセントは、メンテナンス用なので、展示用としては使えない。作業用の仮設電源も、使えるのは設営と撤去の期間だけで、開催期間中は原則として使えない。展示に使う電気は、主催者を通して申し込む。

実演・飲食・販売のルール

  • 騒音や振動が出る機械の実演では、展示物に防震の対策をする。臭いや煙が出る実演では、外へ排気する設備を用意する
  • 展示ホールの中で、試飲や試食のサービスをするときは、保健所への届出と許可が必要。自社ブースで商談のための茶菓子を出す程度なら不要
  • 展示会の主な目的以外の物販は、展示会の目的に関係のある物品や印刷物だけ認められる
  • 電子たばこの実演では、「出展物の実演」で「喫煙所ではない」ことを表示する
  • 来場者に、浮かぶ風船を配ることは禁止
  • 盲導犬と介助犬のほかは、ペットを共用部分やレストランへ持ち込めない(ケージに入れれば可)
  • 施設内で喫煙できるのは、決められた喫煙所だけ
  • ごみは、主催者や出展者が責任を持って分別して処理する

外から持ち込む無線の機器は、使う電波の帯域によっては、事前の手続きが必要になる。ワイヤレスマイクなどを使う出展者は、主催者に早めに伝えておくと安心だ。

警備・防災・その他の手続き

警備は、警備業の認定を受けた業者に任せる必要がある。主催者は、来場者の動線や警備の計画を作り、「催物の開催届出書」を会場の安全管理課へ、開催の7日前までに出す。出展者がここに直接関わることは少ないが、搬入の誘導や、会場内の整理で、警備員の指示に従う場面は多い。

保税品を展示するときは、会場が常時の保税展示場ではないため、展示会ごとに税関へ申請して許可を受ける必要がある。海外の製品を出す出展者は、主催者へ早めに伝えてほしい。

出展前に確認しておきたいこと

  • 出展マニュアルで、搬入の日時、ゲート、車両の台数を確認する
  • 大型の機械は、搬入口の大きさと、ホールの床の耐荷重を確認する
  • 重量物やアンカー、吊り物を使うときは、主催者を通して届出が済んでいるか確認する
  • 電気、給排水、通信などの申し込みの締め切りを確認する
  • 遠方からの出展者は、宿泊先を早めに押さえる。展示会の開催日は有明のホテルが混み合うことがある

宿泊先は東京ビッグサイト周辺のホテルガイドで、会場内の食事は東京ビッグサイトの食事・レストラン・コンビニ案内で紹介している。開催予定の展示会は、東京ビッグサイトの展示会スケジュールで確認できる。

参考にした情報

田中力 MICE 研究所 代表 展示会 イベント集客は、来場者数、来場者の質、滞留時間という 集客3D理論を展開。

田中力㈱MICE研究所 代表取締役/月刊イベントマーケティング副編集長

投稿者プロフィール

田中力 ㈱MICE 研究所 代表取締役 月刊イベントマーケティング副編集長。日本展示会協会 会員交流委員会、MPI Japan Japan Chapter 役員(広報委員会)、日本イベント学会 東日本地域本部 事務局、沖縄県MICE専門アドバイザー。英国暁星国際大学卒業後、貿易・物流・小売に関わり、バイヤーのサポートとして海外展に多数参加。2015年の創刊以来、イベントマーケティング・展示会関連の取材・編集・企画にも関わる。2016年からは自社でイベント関係者向けのカンファレンスBACKSTAGEも主催。近年はイベント業界の人材課題を解決する就職フェアも実施。

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