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MICEとは

この記事に書いてあること

MICEとは

旅行会社やホテル、観光関係のワードとして「インバウンド」とともに注目されている「MICE(マイス)」。企業ミーティングの“M”(meeting)、インセンティブトラベルの“I”(Incentive travel)、国際会議・学会つまりコンベンション/コングレスの“C”(convention /congress )、展示会・イベントの“E”(Exhibition / Event)の頭文字をとったものです。

MMeeting社内会議株主総会、社員総会、社員研修、記者会見、新製品発表会
IIncentive Travelインセンティブ
トラベル
報奨旅行(生命保険、自動車会社、訪問販売などが多い)
CConventionコンベンション国際会議、学会、政府系会議
EExhibition展示会産業展示会・見本市

よくMICEの説明として上のような文章が記載されています。その通りなのですが、これは定義というよりもMICEの全体を分類しているだけで、その本質がわかりづらいかもしれません。

わかりやすく“ビジネスイベント”とざっくり捉えるのもいいかと思います。(東京観光財団ではビジネスイベンツという名称で取り組んでいます)ビジネスかアカデミックな知識や体験を共有するために、多くの人が集まるイベントということです。”人が集まる”という現象と”知見を得るため”という目的の2点がMICEというものの本質かと思います。

MICE関連ニュース
MICEの定義

そのため私たちはイベントマーケティングとMICEは似たもの同士、親戚みたいなものだと考えています。

ここ10年ほどMICEが注目されているのは、主に観光立国、観光による地域創生という文脈です。MICEイベントを実施することで、国内外から多くの人が日本に訪れる。短期的な流入人口で日本の課題である少子高齢化とそれによる経済の衰退を防ぐという面で期待されています。海外では一般観光(FIT=Free Individual Travelers )に対してのMICE、つまりグループトラベルとかビジネストラベルという意味合いでカテゴライズがきちんとされているようです。

観光の中でのMICEは、①1人当たりの消費額が大きい、②大人数の予約が早めに入る、③団体なので、ターゲットを絞ったマーケティングや直接営業が効果を発揮する、④政治問題や流行に左右されずに、安定的需要予測が立つ、といったところです。
また、行政機関である観光庁がMICEを推進しているのは、⑤開催地域の経済・学術分野の発展という理由も大きいのだと思います。
※平成28年の 訪日外国人の1人当たりの旅行消費額 15万5,896円に対して、MICE参加者1人当たりの消費額は33万6760円(ともに観光庁調べ)

またカジノを含むIR(統合リゾート)と関連してMICEが注目を集めています。いわゆるIR推進法やIR整備法で、IRの要件のなかに国際会議や国際展示場いわゆるMICE施設の建設も含まれています。

私たちMICE研究所は、このような観光振興の視点からだけでなく、イベント・集客交流産業という軸でもMICEを捉えています。

海外または県外から参加者が集まることで日本や地域への流入人口と消費額が増えるというのはあくまでもMICEの余沢です。

イベントを開催する主催者の目的である、主催企業・団体の経済的・学術的な発展と会員の交流促進などを通じ、イノベーションのきっかけをつくることがMICEの意義。その成果を高めるために、イベントの成果を向上する手法、多くのイベントが手軽に開催できるような環境づくりが、私たちの仕事だと考えています。

そのために、月刊イベントマーケティング紙面では大型で国際的なイベントだけでなく、少人数で行われるユーザー会などについても取り上げています。また、MICE研究所では、イベントの運営実務について知るため、取材や調査で得た知見を実践する場として、自分たちでもイベントを実施しています。8月末にイベントレジスト、ホットスケープの2社と共同で開催している、体験型マーケティングのカンファレンス「BACKSTAGE」のほか、「イベントの未来をつくる105人」というコミュニティに参画して「編集長に叱られる!」というトークセッションも実施しています。

もう一つ私たちが独自にMICEの定義に入れているのは、”楽しいこと”です。しのぎを削るビジネス上の商談や、社会的課題の解消、国際問題の解決に取り組むMICEの参加者は真剣そのものですが、MICEの話し合いは、未来をよりよくするためのものです。いま社会は楽しく働く、楽しく生きるという方向にシフトしてきていると思います。そんな時代をつくる会議は、真剣さのなかにも”楽しさ」が必要なのではないでしょうか?

アフターMICEという言葉があります。会議が終わった後に、地元の文化に触れたり、おいしい食事をしたり、ショートトリップをしたり。世界中から政治家や大手企業の経営者や学術界の最高権威があつまって、なにを遊んでいるんだという人もいるかもしれませんが、新しい世の中をつくる人が楽しまないと、楽しい未来はできませんよね。

MICEの定義については別記事にも詳しく書いています。

個性あふれる4つの MICE イベント

MICEという言葉が日本で使われるようになったのはおよそ10年前。しかし、MICEの4つのイベント、「ミーティング」「インセンティブトラベル」「コンベンション」「エキシビション(展示会)」はそのずっと前から開催されました。いわば4つの異なるイベントを1つのくくりにまとめた、ということです。そこにはどんなメリットがあるのでしょうか?またどんなことが課題になっているのでしょうか? まずは、4つのイベントについて、実際にどういうことが行われているかみてみましょう。

M = ミーティング( MICE のM)

Meeting MICEのM 企業ミーティングなど

会社が行うイベントで、社内と社外向けの2つに大別できます。

a)社内向けの MICE

社員総会・キックオフミーティング

社員総会とは、企業や団体の最高意思決定機関で必ず年に一度開催するもの。なのですが、会社によってはもう少しやわらかく年度方針説明会やキックオフミーティングといった形で行われることも多いようです。

経営方針発表など経営者のビジョンを社員と共有したり、表彰など社員のモチベーション向上、円滑なコミュニケーションを図る、といったことを目的に開催されます。会社の規模や参加人数によって会場や、運営方針は大きく変わります。

研修

新入社員研修はもちろん、管理職や経営層向けのものも多く実施されています。新しい役職につくための実務やマネジメント力、語学などの能力開発のほか、CSRやLGBT、働き方改革など、新しい社会課題への対応などを身につける場になっています。社員総会よりも少人数で行われるため、参加者全員で意見を出し合ったり、ワークショップ形式、チームビルディングを取り入れるなど、インタラクティブでより実践的な内容が多くなります。また、泊りがけの合宿形式をとることもあり、社員旅行の要素も取り入れることもあるようです。

社員旅行・運動会

高度成長期から昭和の時代は、社員旅行、会社の運動会や上司との飲みニケーションなどが盛んに行われていました。平成時代は”個人の時間の尊重”、”パワハラ”など、会社と働く人の関係性が変化し、社員旅行や運動会は減っていきました。令和となった現在は、働き方改革、リモートワークなどが普及し、社員どうしが顔を会わせてコミュニケーションする機会が減ってきました。そこで、社員旅行が見直されています。また運動会も、コミュニケーション向上に加えて、健康経営という社会の方向性もあり、開催する会社がふえています。

入社式・周年行事

入社式は、新しく社会人になる新入社員も多く、社会人としての意識をもってもらい、これから働く企業文化に初めて触れる機会でもあり、その後の長い社会人人生に影響をおよぼす大きな節目です。

周年行事は創業後に事業を継続・発展させたことを祝う機会ですが、それだけでなく、顧客や協力会社との関係性を高めたり、社員のモチベーション向上、企業ブランディングの手段でもあります。イベント開催の他に記念誌を編纂したり、グッズをつくることもあります。

b)社外向けの MICE

新製品発表会、プライベートショー、顧客向けセミナー、記者会見、SPイベント

販売促進や顧客との関係強化、ブランディングなどの目的で、既存顧客や見込み顧客を招き、自社の製品、サービス、ビジョンなどの認識を深めてもらうためのイベントです。

採用イベント

会社説明会や選考会、内定式、入社式など、人材採用には多くのプロセスがあります。人材イコール企業の力と考える経営者がふえてきたこともあり、採用に多くの時間と費用をかけるようです。また、近年は採用広報という言葉も浸透しており、採用に力を入れたり新しい手法を取り入れることが企業のブランディングにすることがトレンドになっています。

株主総会

会社の方針を決めるもっとも重要な会議です。株主に決算の説明や予算と次年度の方針について承認をえなければなりません。プレゼンテーションや映像を使って説明をすることも多く、映像会社の仕事もふえています。株主総会が多い6月にはMICEを手がける映像会社は繁忙期になります。

記者会見

新しいサービスをローンチした時など、企業側からマスコミを通して多くの人に告知したいときに開催します。マスメディア以外にも業界紙・専門誌の記者も招待します。記者に良い記事を書いてもらうための資料提供やお土産(サンプル)、囲み取材などのイベント以外の準備も必要です。さいきんは、情報発信だけでなく記者懇談会(サロン)という形式で相互に意見交換を行うこともあります。

主催企業内の MICE 担当者
(インハウス・ミーティングプランナー)

人事部(採用イベント)
総務部(社員総会)
法務部(株主総会)
広報(記者会見)
販促・営業(製品発表会、顧客向けセミナー、SPイベント)

社内のさまざま部署が、個別にMICEイベントを実施しています。

そのため、ノウハウが集約されない、イベント関連の仕入れ(会場、資材や制作会社など)で一括管理できない、スケールメリットを活かせない、といった課題があります。

ミーティング(MICE)先進国の欧米では、企業内にイベントを総括するイベントプランナーという職種を置いています。日本国内でも外資系企業には社内に専門職(ハウスプランナー)がいる場合がありますね。

購買部のなかにイベントプランナーが所属している会社もありますが、それはセントラルバイイングによるスケールメリットや、仕入れ管理という意味合いが強いようです。ハウスプランナーは、ホテルやイベント会社などエージェント側の人材をヘッドハントすることが多いようです。

ミーティング関連のMICE支援会社
(エージェントサイドのミーティングプランナー )

企業が開催するミーティング・イベントはさまざまな種類があり、多くのイベント会社・広告代理店がてがけていますが、その一部をご紹介します。(分類は個人の印象です…)

社内イベントに強い制作会社(ニューズベース、イベントレンジャーズ、クリエイティブ・ファクトリーなど)
企業のカンファレンスを手がけるイベント会社(ホットスケープ、エムエム総研、メジャース)
セールスプロモーション企画会社(フロンティア、テー・オー・ダブリュー)
モチベーション・ハウス(JTBコミュニケーションデザイン、リンクイベントモチベーション、ホスピタリティエージェント)
ミーティング関連の団体(MPI = Meeting professional International) 

I = インセンティブ・トラベル( MICE の I )

インセンティブ・トラベル- MICE のI 報奨旅行とも。 MICE の一般的にはあまり知られてない部分

インセンティブトラベルの目的( MICE のI)

MICEのなかで、インセンティブ・トラベルという言葉は、なかなか聞き慣れないかもしれません。プロ野球選手の契約更改で、年俸とは別にホームラン30本以上打ったら出来高をつける、ということは聞いたことがあると思います。このモチベーションをあげるための出来高のことをインセンティブといいまして、目標を達成したらあげるものが、お金、賞品、昇格、表彰などいろいろありますが、そのうちの一つが報奨旅行=インセンティブトラベルです。

営業成績の良い人にご褒美で旅行に連れて行ってあげる、といいますと、”馬の鼻先に人参”というような身も蓋もない印象になってしまいますが、実際にはモチベーション向上や、ノウハウの共有、商品知識の共有、チームビルディングという研修的な内容も多く含まれています。また、研修として行うと教育訓練費など経費扱いが可能で税制的に有利になる、ということもあるようです。(報奨ですと給与や賞与と同じあつかいで、その費用は経理上は利益と計上されます)

特別感と驚きのおもてなしで感謝の気持ちを表す(MICEのI)

インバウンドとして期待される大規模で国際的なインセンティブ・トラベルを多数実施している業界・団体は、自動車販売、生命保険、訪問販売(アムウェイやニュースキンといったマルチレベルマーケティング=MLM)などです。ライオンズクラブやロータリークラブの国際大会などもインセンティブトラベルに近いイベントかもしれません。

企業の社員から選ばれた成績優秀者に報奨旅行を提供することもありますが、規模や金額の大きいインセンティブトラベルの対象者は、報酬の多くを歩合で得ている契約の方や代理店(ディラー)の方が多いようです。成績優秀者は歩合や代理店フィーですでに高額な報酬を得ていますから、旅行をプレゼントすることは費用を負担するという意味合いは薄く、製品を販売してもらっている企業からの感謝の気持ちを表すという意味合いとモチベーション向上という意味合いが強いようです。会社のロゴを会場内や食事に掲示して、会社のブランドに対する愛着を増進することもあります。あるいは競争心を刺激するということもあるかもしれません。

感謝の気持ちは最上級のホスピタリティで示します。企業のトップたちが優秀な成績を収めたゲストたちを出迎えたり、もちろん個人の名前やその方のデータを覚えて挨拶や会話をすることも多いです。もちろん食事や飲み物も最高のものを用意します。部屋に戻れば個人あてのメッセージカードがあるなど、ゲストの満足度を高めるためのノウハウをつぎ込みます。一人で数億円の売上をもつセールスレディもいますから、ご機嫌を損ねたら企業にとって大きな損失です。

またゲストは金銭的・時間的な余裕がある方も多いので、普通の海外旅行では満足できないかもしれません。そこで、一般の旅行ではできない特別な体験を用意します。例えば、美術館や歴史的施設でディナーをするという経験は個人旅行ではできません。ユニークベニューという考えもインセンティブでの需要からはじまったようです。また、誰もが知るスーパースターがディナーショーに登場するということもあります。これもインセンティブ・トラベルならではの特別な体験ですね。Wow Effectという言葉がMICE関係者の間で流行ったこともありますが、インセンティブにはそのような驚きが必要とされています。

このような最上級なおもてなしをするには、コストも人でもホスピタリティの能力も必要なので、対応するホテルとしては、大変ですが、売上面とホスピタリティレベルの向上という面で、インセンティブは魅力的な案件といえそうです。そういう意味では、ラグジュアリー・トラベルの一ジャンルとしても捉えられるかもしれません。

達成感と競争意識を醸成する表彰(MICEのI)

またモチベーションや競争意識を高めるために催されるのが表彰式です。海外からのインセンティブ・トラベルを取材していると、表彰式の派手さに驚きます。特にトップセールスの方の表彰はまるでグラミー賞を受賞した女優さんさながらダンサーを伴って登場。スポットライトと浴びながら、自分のやってきたことのプレゼンテーションと関係者への感謝のスピーチを行います。また、それを見ている他の参加者は、祝福の拍手やあこがれの眼差しを送っています。

このように成績優秀者をおもてなしして満足度や達成感をあたえつつ、他の参加者や選ばれなかった人たちへのモチベーションや競争意識を醸成するために待遇に差をつけることもします。ホテルの部屋のグレードも成績別に分けられています。同時に企業・ブランドへの誇りをもってもらうために、会場内のあちこちに企業やブランドのロゴマークを設置することが多いようです。
参考記事:AITタイランドのインセンティブイベントのレポート (月刊イベントマーケティング紙面より)
https://www.event-marketing.co.jp/contents/1416/

インセンティブトラベルで行われる行事(MICEコンテンツ)

表彰式・ガラディナー・エクスカーション、CSR・社会貢献プログラムなど。

主催企業内の インセンティブ・トラベル=MICE 担当者

外部のインセンティブ・トラベル・MICE担当者

旅行会社・ランドオペレーター系(グレーライン、日旅ビジネスクリエイト、トッパントラベル)
系列子会社(LIXILトラベル、)
海外インセンティブハウス(J-Team)

MICEインセンティブ関連の団体(SITE)
日本旅行業協会(JATA)

C = コンベンション・コングレス( MICE の C )

Convention / Congress、 国際会議、学会など。医学やテクノロジコンベンション/コングレス ( MICE のC)国際会議や学会など MICE の C 観光庁ができる前から国土交通省が誘致の支援をしてきた分野ーなど学術分野の知見の共有・発表などが行われます。

国際会議を実施する学術協会の本部は多くが欧米にあり、1年に一度(または複数年に1度)、どこかの国で開催する、ローテーションがほかのMICEと異なる点です。日本での開催するには(してもらうには)本部への働きかけが必要で、その活動を誘致といいます。オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まるまでのプロセスは、テレビでも放映されましたが、国際会議も同じような方法で開催地が決められています。開催地の決定は総会の場で次回、あるいはその後の前年開催の総会などで、決定します。

ライオンズクラブやロータリークラブの世界大会は学会の主催ではありませんが、誘致活動のプロセスが似ていることから、コンベンションに含めて考えることが多いようです。

製薬会社のセミナーも、医学・薬学系のイベントということで、コンベンションの分野に入れることもあるようですが、企業である製薬会社が販売促進に関係するドクターに訴求する場であって、イベントの内容も学会とは異なり、また開催が週末に多いこともあり、企業ミーティングに分類するのがわかりやすいかと思います。

コンベンション業界の企業(MICEのC)

国際会議・学会を運営するPCO (MICEのC)

国際会議運営会社のことをProfessional Congress organizer (PCO)と呼びます。その名の通りコングレス運営のプロが、学会主催者である教授やドクターのサポートを行い、会議の円滑な運営や、スポンサーシップ・寄付金や助成金の活用など経済面でもサポートします。国際的な学会・協会の本部は欧米が多く、欧米のPCO会社が学会本部のパートナーとなり、開催国のPCOの手配などを行うコアPCOが近年、存在感を増しています。

日本の代表的なPCO

日本コンベンションサービス
コングレ
JTBコミュニケーションデザイン
コンベンションリンケージ
など

PCOを支える協力会社

映像会社、翻訳会社、機材レンタル会社、印刷会社など

会議の誘致・助成金などの支援策を行うコンベンション・ビューロー

各自治体の外郭団体として、全国に観光コンベンション・ビューローがあり、国際会議誘致の支援のほか、助成金の運用、地元のコンテンツの紹介・提供などを行っています。

コンベンション関連の団体(MICEのC)

JCCB(日本コングレス・コンベンション・ビューロー)
JNTO(日本政府観光局)コンベンション誘致部
JCMA(日本コンベンション協会)

E = 展示会(エキシビション)・イベント( MICE の E )

展示会Exhibition と イベント( MICE の E )イベントはMICEに含まないという考え方もあります

MICEのEは、展示会とイベントとされています。

イベントはMICEに含まないという考え方もあります。MICEの定義の仕方にもよりますし、イベントをどう捉えるかにもよると思います。

 

 

 

MICEは業者側の都合でできた?

ここまでMICEについて説明してきましたが、MICEの定義というよりは、4つの別々の分野を統合したコンセプトとなっています。

では、なぜこの4つの分野を統合していつの単語MICEを作ったのでしょうか?これまでMICEという言葉の周知を広めてきた組織とその目的をみてみましょう。

観光庁/日本政府観光局のMICE推進

観光庁や同庁所管の独立法人の日本政府観光局(JNTO)は、観光促進の一環としてMICEを捉えています。「日本再興戦略」、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」にもMICE振興について記されており、その流れにそってMICEに取り組んでいます。

2010年 JAPAN MICE YEARと位置づけたほか、 グローバルMICE都市の策定と支援、 MICEアンバサダープログラム、MICE国際競争力強化委員会の設置なども行っています。

一般観光と比べて、MICEの経済波及効果の大きさ、国際関係や流行に左右されない、行政と関連が深い国際会議を含んでいて支援する意義が明確にしやすい、日本のプレゼンス向上貢献する、といったことからMICEに注力しています。

政府のインバウンド6000万人旅行消費額15兆円を目標とする、観光振興の一環としてのMICEという意味合いが強いようです。

ホテルのMICE推進

国際MICEによる宿泊数の増加とともに、宴会場の利用促進が見込めます。一般旅行者や結婚式での需要が週末・祝日に偏っているので、ビジネス・学術目的のMICEによる平日稼働の向上は大きなメリットになります。そのため最近では結婚式場でもMICEに取り組むことがふえています。

またホテルの営業部門がもつ企業リストは、宿泊・宴会・料飲と部門ごとに別個になっていました。MICEというホテルの機能をフルに活かす部門に取り組むことで、これまで出張での宿泊利用だけの顧客からイベントや宴会の仕事がもらえるなど、客単価の向上に貢献した事例もあります。(例:日本経済新聞に全面広告を掲載したプリンスホテルの戦略)

イベント会場・施設のMICE取組み

国際会議場、国際展示場、コンベンションセンター、イベントホールなどでは、企業イベント、展示会、国際会議、学会、インセンティブ・イベントなどを開催していました。これらをまとめたMICEというコンセプトは、利用者への訴求・説明するのに非常にわかりやすくなります。また、MICEというコンセプトに合わせた施設の整備・拡充するなど、事業ドメインを明確化することもできています。

PCO/イベント会社

観光庁や日本政府観光局は、MICEというコンセプトを採用(観光庁にMICE推進担当参事官を設置)する前から、国際会議の誘致の支援を行ってきました。そのため行政のMICE取り組みは国際会議中心としたものからはじまりました。民間でのMICEの取り組みも国際会議の運営をてがけるPCO(Professional Congress Orgnizer)が先進していました。そのアドバンテージもあり、MICE施設運営の指定管理などの業務は、PCO各社が大きな役割を担っています。

MICE振興のなかで注目されるユニークベニュー

国際会議のレセプションやインセンティブ・トラベル内のイベントの開催場所について、「普通の宴会場でなく、変わったところで実施したい」という要望が多くなってきました。海外では、美術館や歴史的施設などを会場をMICEのパーティーのために開放することがふえてきました。インセンティブ・トラベルで最も重要な“特別な体験の提供”、”驚き(Woh)”といったものを満たすのがユニークベニューとして、MICE誘致の大きな武器と捉えられています。

そこで観光庁、JNTO、各地の観光コンベンション・ビューローが、各地のユニークベニュー情報を収集し冊子作成やウェブサイトに掲載するなどしてプランナーに提供しています。また、神社、仏閣、美術館などユニークベニューになりそうな施設に、MICEイベントで提供するように働きかけたり(ユニークベニュー開発)、実際にレセプションをユニークベニューで開催して、その事例を共有してプロモーションをしています。

いまのところ、MICE側からユニークベニュー候補の施設にお願いしている状況ですが、文化施設も保全するだけでなく、有効利用することで保全のために経費を賄うことが、文化伝承につながると考えるむきも増えているようです。

MICE4分野の主催者に共通点は?

このようにMICEという言葉で、4つの異なる分野のイベントを1つにまとめることは、施設やイベント企画・運営会社、観光関係者などからみると、共通の要素が多く都合がいいことのようです。

一方、MICEの主催者にとって、MICEという言葉にはなんの意味があるのでしょうか? おかしなことかもしれませんが、主催者は自分たちのイベントがMICEだということを知らずに開催していることもよくあります。

 

主催者からみたMICEのメリット

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田中力 MICE研究所

田中力 MICE研究所

田中力 MICE 研究所 代表 展示会 イベントの集客は、来場者数、来場者の質、滞留時間という「集客3D理論」を展開。