コロナ禍での海外展示会開催状況

 

いまがチャンス!海外展開

国内のビジネスイベントでは、人数制限やガイドラインに則って、展示会やカンファレンスがリアルに開催されるようになり、オンラインとのハイブリッド化、完全オンラインのみの展示会のトライなど、移行期間中になってさまざまなチャレンジがある。
一方、海外では、国ごとに事情が異なっているものの、出展には渡航制限があり、まだまだリアル出展は難しいのが現状だ。各国の開催状況と、海外展開に必要な新たなサポート体制やマーケットプレイス新設、バックアッププランの情報をまとめた。むしろチャンスは広がっているのではないだろうか。

コロナ禍での各国の開催事情

米国の展示会

大型国際ビジネスイベントを振り返ってみると、「CES」がオールデジタルで開催してスタートした 2021 年。長年開催地としてビジネス観光客を集めてきた米国ラスベガスでは、6月1日からネバダ州のイベント開催制限が解除され、100% 収容率でのリアルイベントを再開した。6月8日には、ラスベガス・コンベンションセンターのウェストホールが開業し、13万㎡拡張して全体の総面積が 130 万㎡となり、世界2位の規模となった。また、広大な敷地を移動する手段として、Loop という地下トンネルを電動車で移動する新輸送システムも披露している。この新たなホールを使用して、2022 年の「CES」はリアルとデジタルのハイブリッドでの開催が CES 主催団体 CTA から発表された。

米国では、州ごとに状況が異なっており、シカゴでは6月11日に再開。なお、世界4大工作機械見本市と言われる「IMTS」は2年に1度のため 2022 年 9 月に開催するが、ハイブリッドと発表された。また「シカゴモーターショー」は例年2月開催を今年は7月15日から19日に延期している。

ニューヨーク(NY)では、制限を徐々に解除しており、「NY NOW」が 8 月8日から11日に Javits センターで、また「ニューヨーク国際オートショー」が 8 月 20日から 29日まで同会場で開催することを発表。また、BtoC向けイベントだが NY の夏の風物詩となっている「ニューヨークステートフェア」は、ワクチン接種が進みライブ音楽・エンタメ・フードの提供も再開し 8 月20日から約 2 週間実施する(6 月14日時点)。7月4日の独立記念日をワクチン接種率が中間目標である70%を達成したことからエンパイアステートプラザでイベ ントと花火で祝うことも発表した(6 月21日)
時点)。

欧州の展示会

ドイツ・ベルリンでは世界最大級のコンシューマーエレクトロニクス展の「IFA2021」が9月にリアル開催すると伝えられたが、5月に入って COVID-19 の変異種株の急速な出現とワクチン接種状況の進行が期待通りでなかったことから状況が変わり、一転して中止が発表された。

ドイツ見本市産業連盟(AUMA)によると、2021 年にドイツで開催される見本市は約 380 だが、すでにそのうち 60%の中止が決定。ドイツでは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限措置として、2020 年 3月以降、同年 9 月と10 月を除いて見本市の開催は許可されていない状況が続いている。

現在は過去 7日間の人口10 万人当たりの新規感染者数が 3日連続で 100 人を超える自治体において「非常ブレーキ」を適用する連邦の感染症予防法により、大型イベントの開催が規制されているという。なお、感染者数が減少しつつある一部の州では再開の見通しがある。

イタリアでは、世界的な家具の見本市「ミラノサローネ」が複数回にわたって延期となっていたが、リアルの形式での展示会を 9 月5日から10日に開催することを正式に発表した。

フランスでは、6月9日に最大 5000 人・最大収容人数 50% 減にすることで開催可能に、またワクチン接種や検査の陰性を証明する衛生パスを導入、イベント会場など 1000 人以上が集まる場所への入場に必要となる。

各国、また国内の州によっても事情が異なり、100% のリアル再開へはまだ時間がかかりそうだ。一方で、オンライン展示会・カンファレンスも進化しており、来年以降、出展者はハイブリッド化への対応で海外展開に差をつける
機会になるかもしれない。

海外の展示会開催状況

 

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