丹青社三井化学・ウインドフィルム

 

リアル空間の価値 世界観と セレンディピティ

オンラインのコミュニケーションにも慣れたいま、リアルな感覚や人から人に伝わる熱量、一体感といったココロの動きに、わたしたちはより敏感になった。それは詰まるところ、オンラインの利便性以上に求めるものがリアルにはあり、リアルが果たすべき役割を因数分解して再設計し直す機会ということなのだと思う。

「空間づくり」×「化学」が生む新しいリアル体験の価値

三井化学株式会社 合成化学品研究所 西本 泰三さん
株式会社丹青社     企画開発センター 企画部部長  菅波 紀宏さん
企画開発センター  島谷 理絵さん

オフィス空間でのこころの動きを数値化

5月10 日、三井化学の最先端テクノロジーと丹青社の空間づくりのノウハウを組み合わせ、感性に着目した共同開発の第一弾として、新しいウインドウフィルムが発表された。2年ほど前の2019 年4月から2社が正式に体制を整え協業はスタートした。

だが、それ以外に丹青社が取り組んだオフィス空間でのこころの動きを数値化する取組み「KOKOROスケールfor Workstyle」の共同開発を通して、三井化学を紹介されたことがきっかけとなり、会ってみると初日から意気投合。話がとまらず、空間や気分、イノベーションという文脈で定期に情報交換をするようになり「空間における感性価値の定量化や開発は難しいけれど面白い」という両社の思いが、新商品の新しいウインドウフィルム「ポジカTM フィルム」に繋がった。

ポジカフィルム

実証実験では沖縄を訪れ、ホテルやレストラン、チャペルの窓に設置。「海が鮮やかに、雲の白と青い空の境目がはっきりすることで青空の面積が広がったように感じた」という。 ※画像はイメージです

開発メンバーの一人で、三井化学の合成化学品研究所の西本さんは「社内体制もこれまで特定分野向けの素材開発をしてきた縦割りから横断的な転換を図っていたタイミングでした。協業は新しい取組みで空間設計のプロフェッショナルから聴くユーザー視点の意見は研究員としても新鮮でした」と振り返る。

丹青社では、他社との協業やマーケティングを担う菅波さん、島谷さんは今回、ビジネススキーム構築や実証実験の実施・分析などを中心に商品開発に取組んだ。両社からの参画メンバーも複数部署にわたり、打合せでは、化学式での解説などに苦戦するなど、共通言語を見つけながら展開。「両社の成功だけでなく、ユーザー視点でwin-win-win の三方良しの視点で取り組めたことがポイント」とする。

「ポジカTM フィルム」はメガネレンズ材料分野で生まれた「くっきりTM 色素」を使うことで光のイエローライトをカットする機能があり、ガラス面に貼るとフィルム越しの物体の色は彩度が向上し、これまでよりも景色や展示物が色濃く、鮮やかに感じられる。白色の黄ばみがとれて、より白さを感じるという。

今後については「今回は視覚効果のソリューションでしたが、現在web 会議などで音漏れが課題としてあがっている聴覚のソリューションはじめ、五感に取り組みたい」(西本さん)。「素材を作る総合化学メーカーと空間創造のプロである当社は今まで直接接点がなかった。今回の協業で、お互いにバリューチェーンをつなぐことに取り組んできた。今後間に入る製造メーカー次第で全く新しい商品が生まれる可能性もあり楽しみだ」(菅波さん)と、空間の新しい価値づくりは、感性へアプローチし、組合せも新たに取り組んでいく。

丹青社のWebサイト

特集「リアル空間の価値 世界観とセレンディピティ」の他の記事を読む

1 その空間で過ごす時間のココロ価値を上げる」  4Hearts 大髙啓二さん
「空間デザイン思考とオブジェ思考」SUPER PENGUIN  竹村 尚久さん 
3「こころの動きをデザインする共感のしかけ」タケナカ長崎 英樹さん
4「「空間づくり」×「化学」が生む新しいリアル体験の価値」三井化学x丹青社
8「来場者視点を分析」George P. Johnson 八幡 佑希さん
9「試飲と展示が一体に」ボックス・ワン 伊藤賢治さん

 

 

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