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MICEの定義

4つの頭文字はMICEの定義ではない

MICEの定義とか、MICEとはなにか、を調べると、企業ミーティングの「M」(meeting)、インセンティブトラベルの「I」(Incentive travel)、国際会議・学会つまりコンベンション/コングレスの「C」(convention /congress )、展示会・イベントの「E」(Exhibition / Event)の4つの頭文字から造語したもの。という説明されることがほとんどです。

MICEという言葉の成立過程が、そうなっていますし、分類すると説明はしやすいのですが、MICEの定義というのはと少し違うのではないかとと私たちは考えています。

MICEとは
MICE関連ニュース
MICE施設

頭と体と手と足がくっついたのが人間です。

間違ってはいないのですが、なにかピンとこないですよね。定義ってなんのためにするのか、ということなんだと思います。

定義というのはその言葉の意味を明確にして、他のものとの区別をつけること。ということです。

”意味”とはなにか、○○はこういうことだ。というふうに決めることなのですが、なぜ私たちはMICEの意味を考えるのでしょうか。

私たちはMICE研究所という名前ですが、民間企業(株式会社)であり、学究機関ではありません。MICEという言葉を通して、関連する企業や人がどう発展できるか、MICEを実施する人がその効果を最大化する方法を考えるのが、MICE研究所の設立意義であり、存在価値であり、MICE研究所の定義です。

私たちは、MICEを定義するうえで大切にするのは、正確性よりも、MICEに関わる人たちが幸せになること、業界発展に寄与するための捉え方にすることです。

主催者の立場でMICEを考える

MICEという言葉を使いだしたのは、MICEを通して事業を行う人たちです。MICEが実施されると売上があがる、MICE関連のサービスを提供する”業者さん”と、MICEに参加した人が、食べたり飲んだり消費することで利益を得る”波及効果を受ける人”です。

MICEを実施している人は、自分たちがやっている催しが、MICEと自覚していることはあまりない(なかった)。というのが現状だと思います。

MICEのお金のでどころというのは、MICEを実施する主催者です。スポンサーであり意思決定者が認識していない、というのがいまのMICEの現状ではないでしょうか。

お葬式というのは、亡くなった方の親戚や友人があつまり、故人に最後の挨拶をしたり、その人の思い出話をしたりして、弔い、天国まで送りとどける儀式です。

それを葬儀業者さんの都合で考えると、

普段から関係を構築しているお医者さんから、患者さんがなくなった連絡をうけ、遺族と相談をし予算感に応じた計画をたて、会場やお坊さん、お寺さん、棺桶やお花の手配、参列者へのご案内など遺族の手伝いをして、お通夜と告別式の段取りは滞りなく行い、お遺骨と祭壇、戒名の書かれたご位牌、ご遺影を御遺族にお渡しして、初七日や四十九日までの段取りをする。終わった後に請求書をつくって…。

という一連の儀式の内容とそのための業務の流れが「お葬式」の定義で、そこを手際よく、最善に行うことが、葬儀をよくするということになってしまいます。

葬儀業者さんのサービス向上も大切ですが、やはりよいお葬式というのは、ご遺族や周り方が故人を偲ぶことができて、無事に天国までお送りできたなと実感していただけることではないでしょうか。

家族葬や樹木葬、海洋葬、一日葬など、葬儀についての考え方やお寺さんとのお付き合い、家族と周りの方の関係など、ご遺族のご希望にそった、いろいろな形の葬儀ができるようになっています。

お葬式のことをずいぶん細かく書いてしまいましたが、MICEについても、MICEを実施する主催者の立場にたち、なんのためにMICEをやるのかという目的など考慮して、MICEを考えることが、MICE発展のための定義なのだと考えています。

MICE 4つの原則

日本MICEの父と言われる、MPI Japanの故浅井新介元名誉会長の言葉をまとめた書籍「マイス・ビジネス入門」には、MICEの4つの原則があげられています。

「MICEは目的をもつ」「コミュニケーション、ネットワーキングの場、機会」「情報・知見が公開される場・機会」「未来に良い変化をもたらす」

このうち、MICEは目的をもつ、未来に良い変化をもたらす、の2つは、MICE主催者のことを常に考えていた浅井さんならではの考えだなと思います。

この2点を中心にMICEを再定義することが、主役であるはずの主催者をMICEに巻き込むことができるのではないでしょうか。

MICEの主催者は4つのセグメントごとに、まったく異なる人・組織です。

Meetingは企業の総務・法務・人事・販促・営業担当者が実施します。
Incentive Travelは、自動車販売や生命保険、訪問販売といった販売員制度中心の販社、
Convention / Congressは 大学教授、医学協会の先生、政府・行政
Exhibitionは、展示会会社、業界団体、業界大手企業など

それぞれの主催者が一堂に会するところを想像してください。
大学の教授と企業のマーケター、内閣府の官僚と訪問販売のトップセールスの方々が、仕事上の課題について語り合ってなかなか通じあえなさそうです。共通の話題を探すことすら大変そうです。服装や言葉遣いからも違いそうですね。

そのようなバラバラな人たちの共通点が、ある目的のために人を集めて、知見を共有して、素敵な未来をつくるMICEを開催していることです。

MICE開催による成果を向上するため、より素敵な未来をつくるための、知見の共有の方法や人をあつめる手段、円滑な会の運営をするための、ノウハウやテクノロジーを求めていること、活用できることが、一見バラバラな4つのセグメントに別れたMICEの主催者を1つに集める意義だと、私たちは考えています。

MICEのプランナーには、ハウスプランナー(企業側でMICEを運営する人、MICE以外の仕事もすることが多い)とエージェントサイドのプランナー(MICE専業会社でMICEに特化したノウハウをもつ)の2種類があります。

MICE人材の育成という観点からいいますと、ハウスプランナーとしてMICEを企業の一連の活動のなかで捉える経験と、エージェントサイドで数多くのMICE経験し高いクオリティのノウハウを蓄積するとう、それざれのキャリアをバランスよく経験することが必要です。

そのためには、エージェント側にいても、常にMICEを主催者の目線で考えることが重要です。

わたしは、ウェディングプランナーとMICEプランナーに求められるスキルは似ているところもあると考えているのですが、このウェディングと異なり、主催者の目的理解と未来の共有が必要なことが異なる能力といえます。

 

それぞれの人にそれぞれのMICE

観光やホスピタリテイを学ぶ学生にMICEについて説明する機会があるのですが、

定義は○○です。という1つの正解がわかればいい、というのは学生のうちにしか通じない考え方だ、と最初に説明します。

一つの同じことがらについても、受け取る側の見方によってまったく見え方が異なります。学生のうちは普遍的な見方、一般的な見方を学べばいいのですが、社会人ではそれではすまないということです。

社会人というのはなにかしらの責任や役割をになっているのですから、個人の考えとは別にその立場からの考えというものが生まれてきます。これは偏った考えになるという悪いことではなく、それぞれ異なる役割と責任に応じた考え方が必要だとうことです。

MICEの主催者も運営を支援するサプライヤー側も社会人として、なんらかの組織につながる人がやっているので、それぞれの立場から考えて行動します。

主催者の目的はそれぞれ異なることは説明しました。サプライヤー側はそれぞれ異なる組織の目的や手法、文化などを理解していくことが必要なことは説明しました。

一方サプライヤー側もMICEというもの理解、定義をそれぞれの立場に応じて変えて理解するべきです。

端的にいうと

MICEは○○だという理解ではなく
ホテルで働いているなら、MICEはホテルにとってどう役に立つものなんだ、を考える

というのが大人の考え方だということです。
実際にホテルでのMICEの定義は、「宴会を伴う○○人泊以上の団体」という定義をしているところが多いようです。

観光に携わる人であれば、○○人以上で海外から○○人以上が○日以上会議をする団体といった定義になります。

さまざまな業態の会社がMICE事業部を創設するなどMICEに参画するには、それぞれの企業の売上や経営に貢献することを期待しているはずですから、それにあった定義をするのが、本義に一番近いといえます。

その一方で主役はMICEの主催者ですから、MICE開催の目的とゴール共有を念頭にあって、自社の事業ドメインにあった個社のMICEの定義とすり合わせることで、MICE開催のなかで自社がどのように貢献すべきかを考えることができると思います。

(編集協力:MICEニュース)

田中力 MICE研究所

田中力 MICE研究所

田中力 MICE 研究所 代表 展示会 イベントの集客は、来場者数、来場者の質、滞留時間という「集客3D理論」を展開。

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