「作業前、確認一つで事故ゼロへ」昭栄美術の第48期安全大会に見る、安全と健康を経営の軸に据える現場

昭栄美術安全大会2026

「作業前、確認一つで事故ゼロへ」昭栄美術の第48期安全大会に見る、安全と健康を経営の軸に据える現場

取材日:2026年8月5日 取材:月刊イベントマーケティング編集部

イベントや展示会の現場を裏側で支える昭栄美術とその協力会社が、年に一度、取引先のパートナー企業を招いて「安全」について語り合う。それを単なる儀礼で終わらせず、一年間の事故の数字を明かし、自社の失敗事例を写真つきで見せ、そのうえで外部の専門家の講義と、社員の健康づくりの報告まで一気に行う。8月5日、千葉県市川市の製作拠点(SHOEIベイスタジオ)で株式会社昭栄美術の「第48期 安全大会」が開かれた。会場には、同社と日ごろから現場をともにする約100社のパートナー企業が集まった。

昭栄美術 代表取締役 小林大輝さん

開会の辞を述べる 昭栄美術 代表取締役 小林大輝さん

 

安全大会の第一部は社員向けに、第二部は協力会社も含めて実施された。小林大輝社長の開会の辞、製作部の安全委員長による第48期の安全活動報告、顧問による「現場における安全講習」、健康経営の取り組みの説明、小林利昭会長の閉会の辞と続き、夕刻からは屋外でのBBQ形式の懇親会に移った。大会から懇親会を通じて一貫していたのは「安全は、最大の経営課題」という姿勢だった。本稿では、当日の講演内容と懇親会での会話を手がかりに、昭栄美術が第48期にどのような安全活動を重ねてきたのかを、できるだけ細かく再現する。展示会・イベントの施工や運営に携わる読者にとって、現場でそのまま使える工夫がいくつも見つかるはずだ。

昭栄美術安全大会第一部社員向け

安全大会第1部は社員向けに実務上の安全対策や事故ゼロへの心がけなどが共有された

昭栄美術とは

同社は東京都中央区に本社を置く、展示会・イベント・商業空間などのディスプレイ施工会社である。1979年に設立され、現在の代表取締役社長は小林大輝さん、代表取締役会長は創業者の小林利昭さん。

特徴は、企画・デザインから制作、施工、運営までを自社で手がける「製販一体」の体制だ。2025年12月時点の社員数は478名。顧客の約9割がリピーターで、年間約3,000件の案件を手がけるという。2019年には、千葉県市川市にはSHOEIベイスタジオを開設し、広大な敷地に制作・保管・物流の機能を集約している。千葉県佐倉市、大阪市住之江区南港にも工場があり、営業所と倉庫・工場を兼ねたスタジオとして拠点を置く。大型3Dプリンターを使った循環型ディスプレイなど、新しい素材や工法、SDGsの先進的な取り組みでも知られる。

同社が現場の安全をどう担保しているのか。社員に加えて数多くのパートナー企業の作業員が出入りする、展示会場の搬入・施工・撤去の現場は、フォークリフトも脚立も車両も入り乱れる。そこで事故が起きれば、被害は自社だけにとどまらない。だからこそ同社は、パートナーを招いた安全大会を、第48期という長い歴史のなかで続けてきた。

第48期の安全活動:指針は「休業災害0、物損等の不休災害発生率0.5%以内」

安全委員長 高ノ芳久さん

安全活動報告の冒頭で示されたのが、第48期の「安全活動指針」である。最上位に置かれた目標は、不休災害などの事故発生率を事故発生率を0.50%以内にすること。そのための具体策として、月間安全テーマの掲示、KYM/KYT活動の実施、各課の安全ガイドラインの作成と更新、安全目線での職場巡視と各課の自部署パトロール、作業・工具・運転にわたる安全基本講習、事故やヒヤリハットの共有と再発防止、職場内の安全環境整備の7項目が並んだ。

数字を見ると、取り組みの手応えは明らかだ。第47期の事故件数は97件で、発生率は0.84%だった。これに対し、第48期は報告時点で49件、発生率は0.65%に下がっている。件数は前期の約半分である。目標は0.50%だが、期の途中でこの水準にあるという事実は、現場での積み重ねが効き始めていることを示している。

スローガンも設定された。第48期の安全スローガンは、現場の誰もが唱えられるように短く言い切る形だ。

作業前 確認一つで 事故ゼロへ
 第48期 安全スローガン(株式会社昭栄美術 安全委員会)

このスローガンを掲げたポスターは、月ごとの強化テーマとセットで掲示される。月間強化テーマは、2月の感染予防・体調管理に始まり、3月は現場管理と現場5Sの強化、4月は春の交通安全運動、5月は若手社員への安全教育、6月は情報漏洩の対策、7月は熱中症対策、8月は屋外案件の対策、9月は自然災害への備えと対策、10月は事前チェックによるヒューマンエラー予防、11月は高所作業の事故防止、12月は冬季の交通安全と体調管理、と続く。展示会・イベント業界の繁閑や気候に合わせて、その月に最も起きやすいリスクを意識的に選んでいるのが分かる。

どこで、誰が、なぜ起きたか

第48期の49件の内訳は、驚くほど具体的に公開された。発生場所別では、スタジオ(工場・倉庫)が15件、現場が21件、自動車が13件。そのうちフォークリフトが絡む事故は、スタジオで8件、現場で2件を占める。つまり、スタジオ内の事故15件のうち半数以上がフォークリフトによるものだ。

性別では男性が43件、女性が6件。年齢別では20歳〜30歳が26件で全体の53%を占め、31歳〜40歳が7件(14%)、41歳〜50歳が13件(27%)、51歳〜60歳が3件(6%)となっている。若手に事故が集中している背景には、現場経験の浅さがある。同社が5月の強化テーマに「若手社員への安全教育」を据えているのは、この数字を踏まえたものと言える。

こうした統計を、同社は隠さずパートナー企業の前で見せる。自社の弱点を共有することが、パートナーとの信頼につながり、同時に現場の当事者意識を高める。そうした考え方が、当日の発表の随所からうかがえた。

最大のリスク、フォークリフトにどう向き合うか

事故件数の統計が示すように、最優先の課題はフォークリフトである。同社が進めた対策は、ルール、表示、教育、装備の4つの面にわたる。

順守事項を明文化する

まず、フォークリフトの順守事項が7つに整理された。制限重量を超えないこと。荷物の重心を考慮して適正な箇所に爪を差し、長尺物は一度持ち上げて重心を確認すること。周囲の安全を必ず確認すること。急旋回・急発進など「急」のつく操作は禁止。走行は時速8km以下とし、爪の高さは15〜20cmに保つこと。荷物で前方が見えない場合はバック走行をすること。そして、状況に応じて誘導・補助スタッフを配置すること。

ピクトサインで「見える化」する

次に、フォークリフトの両側面にピクトサインを貼り、注意喚起を行った。文言は4種類。「作業前は指差呼称(ヨシ!)」「ながら運転禁止」「作業区域は時速8km以下」「積荷・視界不良時はバック走行」である。ルールを頭に入れておくだけでなく、運転席からも、周囲の作業者からも常に目に入る形にした点が重要だ。

爪の滑り止めマットと目盛り

各拠点のすべてのフォークリフトには、爪に滑り止めマットが設置された。このマットには目盛りがついており、爪の差し込み過ぎ・出し過ぎを防ぐ役割も果たす。荷崩れや落下の防止と、差し込み量の確認という二つの目的を、一つの部材で兼ねる工夫である。

課ごとに特色の違う教育訓練

教育は、全社一律ではなく課ごとに行われた。同社では、製作管理1課は木工造作物、2課は重量のあるシステム製品や長尺物、製品管理課は各課の製品(木工リユース、システム、レンタル製品)などのロット管理や顧客の預かり保管物、レンタル課は約20万点ほどある様々なレンタル製品などと、取り扱う製品や商材の性格が異なる。そこで、各課に特化した知識やスキル、危険箇所を現場で実地に研修する形をとった。あわせて、関わりのある他課も合同で参加し、お互いが注視している点について意見交換を行う。報告書には座学と実技の様子が記録され、社内教育として蓄積されている。同社はこの取り組みについて、13のセクションからなる各職種の業務理解と危険予知能力の向上に寄与していると評価している。

失敗事例を、そのまま教材にする

安全大会で最も説得力を持ったのは、自社で実際に起きた事故の事例紹介だった。写真入りで、発生状況、原因、再発防止策が順に示される。ここでは三つの事例を取り上げる。

事例1:ショーケースの破損

一つ目は製品破損である。要因は「作業前の危険予知ができていない」ことに集約された。具体的には、床の段差(ピットの編み目)の確認不足、養生の実施不足、ガラスをあらかじめ外す検討の不足の三つだ。展示会場の床には、配線用のピットが走っていることが多く、台車の車輪が引っかかる危険がある。そこに、割れやすいガラス付きのショーケースを運んだ、という事案である。

再発防止策は三本立てだ。第一に、作業前の危険予知と計画の徹底。床の段差・ピットの有無を事前に確認し、危険ポイントを共有して作業手順を決める。搬路の幅や障害物、養生の必要性、ガラスの取り外しの可否、搬入経路をチェックリストで確認する。第二に、ショーケースの養生を確実に行う。具体的には、引越し業者が使うようなクッション付きの養生シートで、正面をしっかり巻く。第三に、ガラスを外せるものは外すことを検討する。破損リスクが大幅に下がり、重量も軽くなって作業が安全かつスムーズになる。

事例2:カゴ台車の倒壊

二つ目はフォークリフト事故。会議テーブルを積んだカゴ台車をフォークリフトで持ち上げた際、偏荷重により左側に倒壊し、テーブルが散乱した。原因は三つ。荷役前の積載状態の確認不足、底板のロックピンが左側だけ固定されていなかったこと、そしてフォークがバックレストまで差し込まれておらず浅かったために、荷物を十分に保持できなかったことである。

対策も明快だった。荷役前に積載状態・偏り・荷崩れの有無を必ず確認する。底板のロックピンを左右とも確実に固定する。フォークはバックレストまで差し込み、カゴ台車を「抱かせた」状態で荷役する。写真では、NGの例(左側のみ固定、差し込みが浅い)とOKの例(左右とも固定、バックレストまで差し込み)が並べて示され、どこが違うのかが一目で分かる構成になっていた。

事例3:脚立の半開きによる転倒

三つ目は、現場で最も身近な道具である脚立だ。作業者が脚立を半開きにしたままその場を離れたところ、別の作業者が通りかかった際に脚立が倒れ、近くにいた作業者に直撃した。被災者は肩と頭部を打撲し、病院で治療を受けた。原因は、脚立を半開きで置いて安定性が確保されていなかったこと、使用後の脚立を人が通る動線上に置いていたこと、脚立の取扱いに対する安全意識の不足の三つである。

” 脚立半開禁止! その油断が、転倒事故につながります! ”

再発防止策は、脚立は必ず全開で使う、使用後は所定の場所に片付ける、通路や作業エリアに放置しない、正しい使用方法について定期的に教育する、現場の整理整頓を徹底する、の五点。あわせて、天板に乗っての作業の禁止と、脚立同士をたて掛けることの禁止も写真で示された。

作業前の4項目と、KYT基礎4R法

こうした事例から、同社は「作業前にやるべきこと」を4項目に整理した。一つ目は、作業方法や現場状況の把握と周知。どこで、どのような作業を行うのか、必要な時間・資材・人数まで把握し、関係者に伝える。二つ目は、各動作における危険予知。計画した作業で起こり得る危険を予測し、対策案まで考えて備える。三つ目は、各種車両の操作特性の把握。フォークリフトや社用車について、車格、軌道、積載量といった特性を使用前に理解しておく。

四つ目が印象的だった。「事故の最悪のケースの把握」である。事故が起きたときに生じる社会的信用の失墜、責任や刑罰、行政処分などを理解する。さらに、自分や被害を受けた人の生活にどのような影響が及ぶかまで理解する必要がある、という。安全の話を、作業の手順にとどめず、事故が人生に及ぼす重みにまで広げて教えている点に、同社の安全教育の特色がある。

危険予知のトレーニングには、KYT基礎4R法が使われている。1ラウンドで現状を把握し、どんな危険が潜んでいるかを出し合う。2ラウンドでは本質を追求し、「これが危険のポイントだ」と絞り込む。3ラウンドで「あなたならどうする」と対策を樹立し、4ラウンドで「私たちはこうする」と目標を設定する。繰り返し訓練することで危険感受性を鋭くし、集中力を高め、問題解決の能力や実践への意欲を高めていくのが狙いだ。

現場心得とユニフォームのルール

作業員向けの「現場心得」は10項目にまとめられている。作業区域内ではヘルメットを必ず着用する。高さ2m以上で転落の危険がある場所では墜落制止器具を使う。体調が悪いときは早めに申し出て、無理に作業をしない。ヘルメットのあご紐はきちんと掛け、タオルの着用は禁止する。整理整頓を心がけ、作業終了時には持ち場を清掃する。残材や不要材は放置せず持ち帰る。作業前の打合せに参加して全体を把握してから取りかかる。第三者災害を防ぐため、カラーコーンなどで作業区域を明示する。会場内のコンセントは仮設分電盤から使う。コードリールは完全に伸ばした状態で使う。

ユニフォームの着用ルールは、イラスト入りの吹き出しで分かりやすく示された。スタジオ内や現場ではヘルメットを着用してあご紐を締める。長い髪は束ねる。頭にかぶり物や巻物をしない。防寒ジャンパーなどはファスナーを締める。ズボンがずれ落ちそうな履き方や裾の折り返しは禁止で、裾が長ければ裾上げをする。安全靴を履き、靴紐を結び、かかとを踏まない。オーバーサイズは避けてジャストサイズで着る。ポロシャツは襟を立てない。左胸には名札を付ける。日本語の下には外国語が併記されており、多様なスタッフが働く現場を意識した作りになっていた。

スタジオ構内の環境整備 横断歩道、防水柵、カーブミラー

人の行動を変えるだけでなく、環境そのものを変える取り組みも進んだ。スタジオ構内には横断歩道が設置され、「注意喚起と安全意識を高める」効果をねらっている。施工前と施工後の写真を並べると、人も車両もフォークリフトも行き交う広い構内に、歩行者の通る場所が明確に示されたことが分かる。

気候変動への備えとして、シャッター前に防水柵も設置された。昨今の異常気象や台風による水害リスクに備えたものだ。さらに、見通しの悪い場所にはカーブミラーを設置し、出会い頭の事故リスクを減らしている。

各課では、安全ガイドラインの策定が進んだ。写真で紹介されたのは、パネル、テント、投光器といった、現場で扱う設備ごとの手順書である。毎月の「安全パトロール」ではチェック表を使って職場を巡視し、現場の安全対策や5S活動の成果は、良い事例、悪い事例を写真付きで例に挙げ、社内情報ツールで毎月公開・報告をされている。

情報漏洩と事故共有 もう一つの「事故」への備え

6月の強化テーマだった情報漏洩対策も、安全活動の一部として取り上げられた。展示会の現場では、出展社の新製品や未発表の情報を、施工段階で扱うことが少なくない。同社は、不要書類の現場への持ち込みを禁止し、情報漏洩への注意を促すバナーを掲示している。KYMで注意事項を周知し、作業範囲の5Sを徹底し、作業終了前には責任者全員で現場を確認する。関係者への教育も定期的に行う。掲示物には、機密情報の取り扱い注意、図面や関連資料の放置禁止、撮影・SNS投稿の禁止が、英語併記で記されていた。

そして、事故が起きたときの流れも仕組み化されている。事故の詳細、原因、対策を報告書にまとめて社内で共有し、再発を防ぐ。自動車事故には専用の報告書の様式が用意されている。

顧問による安全講習:労働安全衛生の基本に立ち返る

安全活動報告に続いて登壇したのは、顧問の阿部陽三さんである。講義は、労働安全衛生の基本から入り、現場で毎日実行すべき行動、ヒューマンエラーの考え方、事故の型分類、そして熱中症対策の義務化までを順に扱った。

安全衛生とは何か

講義では、安全衛生を「従業員が安心して働ける環境をつくり、労働災害を防止すること」と定義した。身体的な安全衛生に加え、近年はメンタル面の安全衛生にも注目が集まっており、メンタル面の不調は身体的な不調よりも生産性を低下させるという報告も紹介された。従業員の安全衛生が守られた職場はパフォーマンスを最大限に発揮でき、企業の業績向上にもつながる。だから、安全衛生のための投資と教育は重要だ、というのが一貫した主張である。

安全衛生の主軸は二つ。負傷せず安全に働ける「労働安全」と、病気にかからないようにする「労働衛生」だ。これらを支える法律が労働安全衛生法で、事業者に求められる事項は約400件にのぼる。従業員50人以上の職場では安全管理者・衛生管理者の選任と、安全委員会・衛生委員会の設置が必要になり、10人以上50人未満の職場では安全衛生推進者の選任が義務となる。産業医や総括安全衛生管理者の選任が必要な場合もある。

「不安全な行動」と「不安全な状態」

講義が強調したのは、労働災害の原因が、従業員の「不安全行動」と、機械など物の「不安全状態」の組み合わせにある、という点だ。安全装置や保護具を自分で使わない、機械類の点検を怠って欠陥に気づかない、といったことが典型である。そして、経営者や管理者だけが熱心でも、実際に安全を実行するのは現場だ。現場が「やらされている」状態では安全は守られない。だからこそ、現場で働く従業員自身を巻き込んだ活動が必要になる。

「不安全な状態」と知りながら作業し、「不安全な行動」と思いながら作業すること。それをヒューマンエラーと呼ぶ、と講義は述べた。ヒューマンエラーは「意図しない結果を生じる人間の行為」であり、人間はつい「ウッカリ」「ボンヤリ」し、「勘違い」をし、横着して近道や省略をする。この特性が誤った動作を生み、事故・災害の多くはヒューマンエラーによる、という説明だった。

作業方法に起因するエラーとして、七つのパターンを挙げた。作業手順を決めていない、手順にモレや抜けがある、手順を守れない、手順を教育訓練していない、守ったつもりになっている、忘れた、守らない。これらは裏返せば、「決めごとがない」「抜けがある」「守れない」「教えていない」といった標準のあり方の問題である。人を責める前に、作業手順そのものを見直せ、という示唆が読み取れる。

毎朝の「安全朝礼」とKYT

実践編として示されたのが、始業前の「安全朝礼」だ。時間は5〜10分が適当とされ、全員一斉に挨拶し、体温・血圧・頭痛・腹痛・便通など異常がないか健康を確認し、職場体操をして要所で大きな声を出す。次にKYT(危険予知訓練)を行い、安全のワンポイントレッスンや連絡事項の伝達をする。さらに服装・保護具を相互に点検し、作業を指示する。朝礼を行うことで1日の仕事をしっかりやろうという決意が生まれ、ミスが減り、職場の一体感が生まれて災害予防になる、という。

危険予知活動は、現場で作業を始める前に、責任者と作業者が危険箇所・危険作業を確認するミーティングである。安全を「先取り」して、事故・災害をゼロにする。朝礼のほか、昼礼・夕礼でも作業の進み具合に応じてKYMを行えば、常に安全作業を意識し続けられる。そこでは、現場ごとの順守事項や、会場のルールも共有される。当日の例示は、ヘルメットの着用、脚立のトップ立ち作業の禁止、脚立の半開き使用の禁止、脚立に乗ったままのカニ歩き行為の禁止、撮影・SNS投稿の禁止の5点だった。

事故を「型」で見る

講義では、労働災害の「事故の型分類」の活用法も紹介された。型ごとに原因や作業環境を分析して物理的な環境改善や作業方法の見直しを行う。業種別・起因物別の発生傾向を統計で把握し、対策を重点化する。労働者に事故の型と防止策を知らせて、リスク認識を高める。墜落・転落や転倒は高年齢の労働者に多く、段差の解消や手すりの設置が有効。飛来・落下や、はさまれ・巻き込まれは、機械設備や吊り荷の管理、保護具の使用が重要。感電、爆発、破裂、火災などは、設備点検と作業手順の徹底が求められる。

労働安全衛生法の目的は、労働災害の防止にある。事業者が危険防止の措置を怠れば同法違反として罰則が課される。一方で、事業者が講じた措置を従業員が適切に守らず災害が起きた場合には、従業員自身の責任とされることもある。会社が仕組みを整え、現場が守る。その両輪が揃って初めて安全が成立する、という整理である。

熱中症対策の義務化:8月の現場で何が求められるか

季節柄、講義でもっとも実務的だったのが熱中症の部分だろう。厚生労働省の資料(令和7年6月1日施行の改正労働安全衛生規則)によれば、2025年6月1日から、WBGT(暑さ指数)28度以上、または気温31度以上の環境下で、連続1時間以上、あるいは1日4時間を超えて行われることが見込まれる作業について、事業者は対策を取る義務を負うことになった。具体的には、熱中症のおそれがある労働者を早期に見つけるための報告体制の整備、重症化を防ぐための実施手順の作成、そして関係者への周知である。これらは罰則つきの義務である。

講義では、この義務の内容を、事業所ごとに実行する形にかみ砕いて紹介した。報告体制は事業所内に周知を徹底し、対応手順は重症化防止のための措置を事業所ごとに定め、労働者への周知は対策の内容を従業員に徹底する。さらに、熱中症疑いの基本対応フローも示された。

そのフローは六段階だ。第一に症状の発見(本人の自覚症状の報告、または周囲による異常の発見)。第二に作業の中断で、直ちに作業を止めて涼しい場所へ移す。第三に症状の確認で、呼びかけへの反応から意識レベルを評価する。第四に症状に応じた処置で、意識があれば水分・塩分を補給し、衣服を緩めて首や脇の下などを冷やす。意識がない、または異常があれば救急搬送に切り替える。第五に医療機関への搬送、第六に経過観察で、症状が治まるまで一人にせず継続して状態を見る。

予防策としては、作業環境管理、作業管理、健康管理の三本柱が紹介された。作業環境管理の例は、WBGT測定器の設置と定期的なモニタリング、屋外作業での日よけや休憩場所の設置、ミストシャワーやスポットクーラーの導入、冷風扇の適切な配置、通風の確保と大型扇風機の戦略的な配置、遮光フィルムや遮熱素材の活用、休憩スペースの冷房設置など。作業管理では、作業スケジュールの工夫によってリスクを減らす。講義は、熱中症対策を企業の社会的責任(CSR)としても位置づけ、「早期からの前進的な対策で、安全で健康な職場環境を実現しましょう」と結んだ。

同社は7月を熱中症対策、8月を屋外案件の対策と、月間強化テーマに組み込んでいる。屋外の展示、野外フェス、花火大会など、夏の現場は暑さとの戦いになる。法令上の義務化と、自社の月間テーマとが連動している点は、他社も参考にしたい。

自動車事故「営業車・貨物車」のリスク

49件のうち13件を占めた自動車事故にも、時間が割かれた。講習では、貨物バンの運転についても解説が行われた。要点は、貨物バンは乗用車に似た運転感覚を持ちながら、実際には重心の位置、死角、制動の特性が大きく異なる、ということだ。荷室を確保するために車高と重心が高く、横転のリスクが乗用車より大きい。積載の有無によって制動距離が変わり、「荷物がないから安全」とは限らない。ピラーや後方視界の制約による構造的な死角があり、車幅が広いため左折時の巻き込み確認も欠かせない。この「乗用車感覚」と「実際の構造」のギャップこそが、営業車事故の根本原因だ、という指摘だった。

先に紹介した「作業前の4項目」のうち、三つ目の「各種車両の操作特性の把握」は、この考え方に直結する。年間を通して、展示会場への搬入出で貨物車が走る同社にとって、車両特性の理解は、事故防止の根幹なのである。12月の強化テーマが「冬季の交通安全と体調管理」、4月が「春の交通安全運動」とされているのも、そうした背景からだ。

「健康経営」社員の健康を、経営の言葉で語る

安全の話が一段落すると、舞台は健康経営へと移った。同社が力を入れる分野であり、説明は「健康経営とは何か」から始まった。

” ケガ人だらけのチームは勝てない ”
    健康経営の説明より

会社は「スポーツチーム」にたとえる。体調不良で練習に来られない選手が多いチームは強くなれず、選手のコンディションが整うほど勝率が上がる。会社も同じで、社員の健康状態が悪ければ業績は落ち、良ければ生産性や業績が伸びる。これを「経営課題」として扱うのが健康経営だ、という説明である。

なぜ、健康経営にお金と時間をかける会社が増えているのか。その答えは、それが「コスト」ではなく「将来への投資」だからだ。社員が健康でないと、欠勤・早退・休職の増加、医療費の増加、代替人員対応のコスト増といった目に見える損失が出る。さらに大きいのが、健康上の問題を抱えながら働くことによる生産性の低下(プレゼンティーイズム)、パフォーマンス低下、ミスや事故の増加、コミュニケーション不足、離職者の増加といった見えにくい損失である。こうした見えにくい生産性の損失は、企業の健康関連コストの大きな割合を占めるとされる。事故の予防と健康の維持が地続きであることが、ここで改めて確認される。

なぜ「ホワイト500」を目指すのか

同社が目標に掲げるのが、経済産業省が創設し、日本健康会議が認定する健康経営優良法人認定制度である健康経営優良法人の大規模法人部門のうち、上位500法人が認定される「ホワイト500」だ(経済産業省)。目指す理由は三つある。

一つ目は、採用力の強化である。いまの若い世代は健康や働きやすさを重視して会社を選ぶので、ホワイト500は企業の「安全」「安心」ブランドを強くアピールできる。二つ目は、取引先やパートナー企業からの信頼性の向上だ。企業の調達基準では健康経営やサステナビリティを重視する流れが強まっており、認定は、健康経営に関する体制や取り組みが評価されていることを示し、三つ目は、経営効率の改善で、プレゼンティーイズムやワークエンゲージメントのように目に見えない「働きがい」や「生産性」を定量的に測り、健康施策が業績にどう効いているかを管理できるようになる。

評価は4年連続で上昇、順位は約2,000位から700位台へ

令和7年度の健康経営度調査の結果も示された。法人名は株式会社昭栄美術(非上場)、所属業種はサービス業。総合順位は4,175法人中751〜800位、総合評価は59.8で、前回の57.5から2.3ポイント上昇した。業種平均が48.9、回答法人全体のトップが68.3、業種のトップが67.5であるから、業種平均を10ポイント以上上回っている計算だ。

内訳を見ると、経営理念・方針が64.8、組織体制が60.4、制度・施策実行が60.8、評価・改善は53.6と、全体トップの71.2との開きが最も大きい。ただし、内訳を見ると、施策の効果検証・改善は高く評価されており、課題は労働時間・休職に関する項目にある。業界特有の繁閑差や不規則な勤務を踏まえ、残業時間の削減や休職者の復職支援など、実態の改善を進めることが今後の重点となる。

なお、シートの注記によれば、「ホワイト500」への該当は回答法人全体ではなく申請法人に絞った順位で判定される。このため、調査結果の順位から繰り上がって認定されるケースもあるという。

この5年間の歩みを、下の表にまとめた。令和3年度の総合順位は1,951〜2,000位、総合評価46.4。そこから毎年2〜4ポイント程度ずつ偏差値を積み上げ、令和7年度に751〜800位へと、約1,200位の上昇を果たした。回答法人数が2,869法人から4,175法人へ増えるなかでの躍進である。

35項目の取り組み:食、休暇、運動、メンタルまで

こうした評価を支えるのが、同社の多彩な健康経営の取り組みだ。従来からの取り組みは35項目にわたる。主なものを挙げる。

健診関連では、健康診断の受診率・ストレスチェックの受検率はともに100%。年齢に応じて健康診断のオプションの血液検査を全額会社負担とし、精密検査の受診促進(受診率は91.8%に上昇)、就業時間内に行う特定保健指導の推進(受診率は77.4%に上昇)も進めている。女性社員の婦人科検診(子宮頸がん・乳がん)は全額会社負担。社員の配偶者の健康診断にも費用を補助し、インフルエンザ予防接種は同居者も含めて全額会社負担とする。部門長以上を対象に、差額人間ドック(脳ドックを含む)の費用も会社が負担する。産業医面談では、過重労働やメンタルヘルスの相談に応じる。

食の分野では、朝食サービスの提供、健康ドリンクの自動販売機(1日1本無料)、月2回の無料ランチ会(栄養バランスを考慮)がある。食の安全性についてのセミナーと発芽酵素玄米の試食会を開き、朝食メニューにも発芽酵素玄米を導入した。

働き方と休暇の面では、バースデー休暇とチャージ休暇による有給休暇の促進、フレックスタイム制と裁量労働制の導入、インターバル制度の導入、短時間の仮眠を認めるパワーナップ制度、健康管理休暇(特別休暇)の付与などがある。育児や介護に関する情報を定期的に提供して仕事との両立を支援し、育児休業を取得した男性社員の声をホームページに掲載している(「働くパパの育児事情」)。

コミュニケーションと運動・メンタルの面では、社内クラブ活動と課内コミュニケーションに費用補助を出す。体力年齢測定を実施し、運動推進プログラム(健康アプリ)を導入した。健康動画の定期配信、毎月1回の健康推進コラムの配信、健康管理システムの導入、健康推進ルームの運用も行う。禁煙については、定期的な禁煙月間、ベイスタジオの喫煙所の移設、禁煙外来費用の一部補助がある。心の健康施策として、コミュニケーションロボット「LOVOT(ラボット)」を導入している点も目を引く。

さらに、健康経営推進ガイドラインをホームページで公開するとともに、パートナー企業にも自社の健康経営の事例を紹介している。こうした  活動を通じて、社内だけでなく、取引先にも健康経営を広げていこうとしている。

今期は、新たな取り組みも予定されている。本社でのからだメンテナンスランチ会(年4回)、メンタルヘルス支援の専門職(OMC)との提携によるメンタル不調者のサポート、女性専用の休憩室の設置、Walkチーム対抗戦への参加、そして毎週水曜日は18時までに退社するノー残業デーの復活である。

昭栄美術の健康経営度順位の推移(令和3〜7年度)
R3年度 R4年度 R5年度 R6年度 R7年度
総合順位 1951〜2000位 1651〜1700位 1301〜1350位 901〜950位 751〜800位
回答法人数 2,869法人 3,169法人 3,520法人 3,869法人 4,175法人
感謝の言葉を述べる 小林会長

感謝の言葉を述べる 小林利昭会長

出典:健康経営度調査フィードバックシート。

懇親会の開幕:「感謝の場」としてのBBQ

17時30分、会場は屋外に移った。3号棟のヤード前にテントとテーブルが並び、BBQ大会が始まる。冒頭のあいさつで小林利昭会長は、パートナー企業から日ごろ受けている指導や協力に対して「頭が下がる思い」「感謝しかない」と述べ、続けて、自社の現状を率直に語った。

今かなりお客様からも注目をいただいて、大きな仕事であったり、これから先もイベントであったり、引き合いをいただいている状況で、どんどん仕事をいただいて、成長しているような状況であるんですけれども、ただ我々だけでは、やっぱりこの仕事は成り立ちませんので、皆さんの力があってこそ。

懇親会 開会のあいさつより

毎年恒例のBBQ大会は、「懇親の場と感謝の場」として開かれる。社員とのコミュニケーションを通じて、これからの連携を深めてほしい、という趣旨が語られた。続く乾杯は、「これからまた繁忙期を迎えますけれども」という言葉で始まり、「皆様のご健康、ご発展、これからの無事故、無災害」を祈って杯が上がった。安全大会の延長線上に懇親会がある、という位置づけがここにも表れていた。

乾杯の直後、司会は昭栄美術の社員に向けて、「各課で関わりの深いパートナー企業様のもとに行って話をしてほしい」と呼びかけた。普段は取引でしか接点のない相手と、顔を合わせて話す場にしたい、という意図である。会場のあちこちで、課ごとの担当者がパートナーの席を訪ね、名刺を交わす光景が広がった。

懇親会で聞こえた「現場の声」

 

筆者は、取材者として会場を回り、複数のパートナー企業の方々に話を聞いた。会話は多岐にわたったが、いくつかの共通するテーマがあった。

「夏の開催」と、変わった繁閑

毎年8月に開催される理由を、参加者の一人はこう振り返った。昔は夏がもっとも閑散期で、その時期だからこそ安全大会を開けた。いまは6月、7月、8月にも案件があり、夏のイベントや対応力の面でも仕事が増えている。実際、会場では、毎年うだるような暑さになること、大雨の年もあったことが話題になった。この「夏の繁忙」は、熱中症対策の義務化とも重なる、現場全体の課題である。

業界の先頭を走る存在として

業界の動向についても話が及んだ。複数の参加者が、イベント自体が増えており、業界全体としても活況を感じていると話した。同社が電気工事、レンタル、サインと事業領域を広げるたびに、業界では「次は何を始めるのか」と注目が集まってきた、という。「名実ともにリーディングカンパニーとなってきた」という言葉も出た。別の参加者は、展示会そのものの案件が増えている実感を語った。

また、同社が警備業の認可を取得し、花火大会などのイベント運営にも携わっているという話も出た。イベントでは、元請けが警備業の認可を持っているかどうかが問われる場面が増えている。施工・運営に加えて、警備まで自社で完結できる体制は、同社の「製販一体」の延長線上にあると言える。

 

SDGsの現場と、成長のスピード

SDGsの文脈でも話が弾んだ。さまざまな企業に話を聞くと、「最終的に現場を担っているのは昭栄美術」という話になることが多いという。循環型ディスプレイなど、環境配慮型の施工が求められる流れのなかで、同社は存在感を高めている。

一方、会話のなかには、成長の速さゆえの課題を指摘する声もあった。社員数が500人に迫る規模になり、社歴の浅い社員の割合も高い。そうなると、自社の取り組みの全体像を、社員自身が把握しにくくなる。社内外を問わず、情報共有の場を増やす必要があるのではないか、という指摘である。同時に、この急成長により、社員の平均年齢が若く保たれていることを好意的に捉える声もあった。若い社員が多いことは、先に見た「20〜30歳の事故が53%」という数字を考えれば、安全教育の重要性とも直結する話だ。

木工、大道具、機材手配 パートナーの顔ぶれ

名刺交換を重ねるなかで、あらためて実感したのは、パートナー企業の幅広さである。木工施工を手がける会社は、展示会の仕事に加えてテレビ局のセットなど「大道具」の仕事も担う。ブースの下地を作り、仕上げ担当に渡す前段階までを受け持つという。ディスプレイの木工を手がける別の会社の担当者は、コロナ禍を経て、企業が「安っぽく見られたくない」とブースに木工でこだわる傾向が強まり、需要は増えていると話した。

機材と手配を専門とする会社は、高所作業車を9mから24mまで扱い、フォークリフトの手配と運転手の派遣、玉掛けの相談にも応じる。昭栄美術と「違うところを補い合う関係」だと表現した。現場で「これはどう吊るのか」「この高さにはどの機材か」といった相談を受けることもあるという。

人材面を支える会社もある。学生アルバイトを中心としたスタッフの派遣を長年担っている会社の担当者は、年々、人を集めることが難しくなっていると率直に語った。大工の職人派遣を専門とする会社は、「手に職をつけた人が生き残る時代になる」と話し、AIの進展で仕事が変わっていく今こそ、若い世代にものづくりの仕事を選んでほしいと語った。屋外か屋内か、昼の仕事か夜の仕事かといった働き方の違いは、日焼けの度合いが「社内格差」になるという冗談とともに、会場の笑いを誘った。

こうして話を聞いていると、同じ「パートナー企業」でも、担う役割は驚くほど違う。木工、機材、人材、運送、電気、映像音響、印刷、サイン。それぞれの仕事のなかに、固有の事故リスクがあり、固有の安全の工夫がある。だからこそ、昭栄美術が一社で安全を語るのではなく、パートナーを呼んで一緒に考える場を設けることに意味がある。

最後まで「安全」で締める

懇親会は、今後の発展と成長を記念して、一丁締めで締めくくられた。第48期 株式会社昭栄美術 安全大会並びに懇親会は「帰りも、ご安全に、よろしくお願いいたします。」のアナウンスとともに散会した。

撤収の案内にも、安全への配慮が見えた。昭栄美術の社員は懇親会のテーブルや折り畳み椅子を片付け、残った食べ物をまとめる。飲料は冷蔵庫で保管し、持ち帰れる人は持ち帰り、残りは明日以降に自由に持ち帰ってよい。そして、懇親会用に準備したテントなどの設営物は、「安全面の観点から明日撤収する」とアナウンスされた。暗くなってからの撤収作業を避ける判断だという。安全の考え方を、懇親会の運営そのものにも適用しているのである。

安全は「見せる」ことから始まる

取材を終えて印象に残ったのは、同社が「見せる」ことを徹底している点だ。事故件数を前期と比較してグラフで示し、事故の性別・年齢・発生場所までを公開する。写真で失敗の現場を見せ、NGとOKの違いを横に並べる。スローガンをポスターにし、ピクトサインをフォークリフトに貼り、横断歩道を路面に描く。ルールを言葉だけに頼らず、目に入る形に変えているのである。

もう一つは、安全と健康を「同じ経営課題」として扱っていることだ。事故をなくすには、作業手順や設備の整備だけでなく、社員が体調よく、集中して働ける状態が欠かせない。健康経営の取り組みと安全活動が、同じ日の同じ場で語られたことは、その考え方の表れだった。

展示会やイベントの現場は、一時的に人と物が集まり、短い期間で仕上げて撤収する、事故の起きやすい構造を持っている。そのなかで、元請けが率先して数字と失敗を開示し、パートナーとともに改善を重ねる。この姿勢は、業界全体の安全水準を底上げしていく上で、一つの手本になるだろう。第48期の発生率は0.65%。今後も年間を通しゼロ災害を実現するための、昭栄美術の挑戦は続く。

 

田中力 MICE 研究所 代表 展示会 イベント集客は、来場者数、来場者の質、滞留時間という 集客3D理論を展開。

田中力㈱MICE研究所 代表取締役/月刊イベントマーケティング副編集長

投稿者プロフィール

田中力 ㈱MICE 研究所 代表取締役 月刊イベントマーケティング副編集長。日本展示会協会 会員交流委員会、MPI Japan Japan Chapter 役員(広報委員会)、日本イベント学会 東日本地域本部 事務局、沖縄県MICE専門アドバイザー。英国暁星国際大学卒業後、貿易・物流・小売に関わり、バイヤーのサポートとして海外展に多数参加。2015年の創刊以来、イベントマーケティング・展示会関連の取材・編集・企画にも関わる。2016年からは自社でイベント関係者向けのカンファレンスBACKSTAGEも主催。近年はイベント業界の人材課題を解決する就職フェアも実施。

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