日本橋川沿いの再開発「日本橋リバーウォーク」の第一弾
東京ミッドタウン日本橋は、日本橋川周辺の再開発エリア「日本橋リバーウォーク」の第一弾プロジェクトに位置づけられている。日本橋リバーウォークは、日本橋川沿いの5つの再開発事業と、首都高速道路日本橋区間の地下化事業が連携し、約11haにわたって水辺を中心とした街づくりを進める一帯の名称で、公式サイトが開設されている。リリースによると、首都高の高架橋は2040年ごろに撤去される予定だ。
東京ミッドタウン日本橋は4つの街区で構成される。A街区は、中央区指定有形文化財の「日本橋野村ビルディング旧館」の外観を保存・活用し、低層部を商業施設として再生する。B街区の「日本橋リバーサイドテラス」は、日本橋川に開かれた複合施設で、川沿いの遊歩道、水辺に面した商業施設、48戸の住宅を整備する。C街区が中心のタワーで、D街区は既存の「日本橋一丁目三井ビルディング(通称:サウス)」だ。サウスは2027年内の改修工事の完了をもって、街区全体が完成を迎える。

C街区の「ザ タワー」:オフィスからホテル、住宅まで

C街区の「ザ タワー」は、地下1階〜3階が商業施設、5階〜8階がMICE・ビジネス支援施設、10階〜20階と22階〜38階がオフィス、39階〜47階がホテル、48階〜51階が賃貸住宅という構成だ。
オフィスは、低層部(10階〜20階)の基準階面積が約1,970坪、高層部(22階〜38階)が約1,370坪で、エリア最大級のフロアプレートとされる。10階と21階には屋外テラスが設けられる。入居予定の企業には、本社を構える野村ホールディングスのほか、第一三共の本社、バンク・オブ・アメリカの日本拠点などが挙がっている。三井不動産が運営するオフィスエリアでは、22階のスカイロビー階にワーカー向けラウンジ「&BIZ lounge by WORKSTYLING」を整備するほか、最大約100名を収容できるカンファレンスルーム「&BIZ conference」、サウナやシミュレーションゴルフの個室を備えた「&BIZ fitness」も設ける。
ホテルは、ヒルトンが運営する最上級ブランド「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」で、39階〜47階に開業する予定だ(宿泊客が利用できるのは40階〜47階)。客室は全197室で、3つのレストラン、ラウンジ&バー「ピーコック・アレー」、屋内プール、スパ、フィットネスセンター、宴会場、チャペルを備える。48階〜51階には、同ブランドの名を冠したアジア太平洋地域初のレジデンス「ウォルドーフ・アストリア・レジデンス東京日本橋」を整備する。総戸数は71戸、専有面積は約60㎡〜約430㎡だ。
商業ゾーンは約2万㎡・約100区画、COREDO日本橋は10月15日に閉館
商業ゾーンは、C街区の地下1階〜3階、D街区の地下1階〜4階、B街区の1階・2階の3つのエリアで構成され、デッキや地下通路でつながる一体の施設として、2027年内の開業を予定している。物販店舗や飲食・食物販店舗など約100区画、約20,000㎡の規模だ。
D街区の地下1階〜4階にある商業施設「COREDO日本橋」は、2026年10月15日(木)をもって閉館し、東京ミッドタウン日本橋の商業ゾーンとして、2027年内にリニューアルオープンする。個別のテナント名は、今回の発表では示されていない。
MICE施設は2027年10月に開業予定

本誌の読者にとって最も気になるのは、5階〜8階に整備されるMICE施設だろう。リリースは「都心最大規模」とうたい、国際会議や企業の展示会・イベントから、コンサート、アート展覧会、ファッションイベントまで、多彩な催事を想定している。開業は2027年10月の予定だ。
施設の中身は、約1,500㎡のホール2室と、計約1,400㎡の12のカンファレンスルームで、廊下やホワイエを含めた総面積は6,700㎡。ホールには約1,000㎡のホワイエを併設し、受付・クロークだけでなく、商品展示やパーティーにも使えるという。リリースでは、ホール2室はそれぞれ約1,600名を収容できるとされている。一方、MICE施設の公式サイトには、5階のホールが約1,500㎡で最大約1,350名、7階のホールが約1,450㎡で最大約1,170名と記載されている。数字が異なるため、収容人数はレイアウトによる違いも含めて、主催者に確認したい。
運営面では、DMO TOKYO 日本橋と連携し、日本橋ならではの食や文化のコンテンツの提供・紹介、街の交通案内、After MICEプログラム、宿泊手配までを一体的に提供する予定だ。MICE施設専用の大型エレベーターや大型バスの待機場の整備、外国語対応スタッフの採用、海外のニーズに対応したケータリングの提供も計画されている。予約の受け付けは、公式サイトから行う。

街区全体にエネルギーを供給する「日本橋一丁目エネルギーセンター」
街区全体への電気と熱の供給を担う「日本橋一丁目エネルギーセンター」も、9月30日に竣工した。三井不動産と東京電力エナジーパートナー、両社が共同設立した三井不動産TEPCOエナジーが運営し、10月1日から電気と熱の供給を始めている。両社の発表によると、供給対象は街区全体で、対象面積は約38,000㎡、供給対象の延床面積は約478,000㎡。7,800kWの大型コージェネレーションシステム2台を備え、街区全体のCO2排出量を約25%削減できるとしている。
ロゴマークとJAPAN VALUE「世界に誇る、日本の起点へ」
決まったロゴマークは、東京ミッドタウンのブランドの象徴であるMマークとキーカラーの緑を共通の要素として採用し、左端に水色を加えて、日本橋川に面した街の特徴である「With the River」を表現した。曲線的なMは、建物外観の曲線、川の水の流れ、舟の波跡、来客で揺れる暖簾をイメージしている。東京ミッドタウンが共通ビジョンに掲げる「JAPAN VALUE」は、日本橋では「世界に誇る、日本の起点へ」とされた。固有の提供価値としては、「With the River」「Tradition&Innovation」「Elegance」の3つが示されている。

プロジェクト概要
| 項目 | A街区 | B街区 | C街区 |
|---|---|---|---|
| 名称 | 日本橋野村ビルディング旧館 | 日本橋リバーサイドテラス | 日本橋野村三井タワー(ザ タワー) |
| 所在地 | 中央区日本橋一丁目9番1号 | 中央区日本橋一丁目9番2号 | 中央区日本橋一丁目5番1号 |
| 敷地面積 | 約1,370㎡ | 約2,060㎡ | 約15,560㎡ |
| 延床面積 | 約5,300㎡ | 約6,600㎡ | 約374,800㎡ |
| 階数・高さ | 地上4階・地下2階/約33m | 地上7階・地下2階/約32m | 地上52階・地下5階・塔屋3階/約284m |
| 用途 | 業務施設、商業施設 | 住宅、商業施設 | オフィス、商業施設、ホテル、賃貸住宅、MICE施設、ビジネス支援施設、駐車場等 |
事業主体は日本橋一丁目中地区市街地再開発組合で、区域面積は約3.0ha。都市計画・事業コンサルタントと基本設計・実施設計・監理は日建設計が担い、C街区のデザインアーキテクトは日建設計とPelli Clarke & Partners、B街区は日建設計と光井純&アソシエーツ建築設計事務所。施工は日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業建設共同企業体。交通は、東京メトロ銀座線・東西線、都営地下鉄浅草線の「日本橋」駅に直結し、半蔵門線「三越前」駅から徒歩3分、JR「東京」駅から徒歩8分だ。
参考
三井不動産・野村不動産 ニュースリリース「『東京ミッドタウン日本橋』2026年9月30日竣工」(2026年10月8日)
同リリース(PR TIMES)
三井不動産・東京電力エナジーパートナー 発表資料「日本橋一丁目エネルギーセンター」(2026年10月8日)
東京ミッドタウン日本橋 MICE施設 公式サイト
日本橋リバーウォーク 公式サイト
Impress Watch:「東京ミッドタウン日本橋」竣工(2026年10月8日)




















