東京ビッグサイト休館中の展示会会場を徹底比較 幕張メッセ・パシフィコ横浜・有明GYM-EX・東京国際フォーラム・サンシャインシティ・浜松町館の選び方
- 2026/11/8
- イベマケ基礎知識
- 展示会スケジュール, 東京ビッグサイト, 東京ビッグサイト 休館中 代替え会場, 東京国際展示場

東京ビッグサイト休館中の展示会会場を徹底比較 幕張メッセ・パシフィコ横浜・有明GYM-EX・東京国際フォーラム・サンシャインシティ・浜松町館の選び方
東京ビッグサイトは、2026年12月まで東4〜6ホールが使えず、2027年1月から2月中旬にかけては全館が休館する予定だ。当サイトの東京ビッグサイトのスケジュールページにも、「1月1日〜2月15日 大規模改修工事による休館 全館」という注記が出ている。この期間に展示会を開きたい主催者、出展を考える企業、そして来場する人は、「いつもの有明ではない、どの会場へ行くのか」を考えなければならない。
この記事では、休館中の受け皿として名前が挙がる6つの会場を、広さ、天井の高さ、床の強さ、立地、周辺環境、向いている展示会の種類という観点で、順に掘り下げる。数値は、各会場の公式資料や出展者向けの案内で確認できたものを使い、確認できなかったものは、その旨を書いた。資料によって数字が食い違う箇所も、そのまま示してある。
東京ビッグサイトの休館そのものの経緯は、東京ビッグサイトの大規模改修と休館にまとめている。この記事は、その続きとして、「では代わりにどこが使えるのか」という疑問に答える位置づけだ。
休館中の展示会は、どこへ動いているのか
東京ビッグサイトの休館に対する主催者の対応は、おおまかに3つに分かれる。1つ目は、会期をずらして、全館休館が明ける2月中旬以降に開く方法だ。2027年2月17日から19日には、再開後の展示会が予定されている。2つ目は、幕張メッセやパシフィコ横浜など、ほかの大型会場へ移る方法。3つ目は、規模を絞って、都内の中小規模の会場で開く方法である。
具体例を挙げると、東京オートサロン2027は、2027年1月15日から17日に幕張メッセで開かれると報じられている。東京eスポーツフェスタ2027は、1月22日から24日に、東京国際フォーラムでの開催が予定されている。AnimeJapanは、2027年以降の会場を大阪に変更すると発表された。同じ「休館」でも、行き先は展示会ごとに違うことが、これらの例から分かる。
Innippon(2026年7月27日公開)は、2026年4月から12月の東棟の改修休館に伴って、年間30本を超える大型展示会が、幕張メッセやパシフィコ横浜へ振り替えられると伝えている。2026年の部分休館の時点で、すでに首都圏の大型会場に展示会が分散しているわけで、2027年の全館休館では、この動きがさらに強まる可能性がある。なお、2028年以降に再び休館があるかどうかは、公式には確認できていない。長期の出展計画を立てる人は、東京ビッグサイトの公式発表を確かめてほしい。
会場を比べる前に押さえたい、3つの見方
会場選びで見るべき点は、大きく3つある。ひとつは広さで、展示会の規模(小間数や来場者数)に対して、展示面積が足りるかどうかだ。ふたつめは立地で、来場者が仕事の合間に行ける場所か、駅からの距離や乗り換えの回数はどうか、という点になる。みっつめは設備で、天井の高さ、床の耐荷重、搬入出のしやすさ、電気や給排水の条件が、展示物に合うかどうかを指す。
同じ展示会でも、出展者と来場者とでは、重視する点が違う。出展者は、搬入出と設営の費用、そして展示物の大きさや重さを気にする。来場者は、駅からの距離と、会場の周りの食事や宿泊を気にする。どちらの立場で読むかによって、使いやすい会場は変わる。以下の各会場の紹介では、この3つの見方を意識して書いた。
幕張メッセ:東京ビッグサイトに最も近い規模の受け皿
規模と構成:展示ホールだけで72,000㎡
幕張メッセは、千葉市美浜区にある複合コンベンション施設で、国際展示場、国際会議場、幕張イベントホールの3つの施設で構成される。中心になる国際展示場は、展示ホール1〜8が54,000㎡、展示ホール9〜11が18,000㎡で、合計72,000㎡になる。なお、資料によっては約75,000㎡と書かれていて、数字に差がある。どの範囲を数えるかで違いが出るとみられるため、契約や出展の判断をする前に、主催者や会場の公式資料で確認しておきたい。
展示ホール1〜8は、1ホールあたり6,750㎡の同じ大きさのホールが8つ並ぶ構造だ。1ホールの大きさは、南北112.5m、東西60mで、天井高は15〜30mとされている。可動間仕切りで分けられるので、1ホールだけを使う中規模の展示会から、8ホールをすべて使う大規模な催しまで、同じ施設の中で対応できる。床の耐荷重は1㎡あたり5トンで、重い機械や車両を載せる展示にも対応する。
展示ホール9〜11は、ホール9が9,000㎡(96m×96m)、ホール10と11がそれぞれ4,500㎡(96m×48m)だ。天井高は、ホール9で最大34m、ホール10・11で最大20.7mとされる。床の耐荷重は、ホール9が5トン/㎡、ホール10・11が3トン/㎡と、ホールによって違う。展示物の重さによっては、この差が、配置の決め手になる。
搬入出と設営:車両の大きさに注意
搬入口は、展示ホール1〜8では、北側に幅5.2m×高さ4mが2か所、南側に幅8.3m×高さ5.6mが1か所ある。ゲートの幅は9mで、入場できる車両の総重量は30トンまでだ。展示ホール9〜11は、搬入口が幅10m×高さ4.6mで、ゲートの幅は10m、車両の総重量は45トンまで入れる。吊り物については、展示ホール1〜8で、1ホールあたり540か所の吊り点があり、1か所の耐荷重は450kgとされている。
東京ビッグサイトの出展者向けガイド(東京ビッグサイトの出展者向けガイド)と見比べると、搬入できる車両の大きさ、シャッターの寸法、吊り点の耐荷重など、細かい数字が異なる。東京ビッグサイトで使っていた装飾や展示物を、そのまま持ち込めるとは限らない。会場が変わったら、まず出展者向けの手引きで、車両とシャッターの寸法を確かめるのが安全だ。
立地と周辺:京葉線の混雑と、広い駐車場
最寄りは、JR京葉線「海浜幕張」駅で、徒歩約5分。東京駅から京葉線の快速で、およそ30分かかる。羽田空港や成田空港からは、高速バスで30〜40分とされている。有明からの移動に慣れた来場者にとっては、京葉線への乗り換えが、負担になることがある。大型展示会の開場前後は、駅から会場へ向かう道も込み合う。
駐車場は有料で、普通車が約5,000台、大型車が120台、二輪車が50台とされる。東京ビッグサイトの駐車場(常設で約600台)と比べると、台数に大きな差があり、車で来場する人や、搬入出の車両が多い展示会には、強みになる。障害者手帳などを持つ人は、駐車料金が無料になる。
隣接する2つの施設
国際会議場は、延床面積が16,700㎡で、会議室は全部で22室ある。最も大きい「コンベンションホール」は1,390㎡で、シアター形式で最大1,664人、「国際会議室」は635㎡で、最大688人が入る。展示会と同時に、セミナーや講演会を開く場合に、使いやすい。
幕張イベントホールは、アリーナの広さが3,098㎡(40m×80m)、最大の天井高は27mだ。座席は、固定席が3,948席、可動席が912席で、仮設の席を加えると、およそ3,000席が上積みできる。展示会というより、コンサートやスポーツ、式典に使われる施設だが、展示会の開会式や、大規模な基調講演の会場として、組み合わせる使い方もできる。
向いている展示会
出展者が数百社を超える大規模な展示会や、自動車、電子部品、食品など、広い会場を必要とする分野には、幕張メッセが最有力になる。大型機械、車両、大きな構造物の展示にも向く。一方で、都心の来場者を集めたい商談型の展示会では、アクセスの面で、東京ビッグサイトより不利になることもある。休館中の受け皿としては最も名前が挙がるぶん、予約が混み合う点にも、注意したい。
パシフィコ横浜:天井が高く、国際会議との相性がよい
規模と構成:展示ホール・会議センター・ノースの3施設
パシフィコ横浜は、横浜・みなとみらい地区にある複合コンベンション施設で、展示ホール、会議センター、パシフィコ横浜ノースの3つで構成される。横浜市の資料によると、展示ホールは延床面積が約51,000㎡、地上4階・地下2階で、2001年7月に拡張オープンした。会議センターは延床面積が約30,000㎡で、1,000席のメインホールと、大・中・小の会議室が約50室ある。
展示ホールは、A〜Dの4つのユニットからなる。Aが3,300㎡、Bが6,700㎡、Cが3,300㎡、Dが6,700㎡で、全部を合わせると20,000㎡になる。天井高は13〜19mで、柱のない、広い一体の空間だ。4つのユニットを組み合わせて、最小3,300㎡から、6通りの規模に変えられる。なお、床の耐荷重の数値は、今回確認した資料には載っていなかった。重い展示物を持ち込む人は、出展者向けの手引きで確認してほしい。
2020年4月に開業したパシフィコ横浜ノースは、延床面積が約46,300㎡(敷地は約21,000㎡)、地上6階・地下1階の施設で、多目的ホールと、大中小あわせて42室の会議室を備える。事業主体は、横浜市と横浜グローバルMICEだ。展示ホールとノースを組み合わせて、国際会議と展示会を、同時に開く運営もしやすい。
立地と周辺:ホテルと商業施設が近い
みなとみらい線「みなとみらい」駅から、徒歩約3〜5分と近い。会場の周りには、ホテルや商業施設、観光地が並び、遠方から来る参加者の宿泊や食事に困りにくい。国際会議のように、数日にわたって参加者が滞在する催しとの相性が、よいといわれる理由はここにある。
渋谷や新宿方面からは、東急東横線とみなとみらい線の直通で行けるので、東京の西側から通う来場者には、有明よりも行きやすい場合がある。反対に、江東区や千葉方面から通う人には、遠く感じられるだろう。電車で来場する人が多い展示会は、来場者の居住地の分布を、先に確かめておくとよい。
向いている展示会
展示面積は、幕張メッセの展示ホール1〜8と9〜11を合わせた72,000㎡に比べて、およそ3割にとどまる。そのため、東京ビッグサイトの大型展示会が、そのまま移るのは難しい。一方で、中規模の展示会、学会と展示会の組み合わせ、展示会に付随する大型のカンファレンスなどには、使いやすい会場である。天井が高いため、吊り物や、大きな装飾を使うブース構成も取りやすい。
有明GYM-EX:東京ビッグサイトの近くで、中規模の展示会を
成り立ちと運営
有明GYM-EXは、2023年5月18日にグランドオープンした展示場だ。東京2020大会で、体操、新体操、トランポリン、ボッチャの会場になった「有明体操競技場」を改修したもので、名前は、体操の「GYMnastics」と、展示会の「EXhibition」を組み合わせたものになっている。東京都が、都内の中小企業を振興するために整備し、運営は東京ビッグサイトが担う。外壁の一部にも木材が使われていて、東京ビッグサイトの無機質なイメージとは違う、柔らかな印象の建物だ。
規模と設備
公式の手引きによると、展示ホールは約9,400㎡で、1階の広さは約79m×119mだ。天井高は、キャットウォークの下で約20m、低い天井の部分で約3.2mとされる。床の耐荷重は、1㎡あたり5トンで、重い展示物にも対応する。施設全体の規模は、敷地面積が約36,500㎡、延床面積が約27,400㎡の3階建てだ。営業時間は8時から23時で、営業時間外の搬入出作業はできない点は、あらかじめ頭に入れておきたい。
立地:ゆりかもめの駅から徒歩5分
所在地は、江東区有明1-10-1だ。ゆりかもめ「有明テニスの森」駅から、徒歩約5分で行ける。りんかい線「国際展示場」駅からは、徒歩約17分と、かなり離れているため、来場者を案内する場合は、ゆりかもめ側の駅からの道順を、しっかり示す必要がある。
向いている展示会
広さは、東京ビッグサイトの1ホールから数ホール分にあたる。大きな展示会は入りきらないが、中小規模の展示会や、企業の単独イベントには使いやすい。同じ運営会社の施設なので、手続きや、周辺の環境に慣れている主催者には、移りやすい選択肢になる。同じ有明にあるため、来場者も場所を覚えやすい。ただし、東京ビッグサイトが休館する期間は、有明周辺のホテルや飲食店が、混み合うことも考えられる。周辺の宿泊や食事は、東京ビッグサイト周辺のホテルと東京ビッグサイトの食事・レストラン案内を参考にしてほしい。
東京国際フォーラム ホールE:有楽町・東京駅から地下でつながる都心の展示ホール
規模と設備
東京国際フォーラムの展示会向けの空間が、地下2階にある「ホールE」だ。面積は5,000㎡で、可動間仕切りによって、3,000㎡と2,000㎡の2つに分けて使える。天井高は9mで、外光が入る2層吹き抜けの空間になっている。床の耐荷重は1㎡あたり1.0トンで、平土間の形式だ。壁の上部がガラスなので、隣のロビーギャラリーや地下コンコースからも、ホールの中の様子が見える。
幕張メッセやパシフィコ横浜に比べると、面積は小さく、床の耐荷重も控えめだ。重い機械を載せる展示会には向かないが、その一方で、床には電気と給排水のピットがあり、調理や飲食を伴う出展にも対応できる。食品、飲料、イベント、体験型の展示と、相性がよい設備といえる。ロビーギャラリーと組み合わせることで、より広い展開もできる。
立地:JR有楽町駅、東京駅から地下でアクセス
ホールEへは、JR有楽町駅、地下鉄有楽町駅、JR京葉線の東京駅から、地下の通路でたどり着ける。雨の日でも、傘が要らない。東京駅、有楽町駅、銀座といった乗り換えの便利な駅が近く、出張のついでや、仕事の合間にも立ち寄りやすい。東京eスポーツフェスタ2027が、この会場で開かれる予定であることも、都心の来場者を集めやすい立地が、評価されている例だろう。
向いている展示会
都心で、短い時間でも見られることが重要な展示会、講演やカンファレンスと展示を組み合わせた催し、体験型の消費者向けイベントには、使いやすい。反対に、大型の機械や、出展者数の多い展示会は、面積と床の耐荷重の面で、難しい。国際フォーラムは、ホールAやホールCなどの大きな劇場型のホールを持つため、展示会と同時に、講演や式典を行うかたちも、考えられる。
サンシャインシティ:池袋で開く、複数フロアの展示ホール
4つの展示ホール
池袋のサンシャインシティには、展示ホールA〜Dの4つがあり、合計は約12,500㎡だ。ホールAはワールドインポートマートビルの4階にあり、面積は3,969㎡(A-1が1,568㎡、A-2が1,261㎡、A-3が1,140㎡に分けられる)、天井高は3.0m(一部2.5m)、床荷重は平均300kg/㎡とされる。ホールBは文化会館ビルの4階で2,343㎡、天井高3.6m(一部8.6m)、ホールCは文化会館ビルの3階で2,860㎡、天井高3.67m(一部3.0m)で、床荷重は平均500kg/㎡だ。ホールDは3,341㎡で、複数に分割して使える。なお、これらは2022年9月時点の資料の数値であるため、最新の状況は、会場に確認してほしい。
東京国際フォーラムや幕張メッセに比べて、天井が低く、床の耐荷重も小さい。そのため、大型の機械や、背の高い装飾は難しい。一方で、ホールが複数のフロアに分かれており、1日単位で借りられるなど、小規模な展示会や、商談会、就職イベント、物産展には、使いやすい設計になっている。ホールAは、VIPルームや事務室(計3室)、A-1の厨房設備を備え、会場照明は900ルクス、基本の使用時間は10時から18時だ。
立地:池袋駅から徒歩8分
JR池袋駅から徒歩約8分で、東池袋駅とは地下通路で結ばれている。池袋は、乗り入れる路線が多く、首都圏の北側や西側から来る人を集めやすい。会場には、水族館、ホテル、商業施設が併設されているため、来場者が展示会の前後に、食事や買い物をしやすい点も強みだ。一方で、池袋駅からは徒歩約8分あるため、初めて来る来場者には、道順の案内に工夫が必要になる。
向いている展示会
専門性の高い小規模な展示会、商談会、就職や採用のイベント、物産展、セールス催事などが、中心だ。ビジネスショーの小規模版を、池袋で開くイメージである。東京ビッグサイトの休館中に、規模を絞って開催したい主催者の、選択肢のひとつになる。
東京都立産業貿易センター浜松町館:駅近の小規模・中規模展
当サイトにも専用のスケジュールページ(浜松町館の展示会スケジュール)がある、東京都立産業貿易センター浜松町館は、2階から5階までが展示室だ。各階とも、1室の面積は約1,534㎡で、スライディングウォールで分けた半室は約767㎡になる。柱のない空間で、天井高は5.0m、床の耐荷重は1㎡あたり1トンだ。
JR浜松町駅から徒歩5分、ゆりかもめ「竹芝」駅から徒歩2分、羽田空港から25分と、立地は大変よい。設備面では、天井バトンが12本(耐荷重は1mあたり40kg)、300インチの電動映写スクリーン、半室ごとに給排水の桝が2か所ある。電気は、全室を使う場合の容量が、単相100Vで198kVA、三相200Vで153kVAだ。展示室が複数階に分かれているため、複数の階を同時に借りれば、階をまたぐ展示会にも対応できる。
東京ビッグサイトの展示会に比べると、出展者数は少なく、規模も小さい。食の商談展示会など、専門性の高い展示会が開かれている。休館中の受け皿というより、もともと小規模の展示会が選んでいる会場だが、東京ビッグサイトの小規模な催しが移る先としては、現実的な候補になる。
6会場を、目的別に並べてみる
- 大規模展示会を、そのまま移したい:幕張メッセ。展示面積72,000㎡と、床の耐荷重5t/㎡が決め手になる
- 国際会議や学会と一緒に開きたい:パシフィコ横浜。展示ホール20,000㎡、天井高13〜19m、会議センター約50室、ノースの会議室42室
- 有明の来場者を逃したくない・中規模:有明GYM-EX。展示面積約9,400㎡、天井高約20m、床耐荷重5t/㎡
- 都心の来場者を重視、食や体験を含む:東京国際フォーラム ホールE。面積5,000㎡、天井高9m、電気・給排水ピット
- 池袋周辺の来場者に絞りたい・小規模:サンシャインシティ。展示ホールA〜D、合計約12,500㎡
- 駅近の小規模・中規模:浜松町館。1フロア約1,534㎡、駅から徒歩5分、竹芝駅から2分
どの会場も、休館の前後には、予約が混み合うとみられる。年度の計画を立てる前に、会場の空き状況を、早めに確かめておきたい。
面積で並べると、会場の「格」がよく分かる
ここまでの数値を、展示面積だけで並べてみる。幕張メッセの国際展示場が72,000㎡、パシフィコ横浜の展示ホールが20,000㎡、サンシャインシティの展示ホールA〜Dが合計で約12,500㎡、有明GYM-EXが約9,400㎡、東京国際フォーラムのホールEが5,000㎡だ。浜松町館は、1フロアが約1,534㎡で、2階から5階までの4フロアを合わせると、およそ6,100㎡になる。
パシフィコ横浜の展示ホールは、幕張メッセの約28%にあたる。有明GYM-EXは、パシフィコ横浜の半分に届かない広さだ。こうして並べると、東京ビッグサイトの大型展示会を、そのまま受け止められるのは、今回取り上げた会場の中では、幕張メッセだけとみられる。それ以外の会場は、展示会の規模を絞るか、複数の会場に分けるか、会期を延ばすか、いずれかの工夫が必要になる。
ただし、面積は、会場の価値の一部にすぎない。同じ面積でも、天井が高ければ、吊り物を使った立体的なブースが組める。床の耐荷重が大きければ、重い機械を展示できる。給排水があれば、食品や飲料の試食、調理のデモができる。面積、高さ、床、設備のうち、自分の展示会が最も重視する条件はどれか。それを先に決めてから、会場を比べるのが、失敗しにくい選び方だ。
会場を決めるまでの流れと、確認したいチェックポイント
主催者が会場を選ぶ流れは、おおむね、次のようになる。最初に、展示会の規模(出展社数、小間数、来場者数)と、希望する時期を整理する。次に、その条件に合う会場の空きを、複数の会場に問い合わせる。そのうえで、会場の仕様、料金、搬入出の条件、周辺の宿泊を比べて、候補を絞る。休館期間は、問い合わせが集中するため、通常の年よりも、早めに動く必要がある。
- 展示面積と、ホールの分割のしかた:自分の展示会の小間数が、無理なく収まるか
- 天井高と吊り物:ブースの高さの規定、吊り点の耐荷重や数
- 床の耐荷重と、搬入できる車両:機械や什器が、床と搬入口に対して問題ないか
- 電気・給排水・通信の条件:使える容量や、口径、ピットの位置
- 営業時間と搬入出の時間:有明GYM-EXのように、営業時間外の作業ができない会場もある
- 最寄り駅と、徒歩の距離:来場者の居住地から見て、通いやすいか
- 周辺の宿泊・食事:遠方からの来場者や、出展者の宿泊が確保できるか
会場の公式資料には、ここに挙げた項目のほとんどが載っているが、資料の更新時期は会場によって違う。サンシャインシティの数値が2022年9月時点のものだったように、古い資料のまま判断すると、現在の状況とずれることがある。契約の前には、必ず最新の資料と、会場の担当者に、直接確かめてほしい。
休館の前後で、会期を決めるときの考え方
東京ビッグサイトの全館休館は、2027年1月から2月中旬までの予定だ。この期間に開催したい展示会は、ほかの会場に移る必要がある。一方で、2月17日以降に会期をずらせば、東京ビッグサイトで開ける。2027年2月17日から19日には、再開後の展示会が予定されているため、休館が明けた直後は、再開を待つ展示会が集まる時期になる。
会期をずらす場合、同じ業界の展示会と日程が重なって、出展者や来場者を取り合う可能性がある。会場を移す場合は、来場者の動線が変わる分、集客の施策を見直す必要がある。どちらを選ぶかは、展示会の性格によって変わる。長年の来場者が多い展示会は、会場を動かさずに、日程を調整するほうが、リスクが小さい。新しい来場者を開拓したい展示会は、思い切って、会場を変えるほうが、メリットが大きいかもしれない。
出展者・来場者が、休館中に気をつけたいこと
出展者は、会場が変わると、搬入出の動線や、使える電気容量、床の耐荷重が変わる。たとえば、幕張メッセの展示ホール1〜8では、入場できる車両が総重量30トンまでだが、同じ幕張メッセでも展示ホール9〜11では45トンまで入れる。東京国際フォーラムのホールEは、床の耐荷重が1.0t/㎡で、有明GYM-EXの5t/㎡の5分の1になる。東京ビッグサイトと同じ感覚で装飾を準備すると、現地で使えないことがあるので、主催者から配られる出展者向けの手引きを、必ず読んでほしい。
来場者は、「いつもの有明だと思って行ったら、違う会場だった」ということがないよう、開催地を、公式サイトで確かめておきたい。同じ展示会が、年によって会場を変えることもある。東京ビッグサイトの来場者向けの基本情報は、東京ビッグサイトの来場者ガイドと東京ビッグサイトへのアクセスを見てほしい。
月ごとの展示会の予定は、東京ビッグサイトの2027年1月の展示会スケジュールで、休館の注記を含めて確かめられる。
編集部の視点:休館は、会場を「選び直す」機会でもある
東京ビッグサイトの休館は、主催者にとっては負担である。同時に、会場を一度、選び直す機会にもなる。長年、東京ビッグサイトで開いてきた展示会が、幕張メッセやパシフィコ横浜で開くと、これまで来なかった層の来場者に出会えることがある。反対に、会場を変えたことで、来場者の足が遠のく可能性もある。休館中の動向は、「どの展示会が、どの会場で、どれだけ集客できたか」を比べる、またとない材料になる。
出展者の立場からは、会場の条件が変わっても、展示の目的は変わらない、という点を忘れたくない。商談の件数を増やしたいのか、ブランドを知ってもらいたいのか、新製品を発表したいのかによって、必要な会場の条件は変わる。会場の広さや、有名さではなく、目的に合うかどうかで選ぶという考え方が、休館中は特に大切になる。
当サイトでは、東京ビッグサイトの休館中の動きを、これからも追っていく。主催者の会場変更や、新しい受け皿の動向は、東京ビッグサイトの展示会スケジュールなどのページで更新していく。
まとめ
休館中の展示会会場は、規模では幕張メッセが最も近く、天井の高さや国際会議との相性ではパシフィコ横浜が強い。有明GYM-EXは、東京ビッグサイトの近くで中規模の展示会を開くのに向く。東京国際フォーラムのホールEは、都心で食や体験を含む展示に、サンシャインシティと浜松町館は、小規模の専門展に向いている。展示会の規模、来場者の住む場所、必要な設備を整理してから、会場を選ぶとよい。
休館中に動く展示会の予定は、幕張メッセの展示会スケジュールやパシフィコ横浜の展示会スケジュールでも確認できる。さらに、全国の展示会をまとめて見たい場合は、全国の展示会スケジュールが便利だ。

















