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ルシアン×antenna* の体験型イベントのつくりかた『「Quilts1989 / 100ネエサン」特別ワークショップ』レポート(1)

2018年6月22 日、代官山にあるLECIEN CREATIVE SPACEにて、『「Quilts1989 / 100ネエサン」特別ワークショップ』が開催された。ワークショップの内容は、手芸作家の中島一恵さんが手がけるブランド「Quilts1989 / 100ネエサン」のデザインによる数多の女の子がプリントされたモノクロの布地から、参加者が好みの女の子=「ネエサン」を一人選び、そこに自由に刺繍を施して、最終的にチャームに仕上げるというもの。インナー/アウターウェアから手芸用品・レース素材の製造販売まで幅広い事業を手がけるルシアンとスマートフォンアプリ「antenna*」のコラボ企画だ。

会場となったLECIEN CREATIVE SPACEは、普段フリースペースとなっている建物の1室を、偶数月に3日間だけ貸し切って展開される、手芸雑貨店。通常オンラインショップでの販売のみになっているルシアンの手芸用品に関する、アンテナショップ的な役割も担っている。手芸用品の購入者に実際に手芸の作業を行える併設のフリースペースもある。

今回のワークショップでは「Quilts1989 / 100ネエサン」の企画、デザインをした中島一恵氏を講師に招き、日頃刺繍などにあまり触れたことのない人に向けても手芸の親しみやすさや楽しさの体験提供の場となった。

 

講師の中島一恵先生は、主婦業の傍らでキルトデザイナーとの出会いにより手芸に目覚め、作家となって作品発表を行っている。今回のワークショップの要ともなる彼女のブランド「Quilts1989 / 100ネエサン」は、150色の無地の色にそれぞれの色を担当する女の子のキャラクターを当てはめるところから着想を得て、展開されているという。

モノクロのプリント生地に描かれた女性たちは、各々異なるポーズを取っており、彼女たちに自由な刺繍を行う上で、持ち物を持たせやすかったり、アクセサリー小物などのお洒落をさせやすかったり、といった特徴を備えているという。

早速、参加者各自の机の上にあらかじめ用意された手芸材料および道具を使って、チャーム作りが開始されていく。

参加者として体験した私は普段あまり刺繍に親しみがなく、まさに今回のワークショップのターゲット層にぴったりとあてはまる。ゆえに惜しみなく中島先生に質問を繰り返させていただきながら、作業を進行していった。

 

まずは、参加者それぞれが気に入った「ネエサン」を席に置かれたプリント布地中からひとり選ぶ。そしてその「ネエサン」のプリントが中心にくるように、木製の丸型刺繍枠で布地を固定していく。

次に、色とりどりの糸の中から好みの色を選び、指先から肘までくらい(=約30cm)の長さでカットする。

6本取りになっている刺繍糸の中から、実際に使う糸は2本のみ。6本のまとまった糸の束の中から1本ずつ、丁寧に糸を抜き取っていき、その後こよらずにストレートのまま、2本合わせて持つ。そして糸の先端の方を針に横向きに引っ掛け、親指と人差し指でグッと抑えて折り目をつける。そのままその折り目を利用して、針穴に糸を通していく。

最後は、玉結びだ。今度は針穴に通した糸の末尾の方を持ち、糸上に針先を置き、くるくると糸を2回巻きつけたのちに、糸を抑えながら針を引っ張り出す。すると、位置の安定した玉結びができるという。これで、刺繍の前準備は終了だ。

本来、刺繍は玉結びをあまりしないものだというが、100ネエサンのワークの場合は布の裏側で糸がこんがらがらないよう、敢えて玉結びを多く用いるやり方を採用しているとのことだ。

そこからは、好みの100ネエサンのデザインサンプルとにらめっこしながら、自分の感性の赴くままに刺繍を進めていく。

自分が刺繍を行いたい形に合わせてチャコペンで枠組みを描いてイメージ下絵を施したり、あるいは布用のペンで糸を用いずに塗りつぶしを行って色付けしたりと、自由なイマジネーションでデザインの幅を広げていく。

刺繍にも様々な技法があり、自分の選んだネエサンに施したい洋服等のデザインによって、用いる技法が変わっていく。

たとえば、このネエサンのワンピースボタン部に使われているのは「フレンチナッツ(※フレンチノット、とも呼ばれる)」という技法。布の表面で玉留めを行うのを繰り返すような手法だ。

スカートの裾部は、「ストレートステッチ」と呼ばれる技法で、縦に並んだ点線状の縫い方を繰り返していく。

先の写真の右から2番目のネエサンの、布地が黄色のペンで塗りつぶされたワンピースの裾には、鎖が連なったような「チェーンステッチ」という技法が使われている。まず、糸を布表面に出してきたら、今度は針を糸の出どころと同じ穴に通し、布表面上の糸をゆるく残しておく。次にちょっと進んだ部分の布表面に再び針先を出して、残した糸を引っ掛けるようにしながら縫い進めていくと、チェーンステッチができあがる。これを応用すると、花びらの形のような「レゼーデージーステッチ」という刺繍技法にもなる(※後半部分にて紹介)。

今回座席にて配布された100ネエサンのパンフレットの下部には、こうした様々な刺繍技法についての説明も、図解でわかりやすくなされている。

今日を機に100ネエサンの刺繍の世界にはまっても、このパンフレットがあれば、自宅でも先生の言葉を思い出しつつ、楽しく自力で刺繍が進められそうだ。

一方で、現場を体感できるワークショップの良さとして、実際に作品を作ったり、サンプルを見たりすることを通して、色自体の味わいやその用い方の幅広さを実感とともに体験することができること。これは、大きなポイントだった。他の参加者の作品を見て、刺激を受けることもできる。