
体験型エンターテインメントコンテンツ「Ehtel -“Release” Party- Produced by SWAG」が、7月22日から渋谷ストリームホール全館で開催されている。
企画・プロデュースを手がけるのはシンユニティグループのクリエイティブカンパニーSWAG。もともとメディアアート・インスタレーションを得意としてきた同社が、今回は「物語」という新しい軸を掛け合わせている点が大きな特徴だ。
会場は4階から6階までの3フロア構成。4階はポップアップストア「Ehtel」がイベントの入口を兼ねており、刺激的な酸味のエナジードリンク「Ehtel(エテル)」を提供。5階・6階へと進むにつれ、メディアテクノロジーを盛り込んだ体験空間が広がっていく構成になっている。物語パートは、来場者に配布されるリストバンドとQRコードを通じてWeb上で読み解ける仕掛けだ。

「Ehtel -“Release” Party- Produced by SWAG」4階のエントランス。内覧会をレポートする
5階は「五感」、6階は「持ち帰り方」がテーマ
実際に体験してみると、印象的だったのは、5階と6階でテーマがはっきり分かれていたこと。5階を手がけたクリエイティブディレクターの伊藤大輔さんによると、コンセプトは「五感と様々な刺激」。入ってすぐは振動や揺れを使ったニューロンモチーフの体感コンテンツ、その隣にはドーパミンを刺激する対戦型ゲームが並ぶ。奥に進むと、触れると衝撃が共有される仕掛けで「痛みの共有」を体験させるコンテンツ、360度スクリーンで視覚と体感を揺さぶる空間、香りを使って味覚の記憶を呼び起こすコンテンツと続き、最後は平衡感覚を揺さぶる展示で締めくくられる。文字通り、五感を一つずつ揺さぶっていく設計だ。
5階は刺激に対してフィジカルなレスポンスが楽しめ、集中力を高めるようなフロアとなっていた。

5FをプロデュースしたSWAG伊藤大輔さん

5Fの振動を使ったコンテンツ

5Fには平衡感覚を刺激するコンテンツも
一方、6階のクリエイティブディレクター・大内清樹さんが語ったテーマは「刺激をどう持ち帰るか」。6階のエントランス導線には、壁に触れると空間の音楽そのものが変化するモジュラーシンセ的な仕掛けから始まって、指先と聴覚に感覚を集中させる。その先のドアを開けると、光と音を浴びるような大空間に身体が包まれる。「2001年宇宙の旅」のモノリスを彷彿とさせる大型のオブジェに触れることで空間全体が変化する解放的な場で、また次の部屋には自分の声によって光と音が変化していくエリアへと続く。展示物はあえて無機質なものが多く、「モノにとらわれず、体で体感してほしい」という意図だという。最後には、来場者自身がトレーシングペーパーのカードを持ち帰れる仕掛けもあり、これは一切デジタルを使わずアナログで制作されているとのこと。細部までこだわりが感じられる作り込みだ。

6FをプロデュースしたSWAG大内清樹さん

6F光と音を浴びるような大空間

6F自分の声で光と音が変化していく空間も
6階は、身体をダイブして感覚を呼び覚ます、解放感あるフロアとなっており、5階での集中、6階での解放、と刺激の幅広さを味わうことができる。4階のポップアップストア「Ehtel」でドリンクを飲んだり、撮影スポットを楽しんだり、グッズを選んだりと、余韻を感じるコーナーがあるのも特徴的だ。
体験レポート
開催に先行して行われた内覧会では、体験モデルとして5人組アイドル『8°世界が変われば、』(8われ)のメンバーが参加した(メンバーの灯子さんは学業でお休みのため、4人のメンバーが体験)。

アイドルグループ「8°世界が変われば、」メンバーが体験

「8°世界が変われば、」のメンバーに印象に残ったコンテンツを聞いた
映像と風で「知らない世界」へ
体験した8われメンバーからまず挙がったのは、映像の変化に合わせて風を感じられるコンテンツ。ペダルを踏んでぐんぐんと進む仕掛けで、「海や宇宙など、普段は行けない場所に行けた気分になれた」という声が印象的だった。没入感の高さが好評のようだ。

ペタルを踏むと映像が変化する

没入感の高い空間に
モンスター討伐ゲームは思いのほか白熱
ピコピコハンマーでモグラ叩きのように壁穴に現れるキャラクターを倒すゲーム型コンテンツや、振り子のボールを使ってモンスターを倒すゲームも人気が高かった。「攻撃してモンスターに当たると自分にも振動がブルブルっときた!」というリアルな感触の作り込みに加え、チーム戦になっている点も盛り上がりのポイントに。「友達同士で来ても楽しそう」というコメントの通り、グループでの来場と相性が良さそうだ。

壁穴に現れるキャラクターを倒していく

みんなでモンスターをやっつける
香りと食感が呼び起こす味覚記憶
ラムネやせんべいを実際に味わい、香りを嗅ぐことで記憶を呼び起こすコンテンツも体験者の記憶に残ったようだ。「実際に自分の口や鼻で体験できるのが面白い」との声があった。味覚体験の個別ブースから出てくると、「キャラメルのような味わい?!」「私はぶどう味だった!」などと答え合わせしながら、多様な反応に驚く場面もみられた。

どんな香りかな

食感も刺激
渋谷ストリーム ホール全館使用ならではの使い方
渋谷区の観光関連団体から視察した担当者は「渋谷ストリーム ホールと言う会場を目一杯活用したイベント。通路のサインなどにも細かな仕掛けがあって、館内移動も楽しめる」といったスペース活用の好事例と言う声も。
メディアアートの心地よいバランス
メディアアートをよく訪れるという体験者からは「テクノロジーや仕掛けの先進性を全面に押し出すのではなく、五感を刺激する体験設計がバランスよく心地よかった」というコメントや、6階の大空間の巨大オブジェに3人で同時にタッチすることで演出が変化することを受け、「コンテンツにコミュニケーションの仕掛けがある、ひとの直感を信じていてシンプルに楽しい」といった声もあった。
体験と物語、その掛け算
「メディアアート×物語」という掛け合わせ自体が、この体験型エンターテインメントコンテンツの新しさだ。メディアアートの特徴である「体験そのものの不可分性(その場にいないと味わえない感覚)」と、物語が持つ「口伝性(人に語りたくなる性質)」とが補完し合うことで、掛け算の可能性を感じさせる新領域だった。
体験の不可分性を活かすには、写真や動画に収めたくなる絵づくりや空間設計が欠かせない。一方、物語の口伝性を活かすには、どこまで気づきを体験者に委ねるかという、企画者側のさじ加減も重要になる。

ポップアップストアはじめ、全体企画を担当したSWAG志満津勇馬さん
ちなみに試飲したドリンク「エテル」は「今までで一番酸っぱい」という声が続出するほどの酸味。これは言葉で説明するより、現地で体験してもらうのが一番早いかもしれない。「Ehtel -“Release” Party- Produced by SWAG」は、8月28日まで開催されている。

エナジードリンク「Ehtel」で乾杯
メディアアート単体でも、物語を追う体験としても楽しめる懐の深さがあり、体験型イベント、没入イベントの新しい表現として注目したい。
開催概要
イベント名:Ehtel -“Release” Party- Produced by SWAG
会期:2026年7月22日(水)~2026年8月28日(金)
会場:渋谷ストリームホール
営業時間:
日~木 11:00~21:00(最終入場20時)
金・土 11:00~22:00(最終入場21時)
チケット詳細:
https://ehtel.ukab-lab.com/#section-ticket-purchase-panel
主催:UKAB Lab.
制作・演出:株式会社SWAG
イベント公式サイト:
https://ehtel.ukab-lab.com/













