賞金総額1.6億円、開催期間2ヶ月。世界最大級のモバイルアプリハッカソン「Shipaton 2026」が8月1日開幕

モバイルアプリの収益化プラットフォームを提供する米RevenueCatが、グローバル・モバイルアプリハッカソン「Shipaton2026」を2026年8月1日から9月30日までの2ヶ月間、オンラインで開催する。優勝賞金は約1600万円(10万ドル)、賞金総額は約1.6億円(100万ドル)。参加資格は不問、参加費は無料で、開幕後も9月30日まで登録を受け付ける。「日本から世界に挑戦する人を増やす。」を掲げる日本特別企画も本格始動しており、開幕前の時点で日本からの事前登録者数はすでに1311名(7月21日時点)に達している。

賞金規模、2ヶ月という開催期間、そしてその開催の狙いという3つの点から、編集部として注目しておきたいイベントだ。

Shipatonとは何か──「作って終わり」にしないハッカソン

Shipatonは「Build. Ship. Get paid.(作る。世に出す。収益化する。)」をコンセプトに掲げるグローバル・モバイルアプリハッカソンである。一般的なハッカソンがアイデアやデモの発表で完結するのに対し、Shipatonはアプリ開発からストア公開、そして実際のマネタイズまでを競技範囲に含めている点が最大の特徴だ。

2025年大会には世界で5万人以上が参加し、参加者のアプリ総売上は10億円を突破した。優勝アプリ「Payout」は、ソロプレナー(個人事業者)がわずか2週間で開発し約500万円(3.5万ドル)の売上を達成、現在ではARR(年間経常収益)1.6億円(100万ドル)に成長している。300万ダウンロードを記録したアプリも生まれるなど、ひとりでアプリビジネスを世界市場に立ち上げる「ソロプレナー」を輩出する舞台となっており、2025年の受賞アプリは2026年Apple Design Awardのファイナリストにも選出されている。

参加ルールの要点

– 開催期間中(8月1日〜9月30日)に登録・アプリのストア公開・応募申請を完了させる

– 対象はRevenueCat SDKを導入した、アプリ内課金またはWeb課金を実装したiOS/iPadOS/macOS/Androidアプリ

– アプリのUIは英語であることが条件(グローバル市場への挑戦が前提)

– 申請時には英語デモ動画(2分以内)、ストアURL、アプリアイコン等が必要

– 申請数に上限はなく、開発・宣伝は8月1日より前から開始可能

売上額のほか社会的意義やデザイン性など10の受賞カテゴリが用意されており、未成年者もストア公開不要で参加できる「Next Gen賞」の対象となる。上位入賞者はニューヨーク・タイムズスクエアでの表彰や、提携VCからの投資機会も用意される。

日本特別企画「日本から世界に挑戦する人を増やす。」

RevenueCatは国内の企業・地方公共団体・高等教育機関の協力のもと、日本特別企画を展開している。これまでに那覇・札幌・神戸・福岡・東京での事前説明会、京都IVSへの出展を実施済みで、開幕に向けて以下のプログラムが予定されている。

– カウントダウンパーティー(7月31日・東京):日本時間8月1日深夜0時のグローバル開幕を迎える公式イベント

– ポップアップカフェ(8月3日〜6日・東京):開発初期フェーズを支えるワークショップ・交流の場

– 1日ミニハッカソン(8月8日・東京):1日集中型のハッカソンイベント

– Discord日本語チャネル:技術相談・進捗共有・チーム探しを日本語でサポート

3つの注目ポイント

賞金総額1.6億円は、参加費無料のオンラインハッカソンとして世界的に見ても際立った規模

賞金総額1.6億円(100万ドル)という規模は、参加費無料のオンラインハッカソンとしては世界的に見ても際立って大きい部類に入る。I開発ツールを軸とした同種のグローバルオンラインハッカソンでは、2025年にbolt.newが主催した「World’s Largest Hackathon」が賞金総額1.4億円超を用意した前例があるが、上回る規模となっている。

具体的には、優勝賞金約1600万円(10万ドル)、賞金総額約1.6億円(100万ドル)となる。賞金は、売上、社会的意義、デザインなど10の受賞カテゴリを設け、それぞれに賞金を用意。受賞カテゴリは、Build & Grow賞、HAMM賞、RevenueCat Design賞、Best Game賞、Influencer賞、BuildInPublic賞、Catvertising賞、RevenueCat Peace賞、Next Gen賞、Conflict of Interest賞の10種類。多様な才能に、それぞれの勝ち筋があるのが特徴となっている。

また、上位入賞者はニューヨーク・タイムズスクエアで表彰されるほか、上位入賞者にはVCからの投資機会が用意される。ハッカソンでの挑戦が、資金調達や起業という次のステージにつながる仕組みだ。参加特典としては、スポンサー提供のAIツール無料クレジットが用意される点も魅力的だ。参加資格は問わず、参加費は完全無料。未成年者はNext Gen賞の対象としてストア公開不要で参加できる。

2ヶ月という開催期間

一般的なハッカソンは24〜48時間、長くても1週間程度で完結する「集中制作イベント」が主流とされ、その意味で2ヶ月という期間は一見異例に映る。ただしこれは今回の一発企画ではない。Shipatonは2023年に第1回を開催して以来、2024年、2025年と毎年継続してきたRevenueCat自身のフォーマットであり、今回の2026年大会は4年目にあたる。2025年大会では約1000本規模の新規アプリが実際にストアへ公開され、SNS上での開発過程の発信(#BuildInPublic)や、東京を含む世界各都市でのリアルイベントも定着している。RevenueCatは4週間の短縮版イベント「Shipyard」も別途運営しており、あえて2ヶ月という長さを選んでいるのは、アイデア出しから開発、ストア公開、そして実際の収益化までを競技範囲に含める「ローンチ・マラソン」型の設計を、実績をもとに意図的に採用しているためだと言える。

開催の狙いは、政策が掲げる「起業の実感」づくりを民間から補完する動き

日本政府は2022年に「スタートアップ育成5か年計画」を決定し、2027年度までにスタートアップ投資額を10兆円規模へ、将来的にユニコーン100社・スタートアップ10万社の創出を目標に掲げている。一方で、VC関係者からは政策の実効性に懐疑的な声も出ている。こうした中、Shipatonのように「個人が2ヶ月でアプリを世界に出し、実際に収益を得る」という体験を無料かつグローバル規模で提供する取り組みは、行政主導の枠組みだけでは生まれにくい「起業の当事者体験」を、民間かつボトムアップで供給する動きとして位置づけられる。AIによる開発の民主化を背景に、エンジニアに限らずデザイナーや学生も対象とする裾野の広さも、この文脈と重なる。「Shipaton2026」への日本からの事前登録者数は開幕前の時点で1311名(7月21日時点)を突破している。なお、登録は開幕後も最終日の9月30日まで可能。8月1日を過ぎてからの参加でも遅くない。

開催概要

Shipaton 2026

主催:RevenueCat

開催期間:2026年8月1日〜9月30日

開催形式:オンライン(日本国内でリアルイベントも開催)

参加資格:不問(未成年者はNext Gen賞の対象)

参加費:無料

賞金:優勝賞金約1600万円(10万ドル)、総額約1.6億円(100万ドル)

表彰式:上位入賞者はニューヨーク・タイムズスクエアで表彰

公式サイト:日本:https://jp.shipaton.com/ / グローバル:https://www.shipaton.com/

*RevenueCatは、iOS・Android・Webを横断したサブスクリプション課金基盤を提供する米企業で、現在OpenAIやNotionを含む11万以上のアプリが同社の基盤を採用している。

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