東京国際フォーラム、2029年1月から15か月間の全館休館を発表 〜大規模修繕に伴う初の長期休館。MICE・BtoBイベント市場への影響懸念も

開館30年を前に全面的な設備更新へ

東京国際フォーラム(東京都千代田区)は2026年6月5日、大規模改修工事に伴う全館休館を発表した。

休館期間は2029年1月1日から2030年3月31日までの1年3か月間で、全貸出施設、全店舗、駐車場、駐輪場が対象となる。休館中は敷地内への立ち入りおよび通行もできない。なお、工事の進捗状況によっては期間が変更となる場合があるとしており、再開時期や主催事業の開催予定など詳細なスケジュールについては改めて告知される予定だ。

休館の主因は施設・設備の老朽化。1997年1月に旧都庁跡地に開館して約30年が経過しており、今回の改修は受変電設備の更新がメインとなる。電気や空調が使用できなくなるため全面休館となるもので、外装や他の設備の修繕も合わせて実施される。

開館から30年近くにわたり、施設ごとに順次休館して修繕工事を進めてきたが、全館停電を伴う設備の更新など大規模な改修を行う必要が生じたため、初めて長期の全館休館を決断した。外観に変更はないという。

東京都もプレスリリースを発表

東京国際フォーラムを所管する東京都からも全館休館のリリースを発表。東京国際フォーラムの運営主体である株式会社東京国際フォーラムは東京都が全額出資する法人であり、所管・運営の双方から同内容のリリースが出される形となった。

BtoBイベント・国際会議市場への影響が懸念される

東京国際フォーラムは、大小8つのホール、31の会議室、ガラス棟などを持つ都心型MICE施設。コンサートや式典といったBtoCイベントだけでなく、BtoBカンファレンス、セミナー、記者会見や展示会・学術会議の会場としても広く活用されている。ホールや会議室などの貸し出し施設のほか飲食店やショップも入るこの施設では、国際会議や展示会、コンサートを含むイベントが年間4,000件開催され、2,300万人が訪れる。

MICEの観点では、その規模・立地・アクセスから国内有数の国際会議開催拠点の一つとして機能してきた。JNTOの国際会議統計(施設別)によると、東京国際フォーラムは国内施設別の国際会議開催件数において20位(2024年「会場別国際会議の開催状況」より)と上位に位置している。

一方、東京都はMICE誘致に積極的な目標を掲げている。東京都はMICE誘致戦略案において、2030年の国際会議開催件数を世界3位以上とすることを目標に掲げており、首都東京の中核的なコンベンション施設の長期休館は、この目標達成スケジュールにも影響しうる。

2029年1月から2030年3月までの15か月間は、すでに予約済みのイベントの振替・移転が必要。特に毎年継続して開催されているBtoBカンファレンスや学術会議は、代替会場の確保が急務となる。東京国際フォーラムの収容規模(最大ホールAは最大5,012名収容)に相当する代替会場は都内でも限られており、主催者側の対応コストの増加や、一部イベントの地方移転・縮小も懸念される。

今後、再開時期・工事スケジュールの詳細発表が待たれる。主催者側は早急に2029年以降のスケジュールを精査し、会場確保の代替計画を立てることが求められる。

東京国際フォーラムのシンボルとなっている施設全体のメインロビーであるガラス棟地下1階に位置する60m吹抜け、舟形の広大なアトリエ空間「ロビーギャラリー」

面積5,000㎡、天井高9mのホールEは展示会などが数多く開催される

「ホールB7」は会議から展示会、ファッションショー、パーティーまで対応できる1400㎡の広々とした無柱空間が特徴。16ヶ国語同時通訳システムを完備し、国際的な会議やイベントにも対応する

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