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イベントの正体を探る #5  [ イベントの責任]イベントを “続ける” ための責任 ? 東京富士大学 岡星竜美 教授

【第5回】イベントの責任

イベントを “続ける” ための責任 ?

日本初!イベントの学科でイベント学を教えている岡星です。イベント学を教えるということは、研究対象である”イベントの正体”を知らなくてはいけません。そこで私は、イベントの正体を6つのフェーズにまとめてみました。今回もテンプレート「岡星式:イベントDO具(どうぐ)」をHPからダウンロードできます。シリーズが終わると、イベントの正体の6つのフェーズが揃いますのでお楽しみに!

後半の第5回目はフェーズ5[イベントの責任]についてです。イベント業界も社会の構成員として、取り組んでいかなくてはならない様々なテーマがあります。その一つが、街の風紀問題です。

近年、なぜだか世界一の盛り上がりをみせてきている東京の「ハロウィン」。特にスゴイのが渋谷のハロウィン。魑魅魍魎?がスクランブル交差点をジャックする光景は圧巻!多くの参加者、観覧者を集客できたわけですのでイベントとしては“大成功”と言いたいところですが、その裏ではいろいろな問題が発生しています。

第一は、街に残された大量のゴミ。ゴミを持ち帰った人も多いと思いますが、それでも祭りの後の渋谷の街はゴミが溢れかえっていました。「来年からハロウィンはやめたほうがよい」等の声も上がるのも仕方がない状況でしょう。

しかし、昼過ぎには渋谷の街はすっかり元通りになっていました。それは、ボランティア団体の若者たちや地域の方が、雨の中、朝からゴミ掃除を行ったのです。なかには、前日ハロウィンを楽しんだ人たちが、仮装姿のままでゴミをひろうという姿もみられました。

行政も積極的に関与しました。渋谷区は早くから『ハロウィンごみゼロ作戦in渋谷実行委員会』を開設、着替えやメイクをするため鏡を備えた9つのテントを渋谷駅近くの公園に設置。また、繁華街の3か所に臨時のゴミ集積所を設けつつ、ゴミは持ち帰るように呼びかけました。

イベントの責任・貢献民間企業も動きました。よしもとクリエイティブ・エージェンシーは、お笑い芸人をリーダーとする『SHIBUYAハロウィン・ゴーストバスターズ』を企画。ハロウィンで出た渋谷のゴミを、若者ボランティアが映画「ゴーストバスターズ」の格好で回収。クリエイターがゴミを再利用しアートの制作から展示をする。その様子は世界に配信されました。ゴミ拾いをエンタメにしてしまうイベントとして、渋谷ならではの新しい試みとして注目されました。楽しいイベントを”続けて”ゆくための基本は、参加者・観覧者が「出したゴミは持ち帰る」ですが、自治体も民間企業もボランティア団体も、みんなが力を合わせて、街を社会を守る意識と体制を持つことが大切かと思います。

今回はゴミ問題を取り上げましたが、環境汚染や暴動といった問題を

引き起こすイベントもなくはありません。イベントも社会の構成員として、「環境」「社会」「経済」への配慮を欠いてはいけません。特にビッグイベントの場合は、与えるインパクトは大きなものがあります。それらは、良いものだけとは限りません。なかには、イエローカードやレッドカードが出されてもおかしくないものもあるかも?イベント業界も、社会に地球に優しい持続可能なイベントを模索しなければなりませんね。”続ける”ために必要な[イベントの責任]として、理解していただければと思います。

 

テンプレート5_イベントの責任・貢献

イベント制作の責任・貢献のパワーポイントは下のULRからダウンロードできます。

https://www.event-marketing.co.jp/wp-content/uploads/2016/02/13bd5548de0a39721c233c22e727099d.pptx

岡星竜美

岡星竜美

岡星竜美 東京富士大学 経営学部イベントプロデュース学科教授 JEPCイベント総合研究所所長 元・電通テック~イベントプロデュース会社シリウスを立ち上げ独立、関わったイベントの中でも、「2002FIFAワールドカップ・バブリックビューイング」(国立競技場)は、カンヌ国際広告祭メディア部門受賞。現在、日本初のイベント学教授として、イベント学研究、人材育成に取り組んでいる。