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イベントの正体を探る #6  [ イベントの成果]イベントの成果と”成功”評価とは ? 東京富士大学 岡星竜美 教授

【第6回】イベントの成果

イベントの成果と”成功”評価とは ?

日本初!イベントの学科でイベント学を教えている岡星です。イベント学を教えるということは、研究対象である”イベントの正体”を知らなくてはいけません。そこで私は、イベントの正体を6つのフェーズにまとめてみました。今回もテンプレート「岡星式:イベントDO具(どうぐ)」をHPからダウンロードできます。今回でシリーズが終わりますので、イベントの正体の6つのフェーズが揃います!

最終回はフェーズ6[イベントの成果]と[評価]についてです。まず、イベントの成果とは何でしょうか。イベントの定義はさまざまですが、最も簡素で普遍的なものが、通商産業省(現経済産業省)のイベント研究会によるものでしょう。

■イベントの定義

イベントとは、何らかの目的を達成するための手段として行う行・催事であるイベントは“目的を達成するための手段である”。ということは“イベントには必ず何らかの目的があり、イベントそのものは目的ではない”ということです。

どんなイベントにも「目的」があり、これらが明確に設定されていないと、実は[成果]も[評価]もわかりません。成果測定も成功評価も、事前に設定された「目的」に対して、達成されたか・されていないかで下されるものだからです。

イベントには主催者がいて、その主催者には必ず「目的」があって、そのための手段としてコンテンツを提供し、イベント全体を構成しています。

ここで、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。イベント実施の「目的」は、実は一つの視点では不足しています。イベントに関わる関係者は、主催者だけではありません。イベントには、制作の主体(主催者)、実際に制作・運営を行うイベント会社など(制作者)、イベントに賛同して参加する地元企業など(出展者)、そして出場したり鑑賞したりする人(参加者)の4者の立場があり、それぞれに異なる「目的」があります。

イベントのステークホルダー(共通の利害関係者)とも言える4者ですので、イベント全体の成功と言う“大目的”の成就を願っていることは間違いありませんが、いざ個々の立場に立ってみると、実はそれぞれに“中目的”や“小目的”があるということがわかります。

かつて「イベントの評価は不可能」と言われたことがありました。その理由は、イベント制作の成り立ちや事情はさまざまであり、その複雑で複層的な要素を全て加味して評価を下すことは困難との解釈でした。この時点での評価者は、イベント外部の第三者を想定していました。

イベントを評価するにあたり、外部の視点で内部の複雑な事情をすべて把握して評価することはむずかしく、また評価するべきではない。また、イベントの持つ「目的」は、主催者・出展者・制作者・参加者ごとに異なるために、一つの視点からの評価は困難…このことが、今までにイベント評価手法が確立しなかったワケではないかと思います。

その後、社会的な風潮として、国際企業や教育機関などで自己点検による自己評価システムが採り入れられたり、国際標準機構によるISO規格の思想が支持されたりしました。この様な流れを受け、イベントの評価は『他者による評価ではなく、自己点検であるならば可能』と思い至りました。

単発のイベントもありますが、毎年定期的に開催する、もしくは何回かのシリーズとして開催するというイベントもあります。そんな場合は、自己点検によるイベントの総合的評価を、次回開催に活かして改善してゆくことが望まれます。

今後、自治体での議会説明やスポンサーへの説明に活用できるようなモデルを、試行錯誤しながら完成させたいと考えています。”説明責任”を果たすために必要な[イベントの成果]そして[評価]の仕方の一つとして、理解していただければと思います。

◯イベントの成果

テンプレート6_イベントの成果

 

イベントの成果のパワーポイントは下のULRからダウンロードできます。

https://www.event-marketing.co.jp/wp-content/uploads/2016/02/d70f0d38343a760d85c8649b0b47cba2.pptx

岡星竜美

岡星竜美

岡星竜美 東京富士大学 経営学部イベントプロデュース学科教授 JEPCイベント総合研究所所長 元・電通テック~イベントプロデュース会社シリウスを立ち上げ独立、関わったイベントの中でも、「2002FIFAワールドカップ・バブリックビューイング」(国立競技場)は、カンヌ国際広告祭メディア部門受賞。現在、日本初のイベント学教授として、イベント学研究、人材育成に取り組んでいる。