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- イベントを起爆剤に 国境越えのビジネス創出目指す ルクセンブルク最大級のビジネスイベント「NEXUS」共催者・Mike Koedinger氏に聞く

ルクセンブルクで開催され、国内外から大きな注目を集めるビジネスイベント「NEXUS」。開始から3年目を迎え、欧州のAIやオートメーション技術の発展を牽引するだけでなく、世界中の企業の欧州進出とスタートアップの資金調達を強力に後押しする場として機能している。今回は、イベントを共催する民間企業2社のうちの1社であり、同国のビジネスメディア「PAPERJAM」のオーナーであるMike Koedinger氏に話を伺った。見えてきたのは、民間企業の枠を超え、街全体を巻き込んだイベントを起爆剤として、国境を越えたビジネス創出を狙うルクセンブルク政府のしたたかな戦略との連携だった。

「NEXUS」共催者、Mike Koedinger氏
ルクセンブルクを「欧州進出のハブ」にする戦略
ーまず、「NEXUS」というイベントを立ち上げた背景について教えてください。単なるビジネスカンファレンス以上の意味合いがあるようにお見受けします。
Koedinger氏: 私たちが3年前にNEXUSを立ち上げたのは、ルクセンブルクという国自体が、世界中から企業を欧州に誘致するための強力な「求心力(モメンタム)」を必要としていたからです。このイベントは、欧州企業の競争力向上を支援するだけでなく、アジアや米国などの非欧州企業が欧州拠点の設立を検討する際、現地の規制やシステムを深く理解するための絶好の機会となっています。
街全体を巻き込む官民一体のイベント運営
ーNEXUSはご自身の会社である「PAPERJAM」が共催されていますが、どのような組織体制で運営されているのでしょうか?また、街全体にイベントの熱気が波及しているように感じます。

歴史ある旧市街でも、NEXUS開催を知らせる幟がはためく
Koedinger氏: 私がオーナーを務める「PAPERJAM」は、30年前に創刊され、年間200ものイベントをプロデュースしています。その中でもNEXUSはルクセンブルク最大のビジネスイベントとして定着しており、ルクセンブルクのビジネスパーソンで知らない人はいない規模に成長しました。
運営自体はPAPERJAMともう1社のパートナー企業が50対50の割合で行っていますが、ルクセンブルク政府も非常に強力なパートナーとして参画しています。ルクセンブルクは小さな国だからこそ、政府、市、商業会議所、イノベーション機関に加え、銀行や保険などの金融機関を含めた約40もの組織が結集し、街全体を巻き込んで強力なエネルギーを生み出しているのです。
主権AI導入や資金調達。ビジネスに直結する
ー政府としても、このイベントをスタートアップ支援や企業誘致の強力なツールとして位置づけているのですね。具体的な成果は出ていますか?
Koedinger氏: 政府の積極的な関与を示す象徴的な事例として、昨年のオープニングで、ルクセンブルク政府は、欧州発のAI企業Mistral AIとの戦略的パートナーシップを発表し、AI主権の確保を重視した政府向け生成AIの導入を進める方針が発表されました。

イベント冒頭には首相が登壇。このほかにも多数の政府要人が参加した
また、スタートアップの資金調達の面でも大きな役割を果たしています。イベント期間中には、欧州のVC(Mangrove Capital Partnersなど)が主催する非公式な投資家向けのプライベートなパーティーが周辺でいくつも開催されています。そうした水面下の動きも含め、イベントを通じて多くの資金調達の取引(ディール)が成立しています。
10万人規模ではなく「適切な人材」の参加を 専用アプリが支える繋がり
ーラスベガスやパリで開催されるような巨大イベントを目指すのでしょうか?
Koedinger氏: いいえ、私たちは10万人規模の巨大イベントになることは望んでいません。私たちの最大の目標は、ルクセンブルクに本社を設立する企業にインパクトを与えることと、スタートアップの資金調達を支援することです。ルクセンブルクは小国であるため、1つの企業が進出してくれることが、フランスのような大国にとっての1社よりもはるかに大きな意味を持ちます。
そのため、規模は1万〜2万人程度に留め、「適切な人材」を集めることが重要です。999ユーロというチケット価格も、真剣なビジネス目的を持ったプロフェッショナルな参加者を確保するためのフィルターとして設定しています。

他のスタートアップイベントでは類を見ない、1000人規模の着席ディナーで交流を促進する
さらに、専用アプリを通じて開催前から900件ものミーティングが組まれたり、会場内でリアルタイムの位置情報を共有して合流したりと、参加者同士が確実に出会い、繋がることができる状態を維持したいと考えています。ちなみに、過去2回は6月開催でしたが、暑さが過酷だったため、参加者の快適さを考慮して次回は3月(春)に変更しました。
日本の大企業やスタートアップへの期待
ー日本の大企業やスタートアップの参加については、どのように期待されていますか?
Koedinger氏: もちろんです。日本の大企業が欧州でのビジネス展開や欧州本社(ヘッドクォーター)の設立を検討する場として、NEXUSを大いに活用してほしいと願っています。私たちは進出してくる企業を全力で歓迎し、手厚いサポートを提供します。
また、日本のスタートアップにも大きな期待を寄せています。次回はぜひ、日本の優れたスタートアップやスケールアップ企業のベスト10社を選出し、Nexusの舞台で日本の代表として公式にプレゼンテーションしていただくような企画を実現したいと考えています。革新的な技術を持つ日本のスタートアップや大企業と、ルクセンブルクの間に強力な橋渡しができることを楽しみにしています。
開催概要
NEXUS Luxembourg
会期:2026年6月10日〜11日
会場:ルクセンブルク(国名:ルクセンブルク大公国 / 都市名:ルクセンブルク市)、Luxexpo The Box












