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「働き方を考えるカンファレンス2020」オンライン配信に変更し開催 全スポンサーも実施にエール

会期2日前にオンライン配信での実施を決定

2月20日、「働き方を考えるカンファレンス2020」がライブ配信で開催された。 ”働き方”を選択できる社会へ”人”と”企業”と”働き方”の今と未来を考える、という内容のカンファレンスで、年に1度、この時期に虎ノ門ヒルズフォーラムで開催されてきた。今回は4回目で、ライブ配信での開催は初だ。

 

「働き方を考えるカンファレンス2020」では、新型コロナウイルス感染症の影響で、参加者の安全・健康を考慮し、開催形式をオンライン配信に変更、参加者は全員オンライン視聴、登壇者は会場にてセッションを実施する無観客カンファレンスを実施した(一部のプレスのみ参加)。チケット申込みをしていた参加予定者には、YouTube Liveの動画URLとパスワードを配布し、ライブ配信での視聴と開催後1週間の録画動画閲覧ができるスタイルで、中止にはせずに開催に踏み切った。決定したのは開催日の2日前のことだ。

 

当日、会場の受付には、登壇者の関係者受付とプレス受付のみ。プレスはマスク着用、検温し37.5度以上の体温が確認された際には入場不可、アルコール消毒が参加の条件だ。受付スタッフも全員、マスクを着用し応対する。

「働き方カンファレンス2020」の受付

「働き方を考えるカンファレンス2020」の受付

 

舞台裏の対応

講演では、ステージ台、スポンサーロゴの入ったバックパネル、サイドバナー、ソファテーブル、スクリーンと実際に使用予定の制作物・レンタル物をそのままライブ配信の絵づくりに活用。ステージの真正面にカメラ2台を設置、左右に映像・音響のオペレーション卓と配信オペレーション卓が配置され、登壇者はカメラの向こうにいる視聴者へ向けて発信する。通常は、カメラ以外のオペレーション卓は、裏方としてステージ脇か後方の端に目立たぬように配されることが多いが、観客のいない今回は、登壇者に少しでも安心感をもって話してもらえるよう、ステージの真正面に設置。オペレーションスタッフを参加者に見立てたレイアウトに配慮したのだという(映像・配信を手配した企画運営会社のホットスケープ)。

 

ステージ前に設置されたカメラとオンライン配信のオペレーション

ステージ前に設置されたカメラとオンライン配信のオペレーション

 

カンファレンスは、公式発表のタイムテーブルどおりに実施された。「データから導く『成功する』働き方改革」に登壇したモデレータの日比谷尚武さんは講演中、「視聴者の皆さんは、スライド資料などちゃんとみられているのかな」と問いかけると、配信チームメンバーがOKのサインで応える場面も。グラフなど細かなデータ資料もあるセッションだったため、「われわれの講演だと、資料を読み込めるから、配信に向いているかもしれませんね」と視聴者へメッセージを送った。

 

「働き方カンファレンス2020」

グラフなどデータの多いスライドは配信画面上でみやすく画面表示された

 

ライブ配信への切り替えは開催日の2日前。企画運営会社では、会場レイアウトの変更から、ライブ配信の手配、追加の機材等の搬入計画にも極力変更がでないよう早急に対応した。

 

実際に、今回追加した変更点としては、ライブ配信用の機材とスタッフのみだった。カメラは、ステージ登壇者の表情やステージの雰囲気をスクリーンに大きく映し出すために元々予定されていたもので、ライブ配信用に、配信およびチェック等に使用するPC複数台とスイッチャー機材、オペレータースタッフが新たに手配された。

 

「これらの対応を迅速に実現できたのは、この4年間、同じ会場&同じチームで運営しており、運営チームの意思疎通が取れていたのが大きな要因です。それに加え、状況を踏まえて何とかやり遂げようと動いてくださった事務局、企画運営会社、会場など関係者のみなさまの尽力なしではなし得なかったことでした。」(日比谷尚武さん(一般社団法人at Will Work理事 ))

 

オンライン配信での「参加者」への配慮点

 

講演後、日比谷尚武さん(一般社団法人at Will Work理事 )にオンライン配信だからこそ気をつけた点を伺うと、「視聴者の存在」をより意識したと話す。

 

「オフラインで目の前にいても、オンラインで画面の向こう側にいたとしても、どちらも聴いているひとたちがいるはずです。オンラインでは、実際に目の前には見えていないけれど、仮想の参加者に話しかけたり、目配せをする気持ちではいました。そうしないと、視聴者にとっては勝手に画面の向こうでやっているひとを眺める、という図になってしまいます。聴いているひとにとっても距離を感じてしまうんですよね」(日比谷さん)

 

そのために、中継時にはどんな絵面になるのか、リハーサルをし、聴衆の視点でみる時間を設けた。幕間のBGM、スライドの映し方(投影したスライドをカメラ越しに出すのか、スライドを直接インサートするのか)のほか、臨場感の表現などをチェック。微調整としては、参加者のいる通常のカンファレンスと同様に、登壇者の入退場では拍手を入れるなど、イベントとしての臨場感を加えた。

 

日比谷さんは、今回モデレータとしての登壇だったが、「モデレータや主催者はあくまでも聴衆代表としてその話を引き出してたり、編集して届けるのが役割」とし、開催形式が変わろうとも、意識することは参加者の存在、という思いはブレない。

 

日比谷尚武さん(一般社団法人at Will Work / 一般社団法人Public Meets Innovation / 渋谷をつなげる30人 等 コネクタ)

 

オンライン配信での「スポンサー」への配慮点

 

今回のカンファレンスに協賛したスポンサー企業は、オンライン配信の開催形式変更による協賛キャンセルはなく、全スポンサー企業が開催を後押しした。主催者の一般社団法人at Will Work側としても、スポンサー企業の配布希望物は、当日手渡しの予定だったものを参加申込者への郵送などに変更、オンライン配信の幕間でのムービー放映の回数増、配信時のスポンサー企業ロゴを掲出する絵作りなど、スポンサー企業のベネフィット提供に配慮した対応をしている。

 

「これまでの開催でも、スポンサー企業の方々には、登壇機会、資料配布、ムービー投影といったオンラインでも代替しやすいメニューではありました。また、カンファレンス自体のテーマが働き方改革ということで、リモート開催や柔軟な働き方を応援するという意味では、オンライン配信のカンファレンスをすること自体をポジティブに捉え、理解していただきました」(日比谷さん)

 

オフラインの価値を再定義する機会にも

 

今回、短期間でオンライン配信への変更を決め、実施して、どちらも経験したことでのオフラインイベントの価値について日比谷さんに聞くと、「オフラインイベントでは空気感もコンテンツの一つとして有益」と回答し、オンライン越しにその醸成をするには工夫がもう少し必要だとも話した。「新しい考え方を共有したり、ムーブメントを起こそうというときには、情報をただ受け取りたいだけではなく、その情報を求めているひとがこんなにたくさん横にいて、みんな熱意をもって臨んでいるのだという空気感、熱量が集まっている感覚の場づくりもポイントです」と、数百人と一緒に共有する時間と空間はオフラインイベントの価値だと伝える。

 

新型コロナウイルス感染症の影響で、イベントの中止や延期が相次ぎ、開催の見通しがみえないという主催者も多い。もちろん、緊急事態のなか、中止や延期には主催者の参加者への健康・安全を第一に考慮した英断でもあり、苦渋の選択であることに変わりはない。

 

一方で、「働き方を考えるカンファレンス2020」のオンライン配信での実施にみる開催手法は、中止か開催かの選択肢に、新しいカンファレンスの可能性を提案してくれた。

「働き方カンファレンス2020」

 

 

 

 

 

樋口陽子

樋口陽子

樋口陽子  月刊イベントマーケティング 編集長 MICE 研究所「イベントは体験提供の場」として、イベント現場で体当たり取材を行っている

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