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BtoBマーケター庭山一郎からみた展示会エトセトラ 第2回 展示会で収集する名刺は「ゴミ」なのか?【競合】編

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第1回は、日米の展示会の違いを説明しながら、日本の展示会で重要なのはリードの量であると書きましたので、今回は展示会で収集するリードの質に関して書こうと思います。

企業内には必ず「アンチ展示会」がいるものです。「展示会でゴミデータばかり集めてどうするんだ?」という論陣を張る人です。この「ゴミ」とは競合や営業対象外のことです。

つまり、展示会で収集できる名刺の多くは【競合】か【営業対象外】ということなのですが、これはかなり偏った考え方なのです。それを2回に分けてそれぞれ説明しましょう。

【競合】
まず展示会に出展すれば競合データは必ず混入します。展示会主催者は来場者の利便性を考えて同じような業種を集めてレイアウトするのが普通ですから、多くの場合自社ブースの周辺は競合ばかり、ということになります。その競合から見たら同業者が一同に会して最新の製品やサービスを展示していますから、当然それらを見て周ります。製品を見て質問し、ブース内セミナーに参加し、デモを見て、パンフレットの代わりに名刺を置いていきます。さらに説明要員に質問して名刺交換をしますから、展示会に出展すればある数量の競合名刺は混入するのです。

まさか自社ブースに入ってきた人に「あなたはさっきまで向かいのブースにいた人ですよね、今すぐに出て行ってください」などとは言えません。出展する以上来場者は選べませんし、そもそも展示会は情報収集にはもってこいの場ですから、出展していない競合やその代理店も、これから参入する未来の競合も来場しています。

問題なのは、それらの競合名刺が目に付く程全体の収集データが少ないということなのです。3日間の開催期間で300 枚の名刺を集めたとします。その中の100 枚が競合企業のものだったら確かにがっかりして「もう展示会はこりごりだ」となるでしょう。

でも、もしその展示会で4000 枚の名刺を収集していたら100 枚の競合名刺は気になるでしょうか?私なら競合の100 枚の名刺にさっさと「競合フラグ」を立てて、残りの3900枚の名刺に対するマーケティングプランを考えます。

私の経験では総来場者が30000 人の展示会で、会場内の競合の数はせいぜい1500 ~ 2000 人です。

これは名刺をデータベース化する時に「名寄せ・営業対象外排除(マージ&パージ)」というプロセスをきちんと実行すれば良いだけの話です。

営業対象外を嫌って展示会の出展をやめてしまえば、数年後にはセミナー集客や新規案件に困ることになりますし、展示会をうまく活用した競合の後塵を拝することになるのです。

次回は【営業対象外】について説明しましょう。

庭山一郎

庭山一郎

シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役 1962年生まれ、中央大学卒。1990年にシンフォニーマーケティング株式会社を設立。データベースマーケティグのコンサルティング、インターネット事業など数多くのマーケティングプロジェクトを手がける。1997年よりBtoBにフォーカスした日本初のマーケティングアウトソーシング事業を開始。製造業、IT、建設業、サービス業、流通業など各産業の大手企業を中心に国内・海外向けのマーケティングサービスを提供している。 海外のマーケティングオートメーションベンダーやBtoBマーケティングエージェンシーとの交流も深く、長年にわたって世界最先端のマーケティングを日本に紹介している。 年間で100回以上に及ぶセミナー講師や、ノヤン先生として執筆している『マーケティングキャンパス』等、多数のマーケティングメディアの連載をとおして、実践に基づいたマーケティング手法やノウハウを、企業内で奮闘するマーケターに向けて発信している。 ライフワークとして、ブナの植林活動など「森の再生」に取り組む。日本人材ビジネス協議会(副理事長)、DMA(Direct Marketing Association:米国ダイレクトマーケティング協会:本部NY)会員。 著書: 『BtoBのためのマーケティングオートメーション 正しい選び方・使い方』(翔泳社) 『サラサラ読めるのにジワッとしみる「マーケティング」のきほん』(翔泳社) 『ノヤン先生のマーケティング学』(翔泳社) 『はじめてのマーケティング100問100答』(明日香出版社)