展示会が自治体の課題解決の手段へ──RX Japan、横浜市との連携協定から生まれる「国際サーキュラー総合展」に示す地方創生のニューモデル
- 2026/6/2
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展示会が自治体の課題解決の手段へ──RX Japan、横浜市との連携協定から生まれる「国際サーキュラー総合展」に示す地方創生のニューモデル
横浜市とRX Japan合同会社による連携の具体化が進んでいる。3月31日、横浜市が「グローバルな循環型都市の推進に向けた連携協定書」の締結を発表。その約2ヶ月後の5月29日、RX Japan合同会社が同協定に基づく具体的な事業として「国際サーキュラー総合展」の2027年開催を発表した。
2027年、RX Japan合同会社が横浜市と共同で「国際サーキュラー総合展」を開催する。これは単なる新規展示会の立ち上げではない。3月の協定締結から本発表まで、RX Japanが横浜市と締結した「グローバルな循環型都市の推進に向けた連携協定書」から生まれた、展示会業界にとって極めて示唆的なプロジェクトだ。
従来、展示会は「場」を提供し、主催者が開催すれば結果として地域に経済効果が生まれるという関係だった。しかし今回の協定は異なる。自治体が掲げるビジョン・課題解決を実現する手段として、展示会を明確に位置づけた上でのRX Japanとの連携だ。これは、MICE業界が今後進むべき方向を示す、業界の転換点となりうる。
RX Japan、「展示会」で自治体の課題解決を支援
RX Japanは、横浜市と「グローバルな循環型都市の推進に向けた連携協定書」を締結した。(2026年3月31日)本協定を踏まえ、2027年のGREEN×EXPO会期中を第一回として、新たな展示会がスタートする。
その背景にあるのは、横浜市が公民連携事業の提案を募集する「テーマ型共創フロント」という仕組みだ。つまり、行政側が先に課題と方向性を示し、それに応える民間企業の提案を募ったという構造。
RX Japanは、その募集に対して「展示会」という手段を提案し、採択された。年間100本以上の展示会を主催する日本最大規模の展示会企業だからこそ、自治体の政策目標を展示会という場に翻訳する力を持つと判断されたのだろう。
「課題から始まる展示会」の設計思想
横浜市が掲げる「横浜サーキュラーリンク」環境・経済の両面から持続可能な都市を実現するための6分野での循環型経済実装という政策目標が、RX Japanの展示会設計に映し出される。循環型都市EXPO、サステナブルマテリアルEXPO、リサイクルテックEXPO、サーキュラーエネルギーEXPO、産業水循環EXPOという5つのエリアは、政策課題の具現化そのものだ。

国際的なプレゼンスも、政策実装の視点から
2027年8月31日~9月2日の展示会開催は、同じ期間内(8月30日~9月3日)で行われる「横浜グリーンエクスポ」との重ね合わせによって、来訪者流動を最大化する。さらに、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)が4年ごとに開催するアジア太平洋都市フォーラム(APUF)が日本で初開催される同じ年という、極めて戦略的なタイミングの選択だ。
APUFの期間中に、新たな国際会議枠として「アジア太平洋循環型都市フォーラム(APCC-Forum)」を組み込むことで、都市レベルの政策決定者が展示会フロアに降りてくる経路が生まれる。単なる「国際展示会」ではなく、政策と事業の接点が設計されている。
出展者350社、参加者30,000人の見込みは、こうした政策的な位置付けあってこその数字だ。政府機関、国際機関、専門機関、企業のマルチステークホルダーが、「循環型都市への移行」という共通目標のもとに集約される。ここでは、個別企業の商材提案よりも、都市の社会課題解決に向けた共創が優先順位を持つ。
RX Japanの戦略的ポジショニング
RX Japanが世界19カ国に拠点を持つグローバルグループの一員という点も、戦略的だ。単に「展示会を開催する企業」ではなく、国際的なステークホルダーネットワークを持つプレイヤーとして、横浜市の国際的な課題発信を強化する役割を担う。
2022年から14回開催されてきた「アジア・スマートシティ会議」の基盤を活かしながら、今回は「アジア循環型都市宣言制度」という新たな国際制度枠を提唱する段階へ進もうとしている。この段階的な拡大は、展示会と会議の統合、そして企業ネットワークの活用によってこそ実現可能だ。
RX Japanにとって、本プロジェクトは単なる「1つの展示会開催」ではなく、アジア太平洋地域における「循環型都市推進のハブ」としてのポジション確立を意味する。
業界に問いかける
この協定が示唆するのは、展示会業界の新たな存在意義だ。
従来の展示会は「場の提供者」という受動的な立場にあった。しかし今回、RX Japanは「自治体の課題解決パートナー」という能動的な立場で協業を設計した。展示会そのものが、自治体の地方創生戦略の核心的な手段として機能する–それは、2030年以降のMICE業界にとって標準的な役割になりうる。
全国の自治体が地方創生に取り組む今、「政策課題→展示会設計」というアプローチは高い再現性を持つ。資源循環、脱炭素、DX、観光振興、産業育成……それぞれの課題に向き合う展示会が、単なる商談の場ではなく、自治体のビジョン実現の手段として設計される時代が来つつあるのだ。
2027年夏、横浜での実験がその最初の大規模事例となる。
開催概要
- 展示会名称:国際サーキュラー総合展
- 期日:2027年8月31日(火)~9月2日(木)
- 会場:パシフィコ横浜展示ホール(予定)
- 主催:RX Japan合同会社
- 特別協力:横浜市
- 構成展示会:循環型都市EXPO、サステナブルマテリアルEXPO、リサイクルテックEXPO、サーキュラーエネルギーEXPO、産業水循環EXPO
- 出展者:350社(見込み)
- 参加者:約30,000人(見込み)
関連開催:Yokohama Circular Week 2027(2027年8月30日~9月3日、横浜グリーンエクスポ同時期開催)
取材のポイント
- 横浜市環境・経済部門への政策インタビュー
- RX Japan経営陣への展示会コンセプト聞き取り
- 現段階での出展予定企業の意図調査
- 従来の産業展示会との差別化要素の整理













