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イベンターにも伝えたい!Slush Tokyo 2017のイノベーションスタイル

Slush Tokyo2017が3月29・30日の2日間、大きな熱狂のなか、閉幕しました。

Slushは、もともと2008年フィンランド・ヘルシンキで学生が主体となって開催し起業ムーブメントを起こしたスタートアップイベントです。2015年にアジアでは初めて日本に進出。「Slush Asia」として東京・台場で初開催、昨年は幕張メッセで行なわれました。3回目となる今回は名称を「Slush Tokyo」に変更して、東京ビッグサイトに会場を移し実施されたものです。

月刊イベントマーケティングでは、昨年1月に行った「EVENT MARKETING SUMMIT」(イベントJAPAN2016内で実施)で 、Slush Tokyoの CEO Antti Sonninen氏、昨年Slush AsiaのVolunteers Lead の東野万美さんからSlushのことを聞いて以来、実際に昨年のSlush Asia、今年のSlush Tokyoと取材してきました。

▽「SLUSH ASIAを通して学んだこと」月刊イベントマーケティング08号掲載記事より
https://www.event-marketing.co.jp/contents/3462

イベントは目指すゴール(目標設定)によってそのスタイルは違うものですが、Slush TokyoがほかのBtoBイベントやビジネスカンファレンスと異なる点や特徴的だと感じた点は、次の3点です。

1.ロックコンサートのような演出

会場に入ると、明かりは専用の提灯と各エリアのステージに設置されるライトのみ。SNS上では「ライブ会場のよう」という投稿も多く見られました。

特にメインステージでは、スモークがたかれ、登壇者のステージ登場に合わせて動画でご覧いただいたように、まるでロックコンサートのような演出で、動画と音響が流れ、ムービングライトが合わせて動くのも、気分を盛り上げます。(聴く方も盛り上がりますが、この演出は登壇者にとっても気分が上がりそうです)

 

2.距離感が近く、いたるところで新たな交流が生まれる

出展者×参加者

Demo Areaのスタートアップブース

Demo Areaのスタートアップブース

Slush Tokyoでは、他のイベントのように出展ブースが並ぶDemo Areaもあるため、出展者と参加者の交流はもちろんありますが、「チラシいかがですか?」という売り込み的な態度や、資料集めに足早に無口で過ぎ去る来場者の姿はなく、フラットに会話する姿が多く見られました。ビジネススーツよりもTシャツなどカジュアルな服装ばかりで、ラフな雰囲気であること、また、スタートアップブースはオープンな間口と後ろ側の2面の仕切りがシースルーで視界を遮らない構成であったことなど、かしこまった雰囲気をつくらず、距離感を近くするのでしょう。

 

登壇者×参加者

メインステージに立つcamarilla Founder&CEOのConstance Scholtenさん(写真上)がslush cafeで質問に答える(写真下)

メインステージに立つcamarilla Founder&CEOのConstance Scholtenさん(写真上)がslush cafeで質問に答える(写真下)

また、さきほどまでメインステージに立っていたスピーカーに質問のできるSlush Cafeというエリアが設けられていました。最前列から3歩の至近距離に座るスピーカーに対し、参加者が目線を合わせて自由に質問しディスカッションを楽しんでいました。メインステージも熱気があり、どちらかというとフランクな印象はありますが、Slush Cafeで話すスピーカーの表情はより柔らかく、身近に感じることができます。

 

参加者×参加者

もっとも特徴的とも言えるのが、参加者同士の交流です。知り合い同士で「久しぶり!」という交流ではなく(もちろん至る所で「久しぶり!」のハグは目撃しました)、初対面同士でも「Hi!」と声をかけ合ったり、目が合うと短くとも挨拶をしたり、会場は終始熱気にあふれ、ザワザワと親密な会話が続いていました。

会場内にMeeting Areaが設置され、投資家とのミーティングが各テーブルで行われていたこともSlush Tokyoが目指す「世界で活 躍する若き起業家が育つ環境をつくる」を体現しているようでした。投資家、ベンチャー、メディア向けにマッチメイキングツールも導入され、事前にミーティングを予約することもできました。どれだけの投資がこのSlush Tokyoで行われたのか、とても楽しみです。

 

Slush Tokyoの受付にて

来場パスは受付でQRコードをかざすと、A5サイズの用紙に名前が印字されます(手ぶれスミマセン、まさにこのとき英語で話しかけられ、動揺してしまいました)

私はメディアパスでSlush Tokyoに参加しましたが、受付で並んでいるときから「Hi!」と声をかけられ、お話したのがメインステージのスピーカーさんでした。会場でも、大きな来場パスは名前の視認性が高いせいか、すれ違う参加者さんから「Hi,Yoko!」と名前で呼び止められることも多く、いろいろな参加者の方と会話を楽しむことができました。

 

 

 

3.学生ボランティア約500人が主体的に動く

会場で実際の空気を感じないことには、雰囲気というのはなかなか伝えることが難しいのですが、このエキサイティングな空間は高校生・大学生の学生ボランティア約500人によってつくられています。メインステージ登壇スピーカーへの交渉などの企画、Demo Areaの営業、当日運営のスタッフまで、ほとんどを学生の力で回している実行体制は、他のイベントではなかなかありません。

Antti Sonninenさんは、「ただ感情的に楽しいだけでも盛り上がりをつくることはできるが、自ら納得して、意味を見出せるようトップダウンのリーダーシップはとりません」と話し、たとえば、集客に関しては、目標というミッションを伝えるが方法に関しては任せていたという。

メインステージでMCを務めた東野万美さん(左)

メインステージでMCを務めた東野万美さん(左)

個人的には、昨年Volunteers Lead として裏方で大役を果たした東野万美さんが、今年のSlush Tokyoの取材では表舞台に立ち、メインステージで英語でMCをしている姿がとても印象的でした。

 

 

というわけで、本日配信したメルマガの前文で、弊社代表の田中が「取材だけでなくイベント運営のお手伝いやご相談も受けていたようで」と吹聴しておりましたが、そんな恐れ多いことはしておりません。記者会見でお会いしたAntti Sonninenさんから「Wi-Fi工事会社でよいところないかな?」とお探しだったので、オススメの会社をご紹介したりという程度でしたが、少しでも関われたことがうれしくなるようなイベントでした。

樋口陽子

樋口陽子

樋口陽子  月刊イベントマーケティング 編集長 MICE 研究所「イベントは体験提供の場」として、イベント現場で体当たり取材を行っている