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[現地レポート#01_感染拡大防止策編]大型BtoB展示会が再開、「関西ホテル・レストランショー」7展にみるリアル開催持続の道のり

緊急事態宣言後初の展示会開催

7月29日、インテックス大阪で「第12回関西ホテル・レストラン・ショー」 含む、7つの専門展示会が開幕。31日までの3日間、同時開催を含めて計455社が出展し、開催されている。コロナ禍からの経済回復に向け、健康と安全を確保した運営で実施されていることでも、展示会関係者を中心にMICE関連の事業者から注目を集めた。同ショーについて、現地からのレポートを数回にわたって詳報する。

<動画>関西ホテル・レストラン・ショー生中継


現地からのライブ中継には展示会関係者や運営者からのコメントも寄せられた

コロナ禍で安全と経済の両立を開会式で表明

「第12回関西ホテル・レストラン・ショー」含めた7展示会は、BtoBの大型展示会でリアル開催としては、イベントの自粛要請後、国内での再開展示会第一号として開催。開会式では、主催を代表して一般社団法人日本能率協会の中村正己会長が、厳しい状況下でも参加を決断した出展者、そして日本経済の再生はこの大阪からとして、開催を支援している大阪市・大阪観光局へ感謝の言葉を伝え、安心安全な運営を誓った。

開会式で主催者挨拶をする中村正己氏(日本能率協会 会長)

開会式で主催者挨拶をする中村正己氏(日本能率協会 会長)

 

また、大阪観光局の溝畑宏理事長は「昨年来、関西大阪をMICEの世界のナンバーワンを目指すことを見据えており、IR、万博の誘致、昨年はG20およびラグビーW杯とホップ、ステップ、ジャンプと歩んできた。そのようななか、『関西ホテル・レストラン・ショー』の開催は昨年、決定したもの。いまはコロナ禍で国内の大型展示会・国際会議がことごとく中止・延期になっているが、経済再生なくしてこの日本の復興はない。感染拡大防止と経済再生の両立をしっかりとりながら、経済再生の道を歩みだす。特にBtoBの展示会は多くのビジネスの商談が生まれる。それは観光MICEの大きな使命でもある。7月29日は日本MICEの始動第一弾。USJ、ディズニーランド、プロ野球、Jリーグに負けない、BtoBのMICEを始動する、そうした場を大阪ではじめることは大変身の引き締まる思い」と位置づけを明確にし、「大規模な催事をはじめることによって、日本全国のいま展示会や国際会議主催者で悩んでいる関係者に大きなエールを送りたい、大阪観光局が作成したガイドラインで感染拡大防止をしながら、しっかりMICEを推進していく」と展示会・MICE業界へ力強くメッセージを贈った。

開会式で来賓挨拶をする溝畑 宏氏(大阪観光局 理事長)

開会式で来賓挨拶をする溝畑 宏氏(大阪観光局 理事長)

 

開催にあたり、日本能率協会では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向け、安全を確保するための運営方法について、公益財団法人大阪観光局のガイドライン、日本展示会協会のガイドライン、国際見本市連盟(UFI)の指針に基づき、対策をとって実施している。

 

人数制限で密避ける工夫

開催展示会の最大収容人数 5,000 名/日を下回る様、入退場管理を実施。来場者に対し、原則 Web 事前登録を採用、来場日・時間帯ごと(1 時間約 1,500 人で設定) による制限を設けた。加えて、出入り口では、来場者チェッカーカウントを実施。運営スタッフによると、QRコードリーダーの入場数と退場時のカウント数を15分単位で足し引きし、滞在人数を把握。館ごとに密の人数上限を超えないように配慮されていた。

会場に複数設置された受付近くで来場者のチェッカーカウントを実施

 

また、出展者・関係者に対しても、出展者・関係者入口、出口にて入場者・退場者をカウントなど、徹底した人数管理をしており、会場内の人数が上回りそうな場合は、入場制限を実施するという。また、会場内でブースに密集することも避けるよう、スタッフが巡回していた。

事前登録時に時間帯指定・来場動線で待機列緩和

受付までの来場動線は、パンチカーペットでわかりやすく誘導。これだけ長いものはめずらしいと関係者もコメントするほどしっかりと用意されていた。

来場は原則、事前登録制で、登録時に各日来場時間帯を申告するスタイル。これで待機列の混雑予測をしオペレーションがしやすくなる。受付への来場動線で、青いラインは事前登録者のなかでもプリントアウトを忘れた来場者列、赤いラインは事前登録者でQRコードの参加証持参者の列と区分して展開された。

来場者の動線とソーシャルディスタンスの間隔を促すパンチカーペット

来場者の動線とソーシャルディスタンスの間隔を促すパンチカーペット

受付にはサーモグラフィ―の設置。37.5度以上の来場者が通過すると音で知らせる仕組みになっている。その先にはQRコードの読取をするスタッフが各列ごとに1名ずつ待機する。スタッフはマスクを着用した上にフェイスフィールドで顔を覆い飛沫を防いでいた。

マスク着用の上に、さらにフェイスフィールドで来場者を迎える運営スタッフ

 

大型の注意喚起ボードと大阪府「コロナ追跡システム」のQRコード掲出も

各会場の入退場サインには、大型の注意喚起ボードを設置。ボード内には、必ず登録するよう案内されている大阪府の「コロナ追跡システム」のQRコードが大きく掲出されたていた。

コロナ追跡システム

注意喚起ボードには大阪府の「コロナ追跡システム」のQRコードも大きく掲出されている

会場内動線・ブース内デザイン

29日の午前中までは強制導線を導入し、入り口から出口まで一方通行でのサインを設置。午後には緩和され、自由に移動できるように変更されていた。

また、ブース内でデモンストレーションがある場合やセミナーを予定しているブースでは、立ち見の立ち位置ガイドを「N」のサインで表示するなどソーシャルディスタンスを意識したデザインがみられた

デモステージを立ち見するブース来訪者のために立ち位置のガイドが示される

通路幅

ブースレイアウトは、通常通路を2m間隔で配置されていたが、今回は密を避けるために3m以上の幅を確保。ブースにも所々で消毒所として消毒液が設置されたスペースも用意されていた

通常は2m幅のブースとブースの間の通路は今回3m以上幅をもたせて配置されている

 

こうした随所の感染拡大防止対策が会場に用意され、展示会主催者や企画運営者なども来場し、今後のリアル開催参考にしていた。

 

初日に来場していた展示会主催者の声「行政の後押しも開催の鍵」

今回、7月29日の初日には、展示会主催者や展示場の担当者、MICE事業者などの姿も多く、一様に今回の大型展示会再開をよろこぶ声が聞かれた。

 

掘正人氏(株式会社イノベント 取締役代表執行役社長)

「感染者拡大が懸念されているなかですが、展示会は産業振興の要で、経済をつくりだすエンジンです。経済をとめないという意味でも、今回の開催は重要な一歩。

2月以降約600件以上の展示会中止・延期があるなか、大阪府・大阪市、大阪観光局がバックアップし、行政側が展示会・MICEの重要性を感じていただいて開催してくれたことはわれわれ主催者としては本当にありがたい。

ぜひ成功していただいて、もう一度展示会・MICEの起点となる日になってほしいし、われわれも追随してしっかりと業界を盛り上げたい。気持ちも新たになった場だと感じている」

 

クリストファー・イブ氏(インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社 代表取締役)

クリストファー・イブ氏(インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社 代表取締役)

 

「中国での展示会も6月からスタートしている。7月には上海で「China Beauty Expo」を開催し、上海新国際見本市会場を全館および屋外テントを使った大規模な開催も実施し成功した。海外主催者も展示会を再開しはじめ、順調に開催してきている。日本でもこうした大型展示会が再開して、非常にうれしい。経済再生には展示会の役割は大きい。主催者としてはまた日本での展示会を開催していきたい」

 

会場となったインテックス大阪を管理運営する一般財団法人大阪国際経済振興センターの中村一男理事長は、「ちょうど5ヶ月ぶりに展示会が再開できて、よろこんでいます。今日も朝から出勤した時には人の流れが戻り、やはり展示会・MICEは経済活性化にはなくてはならないものだと感じている。まだまだコロナの感染状況は厳しいなかではあるが、今日を一つのきっかけとして継続して開催していくことを望んでいる。そのためには拡大防止と合わせ経済活性化のために一つでも多くの展示会イベントを成功裏に終わらせることを施設運営者としての努力を継続したいと思います」と語った。

インテックス大阪,大阪国際経済振興センター,中村一男,理事長

中村一男氏(一般財団法人 大阪国際経済振興センター 理事長)

 

インテックス大阪を全館使用した大型のBtoB展示会再開には、「行政からの後押しが大きい」と、東京都ではまだなかなか打ち出されない開催の支援策について言及する声も聞かれる。会場も行政との調整役として大きな力になっているようだ。

ただ、展示会再開には、大型展示会に参加する側の安心の意識づくりも課題だ。「第12回関西ホテル・レストラン・ショー」含む7展の初日来場者数は4,562名。(内訳は「第12回関西ホテル・レストラン・ショー」1,305名、「メンテナンス・レジリエンス OSAKA2020」「第12回生産システム見える化展」「第3回自動化・省人化ロボット展」「気象・気候対策ビジネス WEEK2020(夏)-大阪-」「プラントショーOSAKA2020」「第6回国際ドローン展」の6展は3,257名)。出展者からは「もう少し来場があるとうれしい。2日目、3日目に期待したい」「じっくり商談はできた」といったコメントが聞かれた。

レポートでは、来場者とも共有したい感染症対策の基礎知識や出展者の参加動機なども伝えていく。

【開催概要】

・ 会期:2020 年 7 月 29 日(水)~31 日(金) 10:00~17:00
・ 会場:インテックス大阪
「第12回関西ホテル・レストラン・ショー」
「メンテナンス・レジリエンス OSAKA2020」
「第12回生産システム見える化展」
「第3回自動化・省人化ロボット展」
「気象・気候対策ビジネス WEEK2020(夏)-大阪-」
「プラントショーOSAKA2020」
「第6回国際ドローン展」

樋口陽子

樋口陽子

樋口陽子  月刊イベントマーケティング 編集長 MICE 研究所「イベントは体験提供の場」として、イベント現場で体当たり取材を行っている