日展協が第13回定時総会を開催 令和8年度は「開かれた日展協」を旗印に展示会産業の課題解決へ

一般社団法人日本展示会協会(日展協)は令和8年6月5日(金)、TKPガーデンシティPREMIUM京橋(東京都中央区)において「第13回定時総会」を開催した。令和7年度の事業報告・収支決算報告の承認、令和8年度の事業計画・収支予算の承認、役員改選など全5議案が審議され、いずれも承認された。続いて同会場で総会懇親会が行われ、新会員企業の紹介、来賓祝辞、乾杯などが執り行われた。

第13回定時総会の審議

定時総会では会長の堀正人氏(株式会社イノベント 取締役代表執行役社長)が議長を務め、各号議案の審議が進められた。

第1号議案の令和7年度事業報告は、迫宏治副会長(総務委員長)が説明を行い、承認された。第2号議案の令和7年度収支決算・監査報告も狐塚直純監事による監査報告を経て承認。第3号議案・第4号議案の令和8年度事業計画(案)・収支予算(案)は堀会長および迫副会長が説明し、それぞれ承認された。

第5号議案では、令和8〜9年度役員の選任(案)が審議された。2026年4月13日開催の理事会において、池畑孝治氏が理事を退任し、徳野浩司氏(一般社団法人日本旅行業協会)を新理事に推薦することが決議されており、本総会にてこれが承認された。審議終了後、堀会長から徳野氏が来場者に紹介された。

令和7年度の活動を振り返る

スクリーンに昨年度(令和7年度)の活動を俯瞰したスライドが映し出され、堀会長がその概要を説明した。

令和7年度は、広報・会員交流・国際交流・安全対策・人材育成・サステナビリティの6分野を軸に活動を積み重ねた1年だったと総括された。おもな活動としては、AI広報アンバサダーキャラクター「JEXA結(ゆい)」の起用による広報展開、Global Exhibitions Day(GED)への参加、韓国展示産業協会(AKEI)代表団の来日と交流覚書(MOU)の締結、主催者向け企画「展示会に行こう!」の開催、会員懇親バーベキュー大会やゴルフ懇親会、委員会交流会などが挙げられた。また、イベント・MICE関係者向け「使いやすいサステナビリティガイドブック」を完成・公開し、展示会業界へのサステナビリティ普及に取り組んだ。

令和8年度事業計画——「開かれた日展協」の具体像

令和8年度の事業計画のスクリーンには、本年度の活動方針として「開かれた日展協」の文字が大きく掲げられた。

協会活動方針の骨子は次の2点から構成される。第1に、「業界の課題解決集団として率先して課題解決に立ち向かう——日展協イニシアチブ——」と位置づけ、安全対策・サステナビリティ対応・国際化・展示会の価値向上・統計整備の5分野に重点的に取り組む。第2に、7つの委員会の活発な活動を推進しつつ、60周年に向けた積極的な活動と広報を展開し、最終的には「展示会産業全体の持続的な発展を目指す」とする。

7つの委員会はそれぞれ以下のとおり。

(1)総務委員会 協会運営全体の統括・各種会合運営・事務局支援・60周年企画の統括
(2)広報委員会 対内外への情報発信強化・認知向上・入会促進・会員エンゲージメント向上
(3)会員交流委員会 交流機会の拡大(会員・若手・他団体)によるネットワーク活性化
(4)国際交流委員会 海外団体との連携強化・展示会動向の収集と共有(Global Exhibitions Day含む)
(5)人材育成委員会 セミナー・勉強会を通じた業界人材の育成とスキル向上
(6)安全対策委員会 安全ガイドラインの普及・啓発・会場連携・安全月間/表彰の実施
(7)サステナビリティ推進委員会 ガイドブック活用・チェックリスト運用による実践的なサステナ推進

これらに加え、本年度は新たに3つの重点事業・取り組みを推進する。

(8)展示会産業実態調査事業:令和7年度に経済産業省が実施した調査事業を引き継ぎ、日展協が主体となって展示会産業の統計データ整備を継続的に進める。60周年事業の一つの柱としても位置づけられている。

(9)主催者ネットワーキングプログラム:主催者同士がつながり、学び合う場をつくる新たな取り組みで、展示会への集客策や企画立案などをテーマとした現場ツアー、主催者ラウンドテーブル(懇親会)、主催者スタディセッション(海外展示会業界動向の共有)などを展開する。

(10)60周年準備委員会:2027年に設立60周年を迎えることから、新たに60周年準備委員会を立ち上げ、周年の趣旨・方向性・テーマ・企画コンテンツの検討と準備を進める。

懇親会——堀会長あいさつ

懇親会の冒頭、堀会長が改めてあいさつに立ち、令和7年度の活動について「会員の皆様のご支援のおかげで、幅広い分野でしっかりと活動を積み重ねることができた」と会員に謝意を述べた。

続けて令和8年度の方針を説明。「開かれた日展協というキーワードのもと、会員のための協会であると同時に、展示会産業全体の責任を持って、課題解決集団として自信を持って課題解決に立ち向かっていきたい」と語った。4本柱の一つとして展示会の活用促進に触れ、「コロナが終わって元気を取り戻した主催者が、展示会をメディアとしてどんどん活用してくれることが産業の活性化につながる」とした。また、展示会産業実態調査事業については「感覚で捉えてきた産業を、事実と数字で語れる産業にしたい。その基盤づくりに挑戦したい」と力を込めた。

懇親会——新会員5社を紹介

定時総会に続いて17:15より懇親会が開催された。まず冒頭で、今年3月以降に新たに入会した会員5社が紹介された。

株式会社イーストSHIP
代表取締役 寺澤仁

展示会や企業イベントの制作事務局、当日運営スタッフ手配まで一貫して対応するイベント運営会社。多言語対応や女性・若手管理者の配置など、案件特性に応じた柔軟な体制を強みとする。

キングスジャパン株式会社
取締役社長 森田和樹

グローバルネットワークを活かして日本企業のアウトバウンドを支援するとともに、海外から日本へのインバウンド需要にも対応。日展協会員と連携し、日本と世界をつなぐ体験価値の創出に取り組む。

CLARIONジャパン株式会社
ゼネラルマネージャー

世界最大規模の展示会主催会社の日本法人として、2025年2月に設立。現在は2027年4月開催予定の防衛・安全保障分野の展示会「BS Japan 2027」の企画・運営を手がけている。

ラインアウト株式会社
営業部マネージャー 東裕太

あらゆる顧客接点で営業機会を逃さないAIインターフェイスを提供。テクノロジーとデータ活用で、展示会に関わるあらゆる人の体験のアップデートを目指す。

株式会社メディアワークス
代表取締役 池田晶子

人材提供からグッズ・ノベルティ制作、自社工場での製造・ブース施工まで一貫対応。今後はツーリズム事業も展開予定。

来賓あいさつ——笹川博義氏(自由民主党展示会議員連盟事務局長)

来賓として登壇した自由民主党衆議院議員・自由民主党展示会議員連盟事務局長の笹川博義氏は、展示会産業が「人もモノもつながる大切な機会を提供している」とその意義を強調した。一方、「欧米と比べると展示場そのもののインフラ整備がまだまだ遅れているというのは、歴代の会長からも指摘されてきたところ」として、会員からの声を受け止め政府への働きかけを継続する意向を明言した。

また、中東情勢を踏まえた石化系資材の調達問題にも言及し、「政府としても流通実態を一つひとつ把握して対応している」とし、展示会産業のさらなる飛躍への期待と激励の言葉で締めくくった。

乾杯——古山貴規氏(経済産業省 文化創造産業課 調査官)

乾杯の発声は、経済産業省商務・サービスグループ文化創造産業課調査官の古山貴規氏が担った。古山氏は、同省が前年度に実施した「展示会産業の国際化のための実態把握等に関する調査研究」への協力に謝意を示したうえで、「この事業をスタートラインとして、展示会業界のさらなる発展につながることを期待している」と述べた。資材調達の問題についても「経済産業省に問い合わせいただければ都度、どこで詰まっているかを調査・対応しているので、何かあればお声がけを」と呼びかけた。

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