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エンゲージメント高める 社内イベントづくり

エンゲージメント高める 社内イベントづくり

ブランドと顧客の深く良好な関係を構築し、Win-Win で双方向なコミュニケーションをつくる、エンゲージメント・マーケティング。関係構築は顧客との間だけでなく、企業とスタッフ、スタッフ同士の間にも重要だろう。個の力からチームで戦う組織をつくるための、社内イベントを活用したエンゲージメント向上の手法について学ぼう。

1. 社内イベントもデジタル時代へ

イベントアプリで可視化そのままデジタル社内報に

ニューズベース x イベントス

社内イベントの開催自体が目的化してしまうと、やりとげたことで満足してしまい、次の日からまたいつもと同じ日常がはじまってしまう。イベントの目的である、参加者の成長、チーム力の向上は、イベント当日だけの研修やワークショップだけでは身につかない。継続的訓練や職場での実践が必要。従業員のエンゲージメント向上には働く側と企業側の考え方のギャップを知ることと、それを解決するための施策、実施後の結果測定を行わなければならない。

事前のヒアリングや紙ベースのアンケートでは、回答率もあがらず、イベント担当者の業務負担も大きい。また匿名性が担保されないため、本音の意見を聞き取るのは難しい。そこで社内イベントとアプリを連携させることで、それらの課題を解決することができるサービスがはじまった。

30年にわたり企業のイベント運営を支援して、いまでは年間400件ものプロジェクトをてがけるニューズベースは、イベント向けにアプリプラットフォーム「eventos」を提供するブレイブソフトと提携し、イベント実施後の継続的なコミュニケーションを支援することで、課題を解決する。(図1)

エンゲージメント高め業績につなげるには、「コミュニティ」「タイミング」「コミュニケーション」を感覚的でなくきちんとマネジメントすること(Tモデルという独自理論に基づいたニューズベースの提案思想。)

エンゲージメント高め業績につなげるには、「コミュニティ」「タイミング」「コミュニケーション」を感覚的でなくきちんとマネジメントすること(Tモデルという独自理論に基づいたニューズベースの提案思想。)

ニューズベースは社内イベントへの社員の参加意識の高さの段階を認知⇒興味⇒共感⇒理解⇒自働⇒共鳴の6段階、“燃えない” 、“燃えそう” 、“燃える”の3分類に整理。さまざまなタイプのイベントのなかから参加意識の高さに応じた施策を提案する。エンゲージメントも参画度も高い場合には、Slido、文化祭型コンテンツ、未来宣言展示、エキスポ形式プレゼン、ウルトラクイズ。参画度もエンゲージメントも低い場合にはサンドアート、ファミリーデー、テープカット、社員インタビュー動画など、あまり聞き慣れないイベントも盛り込む。

同社はブレイブソフトとの連携で、社内ブログ、SNS、社内ポータルなどオンラインの施策をアプリに集約。また、社内報と1on1面談についてはオフラインとオンラインの双方を融合した新しいコンテンツを提供する。

アプリを活用することで、情報の集約、Push通知による適切なタイミングでの全体への周知、インタラクティブなコミュニケーション、匿名アンケートなど情報収集量の増加、イベント施策の効果を拡充・継続させられる。ブレイブソフトが提供するLive投票とLive Q&Aは、ブラウザベースでダウンロード不要で利用できるサービスだが、ダウンロード障壁の少ない社内用アプリであれば、アプリ内のイベントコンテンツとして連携することで、さらに参加しやすくなる。

匿名で意見や要望が投稿できるLive Q&Aで、上下関係を気にせず忌憚のない意見交換の場に。

匿名で意見や要望が投稿できるLive Q&Aで、上下関係を気にせず忌憚のない意見交換の場に。

 

イベントのインタラクティブ性を向上するLive投票。多数決だけでなく早押しにも応用できる。

イベントのインタラクティブ性を向上するLive投票。多数決だけでなく早押しにも応用できる。

ブレイブソフトの社内イベントで効果を計測した結果、ペーパーレス化、スキマ時間の活用、過去の投稿の閲覧などの機能を活用することで、年間の紙コストが200万円削減。イベント参加率20%アップ。満足度が22ポイントアップの89%、Push開封率50%、アンケート回答率96%、待機時間が1分に。インタラクティブなコミュニケーションが可能なことも満足度につながっている。

オフラインのイベントならではの、高いエンゲージメントと、アプリによる継続的なコミュニケーションが、施策の効果の継続性と参加意識を向上し、業績アップや従業員満足度向上につながるという。スマホアプリが、双方の課題を解決し社内イベントの新しいカタチを生みそうだ。

 

2. 振り切った演出がカギ!

カードゲームでチームビルディング

イベントレンジャーズ

ゲームを楽しむには演出にこだわること。カードマスターは舞台役者が演じる。

ゲームを楽しむには演出にこだわること。カードマスターは舞台役者が演じる。

インナーイベントは、定例だから開催するというのでは参加モチベーションは上がらない。そうならないように前提づくりが求められるようになった。

社員満足度・幸福度の向上を通じて企業をサポートする「元気な会社をつくる」プロジェクトを推進するイベントレンジャーズでは、「カードゲームでチームビルディング」というコンテンツを社内イベント用に提供している。
アイスブレイク用に「ベストアクト」、定番の「人狼」、チームワークが求められる「コードネーム」といったさまざまなカードゲームを通じて、次々と迫りくる課題をチーム一丸となって解決し、お互いの意外な面を発見しながら、理解を深めていく。

自社の新入社員研修でも実施し、その結果を日本チームビルディング協会が提供するチームステータス診断で効果測定を行ったところ、「仲良しローパフォーマーチーム(25点)から仲良しポテンシャルチーム(32点)へランクアップしたという。とくにポイントが伸びたのがチーム意識、本音がいえる場づくり、目標への貢献意欲だった。(図1・2参照) ゲームだけでなく、効果測定を行うことで、達成度合いが実感できて、目標達成意欲をより高めることができるという。

(左)イベント開催前のステータス (右)イベント後には、チーム意識、本音が言える、目標への貢献意欲が向上した。

(左)イベント開催前のステータス (右)イベント後には、チーム意識、本音が言える、目標への貢献意欲が向上した。

松宮さんは、「カードゲームに没頭して楽しむには、形から入ることが大切。職場を離れた西洋風の異空間と、舞台役者が扮装するカードマスター、独特の雰囲気をかもしだす音響、それでいて短時間で手際よく飽きないうちに1ゲームを終わらせること」だという。舞台役者や多彩な特技と高いコミュニケーション能力をもつ100名弱の登録メンバーを抱えるイベントレンジャーズならではの、演出のこだわりと円滑な進行でチーム力向上をサポートしている。

「グループは、ただの人の集まり、チームとは同じ目標をもった集まり」と話す社長の松宮洋昌さんは、強いチームの条件として①全員がゴールを理解し目標に向けて楽しむ②意見の衝突を恐れない③互いの長所・短所を認めあい敬意をもって接する④達成意欲が高い⑤各自が責任をはたしやりがいを感じる。⑥チームの社会的役割を理解、などをあげ、チームビルディングを含めた社内イベントづくりを支援する。また、組織の幸福度を増進させる専門家CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)育成にも力を注いでいる。

管理職だけでなく、すべてのビジネスマンに、個の力ではなくチームのパフォーマンスを最大化するスキルが求められているいま、社内イベントや研修にはチームビルディングが欠かせない要素になっているようだ。

 

3. 幹部会議で感情分析

ウェアラブルデバイスで集中度 自分事化がわかる

NEC

NEC感情分析のイメージ

NEC感情分析のイメージ

NECでは、会長、社長、役員、事業部長クラス、関係会社社長などが一堂に集まる半期に一度の幹部会議(300人弱規模)で2018下期、2019上期と二期連続して自社開発の「感情分析ソリューション」を導入した。

「感情分析ソリューション」は、ウェアラブルデバイスやクラウドを活用し、人の生体情報を可視化、脈拍から生体情報により感情の状態判定を行うもの。

幹部会議では経営方針の浸透力強化施策として取り組み、各事業部のキックオフでも実施されている。ある事業部の例では、エンゲージメントサーベイの役職別のスコアと事業遂行方針説明会での役職別の集中度に相関関係が見られ、経営方針の理解がエンゲージメントに寄与する結果が確認された。

どのプログラム/話題の集中度が高い、どの層(管理職/実務者など)がテーマに自分事になっているかを定量的に可視化することで、プログラム構成や組織開発のPDCAについて、属人的感覚値では無くFACTデータを元に議論できる。

経営方針の説明会で最初に導入したが、現在は新人研修のプログラム効果測定や
オフィスワーカーのパフォーマンス分析でも導入しているという。今後、蓄積された感情データを元にAI分析が行われ、デジタルアバターが聴衆一人一人毎にパーソナライズされた表現方法(強調ポイントや声の大小など)で経営方針を説明する場なども期待される。

NECの感情分析ソリューション

NECの感情分析ソリューション

田中力 MICE研究所

田中力 MICE研究所

田中力 MICE 研究所 代表 展示会 イベントの集客は、来場者数、来場者の質、滞留時間という「集客3D理論」を展開。