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オンラインで落語届ける 第一回は三遊亭わん丈さん

6月15日、「オンライン人情落語の夜」が、落語家の三遊亭わん丈さんをゲストに、第1回目の夜を迎える。新型コロナウイルスの影響で、多くの文化イベントやエンターテインメントショーが中止・延期となっているが、伝統芸能である落語もその一つだ。

 

今回の企画は、自宅から好きな時間・好きな環境で観覧できる機会を提供しようと、ワンストップオンライン配信パッケージ「イベキャス 」の自主企画第1弾として実施されるもの。笑いと人情に溢れた夜を届けたいと企画された。

 

第1回目のゲストである三遊亭わん丈さんは、「二ッ目」という落語界の若手にして年間1000席もの高座に上がる、古典・新作を問わない革新派だ。

 

オンラインで届ける難しさ

当初、落語は生で聴いてもらわないと、と落語のオンライン配信には否定的なところもあったというわん丈さんだが、実際に配信を試してみると話の内容によって、配信でも良さが伝わる噺もあると感じたという。

「落語は人情噺とそれ以外に分けたとして、音楽に例えますと、人情噺はアルバムで、それ以外のものはシングルカット。その中で現代でも残っている名作人情噺は大ヒットアルバムで、ストーリーがしっかりとしています。だからオンラインでもストーリーの強さでお客様を引き込んでいけている気がします」(わん丈)

「人情噺ではない方の噺には、ジャブを打つかのように反応をみながら笑いを誘っていく場面がたくさん御座います。しかし現在の配信技術では、わずかな”間”が空いてしまい、お客様との呼吸が上手くいきません。そのズレが何度も続くのは致命的です」

「高座では、目が良いので300人ぐらいまでは、全員が笑っているか一人ひとりの表情も逃さずに見渡している」というわん丈さん。お客さまからの目線、笑い声の強弱など、全身で感じて展開される一体感ある高座も魅力的だが、一人ひとりが特等席で観覧できるオンライン配信ならではの楽しみ方もある。オンライン配信では人情噺だからこそどっぷりとストーリーに浸れる新しい落語体験になりそうだ。

伝統芸能「落語」の継承は進化を取り入れているから

オンライン配信などチャレンジングな取組みにも、積極的に対応するわん丈さんは、落語という伝統芸能の継承者でもある。現代まで落語がずっと残っている理由について、これまでの師匠方による変化への柔軟性があってこそだと話す。だから自分も同じように、この落語という伝統芸能を残し続けるために時代に対する柔軟さも持っていなければいけないと思っているという。

もともと、わん丈さんは、滋賀出身で20代後半まで福岡でバンドマンをしていて、イベントも手がけていた。落語家への転身は、上京して、はじめてみた池袋演芸場での落語体験から。ライブパフォーマンスの世界で生き続けたいと思っている中、この国の生音楽シーンに少し限界があるのではと当時感じていたわん丈さんにとって、初めてみた落語には、一生の仕事としていけるだけの継続性を見出すことができたからだと話す。

たとえば、福岡の2000年頃はライブハウスを訪れるのは高校生が多く、大学生になるとクラブへと移ってしまうため、ファンとの関係サイクルは短い。落語はその点、固定したファンが長く寄席に通い、関係は長い。ファンとの関係値があることで、メディア露出に大きく頼ることもない。そうしたファンとの関係性やライブパフォーマンスとしてのコストパフォーマンスもよい、と考え、落語の道を選んだ。

わん丈さんも今までの師匠方と同じように、現在、新しい手法を落語に取り入れたりして、お客様にお友達を誘って来てもらえる、落語を広く知ってもらうことにチャレンジする。「ITは苦手」というが、現在YouTubeで毎日配信をしている。きっかけは、コロナ禍での影響で中止になったある1つの独演会だそう。

チケットの払い戻しの対応をしようとした際、ほとんどのお客様が「延期日程まで待つ」という粋な意思表示をしてくださり、そのお返しとして延期日程までYouTubeの無料配信をするため、勉強をしてはじめたのだという。

 

お客さまとの関係性を大事にしているわん丈さんの人情噺は、落語家・三遊亭わん丈さん自身のあたたかさを感じる場になりそうだ。

 

三遊亭わん丈がゲストの「オンライン人情落語の夜 Vol.01」は、100名限定で開催。

イベントページから、オンライン観覧チケットを購入すると、ライブ配信後の6月22日まで、アーカイブの録画映像も楽しむことができる。

イベント名 【100名様限定】オンライン人情落語の夜
Vol.01「ゲスト:三遊亭わん丈」
イベントページのURL https://eventregist.com/e/evecas-rakugo-01
開催日時 2020/6/15(月) 19:30~21:00
会場協力 スタジオフォー
チケットと金額設定 オンライン観覧チケット 2000円
主催 ワンストップオンライン配信パッケージサービス「イベキャス

 

(5月29日配信の「コースケ・よーこの不要不急な話第4話」より)

5月29日配信の「コースケ・よーこの不要不急な話第4話」より

 

樋口陽子

樋口陽子

樋口陽子  月刊イベントマーケティング 編集長 MICE 研究所「イベントは体験提供の場」として、イベント現場で体当たり取材を行っている