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第5回「出展効果の測り方【初級編】  〜B to B マーケター庭山一郎から見た 展示会エトセトラ 

前回は、展示会の選び方について書きましたので、今回は出展した展示会の効果測定の仕方を書こうと思います。

マーケティングプロセスの中で、展示会をリードジェネレーション(見込み客を集めるプロセス)と位置づけると、展示会の効果を測る一つの指標として、CPL(Cost Per Lead: 見込み客個人情報獲得単価)があります。これは、展示会で獲得する名刺やアンケート情報一枚当たりの獲得単価で、営業案件を創出する仕組み(デマンドセンター)を工場に例えるなら、原材料の仕入れコストに該当します。社員の人件費を除くすべての出展関係費用を、獲得した個人情報の数で割ったもので、リードジェネレーションを測る指標(KPI:KeyPerformance Indicator)として使います。

実は、BtoB マーケティングでのCPL は驚くほど高いものです。展示会での収集コストは安い方ですが、それでも恐らく平均的なCPL は10,000 円/@ ~ 15,000 円/@ くらいになるはずです。1000 万円の総費用で出展し、800 枚の名刺を集めたとしたらCPL は12,500 円です。この計算式を見ていただければCPL を下げる方法は出展コストを下げるか、収集データ数を増やすかしかありません。簡単に言うと、少ないコストで多くの名刺を収集すればCPL は3000円/ @程度にまで下げることは可能なのです。このCPL にも初級・中級・上級があります。

上記のように展示会の総コストを収集個人情報数で単純に割る方法が初級編です。集めた個人情報の中から、競合や営業対象外を除いた数で割るのが中級です。先ほどの例であれば、800 人の名刺から競合・営業対象外100 人を引くと、獲得個人情報数は700 人となり、CPL は、約14,300 円です。さらに、その700 人をデータベースに登録して既に自社が保有していた個人情報を差し引いた「純増数」が400 人とすると、CPL は25,000 円、と計算できるのが上級です。

つまり上級とは、見込み客(リード)情報を管理するデータベースを持ち、その中の企業と個人のデータが厳密に名寄せされ、企業と個人がきちんと紐付いた状態になっていることが前提なのです。

このCPL は、デマンドセンターを「案件を創出する工場」に例えると「原材料の仕入れ単価」になりますので、ここが高いと後工程でのマーケティングROI(Return On Investment)がとても悪くなってしまいます。

もちろんターゲットの個人情報を収集する方法は展示会以外にも沢山ありますが、同じ評価指標(CPL)で測定して、最もパフォーマンスの良いもので収集するべきだと私は考えています。

BtoB マーケティングではリードジェネレーションが最もお金が掛かりますので、ここをしっかり予算管理することが重要なのです。

庭山一郎

庭山一郎

シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役 1962年生まれ、中央大学卒。1990年にシンフォニーマーケティング株式会社を設立。データベースマーケティグのコンサルティング、インターネット事業など数多くのマーケティングプロジェクトを手がける。1997年よりBtoBにフォーカスした日本初のマーケティングアウトソーシング事業を開始。製造業、IT、建設業、サービス業、流通業など各産業の大手企業を中心に国内・海外向けのマーケティングサービスを提供している。 海外のマーケティングオートメーションベンダーやBtoBマーケティングエージェンシーとの交流も深く、長年にわたって世界最先端のマーケティングを日本に紹介している。 年間で100回以上に及ぶセミナー講師や、ノヤン先生として執筆している『マーケティングキャンパス』等、多数のマーケティングメディアの連載をとおして、実践に基づいたマーケティング手法やノウハウを、企業内で奮闘するマーケターに向けて発信している。 ライフワークとして、ブナの植林活動など「森の再生」に取り組む。日本人材ビジネス協議会(副理事長)、DMA(Direct Marketing Association:米国ダイレクトマーケティング協会:本部NY)会員。 著書: 『BtoBのためのマーケティングオートメーション 正しい選び方・使い方』(翔泳社) 『サラサラ読めるのにジワッとしみる「マーケティング」のきほん』(翔泳社) 『ノヤン先生のマーケティング学』(翔泳社) 『はじめてのマーケティング100問100答』(明日香出版社)