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サムライインキュベートがSVSをやめてSIEをゼロスタートしたワケ

 

駅に受付を設置、青空ピッチでシャウト

東京モノレール天王洲アイル駅の改札正面に設置された受付

東京モノレール天王洲アイル駅の改札正面に設置された受付

6月25日・26日の2日間、天王洲アイルで島丸ごと貸切のスタートアップイベント「SAMURAI ISLAND EXPO 2016」(SIE)が開催された。東京モノレール天王洲アイル駅の改札正面に参加者受付が設置され、来場証を受け取ると、駅直結のスフィアタワー天王洲がカンファレンス会場。隣接する屋外スペースのみどりの広場と天王洲郵船ビルに隣接するナギパティオにはSTARTUP BOOTH、FUTURE STARTUPS SHOUTのチッピステージを設置、天王洲セントラルタワーの屋外には2箇所に飲食エリアとしてフードバスが用意され、スタートアップの万博は街を巻き込む形で行われた。

サムライインキュベートCEO榊原健太郎氏

サムライインキュベートCEO榊原健太郎氏

26日、青空ピッチとして屋外で展開していたSAMURAI STARTUP SHOUT の大トリに登場したSIE主催のサムライインキュベートCEO榊原健太郎氏は、今回の第一歩について率直に次のように語った。

「SAMURAI ISLAND EXPOは、まず島を貸し切るということにチャレンジしました。屋内だけで展開してしまうと、永久に起業家がマイノリティのままになってしまう。これまで開催してきたSAMURAI VENTURE SUMMIT(SVS)を忘れるくらい、スタートアップらしくゼロイチのスタートを切りました」

サムライインキュベートでは、スタートアップの学園祭として継続してきたSVSを昨年4月で終了。SVSは50人からスタートし、最終的には1,200名まで育てたイベントだった。「スタートアップのコミュニティのなかでエコシステムを回してきたと思うが、日本全体からみたらまだまだ起業家の存在は知られていない」と榊原氏は話し、街行くひとにも届ける形で島貸切のSIEを企画した。

イスラエルのスタートアップも参加 多様性をテーマに

カンファレンス「イスラエルがスタートアップ大国と呼ばれる理由」。座布団スタイルはSVSから

カンファレンス「イスラエルがスタートアップ大国と呼ばれる理由」。座布団スタイルはSVSから

今回、カンファレンスでもブースでも目立っていたのが、イスラエルのスタートアップだ。初日、2日目のFUTURE CONFERENCEの先陣を切ったのがイスラエル。SIEのテーマ「人類の多様性と共感を知る」を伝えるセッションとして起業大国イスラエルをフューチャーし、初日にはイスラエルの起業家3名とサムライインキュベート代表榊原・イスラエル代表Yonyによる、起業大国である理由と背景を聞く内容で、苦難の歴史を超えたからこそ築くことができた起業マインドと、そこを支える国・軍と連携した大きなエコシステムの存在が語られた。

榊原氏は「世界中からスタートアップの強者を集めることをミッションにした今回のSIEでは、いま最も強者がいる国としてイスラエルを中心にした」と説明、テーマとしている多様性について「まだ日本人は多様性を受け入れているとは言えない部分があるため、島で開催するからこそできる多様性を新しいコンセプトに、ポジティブに“多様性”を受け入れる、ポジティブに、“人類の20年先の未来”を議論する、ポジティブに、“共感・シェア”をする内容で構成した」と話した。

最終目標は大阪万博超えのイベント

最終目標は、参加国数77ケ国・参加数6421万人の大阪万博を超えるイベントにすることを公言する榊原氏。「世界のイベントを輸入しているだけでは日本はいつまでも変わらない。このイベントを世界にも売っていく」と、ハワイ、オーストラリア、南米などグローバル展開にも意欲を燃やす。

「大阪万博くらい世の中にインパクトのあるイベントになることで、ようやく起業家が一般的になり、みんなが憧れる職種になって、もう一度新しい日本がつくれるのではないか」とビジョンを伝えた。

カンファレンス「シリコンバレーの現状に学ぶ次の領域」では人工知能と機械学習について語られた

カンファレンス「シリコンバレーの現状に学ぶ次の領域」では人工知能と機械学習について語られた

カンファレンスは、イスラエス、フィンテック、東南アジア、バーチャル・リアリティ、フランス、社会起業家、ネクストエリア、京都、イタリア、女性起業家、ブレインテック、メディテック、E-SPORT、サイバーセキュリティ、ドローン、AI、バイオテック、シリコンバレー、ロシア、スポーツテック、エンタメ、宇宙、アグリテックなどをテーマに27本のセッションを展開、出展ブースは64社。

5人に聞く「2日間どうでしたか?」

5人に聞く「2日間どうでしたか?」

参加者らは、「農業をしているが、流通・小売などの話を聞き、新しいサービスを展開する方とつながれた。連携の話もでき、参加価値があった」、「ブース出展したが起業家が集まりみんなでやり切れたという感覚を持てたことがよかった。一般の方とも交流できた」、「いろんなトレンドを知り、知らないこと多かった」、「青空の下シャウトしたのが新鮮だった。いい経験」など、さまざまな感想を持ち帰る。

SAMURAI ISLAND EXPO_ブース一般に向けて、起業家の存在を世に出し、新しい日本を発信する、という大きなビジョンを掲げて、ゼロからのスタートを切ったSIE。土日開催、屋外展開など、ビジネス系イベントにとって運営面ではセキュリティや申請関連など、さまざまな課題があったようだが、天王洲総合開発協議会との地域連携などで乗り切った。

屋外に展開された出展ブース

屋外に展開された出展ブース

インターネットの利用やソーシャルメディア活用がなかった46年前の大阪万博でも、革新的な変化や世界中の情報は、体験を通じて共有された。大阪万博のインパクトにインスパイアされ、価値の提供や動機付けがリアルな体験から生まれると信じるSIEの試みは、大きなパビリオンこそないが、イベント活用の原点をみるようなイベントだった。

▽動画でみる「SAMURAI ISLAND EXPO2016」

・カンファレンス「エンタメ:テクノロジーとエンターテインメントの融合」でkaguraのデモをするしくみデザインの中村俊介CEO

 

・FUTURE STARTUP SHOUT!に登場したDOKI DOKI, INC Founder CEO の井口尊仁さん

 

 

樋口陽子

樋口陽子

樋口陽子  月刊イベントマーケティング 編集長 MICE 研究所「イベントは体験提供の場」として、イベント現場で体当たり取材を行っている