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セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線 その1〜製薬業界 ファイザー

セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線 その1〜製薬業界 ファイザー »

インタラクティブ・体験・高付加価値 セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線 

メール・ウェブ・SNS、オンラインのコミュニケーションツールがどんどん便利になっているのに、時間・コスト・手間をかけて、1 つの場所に多くの人が集まるのはなぜなんだろう。製薬、IT、アパレル、人事・総務のイベント担当者に、リアルの意味、イベントのトレンド、会場に求めること、会場の選び方などを聞いてみた。

その1〜製薬業界 ファイザー株式会社 畑中 朋継さん / 玉置 千津子さん

医薬業界のイベントといえば、製薬企業が企画・主催する講演会や勉強会、各医学会が主催する学会へ出展する展示ブースなどスタイルはさまざまだが、「参加対象者である医師や看護師などの医療従事者に適切な医薬情報を伝え、患者に貢献することが共通する使命です」とイベント開催の目的について、業界最大手のファイザー株式会社畑中朋継さんはこう説明する。

同社では、カスタマーエンゲージメント(ミーティング)グループという専門部門(以下CE)で、年間約100件のイベントを担当。畑中さんと同様にCEを担当する玉置さんは、医薬業界のイベント事情について「公的医療保険からの償還を収入の源泉としている業界であるため、法令をはじめとして業界の自主規制ほか様々なルールに則って講演会や展示を企画する必要があります。それに加え、外資系なのでグローバルルールにも準拠しています」と、前提条件が他業界とは多少異なり「イベントとしてはもっとも地味な業界かもしれない」と解説する。具体的には、講演会後の情報交換会での食事提供は立食、宿泊ホテルのランクはいくつまで、講演会でアンケート謝礼を出すのにもいくつかの制限があるなど、透明性を担保するルールがあり、コンプライアンスファーストが求められる業界ならではの文化がある。

とはいえ、情報分析力の高い医師の参加満足度を高めるため、「制約のなかでいかに創意工夫を入れる」かが課題と語る。同社は製薬業界の最大手企業としてFirst moverの役割を担っている。

最近では、3Dの360度パノラマ映像を活用して製薬工場の見学会をするなどの視覚化、話を聴くだけではなくタブレット端末を全員に配布しリアルタイムな反応を生かすインタラクティブ性を重視する傾向がある。その背景にはインターネットシンポジウムの増加もある。「同社でも2015年は前年比30〜40%増でした。これは業界全体の傾向でもあります」(畑中さん)

バーチャルでは、移動がないぶん忙しい医師の参加へのハードルは下がるが、参加満足度はやはりライブのほうが高い。

「ライブとバーチャルの使い分けが喫緊の課題ですが、それぞれの強みを活かし、ライブではコミュニケーションの創出を重視した内容にしたり、ツールを使って参加感を強めたりとイノベーティブなものの取り込みには積極的です」(畑中さん)

常に新しいものがないかを貪欲に情報収集している。

 

<会場選択の課題>

・ホテルはインバウンドの増加等で、特に宿泊が確保できない

・カンファレンス施設を使用することにも積極的になってきたが、宿泊面、ホスピタリティ面での充実が必要

 

特集 インフラを見たら妄想しよう ー 公共空間のイベント

特集 インフラを見たら妄想しよう ー 公共空間のイベント »

6 3月, 2016

ソーシャルコンテンツプロデューサーであり、スコップ代表取締役社長の山名清隆氏は、 「公共空間のイベント覚醒」をテーマに、オリンピックを背景に変化しつつある公共空間 とイベント、都市の成長と妄想の重要性について語った。

山名氏は、「キャベツ畑の中心で妻に愛を 叫ぶ(通称:キャベチュー)」の仕掛け人で、 自身の仕事を PR と説明しながらも、「キャベチューは予算ゼロで世界が動くかという社会実験だった」と告白。昨年 10 年目を迎え たキャベチューだが、1回目にマスコミ各社 にリリースを発表した際は、一切イベントと しての仕込みを行わず、文字通りの社会実験 だったという。集まった 50 人の記者やリポー ターはスタートから 15 分経っても誰もキャベツ畑に現れず困惑していたというが、奇跡 的に現れた青年の愛の言葉は、山名氏が 10 年を経たいまも空で言えるほどシンプルで印 象に残るもので、そこに立ち会った全員にナチュラルな感動が生まれた。結果としてすぐ に記事となり、翌日の読売新聞トップをカ ラーで飾ると同時に、デイリー・ヨミウリで 英語ニュースにもなって、それを 見たヘラ ルド・トリビューンからインタビューを受け、 海外へも配信されて世界を動かした。舞台と なった妻恋村も翌年からは叫び台を設置し、 CM 撮影のロケ地にもなるなど、いまや名所 になっているそうだ。 お金をかけなくても人の心は動いて、メ ディアは動いて、世界は動く、ということを経験した山名氏がいま取り組んでいるのが、 公共空間を使ったイベント、というよりも、 公共空間を地域のなかで資産化していく取組 みだ。その先進事例として、国内外での参考 となるいくつかが紹介された。 大阪では、お風呂に浮かべるラバーダック、 あひるちゃんを大きくして川に浮かべるイベ ントも実施されており、これも、オランダ人 アーティストフロレンティン・ホフマン氏の パブリックアートという手法で、美術館など の限定的な空間ではなく公共の河川や海など の水辺をバスタブに見立て、街並みをも背景 として取り込んだアートだという。 また、海外の例では、パリでは毎年シャン ゼリゼ通りを農園にするためフランスの農水 省が道路を封鎖し農業国フランスを PR した り、パリ・セーヌ川に 5,000 トンの砂を運ん でビーチにしたアーティストがいたり、白い 服を着て午後8時に集まって自分で用意した 料理でパーティをする「Diner en Blanc(白 い宴)」が街なかで行われたりと、公共空間 を活用して、都市と個人との関係が築かれ、 互いに成長していると話す。

「公共空間が活かされると、驚きを生む。『あ れはダメではないのか!』という想像力の呪 縛が解かれる。規制を超えていく創造力がこれからイベントをやるうえで必要」(山名氏) こうして公共空間の解釈が変わると、もう 一つ変わるのが視点だ。主体的な視点を提供 するのだと加える。体験したひとやその情報 を目撃したひとは、あそこでできるのならば、

「ここはどうだろう」「次はどこでパーティを しよう」「なにか面白くできないか」と発想 が自由になって、創造意欲が高まり、新しい 価値を生み出す。 山名氏は、「イベントは新しい社会の形に 向かって合意できる装置となる。イベント業 界人は、人を集めるということだけでなく、 瞬間的に場の空気を変え、空間の価値を変え ていく役割をもっている。ぜひ、インフラを みたら妄想してください」と伝えた。 山名氏とそのお仲間の創造(妄想)力をもっ と聴きたい方は、3月3日渋谷ヒカリエホールで開催される「ミズベリング ジャパン」https://www.event-marketing.co.jp/contents/3729 まで。

SLUSH ASIA を通して学んだこと

SLUSH ASIA を通して学んだこと »

昨年、日本に初上陸したスタートアップイベ ント「SLUSH ASIA」。これまでのビジネス 系イベントにはない、ライブ感溢れる演出や運 営に多くの学生ボランティアの参加で、その 勢いあるイベントは話題を呼んだ。

「SLUSH ASIA」の日本初開催にいたる 経緯、また学生ボランティアとしての経験 について、CEO のAntti Sonninen さんと Volunteers Lead の東野万美さんが語った。

Antti さんは、SLUSH が生まれたフィンラ ンドの出身。学生に「起業」という選択肢が あることを伝える場として最初のSLUSH が はじまったのだと解説。2008 年に開催された SLUSH は300 人規模、海外からの参加者は 1名もおらず、投資も1つも行われなかった。 当時、才能ある若者は通信インフラ・ソフト開 発で有名なノキアに就職するようにアドバイス され、起業したいひとのためのサークルやネッ トワークはなかった。そんななか、2011 年、 ノキアの携帯部門がマイクロソフトに買収さ れたというニュースがフィンランド人に大きな ショックを与えたという。そこからSLUSH は 圧倒的な成長をはじめる。学生がイベントを 運営すること、シリコンバレーから投資家を集 めることが難しいとされていたが、みんなで一 緒に頑張ればと考え方を変えたことで、実際 に呼ぶことに成功、Facebook の投資家も集 まるようになり、一気に3,500 人の規模となった。2013 年にはフィンランド首相がパーカー で登壇するイベントになる。その後、ロシアの 首相、中国副首相、スウェーデン王子も参加 するようになり、昨年は15,000 人がヘルシン キに集まった。

Antti さんが2012 年に日本に来たとき、か つてのフィンランドと似たような状況にあった と感じた。フィンランドでも変わることができ たからこそ、日本でも若者が起業家を目指す 環境を築くことができると確信した。  SLUSH が目指すのは、誰でも挑戦できる 環境、世界を本気で変える環境を創るという こと。運営チームも若者主体、学生ボランティアで形成されている。

実際に学生ボランティアとして参加した東野さんは、同じ学生や日本人以外のボランティ アスタッフと仕事をしていくなかで「何か新し いことを吸収していきたいというエネルギーに あふれた人たちのなかで、いいコミュニティや ムーブメントのような広がりを実感することが できた」と話す。しかし、当初は初めての経験と、 ボランティアリーダーとしての役割に不安を感 じAntti さんに相談したのだという。そのとき、彼は「不安なのはわかる。でもやってみ ないと何もはじまらない」と、「虎穴に入らず んば虎児を得ず」という日本語の諺を教えた。 そう言ったのは、自分自身がイベントの経験が ほとんどなかったけれど、とりあえずやってみ ないとわからない、というマインドが大事だと 思っていたから、そう自信をもって言えたのだ そうだ。

また、ボランティアが重要な成功要因になっ ているSLUSH ASIA で、どうマネジメント しているのかという質問にAntti さんは「個々 にやりがいのあるミッションを共有すること」 と答える。  SLUSH ASIA が目指すことは、世界で活 躍する若き起業家が育つ環境をつくること。イ ベントはムーブメントを起こすツールであり、 イベントのためにイベントをするのではない。 イベントをやることによって、新しいムーブメ ントがはじまる、と力強いメッセージを送った。  今年は5月13 日から14 日、幕張メッセで 2日間にわたって開催される。ピッチコンテスト、スタートアップのブース展示も募集中だ。

*月刊イベントマーケティング08号特集より

Pioneers Asia ー 日本経済新聞社 Event Marketing Summit  イベントのパイオニア・海外事例から学ぶ2日間  その1

Pioneers Asia ー 日本経済新聞社 Event Marketing Summit イベントのパイオニア・海外事例から学ぶ2日間 その1 »

「マーケティング業界の革新は進んでいる。一方で、イベント業界は、このトレンドに乗れているのか?」

本誌は1月26 日・27 日、東京ビッグサイトでイベント業界人が集まるビジネス展示会「イベントJAPAN2016」内で、「Event Marketing Summit」を開催。イベントのパイオニアらが語った内容からは、冒頭の問いへの答えがみつかるだろうか。

欧州最大のスタートアップイベント 日本初上陸「Pioneers Asia」とは

日本経済新聞社グローバル事業局次長・金沢浩明氏、 同グローバル事業局部長・菊地伸行氏

3月23 日に日本でスタートアップイベント「Pioneers Asia」が初開催される。日本経済新聞社と欧州のベンチャー、パイオニアーズ(本社ウィーン)の共催だ。今回、日本で開催する狙いを日本経済新聞社グローバル事業局の金沢浩明氏、メディアとしての戦略的取組みを菊地伸行氏が語った。

「Pioneers」はウィーンで5年前にはじまり、世界約100 カ国から約1,800 社が参加。欧州最大規模へと急速な成長を遂げている。「ウィーンでは王宮という厳かな雰囲気の場で、ガンガンと音響をきかせる派手な演出。日本でも、八芳園の日本庭園を活用して、伝統的な空間のなか、スタートアップという新しいものを融合させる」(金沢氏)

最大のポイントと話すのが、「アジアのスタートアップ企業が、日本・アジア圏だけでなく欧米など世界の投資家や企業とのコネクションをどれだけつくることができるのか」ということ。だからこそ、欧州のパイオニアーズ社と組み、「アジアとヨーロッパのコミュニティをつなぎ、スタートアップをインスパイアし、エンパワーする。長期的な視点で、起業家、そして未来を創造する科学技術者が集結するプラットフォームをアジアで形成する」ことをミッションに掲げる。

続けて菊地氏は、こうしたミッションのもと、日本経済新聞社がイベントを包括していく上でのキーワードを「デジタルファースト」と「英語ファースト」だと解説した。「PioneersAsia」のイベント告知は昨年11 月16 日の朝刊紙面、同週にはアジア経済ニュースを英語で伝える媒体「NIKKEI ASIAN REVIEW」のWeb で発表。アジア圏スタートアップ企業の情報集積となるデジタル媒体のコンテンツAsia300 をつくり、現地支局の取材網を拡充。スタートアップ企業の情報を深堀りして厳選するという流れをつくる。「『Pioneers Asia』に応募いただいた企業の社名や代表者氏名がWeb で公開され、Print 版で紹介されることで、世界の投資家とつながりやすくなる、いわばエールのようなもの、また、イベントは関係者間の実際の架け橋の場にもなる」と話す。

3月23 日のメインイベントでは、アジアや欧州のベンチャーから選考に残った24 社が英語で事業内容を競うほか、社内起業の紹介や起業まもないスタートアップのコンテストも行われる。参加者同士のマッチングに力を入れているため、999 人と規模を絞っての実施となる。

*月刊イベントマーケティング08号特集より

旅行✕Tech業界のエグゼクティブが集結する国際カンファレンス”WIT(Web In Travel)Japan”とは

旅行✕Tech業界のエグゼクティブが集結する国際カンファレンス”WIT(Web In Travel)Japan”とは »

WIT (Web In Travel)は、シンガポールをはじめ、各国で開催されているアジア太平洋地域最大規模のオンライン旅行業界の国際カンファレンス(月刊イベントマーケティング05号記事参照)。旅行業界のダボス会議と称されることもあるほど、スピーカー陣に豪華な顔ぶれが揃う。日本開催を手がけてきたWIT JAPAN実行委員会小池弘代氏がその魅力について語った。

「日本では2012年に初開催し、初年度はクローズドイベントとしてエグゼクティブを招待。まずは感触をたしかめる試験的な開催だったが、好評のため続けての開催ができた」

と小池氏は振り返る。過去4回は100名、280名、380名、450名と徐々に増え、前回は18カ国から参加があったほか、スポンサーや協力企業・団体も32社と順調に推移している。

WITが日本で受け入れられたユニークな点について、小池氏は3つを挙げる。一つは、強いブランド力、アジアで確固たる地位を築き上げていたことで、日本での展開はやりやすかったという。二つめはエンゲージメント、スタートアップのピッチをシンガポールでも日本でも開催している。3つめは、運営側のチーム力。毎年集結されるWIT Japan運営事務局チームは、日頃の仕事をこなしながらカンファレンスに向けて鋭意動いていく。そこにはチーム力というのが不可欠だ。また学生ボランティアのリソースを活用するのも特徴。

海外展開しているイベントを日本で展開する際、順調な運営をするためのTIPSについて聞くと、小池氏は「シンガポール開催していた際、初回に日本人参加者はおらず、2回目以降から徐々に足繁く通った現実行委員であるベンチャーリパブリックの代表:柴田と、アゴーラ・ホスピタリティーズの代表:浅生の2名に、日本開催に際し業界でのプレゼンスがあったことがつながった」と話す。

また、そのため、錚々たるメンバーへの登壇依頼がスムーズで、トップへの説得が難しいかという質問に、苦労はさほど感じなかったという。一方で、WITのFounderでありWIT Singaporeオーガナイザーであるイエオ・シュウ・フーン氏は、カンファレンステーマに沿ったストーリーやコンテンツ、セッション、演出には妥協なく拘る。それらが融合されることが世界観をつくる秘訣だと伝えた。

なお、「WIT Japan & North Asia2016」は2月29日から参加受付を開始している。申込みはhttp://www.webintravel-japan.comへ。

*月刊イベントマーケティング08号特集より

 

イベントテクノロジーの進む道は  #3 Plugnauts / スプライン・ネットワーク

イベントテクノロジーの進む道は  #3 Plugnauts / スプライン・ネットワーク »

 

会場内行動と収穫をひもづけて分析−Plugnauts−

【大規模展示会向け 高精度分析レポート】

「機能する展示会にしたい」という主催者・出展者の切実なニーズに、電子デバイスの専門家と計量経済学の専門家のアカデミアによるタッグで実現したサービスがPlugnautsの提供する「大規模展示会向け高精度分析レポート」だ。

導入実績として、中小機構が主催する「新価値創造展2014」(東京開催)と「新価値創造展2015 in Kansai」(大阪開催)があり、継続的なレポーティングがされている。

Plugnauts代表取締役でエグゼクティブアナリストの白倉重樹さんは「来場者の会場内行動と、その展示会での収穫をひもづけて分析することで、業種や職種ごとに動きのパターンが導き出され、どんな動きで評価が高まったのか、あるいは高まらなかったのかがわかります」と説明するがこれはサービスの一部。「ここまでは会場で実際に起こっていることの見える化になる訳ですが、データの収集と分析で終わりではなく、本来の目的である、次の一手の発見、活性化のためのソリューション提案までを含め、ワンストップのサービスであることが特徴」と話す。

もう一つの特徴は、行動データの取得に、ビーコンなどの通信インフラを必要とせず、独自の電波マッピングで位置情報の記録ができること。コストが比較的安く、どのような施設にも準備なく使用可能で、また無線Wi-Fiなどさまざまな通信が飛び交う環境下においても影響を受けないというメリットがある。

会場を回遊する前に来場者に電波を発信するデバイスを持ってもらうというハードルを、モバイルバッテリー(デバイス付)の無料貸し出しというサービス提供で解消した手法もユニークだ。

「ほとんどの来場者に喜ばれますし、返報性の法則ではありませんが、バッテリー返却時に展示会評価アンケートを行うため、回答率が99.2%と高いんです」(白倉さん)

リアルな行動と生の声を拾う(アンケートは対面方式で実施)レポートでは、来場者だけでなく、出展者の動向も知る興味深い結果もある。「実は展示技術のアピールは会期2日目が狙い目」というものだ。大手商社の若手営業担当者は情報収集のため多くが2日目の午前中に集中して来場しており、事前情報をもとに交渉窓口となる上長が最終日に出展ブースを訪れる。一方で、展示側の代表やトップマネジメントのブース滞在率は初日と3日目が高く、2日目に大きなチャンスを逃している可能性があったというのだ。

白倉さんがこのサービスを開発したのは、自身も10年間製造業で出展者の立場におり「展示会の具体的成果を上に報告しづらい」というジレンマに悩んだからだという。

「主催者側で展示会の評価を提示できれば、Webに比べ非効率なコミュニケーションとも言われる展示会が、再び創発の場として評価されるのではないかと期待しています」(白倉さん)

 

双方向コミュニケーションでイベントの価値を向上−スプライン・ネットワーク−

【SmartClick(スマートクリック)】

先端技術や都市開発のオピニオンリーダーが集う「Innovative City Forum」では講演やセッションの最中に“リアルタイムアンケート集計ツール”を使うのが定番になっている。その日の来場者がどういった考えを持って参加しているかアンケートを行い、全員で共通認識を持って講演を進めていく。想定外の結果に驚きの声が沸く場面も多くみられ、その場の雰囲気を盛り上げている。

このようにイベントの場に活気を与えているのが「SmartClick(スマートクリック)」だ。来場者が渡された専用リモコンの該当ボタンを押して回答するだけで、集計結果が即座にグラフになるので、今までの一方通行なイベントやセミナーが一転、双方向性のある場になるのだ。来場者の参加意識と集中力が高まり、熱気のあるイベントができると好評だ。

スピーチの前に参加者の属性を聞いてみたり、少し笑いを誘う質問をしてアイスブレイクしたり、また講演後には理解度チェックや満足度調査に使うこともできる。

またSmartClickはマーケティング効率向上にも貢献する。紙のアンケート代わりに利用して回答率を向上させたり、来場者データとアンケート結果を紐づけすることで、見込み顧客の定性情報を作ることもできる。

SmartClickは専用ソフトウェアをパソコンにインストールするだけでPowerPointのアドイン(補助プログラム)になるため、既存のスライドに簡単にアンケートを組み込める。また、事前準備も専用レシーバーをパソコンにつなぐだけという「誰でもすぐに使える手軽さがウケて、展示会のプレゼンテーションやセミナーや社内研修の現場で利用する企業が増えている」とSmartClickを扱うスプライン・ネットワーク代表取締役社長の雪野洋一さんは話す。

双方向コミュニケーションを促進することで、イベントのROIを向上する強力なツールになりそうだ。

 

 

Google、Facebook、Uber、Airbnb‎、アリババ…次なる開拓者輩出も − WIT SINGAPORE 2015レポート

Google、Facebook、Uber、Airbnb‎、アリババ…次なる開拓者輩出も − WIT SINGAPORE 2015レポート »

オンライン旅行業界のトップリーダが集まる国際会議「WIT SINGAPORE 2015(Web in Travel)」が10月19日から21日、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ(19日は別会場)で開催された。登壇者は、SNSやECサイトの巨人から話題のサービスを提供するベンチャー企業のイノベーターまで、いずれも”トラベル”を進化させる勢いのある布陣。内容もさることながら、ほかではみる機会の少ないめずらしい組合せがみられたりと、エキサイティングなイベントとなった。(取材=ヒラヤマ コウスケ氏/イベントレジストCEO)

WIT (Web In Travel)は、今年11回目の開催を迎えた、アジア太平洋地域最大規模のオンライントラベル業界における国際カンファレンス。旅行業界向け商談展示会「ITB Asia」と共同で開催されており、WITはマーケティングとネットワーキングに強みをもつラウンドテーブル形式のカンファレンススタイルをとっている。旅行業界のダボス会議と称されることもあるほど、毎回、スピーカー陣には豪華な顔ぶれが揃う。

また、初日に行われるBootcampでは、より現場に近いマーケッターに向けたパネルディスカッションや、トラベル業界におけるスタートアップにフォーカスしたセッションも行っており、毎年Start-up Pitchも実施し次なる開拓者も輩出している。今回は、無料のモバイルアクセスを取得し、旅行中のローカルアプリを発見するRimotoと国際マラソンを簡単に申込めるだけでなくホテル宿泊も予約できる42 raceが最終選考を突破した。

 

オンライントラベル2015年の傾向

トラベルという括りには移動手段も含むため、既存の旅行関連商品だけではなく、近年話題のベンチャーの東南アジア代表たちが一堂に集う豪華なセッションとなった。

宿泊施設、移動手段、チケッティング、アクティビティー、バケーション、ビジネストリップ、などそれぞれの分野で幅広くディスカッションが繰り広げられた。

Google, FacebookなどのITの巨人はもちろん、シェアリングサービスのAirbnbやUberといった話題のサービスを提供する先進企業,また、勢いのあるベンチャー企業のGrab Taxi(マレーシアに本社を置くタクシー呼び寄せサービス)などもこぞって登壇する注目のセッションが目白押しとなった。

トレンドとして、多くの登壇者から挙がっていたのが次の3点。

- アジアの旅行市場の拡大(特に中国人トラベラーの拡大)

- モバイル、アプリ

- シェアリングエコノミー

特にモバイルの普及がもたらす変化は、本イベント名の”Web” In Travelが”Mobile” in Travelに変更される日も近いのかな?と想像してしまうほどの頻出ワードとなっていた。一例を挙げると、オンライントラベルの世界傾向を発表した調査結果では、航空チケットの予約をパソコンよりもモバイルで行う利用者が急速に増えてきており、国別でみると、特に中国ではモバイルによる予約が53%と、想像以上に高いことが興味深かった。

 

来年の日本開催にも期待

今回、日本からの登壇者は、少なかったが、旅行観光ガイド「Travel.jpたびねす」など国内外の旅行情報サイト「Travel.jp」を運営するベンチャーリパブリックの代表取締役社長柴田啓さんは、WITのパネルディスカッションとITBのキーノートスピーチの両イベントに登壇。

また、日本の「旅館」ブランドを代表して、創業57年の旅館紅鮎三代目の山本享平氏がパネルディスカッションで日本の旅館文化をアピールした。

そのほか、楽天の執行役員トラベル事業長で楽天トラベルを担当する山本考伸さんが登壇し、アリババグループのAlitrip担当者とプラットフォームをキーワードにプレゼンテーションを行った。双方、グループ全体の強みを活かしたエコシステムの特徴を紹介し、ビッグデータ分析によるスケールメリットの最大化を実現、個々の趣味嗜好やライフサイクルに応じたサポートが顧客満足につながっていく新しい旅行販売のフローを説明した。

全体を振り返ってみると、ベンチャー業界で話題の企業が一堂に会するイベントという印象で、規制も多い旅行産業だからこそ、裏を返せばディストラクティブイノベーションのチャンスが眠っていると感じた。ベンチャー企業にとって可能性のある分野と言える。

日本では、来年6月2日・3日に東京お台場で「WIT Japan & North Asia 2016」の開催が決定している。日本でどんなイノベーティブなサービスが登場するだろうか。

 

 

 

 

 

 

イベントテクノロジーの進む道は  #2 ブレイブソフト / 乃村工藝社・日立製作所
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イベントテクノロジーの進む道は  #2 ブレイブソフト / 乃村工藝社・日立製作所 »

展示会アプリはマーケティングツールへ ブレイブソフト 「Appvisor event(アップバイザーイベント)」

契約数1,000万人を超えるNTTドコモのオフィシャルアプリや、「ARエヴァンゲリオンアプリ」など、話題のスマートフォン向けアプリの開発を数多く手がけるブレイブソフトが、イベントや展示会に特化したO2Oアプリ作成・ASPサービス「Appvisor event(アップバイザーイベント)」を独自開発した。

イベントアプリを最短5日で制作でき、[お知らせ]や[イベント概要]、[アクセスマップ]、[場内マップ]、[タイムテーブル]、[事前登録]といった機能がパッケージングされており、B級グルメやフリーマーケットなどBtoCイベントだけでなく、BtoBの医療学会やビジネス展示会でも多く採用されている。 「現在は、IT系やアパレルなどの業種から問合せが多いですね。2014年ごろからご相談件数は徐々にふえています。イベントアプリは海外で流行ってきていますので、日本でもこれからニーズが高まると思います」と、ブレイブソフト執行役員/統括部長の貝沼翔さんはイベントアプリの動向をこう話す。

今年の実例をみると、「SCAJ ワールドスペシャルティコーヒーカンファレンスアンド エキシビション 2015」や「第42回 国際福祉機器展 H.C.R.2015」などの産業展示会、また「Adobe Digital Marketing Symposium 2015」といった企業イベントでの採用も多い。 「シンポジウムは、海外からの参加者も多く多言語対応機能がよろこばれました」(貝沼さん)

アプリを採用する主催者側のメリットとしては、プッシュ通知が送れることで誘客につながること、来場者にとっては気になる出展企業の情報やセミナー開始時間の直前アラームで見逃しが減ることのほか、オプションの分析機能をつけると、会場に設置したビーコンで滞留時間や回遊導線を知ることもできるなど、スマートフォンならではのコミュニケーションがとれる。

また、アプリ開発会社であるブレイブソフトならではのメリットとしては、アプリの企画力が挙げられる。「会期中の短期だけでなく、長期的な視点でのダウンロード施策を提案できます」と話すのは、導入のサポート役を務める同社マネージャーの熊谷敏宏さんだ。せっかく高いコストをかけてアプリをつくったのに、ダウンロードしてくれるかどうか不安だという相談も多いという。「そんなとき、初年度はデータ収集用と考え、ミニマムプランでスタートし、次年度の戦略の基礎にとおススメしています」(熊谷さん)。パッケージングサービスのため、1からつくるより10分の1のコストからはじめられるのも魅力だ。

もともとAppvisorは、アプリストア内での順位を上げるため、自社用につくったツールで、開発したアプリを分析、解析しながら改善するシリーズものだった。イベント向きの「Appvisor event」制作の背景にも、じつは同社の改善姿勢がある。展示会への出展を経験したことのある同社にとって、課題は出展効果の可視化だったという。

「アプリは集客ツールでもあるんですが、マーケティングツールだとも考えています。展示会って、1年のうちたった3日間。その期間が過ぎれば終わってしまうと考えがちですが、それはもったいないと思うんです。たとえばアプリで出展者情報のほか、イベントを起点として業界情報などの周辺を内包した情報発信をするニュースメディア化も一つの在り方ですし、実際にアプリ内の広告枠ニーズも高い。通年で業界を活性化させるツールになれればと思っています」(貝沼さん)

 

測るだけじゃない、時代は考える空間へ 乃村工藝社/日立製作所 「空間データ・マネジメント・プラットフォーム」

空間内での行動を見える化した「空間データ・マネジメント・プラットフォーム」を2013年に発表した商業内装大手の乃村工藝社と日立製作所。たとえば、展示会のようなイベント開催時には来場者の滞留時間や行動などを「人流密度マップ」や「リアルタイム人流分析」(図)といった可視化に成功した。

これまで盛り上がりのピークを知るには来場者数、興味関心度は地道なアンケート調査や感覚値を頼りに、人力で集計して来た分野だ。 センサー技術とビックデータ分析を活用した「空間データ・マネジメント・プラットフォーム」の登場で、行動や関心をリアルタイムに計測・集積・分析し活用ができるようになった。

共同開発者である乃村工藝社・CC第二事業本部アカウント第二事業部企画開発1部部長の中村久さんは「開発から3年目になったいま、『測る・見える化』から『ソリューション・予測』へと進化しています」と話す。

実証実験の段階は終わり、すでに実用化され、さまざまな場所での活用が進んでいた。 2014年3月、国立科学博物館では、首から下げた名札型センサノードと館内に設置した赤外線ビーコンで、行動を測り、どう動き、どの展示の前で立ち止まったのか、また親子の会話が、どこで活性化したのかといったコミュニケーション度を測ることで、今後の展示更新へと役立ていくことができた。

「ビッグデータで分析すると、空間デザインとしては顔からみるだろうと思っていた展示物が、じつは尻尾からのほうがよくみられていた、といった思わぬ発見があり、『設置するパネルの位置』や『見学ルート』、また『子ども向け・大人向けの解説の作り分け』といった改善点に活かせる可能性がある」と、真鍋順一さん(同社・空間DMP事業準備室室長)はデータを読み解く。

「空間データ・マネジメント・プラットフォーム」がはじめてお披露目されたイベント「Hitachi Innovation Forum2013」でも測定されたデータを反映し、レイアウトを一新。会場内の奥に配置していたメインステージを中央に移動し、四方に集客力を発揮する心臓ポンプのような役割にした結果、周辺ブースでは数多くの体験を提供することに成功したという。

「空間はこれまで一方的に情報発信する場所でした。いまは、来場者・来館者から行動情報を取得し、ニーズにあった情報発信ができる『考える空間』になり、空間価値を最大化できるようになったんです」(中村さん)

<協賛> 株式会社ブレイブソフト Appvisor Event

 

 

イベントテクノロジーの進む道は  #1 ジュブリア / イベントレジスト

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15 11月, 2015

はじめはアナログで徹夜 テクノロジーが出会いを演出 【ジュブリア】

多くの企業がウェブやSNSで自社情報を発信しており、展示会は情報収集の場から、パートナーを探す出会いの場へと変わりつつある。そこで期待されているのがビジネスマッチングシステム「Jublia(ジュブリア)」だ。

出展者や来場登録者の中から会いたい人を探す「MATCH」、自社の課題を解決できる相手を簡易人工知能で紹介する「MATCH Concierge」、商談数や満足度を計測する「RATE」、イベント全体のマッチング・商談の統計をとる「SENSE」と、ビジネスイベントのROIを大きく向上するオールインワンのプラットフォームだ。

「はじまりはびっくりするくらいアナログ」とジュブリアCOOのエロール・リムさんは開発時を振り返る。留学先のスウェーデンで、現CEOのタン・クァン・ヤンさんとともに起業を考え、多くのビジネスイベントに参加していた。しかし登録料を支払い名刺交換するだけで成果は上がらなかった。もっと効率的な出会いの場がないかと考え、自分たちでイベントを開催。1日目は参加者の要望を聞き、それを組み合わせ、一人ひとりの商談時間割を徹夜で作成。2日目の朝には時間割を手にした参加者が次々と商談を進め多くの投資話が決まった。

イベントの成功で自信をつけた二人はシステムを構築。ロンドン、そして出身地であるシンガポールでも開催するようになった。そのころ、毎回多くのマンパワーが必要なイベント開催から、マッチングシステムをイベント主催者に提供するというビジネスモデルに大きく方向転換し、ジュブリアは商品化された。

サービス開始2年で150の主催者が200~300件のイベントにジュブリアを利用するようになった。60%が国外での利用となっており、国外企業との代理店契約による海外展開が飛躍的な成長を実現している。

【イベントレジスト】 日本のビジネス・パートナーとしてジュブリアが選んだのがイベントレジストだ。ジュブリアの効果を最大化するためには、多くの来場者が事前に情報を登録することが条件で、来場者データを企業のマーケティングに活用するイベントレジストとジュブリアは相性がいい。

展示会主催者にとってはイベント規模の拡大、出展者の販促効果拡大と両者のWin-Winを実現するため、展示会関係者と一緒にイベントの課題解決を進めたい、とイベントレジストCEOのヒラヤマさんは語る。

 

 

<協賛> イベントレジスト株式会社

MICE施設は“未来の出島”   ~ 駅直結と都市の魅力で中規模会議誘致へ

MICE施設は“未来の出島”   ~ 駅直結と都市の魅力で中規模会議誘致へ »

1 11月, 2015

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MICE施設は“未来の出島” 駅直結と都市の魅力で中規模会議誘致へ

江戸時代に世界との唯一の窓口となっていた出島。 長崎市ではその出島を中心に国際貿易の拠点として活況を極めたように、 再び経済発展の拠点として未来につなげようと、経済界を中心に MICE 施設の建設に期待が集まっている。

観光が好調なうちに 交流産業の充実を目指す

旧グラバー住宅からオランダ坂を下ると、ビルと見違えるような巨大客船が停泊しているのが見える。低い汽笛が響くと、出港時間ぎりぎりまで買い物をした若いカップルが両手に大きな袋を抱えて船着き場まで急ぐ。クァンタム・オブ・ザ・シーズ号は、上海を母港とし、全長約 350 m、総トン数約17 万トン、旅客定員 4,180人、乗組員 1,500 人のクルーズ客船だ。 長崎の国際観光ふ頭には、このような大型クルーズ船がおよそ 3日に一度、年間 130 回以上も停泊し、多数の観光客を長崎に連れてくる。これが長崎の最近の姿だ。

今、長崎の観光産業には心地よい風が吹いている。平成 24 年 10 月の「世界新三大夜景」の認定に始まり、27 年 7 月には「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録された。その構成資産 23 施設のうち、長崎には端島(軍艦島)をはじめ 8 つの資産がある。また、来年には、国宝の大浦天主堂を含む「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録が期待されており、まさに追い風だ。行政においても、長崎さるく(長崎弁でぶらぶら歩くという意味)に始まる観光資源磨きから、国際観光受入のための環境整備、まちぶらプロジェクト(まちなかの賑わい再生)など、官民一体となった取り組みが着々と進んでいる。

好調な一般観光と対照的なのが長崎のMICE、いわゆるビジネス観光だ。平成 26 年の実績では、過去最高の約 631 万人の年間観光客のうち、スポーツを除くコンベンションの参加者は約 16 万人と伸び悩んでいる。その原因と考えられるのが誘致体制と施設の不足だ。

会議やイベントが開催できる大きな屋内施設は、長崎ブリックホールや長崎県立体育館くらいしかない。ブリックホールには 2,000 席の劇場型ホールはあるが、展示場がなく、会議室も5 室のみ。県立体育館も90% を超える高い稼働率で、さらなるイベント利用は難しい。この状況では、参加者の多い学会・大会などは複数会場に分散開催とならざるを得ず、主催者の負担増加や参加者の不便を強いている。また、地元企業開催の大きなイベントも屋外での開催がほとんどなのが現状だ。 事実、長崎市の調査でも、学会などの開催地検討の際に、長崎市は主会場や分科会会場、宿泊施設、駐車場などの施設面の不備から、最初から検討対象外となっている場合が多いということがわかっている。

このような状況を背景として、平成23年8月、長崎市内の産学官金で組織する「長崎サミット」において、MICE 施設の建設が提言され、事務局となった長崎市は、27 年 3 月、長崎駅西側の敷地約 2 万 3000㎡を取得した。 (ただし、土地の購入にあたり、市議会からMICE 施設の建設費用や採算の見通し、市民への説明不足などに対する懸念が指摘され、交流人口をより拡大させる施設のあり方の再検討が要請されている)

 

中規模会議の誘致を狙う 計画段階から PCO が参画

これまで検討されてきた MICE 施設の計画はどのようなものだろうか。

建設予定地は平成 34 年に新幹線が開通予定の新しい長崎駅の西側約 2 万㎡と、隣接地の保留地約 3,300㎡。29 年には県庁舎、県警本部庁舎も隣接地に移転する再開発エリアだ。

メインホール(3,000㎡)、展示ホール(3,000㎡)、多目的ホール(1,500㎡)、会議室(計 3,000㎡)、駐車場(300 台)から構成され、それぞれ分割可能な利用形態を提供することで、様々な規模の MICE に対応し、稼働率を向上させることが想定されている。これにより、5,000 人以上の大型会議を除く国内のほとんどの学会を開催できる規模となり、身の丈に合った MICEのボリュームゾーンを狙う戦略だ。西日本では神戸、福岡に続く機能と規模を備えた MICE施設となる。

また、ホテル(200 ~ 300 室、ハイクラス)を併設することで、駅横という立地(在来線、新幹線駅に隣接しホテルを併設する施設は九州初)を生かしながら、学会、会議、展示会、イベントなど 869 件の開催、利用者数延べ 59 万人を見込み、年間の総消費額 77億円、経済波及効果 123 億円と試算している。

運営形式は、展示棟、MICE センター棟、会議室、駐車場等を公設民営とし、指定管理者の下で利用料金制度による独立採算とすることが狙いだ。(ホテルは民設民営)

この MICE 施設については、計画当初から施設運営と会議誘致を担う会議等の運営専門事業者(PCO)の大手 3 社、日本コンベンションサービス、コングレ、コンベンションリンケージのアドバイスを受けながら、運営者の意見を反映した利用者目線での検討が進められてきた。市民・議会の理解がカギに長崎市では、MICE 施設建設への市民の理解を得るために、MICE の必要性や経済波及効果、市の財政状況、施設の採算性などについて、平成 26 年度に市内 37 か所でフォーラムや説明会を実施している。