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そのイベント、 ゴールに向かってますか? #1べニュー開発 世界遺産・勝連城跡(沖縄)

そのイベント、 ゴールに向かってますか? #1べニュー開発 世界遺産・勝連城跡(沖縄) »

13 10月, 2015

MICE 開催をいくらで、どこで、誰とやるのか? イベントの最終ゴールに向けて走っているつもりが、イベント自体がゴールになってないだろうか? いろんな事情で変更要素が出てきたとき、なんでこのイベントやるんだっけ、に立ち返って、 だからいくら、だからここ、だから誰と、ゴールに紐付いているかを確認したい。そんな事例や最新情報を紹介する。

 

【べニュー開発】 風雲児、阿麻和利の城を会場に 〜世界遺産・勝連城跡(沖縄)

神社・仏閣、美術館、商店街など特別な場所でイベントを開催することで、参加した人たちに特別な体験を提供するユニークべニューの取組み、開発が全国で進んでいる。

その一環として、沖縄県うるま市では 9 月 1日に世界遺産の勝連城跡(かつれんじょうあと)で「ユニークべニュープレゼンテーションモニター披露会」を実施。県内外のプランナーや旅行会社などからの参加者に、勝連城のライトアップや現代版組踊などのエンターテインメントを披露。うるま市・沖縄の観光ブランドを向上するイベントとなった。

 

15 世紀の沖縄東部勝連で、悪政を敷く支配者を倒し、貿易により都市を繁栄させ、公平な政治で民衆の心を掴んだ阿麻和利(アマワリ)。最後には琉球王朝へのクーデターを企てたとして滅ぼされた。勝者側の歴史では反逆者、沖縄の歌謡集「おもろさうし」や地元の伝承では、領民に慕われた民草の王と称えられるなど、謎と魅力に包まれたヒーローだ。 現在、地元の中高生による現代版組踊り「肝高の阿麻和利」が上演されており、日本ユネスコ協会の未来遺産となっている。公演回数は通算 260 回を超え、延べ 15 万 5000 人が来場、現在も公演チケットは発売即完売するほどの人気だ。エンターテインメントとしての完成度の高さや、感動できるストーリーが注目を集めているばかりでなく、出演する中高生が故郷に誇りを持つこと、感動体験のプログラム開発、地域文化の再発見、地域振興といった、社会的意義の面でも注目を集めている。 阿麻和利が本拠地にした勝連城跡は、2000 年に世界遺産に登録された “ 琉球王国のグスク及び関連遺産群 ” のなかでもっとも古いもの。その城壁は優雅な曲線を描き、頂上では青い海や海中道路が一望できる。場内では Wi-Fi 付デジタルガイダンスが利用でき、城の各所の解説や阿麻和利の時代にタイムスリップするといった機能もついている。 うるま市では、世界遺産である勝連城跡をイベントスペースとして開放。歴史・文化を体験できる、「ここでしか味わえない体験」を提供している。 9 月 1 日には、「ユニークべニュープレゼンテーションモニター披露会」を勝連城跡の四の曲輪で、うるま市観光物産協会が主催、開発アドバイザーを務める DMC 沖縄の企画・運営で実施した。披露会では、うるま市の島袋俊夫市長も駆けつけ、市をあげて積極的にイベント会場としての活用、MICE 誘致を推進する意向を語った。屋外の会場に屋根付きの仮設ステージと宴会用テーブルを設置し、関連事業者のプレゼンテーションを実施。ユニークべニューとして勝連城跡を利用する際には、うるま市観光物産協会と専門コーディネーターが連携し、主催者の要望と管理者との調整、使用条件の説明、文化財保護のための施策、勝連城の魅力を活かしたプラン企画、イベントに応じた企画、会場設営の手配、調整などを行うしくみになっていることが説明された。レセプションには欠かせないケータリングについても、地元の東南植物楽園と ANA インターコンチネンタル万座ビーチリゾートの 2 社が料飲メニューやサービスを紹介した。 美しい夕日が沈んだ後、広々とした空間のなかで、優雅なシルエットの勝連城をスクリーンに投影された映像演出と、沖縄の伝統音楽が幻想的な空間を創出していた。また、ダイジェスト版の「肝高の阿麻和利」も上演され、中高生たちの迫力ある演技に、参加者の拍手が鳴りやまなかった。 問合せはうるま市観光物産協会(◆ 098-978-0077)まで。

世界遺産勝連城跡 公式ホームページwww.katsuren-jo.jp/

【ユニークべニューとは】 普段はイベントなどが開催されない、お城、神社・仏閣、美術館などで会議やレセプションを開くこと。地域の特性を演出できたり、参加者に非日常感を提供できるために、国際会議の誘致の重要なファクターとなっている。企業イベントなどで使用することも多い。 観光庁ではユニークベニューとして利用可能な施設をリスト化しているほか、先進事例を集めた「ユニークベニュー ベストプラクティス集 」 を 発 行。PDF 版は観光庁のウェブサイトからダウンロードできる。

http://www.mlit.go.jp/common/001098973.pdf

 

 

いま、「イベント」×「マーケティング」の理由~EMS Report#3

いま、「イベント」×「マーケティング」の理由~EMS Report#3 »

2 8月, 2015

Why Event? Why Experientcial? キーノートスピーチで語られたことを含め、全64セッションを通じた内容を一言でまとめるにはむずかしいが、EMSは、「顧客にブランド体験を与えるための学びカンファレンス」という場だ。 体験マーケティングの海外トレンドを知りたい、あるいは、ビッグアイデアのキャンペーンについて企画から実行までのプロセスの事例を知りたいという関係者にとっては、CMO的見地や現場運営、予算管理など、さまざまな立場の目線で実例を聞くことができる。

さて、改めて、ブランド体験にとってイベントとは何だろうか。

EMSのマクドナルド社のセッションでの言葉を引用すれば、「見たことの20%を人は覚えていられるけれど、体験したことの80%は覚えていられる」というのが、マーケティング視点でもっともわかりやすく、イベントの意義というものを表していた。裏を返して言うと、来てみたけれど何もなかったねと言われるイベントというのは、何も体験できなかったとも言い換えられる。ほかのセッションでも、スーパーボールのCMをトリガーとしたイベントの話が紹介されていたが、30秒で数億円単位をかけた広告にも、広告単体でなくイベントをプラスすることでブランド体験をつくるのがトレンドになっている。

なぜ、いまイベントが必要とされているのか、いくつかのセッションでもトレンドのヒントとなる、メッセージがあった。 1. Mobile & Social デバイスの普及と伝達手段の多様化で、Webで得られる情報量がふえただけでなく、伝達手段としての手軽さはますます加速化している。2、3年前までメールでやり取りしていた内容も、いまではチャットでTwitterやFacebookを使って、レスポンスの速さは格段に進化した。

イベントの場に置き換えて話すと、そのイベントで聞いたりみたりしたことを参加者が「あ~、面白かった」で終わっていたものが、いまや、その場にいる一人ひとりの後ろに何十、何百という友達がいて、一回のイベントで何万人という友達に一気に拡散する。BacardiのDima氏もソーシャルメディアを意識することを重要なことの一つに挙げていた。「アカウントだけでも用意すれば自主的に広げてくれるから」と。

参加者が持っているスマートフォンは、単なるカメラではなく、中継手段であり通信手段であって、一人ひとりがテレビ局のような状態だということ。オンライン参加者を考慮するということも今後の課題かも知れない。

2. Community EMCでは、BtoCビジネスにおけるブランド体験の重要性、イベントの意味だけでなく、BtoBビジネスにおいても同様に語られた。マクドナルド社のセッション「LESSONS FROM MCDONALD’S: 5 TIPS FOR CREATING A B-TO-B EXPERIENCE ATTENDEES LOVE」もその一つ。マクドナルド社は、BtoC企業だろうと不思議に思っていると、「皆さんが行っているお店はフランチャイズ店なので、BtoBビジネスなんです」という説明でようやく納得した。フランチャイズビジネスにとって、オーナー同士のコミュニティは非常に重要で、お金ではないモチベーション、たとえばマクドナルド社のメンバーの一員であるということの誇りや、そのなかでナンバーワンになりたいという向上心、あるいは横の連携をイベントを通じてつくることで、ブランドを体験することにつながる。

自社企業の(あるいはサービスの)コミュニティを活性化させることは、フランチャイズビジネスに限らずあらゆるサービスにおいても重要だ。Facebookやインスタグラムなどのローンチ時にはヒアリングの場をつくったり、ファンをつくったりするのをイベントでミートアップをして、身近なコミュニティをつくるのにイベントを利用している。欧米の企業では、コミュニティマネージャーという職種が一般的で、ベンチャー企業であれば最初に採用するというほど重視される。

つまり、給料という形でモチベーションを提供したり、サービスの価値を企業側から提供するというこれまでの方法は、一方的ですべてを発信側が背負い込んでいるような構造だったのが、コミュニティがあることで価値の交換が生まれ、一方通行ではなくなる、ということだ。コミュニティの活性に、イベントが必要だということで、企業にとってチャレンジングだけれどトライしているという話がEMSでもあった。

3. MA(マーケティングオートメーション) 日本でも、Oracle Marketing Cloud HubspotやMaruketoなどをはじめとしたマーケティングオートメーションが導入されはじめている。マーケティング関係者がこれまで実施してきたリード管理(潜在顧客管理)は、オンラインが主流だったが、さまざまなサービスが導入され、これまでトラッキングできなかった情報も、収集、分析できるようになって、リアルイベントの情報も統合していける時代になった。

EMSでも、データ分析での成功事例についてのセッションがあった。メールマガジンで、開封した人に対して次にどんな内容を送るかを自動化するというもの。一人ひとりにカスタマイズができないので、予めシナリオに応じたコミュニケーション内容をプログラミングしたものなどを自動設定して、2回目に開封したひとにはこの内容で送るといったキャンペーンプログラムでは、10万人にセットした結果、売上があがったという内容。

MAの導入は、イベントで接触した参加者が最終的に成約につながったかどうか、データで紐づけることができるため、これまで可視化しづらいと言われてきたイベントの効果測定に期待ができるトレンドだ。

ここで紹介したトレンドは、当たり前だが5年前にはまだみられなかったもので、少なくとも当時はアーリーアダプターが取り入れてきたことだ。 いずれの要素も、イベントの付加価値を上げる要素の一つだと感じていたが、今回のEMS参加で実感することができた。 (取材=ヒラヤマ・コウスケ)

ヒラヤマ・コウスケ氏 イベントレジスト株式会社 CEO

企業イベントや展示会などで導入されているオンラインイベントプラットフォーム「EventRegist」を開発、運営。http://eventregist.com

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いま、「イベント」×「マーケティング」の理由~EMS Report#2

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2 8月, 2015

基調講演

毎年、EMSのキーノートスピーチには、マーケティング関連の著名人が登壇する。 今年も、世界最大のラム酒メーカーBacardiのCMO Dima Ivanov氏、動画配信サービスYouTubeのカルチャー&トレンド部門長Kevin Allocca氏、ディスカウント百貨店チェーンTargetのエクスペリエンタルマーケティング部門ヴァイスプレジデントDan Griffis氏という米国内だけでなく世界で活躍する企業のマーケティング担当者が、顧客にブランド体験を提供するとはどういうことなのか、異なる業界でも共通するテーマでその手法やヒントとなるメッセージを送った。

 

「The Marketing Landscape」 Bacardi CMO Dima Ivanov氏 Share of “voice” to Share of “Life” BacardiのCMO Dima氏は、「ブランド普及は、『体験』がすべて」という基本姿勢を示す一例として、米国が禁酒法の時代にBacardiが行った “(米国で飲めないなら)キューバで飲もう”という大胆な旅行キャンペーンから紹介し、自社が行ってきたマーケティング戦略を体験という側面から語った。

たとえば、「重要なインフルエンサーは誰か?」については、的確に設定することが大事だとし、酒造メーカーであるBacardiにとってそれはバーテンダーであり、BARがブランドを生む場であると解説した。具体的には、2005年から34か国で3,000人を超えるバーテンダーが参加するコンテストを実施、結果として「バーテンダーおすすめ」の一杯にBacardiを使用したカクテルを300万杯以上提供することに成功している。

まとめで、Dima氏は、体験キャンペーンを考える際に重要なこととして、次の3つのメッセージを送った。「ニュースを作れ。ビックアイディアは重要(多少のクレイジーさも時には必要)」、「観客が楽しめるように最大限努力し、見返りを求めない(ROIを考えすぎず、『Give,first.』であること)」、「ソーシャルメディアを意識する(自主的に広げてくれる)」。

 

 

「What Makes Content Explode」 YouTube Head of Culture and Trends Kevin Allocca氏 There’s no real formula for viral success,

YouTubeのカルチャー&トレンド部門長Kevin 氏は、どのようなコンテンツがバズるかについて語った。

キーワードは「キュレーション」、「コミュニティー」、「コネクション」、「クリエーション」の4つ。Cからはじまるキーワードに共通するのは、意図してバズバグるコンテンツをつくることはできないということ。「バズると約束できないけれど、重要な戦略は3つある」と紹介した。 ・OPEN DISTRIBUTION:流行に乗るよりも、時流を読む ・INTERACTIVITY:アイスバケツチャレンジのように、動画に対して対応すること ・AUTHENTICITY:リアルであること

「Target Unplugged」 Target VP-Experiential Marketing Dan Griffis氏 Having that thought in your head that ‘this might not work’ is a truly powerful thing, 

TargetのVP-Experiential Marketing Dan氏のキーノートスピーチは、EMS主催者でEventMarketer誌のDan Hanover氏の進行で行われ、「百貨店であるTargetのパートナー(小売業者)へのヒントとして、戦略を共有すること」を目的にしたセッションとなった。

Targetの体験キャンペーンへの予算は増えており、先日行われた世紀の一戦、メイウェザー対パッキャオの試合のスポンサーになるなど、勢いをアピールすることを重視している。また、よく言われるように成功にはトライ&エラーが必要で、トライしたうちの10~15%は失敗することを見越したうえでないと成功も生まれないという自身の経験を語った。

最新の事例では、テイラー・スウィストとのタイアップキャンペーンを紹介。アルバム『Speak Now』のTarget限定盤を制作した結果、限定盤にしか収録されない楽曲を目当てに、若者層にヒットしたというキャンペーンだ。過去最大のCDセールスを記録し、若者層の取り込みにも成功した。鍵となったのは、Targetに来店し、CDを購入するという未体験の提供で、普段の音楽購入はダウンロードを主流とする若者にとっては追加トラックの購入欲求に加え、CD購入の初体験も重なって、一種のアトラクション的なキャンペーンとなったことだと分析した。

 

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いま、「イベント」×「マーケティング」の理由~EMS Report#1

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2 8月, 2015

 

なぜいま、「イベント」×「マーケティング」なのか。時代のトレンドは、どの方向に進んでいるのか。近代マーケティングの発祥の地、米国で開催された「EXPERIENTIAL MARKETING SUMMIT 2015」(5/11~13)を現地取材。さすがは大国米国という街そのものをイベント化した壮大な規模のBtoCイベントのお話から、コンファレンス先進国らしいBtoBイベントのお話まで、最先端をのぞいて、これからのイベントの未来を考えてみた。 3日間で25万円のイベント価値 「EXPERIENTIAL MARKETING SUMMIT 2015」(EMS)は、雑誌『EventMarketer』を発行する企業 出版社Access Intelligenceが主催する年に1回のイベント。Google/YouTube やMicrosoft、Pepsi など40社以上の大企業のマーケティング担当者がスピーカーとして登壇し、体験マーケティングの最新トレンドやリアル事例のストーリーを聞くことができる。イベント業界のコンファレンス&展示会としては最大の規模だ。これまでは「EVENT MARKETING SUMMIT 」とタイトルに“EVENT”と冠していたものを13回目となる今年から“EXPERIENTIAL”と改称し、初めてサンフランシスコを会場に開催された。3日間を通しての入場料は、代理店、パートナー企業が$2,196(約26万円*)、ブランド企業は$2,096(約25万*)と高価ながら、約1,500人ものマーケター、イベント関係者を集める。料金を高額に設定し、CEOやCMOなど“Chief of ~”の“C”の付く決裁権者などにターゲッティングしている。*1ドル=120円で換算(2015年5月11日)

参加者の目的は、講演だけでなく、最新サービスを展示する出展ブースで企業との商談や情報仕入に加えて動機づけのひとつとなっているのが、ネットワーキングだろう。スピーカーとの名刺交換はもちろんのこと(講演が終わると長蛇の列ができる光景は日本と同じ)、EMSでは参加者同士の交流が盛んだ。プログラム内容に朝のヨガタイムが組み込まれラフなコミュニケーション環境が用意されていたり、会場内でコーヒーや食事を摂る休憩スペースのベンチが円形や対面形だったりと対話のしやすいコミュニケーションデザインが会場に施されている。隣で一緒にサンドイッチをほおばっていた男性とひとしきり会話が弾み、自己紹介するとCoca-ColaのCMOで驚いたことがあったが、3日間の取材では至るところでこういった場面に遭遇した。

>>いま、「イベント」×「マーケティング」の理由~EMS Report#2

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