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MICE施設は“未来の出島”   ~ 駅直結と都市の魅力で中規模会議誘致へ

MICE施設は“未来の出島”   ~ 駅直結と都市の魅力で中規模会議誘致へ »

1 11月, 2015

関連記事:MICE施設 MICEとは

MICE施設は“未来の出島” 駅直結と都市の魅力で中規模会議誘致へ

江戸時代に世界との唯一の窓口となっていた出島。 長崎市ではその出島を中心に国際貿易の拠点として活況を極めたように、 再び経済発展の拠点として未来につなげようと、経済界を中心に MICE 施設の建設に期待が集まっている。

観光が好調なうちに 交流産業の充実を目指す

旧グラバー住宅からオランダ坂を下ると、ビルと見違えるような巨大客船が停泊しているのが見える。低い汽笛が響くと、出港時間ぎりぎりまで買い物をした若いカップルが両手に大きな袋を抱えて船着き場まで急ぐ。クァンタム・オブ・ザ・シーズ号は、上海を母港とし、全長約 350 m、総トン数約17 万トン、旅客定員 4,180人、乗組員 1,500 人のクルーズ客船だ。 長崎の国際観光ふ頭には、このような大型クルーズ船がおよそ 3日に一度、年間 130 回以上も停泊し、多数の観光客を長崎に連れてくる。これが長崎の最近の姿だ。

今、長崎の観光産業には心地よい風が吹いている。平成 24 年 10 月の「世界新三大夜景」の認定に始まり、27 年 7 月には「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録された。その構成資産 23 施設のうち、長崎には端島(軍艦島)をはじめ 8 つの資産がある。また、来年には、国宝の大浦天主堂を含む「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録が期待されており、まさに追い風だ。行政においても、長崎さるく(長崎弁でぶらぶら歩くという意味)に始まる観光資源磨きから、国際観光受入のための環境整備、まちぶらプロジェクト(まちなかの賑わい再生)など、官民一体となった取り組みが着々と進んでいる。

好調な一般観光と対照的なのが長崎のMICE、いわゆるビジネス観光だ。平成 26 年の実績では、過去最高の約 631 万人の年間観光客のうち、スポーツを除くコンベンションの参加者は約 16 万人と伸び悩んでいる。その原因と考えられるのが誘致体制と施設の不足だ。

会議やイベントが開催できる大きな屋内施設は、長崎ブリックホールや長崎県立体育館くらいしかない。ブリックホールには 2,000 席の劇場型ホールはあるが、展示場がなく、会議室も5 室のみ。県立体育館も90% を超える高い稼働率で、さらなるイベント利用は難しい。この状況では、参加者の多い学会・大会などは複数会場に分散開催とならざるを得ず、主催者の負担増加や参加者の不便を強いている。また、地元企業開催の大きなイベントも屋外での開催がほとんどなのが現状だ。 事実、長崎市の調査でも、学会などの開催地検討の際に、長崎市は主会場や分科会会場、宿泊施設、駐車場などの施設面の不備から、最初から検討対象外となっている場合が多いということがわかっている。

このような状況を背景として、平成23年8月、長崎市内の産学官金で組織する「長崎サミット」において、MICE 施設の建設が提言され、事務局となった長崎市は、27 年 3 月、長崎駅西側の敷地約 2 万 3000㎡を取得した。 (ただし、土地の購入にあたり、市議会からMICE 施設の建設費用や採算の見通し、市民への説明不足などに対する懸念が指摘され、交流人口をより拡大させる施設のあり方の再検討が要請されている)

 

中規模会議の誘致を狙う 計画段階から PCO が参画

これまで検討されてきた MICE 施設の計画はどのようなものだろうか。

建設予定地は平成 34 年に新幹線が開通予定の新しい長崎駅の西側約 2 万㎡と、隣接地の保留地約 3,300㎡。29 年には県庁舎、県警本部庁舎も隣接地に移転する再開発エリアだ。

メインホール(3,000㎡)、展示ホール(3,000㎡)、多目的ホール(1,500㎡)、会議室(計 3,000㎡)、駐車場(300 台)から構成され、それぞれ分割可能な利用形態を提供することで、様々な規模の MICE に対応し、稼働率を向上させることが想定されている。これにより、5,000 人以上の大型会議を除く国内のほとんどの学会を開催できる規模となり、身の丈に合った MICEのボリュームゾーンを狙う戦略だ。西日本では神戸、福岡に続く機能と規模を備えた MICE施設となる。

また、ホテル(200 ~ 300 室、ハイクラス)を併設することで、駅横という立地(在来線、新幹線駅に隣接しホテルを併設する施設は九州初)を生かしながら、学会、会議、展示会、イベントなど 869 件の開催、利用者数延べ 59 万人を見込み、年間の総消費額 77億円、経済波及効果 123 億円と試算している。

運営形式は、展示棟、MICE センター棟、会議室、駐車場等を公設民営とし、指定管理者の下で利用料金制度による独立採算とすることが狙いだ。(ホテルは民設民営)

この MICE 施設については、計画当初から施設運営と会議誘致を担う会議等の運営専門事業者(PCO)の大手 3 社、日本コンベンションサービス、コングレ、コンベンションリンケージのアドバイスを受けながら、運営者の意見を反映した利用者目線での検討が進められてきた。市民・議会の理解がカギに長崎市では、MICE 施設建設への市民の理解を得るために、MICE の必要性や経済波及効果、市の財政状況、施設の採算性などについて、平成 26 年度に市内 37 か所でフォーラムや説明会を実施している。

そのイベント、 ゴールに向かってますか? #3ボランティア活用 スキルアップ、モチベーションアップに

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ICCEES(第 9 回国際中欧・東欧研究協議会幕張世界大会) 【ボランティア活用】 スキルアップ、モチベーションアップに

50 か国から約 800 人にのぼる参加者のあった ICCEES(第 9 回国際中欧・東欧研究協議会幕張世界大会)。学術会議の会場となった神田外語大学では、学生 27 名が語学ボランティアとして広い構内のガイド役を務めた。一方で学生たちにとってボランティアの経験は、どのような効果を生んだのか。経済波及だけではない、国際イベント開催の効果を探る。

言葉だけでなく 異文化を知る体験に 神田外語大学 学長 酒井邦弥 氏

神田外語大学では、通訳ボランティアという学生の社会貢献をサポートする仕組みがあります。これまでは、スポーツの国際大会でのボランティア参加が中心でしたので、ICCEES という国際会議の場は、ほぼ初めてでした。また、約 800 名の外国人参加者をお迎えしたことも規模的になく、正直なところ、プレッシャーを感じていました。半面、大学のことを一番よく知っている学生たちに、構内のガイド役を担ってもらえたことで、心強くはありました。

開催後、学生に話を聞くと、参加者には国を代表するような研究者が多く、皆さんとの対話に、人間性を感じられる場面もあったようです。これは大きな教育効果だと感じています。学生たちにとっては東欧や中欧といった普段触れ合う機会の少ない方々と、欧米とはまた違った異文化交流もできたと思います。 グローバル人材を育てていくというのが当大学の使命ですが、外国語だけでなく異文化を知る、または異文化を愛する、もっと言えば異質を愛するということです。こういった異質を尊敬する気持ちがなければ、おそらくコミュニケーションはおろか、異文化交流にならないと思っています。

昨年6月には、全国外大連合(神田外語大学、東京外国語大学、名古屋外国語大学、京都外国語大学、関西外国語大学、神戸市外国語大学、長崎外国語大学)をつくり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて取組みをはじめたばかり。今回、幕張新都心の地域一体となった取組みのように、今度は大学間で一丸となって助け合いながら通訳ボランティアを育成する体制を整えています。産学官、地域間の連携を図りながら、これまで以上に多くの国際イベントを学生に体験してもらいたいと思っています。

 

島田莉奈 さん(左) 神田外語大学イベロアメリカ言語学科 1年ブラジル・ポルトガル語専攻 木村涼大 さん(右) 神田外語大学英米語学科  1年

 ―― ICCEES への参加動機は 島田 英語を使ったボランティアをしてみたいと思っていました。ICCEES 参加者の方々を構内で誘導をするという内容だったので、英語でコミュニケーションができると思って参加しました。ブラジル・ポルトガル語専攻ですが、ロシアや東欧にも興味があったということも参加のきっかけです。 木村 神田外語大学の学生がアクセスできるCampus Web というサイトがあるのですが、そこで募集をみて、申し込みました。国際会議にボランティア参加することで、いろいろな国の方々と直接話せるといいなと思ったのが理由です。 ―― ボランティア参加の感想として、成果と感じたこと、課題として残ったこと 島田 もっと積極的に話しかけて、軽い会話であってもできたらよかったと思っています。それから、もっとわかりやすい説明の仕方はなかったのかなと、案内するたびに繰り返し感じました。もっと英語力をあげたいと強く思いました。 最初は緊張していて、「あぁ…」と言葉が出てこなかったり、それに対して参加者の方も “Well,” とお互いに意思の疎通が取れなかったりしたこともありましたが、日に日にリラックスして対応できるようにはなりましたね。 木村 英語を母語としている方と話すこともでき、生の英語を学ぶという体験ができました。何か問題が起こったときなどは、早口になるので聞き取ることが難しかったりして、リスニング力をあげたいと思いました。 普段の授業では、テーマが決まっているのである程度の予測もしやすいのですが、ボランティアのときにはフリーになるので臨機応変な対応が必要でした。今回、厳しいところがあったので、語彙力にも課題が残りました。 ――ボランティア参加のメリットは 木村 実際に普段の授業とは違って、いろいろな国の方や初対面の人とも話すようになるので、スキルアップにつながっていると感じます。 島田 私の場合は、スキルアップもありますが、自分のモチベーションになっている部分が大きいですね。「あぁ、こんな世界があるんだ、もっとがんばらないと」と、自分の力不足を気づかされる場面が多いので。 ――国際会議を運営する、誘致するといったお仕事への興味・関心について変化は 島田 これまでよりも興味が出てきました。機会があればできるだけ参加したいと思っていますし、いろいろな国の方を知ることのできる仕事だと思います。サポートする立場への関心も高まりました。 木村 仕事として魅力的だと思います。国際会議をすることでいろいろな国の人が一堂に集まり、そういった人たちと触れ合うことのできる仕事です。一つの選択肢になると思います。これまで国際会議や学会と聞くと、とても堅いイメージで、素人が入れない世界じゃないかと思っていましたが、体験したことでイメージが変わりました。 ――ボランティア参加を通じて役立ったこと、次へのステップになりそうなこと 木村 実際に海外の方と話せて生の英語を学べたということで、ほかに国際イベントのボランティア参加のチャンスがあればトライしてみようというモチベーションが高まりました。いろんな国の人と話して、触れ合ってという経験はとても楽しかったので、次もぜひ参加したいと思っています。 島田 今回ボランティア参加してみて思ったのは、ICCEES に参加された研究者の皆さんは英語を第一言語でない国の方たちも多かったんですが、第二言語として英語を話すという意味では、私たち日本人と同じだということに気づきました。でも日本人と違って海外の方たちは、アクセントの場所の違いなどがあっても、自信をもって英語を使っているんです。日本人にはジャパニーズイングリッシュを恥ずかしがって話すのを躊躇してしまう人も多いけれど、そういうことは気にするべきじゃない、立派なジャパニーズイングリッシュでいこうじゃないかと気持ちを新たにしました。もちろんイギリス英語やアメリカ英語に近い発音にする努力はしますが、そこを重視せず、とにかく英語を使ってコミュニケーションをできるようになるといいなと思います。 木村 英語専攻でないのに、それだけ英語のことを語られてしまうと負けてしまいそうです(笑)。でもやっぱり、訛りなどは一度気にしてしまうと話せないですね。完全な英語の発音にすることは難しいので、自分で自信をもって話すということが英語でもポルトガル語でも大事なことかと思います。

 

幕張新都心にとっても新しい経験 ちば国際コンベンションビューロー MICE 事業部 MICE 担当課長 高橋真治 氏

ICCEES は、ロシア・東欧・ユーラシア研究者の会議で5年に1回開催されています。ちば国際コンベンションビューローでは、2010 年 8 月に強豪・英国グラスゴーを退け誘致成功に貢献しました。「欧米外で開催される初めての世界大会」としてアジア初、そして日本という “ 多くの西が多くの東に出会う場 ” での初開催は、アジア参加国の増加など学会に新しい風を起こし活性化を図る飛躍の回とされ、開催の意義深さを大会組織委員会の一員として事務局の先生方と共有しながら誘致後も引き続き運営サポートを続けてきました。

神田外語大学の全面協力をいただき、大学校舎というハードだけではなく語学ボランティアというソフトの両面から受け入れ態勢を整えることができ、いわゆる学術会議らしい会議で皆さんを迎えることができました。

幕張新都心にとっても新しい経験で、幕張メッセとの共同開催や周辺の商業施設で利用できるクーポン発行による回遊、市からの巡回無料バス提供など、面での展開が実現し、新しいパッケージングとしての可能性も見いだせました。駅前に多くの外国人がいる風景は、街の景色を変え、コンベンション都市として、住民の方の理解促進にもつながったと感じています。幕張新都心のエリアで産学官が一丸となった取組みは、今後の国際イベント開催に向けて大きな礎となりました。

 

【ICCEES 概要】 第9回 国際中欧・東欧研究協議会  幕張世界大会 The IX World Congress of ICCEES in Makuhari, Japan (ICCEES:イクシーズ)

 

 

開催期間  2015年8月3日(月)〜8日(土) 会場  8月3日(月)   開会式 幕張メッセ 8月4日(火)〜8日(土)   神田外語大学 主催  国際中欧東欧研究協議会  (ICCEES)、日本ロシア・東欧研究  連絡協議会(JCREES)、  日本学術会議 参加者数 

そのイベント、 ゴールに向かってますか? #2インセンティブトラベル、AITタイランド

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13 10月, 2015

【イベントの対価は?】 コストが上がれば会社はハッピー ~AIA タイランド

Suvit Lamsam 氏 Assistant Vice President Agency Sales Promotion  Department

Eakalux Hutakom 氏 Manager Agency Convention &Events

舞浜アンフィシアターのロビーで、お相撲さんやチンドン屋、和服女性と記念撮影をする人々。館内にはタイ語のアナウンスとそれに応える人々の声、なにやら、朝の8時からハイテンションなのである。このイベントはアジアを拠点した大手保険会社 AIA タイの成績優秀なセールスエージェントのインセンティブトラベル、報奨旅行のコンベンションだ。夜のガラディナーも含め、㈱イベントサービスが企画・運営した。 日本企業の報奨旅行はコスト削減で減少傾向にあるが、AIA タイのケースから改めてコストに対する考え方を学びたい。同社でセールスプロモーションを手がける、お2人にうかがった。

――AIA について教えてください Suvit 当グループはもともと保険会社 AIGのグループ会社でしたが、2008 年の AIG 破たん危機後に独立して、アジア域内で展開しています。タイ法人は国内初の保険会社として成立し大きなシェアを保っています。 ――保険会社ではさまざまなインセンティブを実施していると聞きますが Eakalux インセンティブは大きく分けて3つのものがあります。キャッシュとマーチャンダイズと報奨旅行です。 キャッシュは成績優秀者に現金を支給すること、マーチャンダイズは商品をプレゼントすることです。装飾品や iPad など人気の電化製品、コンサートのチケットなどもあります。報奨旅行は成績優秀者や目標を達成した人たちを旅行に連れて行き、現地でイベントや表彰式などを行います。

――どのインセンティブがより効果的なのでしょうか Suvit どれが一番と一概には言えません。ただ、キャッシュとマーチャンダイズは幅広い層のモチベーションに効果的ですし、旅行は成績が上位な方の意欲向上に向いているといえます。 ――今回の旅行はどのような方が参加されたのですか Eakalux 弊社では 1 か月、3 か月、1 年といったさまざまな期間のセールスコンテストを実施していますが、今回は 1 年間の成績が目標に達成した人 1,100 人が参加しました。上位 250 人は先に京都観光をしてから他のメンバーと合流しています。 Suvit 弊社では数万人のセールスエージェントさんがいるのですが、多くはパートタイマーで、実際に挑戦できそうなのは5,000人くらいでしょうか。今回はそのうち 1,500人が目標を達成し、1,100 人が旅行に参加してもらいました。 Eakalux 都合が悪くてこられなかったり、行きたくないという方には現金をお支払いしています。ただし旅行費用全額ではなく、30%から多くても半分はいかないくらいです。 ――キャッシュを希望した方が多ければ費用を抑えられますね Suvit いえいえ、当社としてはなるべく多くの方に参加していただきたいと思っています。一緒に楽しんでもらい、来年も来たいという気持ちでモチベーションを向上したり、目標となる上位の方々と触れあうことで意欲を向上させることにつながると思います。より多くの方が目標を達成して、インセンティブにかかる費用が大きくなるほど、会社としては喜ばしいことなのです。 ――今回のプログラムはどのようなものですか Eakalux 朝8時から舞浜アンフィシアターで表彰式を行い、お昼はショッピング時間にしており、夜は幕張メッセのホール1,2を使用してカクテルパーティとディナーをしました。そこでは忍者とサムライのショーも行いました。最優秀者にはこのほか京都旅行と都ホテルでのディナーパーティをプレゼントして努力に報いました。 ――アンフィシアターにはお相撲さんやチンドン屋さんもいましたね Suvit セールスコンテストの時点から忍者とサムライをキャッチに入れていました。タイでの日本文化は映画やテレビが多く、タイ人にとってこの2つが日本を想起させるということと、コンテストをあまり堅苦しいものではなく、カジュアルに楽しんでほしいという考えがありました。 ――開催地はどのように選ばれるのですか Eakalux 私が候補地を3~4か国ほど選び、役員や CEO が最終的には決定します。候補地を決める際には、人気の場所やホテルなど目的地の魅力や受け入れ態勢を考慮しますが、もっとも大切なのは航空便の席数を確保できるかどうかということです。同じ日程で直行便で移動できるのが理想ですが、それができない場合はグループをいくつかに分けなければなりません。 Suvit 日本への旅行に VISA が不要になったことが大きいですね。書類を集めて申請したりと、個別の作業がありますので

1000 人となると、大きな作業負担となります。

――それを何人くらいのスタッフで行うのですか Eakalux 実は当社では、旅行の申込みからパスポートの確認、食事制限、禁煙かどうかなど、チケットの予約だけでなくすべての業務を旅行会社さんに業務委託しています。1 社では業務負担が大きくなるので3~4社さんにお願いしています。他社さんではあまりやられていないかもしれませんが。 ――日本企業の報奨旅行はコスト削減で減少傾向にあるという話も聞かれますが、AIA タイではどのようにお考えですか Eakalux 先ほども申し上げた通り、インセンティブトラベルの費用がかかるということは、売上が上がっているということで、企業としては望ましいことです。多くの方が参加していただくことによって、モチベーション向上だけでなく、達成意欲を刺激したり、ノウハウをシェアしたりと、素晴らしい相互作用も生まれており、弊社の販売促進のエンジンとなっています。 ――ありがとうございました

 

そのイベント、 ゴールに向かってますか? #1べニュー開発 世界遺産・勝連城跡(沖縄)

そのイベント、 ゴールに向かってますか? #1べニュー開発 世界遺産・勝連城跡(沖縄) »

13 10月, 2015

MICE 開催をいくらで、どこで、誰とやるのか? イベントの最終ゴールに向けて走っているつもりが、イベント自体がゴールになってないだろうか? いろんな事情で変更要素が出てきたとき、なんでこのイベントやるんだっけ、に立ち返って、 だからいくら、だからここ、だから誰と、ゴールに紐付いているかを確認したい。そんな事例や最新情報を紹介する。

 

【べニュー開発】 風雲児、阿麻和利の城を会場に 〜世界遺産・勝連城跡(沖縄)

神社・仏閣、美術館、商店街など特別な場所でイベントを開催することで、参加した人たちに特別な体験を提供するユニークべニューの取組み、開発が全国で進んでいる。

その一環として、沖縄県うるま市では 9 月 1日に世界遺産の勝連城跡(かつれんじょうあと)で「ユニークべニュープレゼンテーションモニター披露会」を実施。県内外のプランナーや旅行会社などからの参加者に、勝連城のライトアップや現代版組踊などのエンターテインメントを披露。うるま市・沖縄の観光ブランドを向上するイベントとなった。

 

15 世紀の沖縄東部勝連で、悪政を敷く支配者を倒し、貿易により都市を繁栄させ、公平な政治で民衆の心を掴んだ阿麻和利(アマワリ)。最後には琉球王朝へのクーデターを企てたとして滅ぼされた。勝者側の歴史では反逆者、沖縄の歌謡集「おもろさうし」や地元の伝承では、領民に慕われた民草の王と称えられるなど、謎と魅力に包まれたヒーローだ。 現在、地元の中高生による現代版組踊り「肝高の阿麻和利」が上演されており、日本ユネスコ協会の未来遺産となっている。公演回数は通算 260 回を超え、延べ 15 万 5000 人が来場、現在も公演チケットは発売即完売するほどの人気だ。エンターテインメントとしての完成度の高さや、感動できるストーリーが注目を集めているばかりでなく、出演する中高生が故郷に誇りを持つこと、感動体験のプログラム開発、地域文化の再発見、地域振興といった、社会的意義の面でも注目を集めている。 阿麻和利が本拠地にした勝連城跡は、2000 年に世界遺産に登録された “ 琉球王国のグスク及び関連遺産群 ” のなかでもっとも古いもの。その城壁は優雅な曲線を描き、頂上では青い海や海中道路が一望できる。場内では Wi-Fi 付デジタルガイダンスが利用でき、城の各所の解説や阿麻和利の時代にタイムスリップするといった機能もついている。 うるま市では、世界遺産である勝連城跡をイベントスペースとして開放。歴史・文化を体験できる、「ここでしか味わえない体験」を提供している。 9 月 1 日には、「ユニークべニュープレゼンテーションモニター披露会」を勝連城跡の四の曲輪で、うるま市観光物産協会が主催、開発アドバイザーを務める DMC 沖縄の企画・運営で実施した。披露会では、うるま市の島袋俊夫市長も駆けつけ、市をあげて積極的にイベント会場としての活用、MICE 誘致を推進する意向を語った。屋外の会場に屋根付きの仮設ステージと宴会用テーブルを設置し、関連事業者のプレゼンテーションを実施。ユニークべニューとして勝連城跡を利用する際には、うるま市観光物産協会と専門コーディネーターが連携し、主催者の要望と管理者との調整、使用条件の説明、文化財保護のための施策、勝連城の魅力を活かしたプラン企画、イベントに応じた企画、会場設営の手配、調整などを行うしくみになっていることが説明された。レセプションには欠かせないケータリングについても、地元の東南植物楽園と ANA インターコンチネンタル万座ビーチリゾートの 2 社が料飲メニューやサービスを紹介した。 美しい夕日が沈んだ後、広々とした空間のなかで、優雅なシルエットの勝連城をスクリーンに投影された映像演出と、沖縄の伝統音楽が幻想的な空間を創出していた。また、ダイジェスト版の「肝高の阿麻和利」も上演され、中高生たちの迫力ある演技に、参加者の拍手が鳴りやまなかった。 問合せはうるま市観光物産協会(◆ 098-978-0077)まで。

世界遺産勝連城跡 公式ホームページwww.katsuren-jo.jp/

【ユニークべニューとは】 普段はイベントなどが開催されない、お城、神社・仏閣、美術館などで会議やレセプションを開くこと。地域の特性を演出できたり、参加者に非日常感を提供できるために、国際会議の誘致の重要なファクターとなっている。企業イベントなどで使用することも多い。 観光庁ではユニークベニューとして利用可能な施設をリスト化しているほか、先進事例を集めた「ユニークベニュー ベストプラクティス集 」 を 発 行。PDF 版は観光庁のウェブサイトからダウンロードできる。

http://www.mlit.go.jp/common/001098973.pdf

 

 

いま、「イベント」×「マーケティング」の理由~EMS Report#3

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2 8月, 2015

Why Event? Why Experientcial? キーノートスピーチで語られたことを含め、全64セッションを通じた内容を一言でまとめるにはむずかしいが、EMSは、「顧客にブランド体験を与えるための学びカンファレンス」という場だ。 体験マーケティングの海外トレンドを知りたい、あるいは、ビッグアイデアのキャンペーンについて企画から実行までのプロセスの事例を知りたいという関係者にとっては、CMO的見地や現場運営、予算管理など、さまざまな立場の目線で実例を聞くことができる。

さて、改めて、ブランド体験にとってイベントとは何だろうか。

EMSのマクドナルド社のセッションでの言葉を引用すれば、「見たことの20%を人は覚えていられるけれど、体験したことの80%は覚えていられる」というのが、マーケティング視点でもっともわかりやすく、イベントの意義というものを表していた。裏を返して言うと、来てみたけれど何もなかったねと言われるイベントというのは、何も体験できなかったとも言い換えられる。ほかのセッションでも、スーパーボールのCMをトリガーとしたイベントの話が紹介されていたが、30秒で数億円単位をかけた広告にも、広告単体でなくイベントをプラスすることでブランド体験をつくるのがトレンドになっている。

なぜ、いまイベントが必要とされているのか、いくつかのセッションでもトレンドのヒントとなる、メッセージがあった。 1. Mobile & Social デバイスの普及と伝達手段の多様化で、Webで得られる情報量がふえただけでなく、伝達手段としての手軽さはますます加速化している。2、3年前までメールでやり取りしていた内容も、いまではチャットでTwitterやFacebookを使って、レスポンスの速さは格段に進化した。

イベントの場に置き換えて話すと、そのイベントで聞いたりみたりしたことを参加者が「あ~、面白かった」で終わっていたものが、いまや、その場にいる一人ひとりの後ろに何十、何百という友達がいて、一回のイベントで何万人という友達に一気に拡散する。BacardiのDima氏もソーシャルメディアを意識することを重要なことの一つに挙げていた。「アカウントだけでも用意すれば自主的に広げてくれるから」と。

参加者が持っているスマートフォンは、単なるカメラではなく、中継手段であり通信手段であって、一人ひとりがテレビ局のような状態だということ。オンライン参加者を考慮するということも今後の課題かも知れない。

2. Community EMCでは、BtoCビジネスにおけるブランド体験の重要性、イベントの意味だけでなく、BtoBビジネスにおいても同様に語られた。マクドナルド社のセッション「LESSONS FROM MCDONALD’S: 5 TIPS FOR CREATING A B-TO-B EXPERIENCE ATTENDEES LOVE」もその一つ。マクドナルド社は、BtoC企業だろうと不思議に思っていると、「皆さんが行っているお店はフランチャイズ店なので、BtoBビジネスなんです」という説明でようやく納得した。フランチャイズビジネスにとって、オーナー同士のコミュニティは非常に重要で、お金ではないモチベーション、たとえばマクドナルド社のメンバーの一員であるということの誇りや、そのなかでナンバーワンになりたいという向上心、あるいは横の連携をイベントを通じてつくることで、ブランドを体験することにつながる。

自社企業の(あるいはサービスの)コミュニティを活性化させることは、フランチャイズビジネスに限らずあらゆるサービスにおいても重要だ。Facebookやインスタグラムなどのローンチ時にはヒアリングの場をつくったり、ファンをつくったりするのをイベントでミートアップをして、身近なコミュニティをつくるのにイベントを利用している。欧米の企業では、コミュニティマネージャーという職種が一般的で、ベンチャー企業であれば最初に採用するというほど重視される。

つまり、給料という形でモチベーションを提供したり、サービスの価値を企業側から提供するというこれまでの方法は、一方的ですべてを発信側が背負い込んでいるような構造だったのが、コミュニティがあることで価値の交換が生まれ、一方通行ではなくなる、ということだ。コミュニティの活性に、イベントが必要だということで、企業にとってチャレンジングだけれどトライしているという話がEMSでもあった。

3. MA(マーケティングオートメーション) 日本でも、Oracle Marketing Cloud HubspotやMaruketoなどをはじめとしたマーケティングオートメーションが導入されはじめている。マーケティング関係者がこれまで実施してきたリード管理(潜在顧客管理)は、オンラインが主流だったが、さまざまなサービスが導入され、これまでトラッキングできなかった情報も、収集、分析できるようになって、リアルイベントの情報も統合していける時代になった。

EMSでも、データ分析での成功事例についてのセッションがあった。メールマガジンで、開封した人に対して次にどんな内容を送るかを自動化するというもの。一人ひとりにカスタマイズができないので、予めシナリオに応じたコミュニケーション内容をプログラミングしたものなどを自動設定して、2回目に開封したひとにはこの内容で送るといったキャンペーンプログラムでは、10万人にセットした結果、売上があがったという内容。

MAの導入は、イベントで接触した参加者が最終的に成約につながったかどうか、データで紐づけることができるため、これまで可視化しづらいと言われてきたイベントの効果測定に期待ができるトレンドだ。

ここで紹介したトレンドは、当たり前だが5年前にはまだみられなかったもので、少なくとも当時はアーリーアダプターが取り入れてきたことだ。 いずれの要素も、イベントの付加価値を上げる要素の一つだと感じていたが、今回のEMS参加で実感することができた。 (取材=ヒラヤマ・コウスケ)

ヒラヤマ・コウスケ氏 イベントレジスト株式会社 CEO

企業イベントや展示会などで導入されているオンラインイベントプラットフォーム「EventRegist」を開発、運営。http://eventregist.com

<<いま、「イベント」×「マーケティング」の理由~EMS Report#2

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いま、「イベント」×「マーケティング」の理由~EMS Report#2

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2 8月, 2015

基調講演

毎年、EMSのキーノートスピーチには、マーケティング関連の著名人が登壇する。 今年も、世界最大のラム酒メーカーBacardiのCMO Dima Ivanov氏、動画配信サービスYouTubeのカルチャー&トレンド部門長Kevin Allocca氏、ディスカウント百貨店チェーンTargetのエクスペリエンタルマーケティング部門ヴァイスプレジデントDan Griffis氏という米国内だけでなく世界で活躍する企業のマーケティング担当者が、顧客にブランド体験を提供するとはどういうことなのか、異なる業界でも共通するテーマでその手法やヒントとなるメッセージを送った。

 

「The Marketing Landscape」 Bacardi CMO Dima Ivanov氏 Share of “voice” to Share of “Life” BacardiのCMO Dima氏は、「ブランド普及は、『体験』がすべて」という基本姿勢を示す一例として、米国が禁酒法の時代にBacardiが行った “(米国で飲めないなら)キューバで飲もう”という大胆な旅行キャンペーンから紹介し、自社が行ってきたマーケティング戦略を体験という側面から語った。

たとえば、「重要なインフルエンサーは誰か?」については、的確に設定することが大事だとし、酒造メーカーであるBacardiにとってそれはバーテンダーであり、BARがブランドを生む場であると解説した。具体的には、2005年から34か国で3,000人を超えるバーテンダーが参加するコンテストを実施、結果として「バーテンダーおすすめ」の一杯にBacardiを使用したカクテルを300万杯以上提供することに成功している。

まとめで、Dima氏は、体験キャンペーンを考える際に重要なこととして、次の3つのメッセージを送った。「ニュースを作れ。ビックアイディアは重要(多少のクレイジーさも時には必要)」、「観客が楽しめるように最大限努力し、見返りを求めない(ROIを考えすぎず、『Give,first.』であること)」、「ソーシャルメディアを意識する(自主的に広げてくれる)」。

 

 

「What Makes Content Explode」 YouTube Head of Culture and Trends Kevin Allocca氏 There’s no real formula for viral success,

YouTubeのカルチャー&トレンド部門長Kevin 氏は、どのようなコンテンツがバズるかについて語った。

キーワードは「キュレーション」、「コミュニティー」、「コネクション」、「クリエーション」の4つ。Cからはじまるキーワードに共通するのは、意図してバズバグるコンテンツをつくることはできないということ。「バズると約束できないけれど、重要な戦略は3つある」と紹介した。 ・OPEN DISTRIBUTION:流行に乗るよりも、時流を読む ・INTERACTIVITY:アイスバケツチャレンジのように、動画に対して対応すること ・AUTHENTICITY:リアルであること

「Target Unplugged」 Target VP-Experiential Marketing Dan Griffis氏 Having that thought in your head that ‘this might not work’ is a truly powerful thing, 

TargetのVP-Experiential Marketing Dan氏のキーノートスピーチは、EMS主催者でEventMarketer誌のDan Hanover氏の進行で行われ、「百貨店であるTargetのパートナー(小売業者)へのヒントとして、戦略を共有すること」を目的にしたセッションとなった。

Targetの体験キャンペーンへの予算は増えており、先日行われた世紀の一戦、メイウェザー対パッキャオの試合のスポンサーになるなど、勢いをアピールすることを重視している。また、よく言われるように成功にはトライ&エラーが必要で、トライしたうちの10~15%は失敗することを見越したうえでないと成功も生まれないという自身の経験を語った。

最新の事例では、テイラー・スウィストとのタイアップキャンペーンを紹介。アルバム『Speak Now』のTarget限定盤を制作した結果、限定盤にしか収録されない楽曲を目当てに、若者層にヒットしたというキャンペーンだ。過去最大のCDセールスを記録し、若者層の取り込みにも成功した。鍵となったのは、Targetに来店し、CDを購入するという未体験の提供で、普段の音楽購入はダウンロードを主流とする若者にとっては追加トラックの購入欲求に加え、CD購入の初体験も重なって、一種のアトラクション的なキャンペーンとなったことだと分析した。

 

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2 8月, 2015

 

なぜいま、「イベント」×「マーケティング」なのか。時代のトレンドは、どの方向に進んでいるのか。近代マーケティングの発祥の地、米国で開催された「EXPERIENTIAL MARKETING SUMMIT 2015」(5/11~13)を現地取材。さすがは大国米国という街そのものをイベント化した壮大な規模のBtoCイベントのお話から、コンファレンス先進国らしいBtoBイベントのお話まで、最先端をのぞいて、これからのイベントの未来を考えてみた。 3日間で25万円のイベント価値 「EXPERIENTIAL MARKETING SUMMIT 2015」(EMS)は、雑誌『EventMarketer』を発行する企業 出版社Access Intelligenceが主催する年に1回のイベント。Google/YouTube やMicrosoft、Pepsi など40社以上の大企業のマーケティング担当者がスピーカーとして登壇し、体験マーケティングの最新トレンドやリアル事例のストーリーを聞くことができる。イベント業界のコンファレンス&展示会としては最大の規模だ。これまでは「EVENT MARKETING SUMMIT 」とタイトルに“EVENT”と冠していたものを13回目となる今年から“EXPERIENTIAL”と改称し、初めてサンフランシスコを会場に開催された。3日間を通しての入場料は、代理店、パートナー企業が$2,196(約26万円*)、ブランド企業は$2,096(約25万*)と高価ながら、約1,500人ものマーケター、イベント関係者を集める。料金を高額に設定し、CEOやCMOなど“Chief of ~”の“C”の付く決裁権者などにターゲッティングしている。*1ドル=120円で換算(2015年5月11日)

参加者の目的は、講演だけでなく、最新サービスを展示する出展ブースで企業との商談や情報仕入に加えて動機づけのひとつとなっているのが、ネットワーキングだろう。スピーカーとの名刺交換はもちろんのこと(講演が終わると長蛇の列ができる光景は日本と同じ)、EMSでは参加者同士の交流が盛んだ。プログラム内容に朝のヨガタイムが組み込まれラフなコミュニケーション環境が用意されていたり、会場内でコーヒーや食事を摂る休憩スペースのベンチが円形や対面形だったりと対話のしやすいコミュニケーションデザインが会場に施されている。隣で一緒にサンドイッチをほおばっていた男性とひとしきり会話が弾み、自己紹介するとCoca-ColaのCMOで驚いたことがあったが、3日間の取材では至るところでこういった場面に遭遇した。

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