100トンからゼロへ

第6回サステナブル・ブランド国際会議2022 横浜 イベント・展示会レポート

100トン。なんの数字かわかるだろうか。
Sustainable Event Professional Forum 2022で紹介されたこの数字、答えは2021年に開催された「サステナブル・ブランド国際会議」のイベントによる二酸化炭素(CO2)排出量だ。

同イベントを主催する博展の白川陽一氏によると、同社は2030年までに、ゼロエミッション型のイベントを目指すということで、まずは「サステナブル・ブランド国際会議」をテストケースとして、数値化して可視化することが始まった。この計算を行ったのは国際航業株式会社。計算してみると、イベントが重要視しているプログラムに比例してそれぞれのプログラム排出量が構成されていることもわかった。


杉7,000本が一年間で吸収する量に値する100トンの排出量は、1人あたりの参加者に当てはめると約25kg、杉2本分程度ということだ。
この2本を1本にする取り組みを考える。ただし、イベントの価値を損なわず、イベントの目的からズレることなくということが求められる。

今年は参加者がどこから、どの交通手段で来場したかも細かく調査しており、レポートの精度が増すことが期待される。4月4日からの東証「プライム市場」では気候変動リスクの開示義務が始まる。

今後は企業のイベントにもサステナブルな視点が求められ、イベントのCO2をオフセットすることがスタンダードになる可能性がある、と株式会社セレスポの越川延明氏も考える。
MICEは期間が定まっている活動のため、実証実験の場としても優れている。海外ではイベントでトライアルして成功した取り組みを開催市に還元し、巻き込んでいく流れもある。
この業界が循環型社会のよい手本となり、サステナブルな取り組みを引っ張っていくためにも、業種業界の垣根を超えた知見の共有により、共同で創造していくことの重要性が示された。

「サステナブル・ブランド国際会議2022 横浜」は、2月24日~25日にパシフィコ横浜で開催された。
共催の「Sustainable Event Professional Forum 2022」は24日に開催された、MICE・イベント関係者・DMO認定法人に対象者を限った特別セミナーだ。
「共創」で実現するサステナブルなイベント・MICEと題し、Circular Initiatives & Partnersの安居昭博氏によるイベントの循環型経済の海外事例、そして産廃業を主体とする株式会社モノファクトリー中台澄之氏による循環ビジネスの最先端がまず紹介された。

両者に共通していたのは「サーキュラー」(循環)ということだ。また、直接のイベント関係者ではない2人から見れば、イベントは開始から終了までのタイミングがはっきりしているため、計画的にリユースやリサイクルの最適化も可能で、循環型社会の取り組みができるということだ。

第6回 サステナブル・ブランド国際会議 2022 横浜

取材・文:徳田裕子

徳田裕子

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