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– 日展協が翻訳資料を提供

UFIが展示会の経済効果発表
– 日展協が翻訳資料を提供

国際見本市連盟(UFI)が「Global Economic Impact of Exhibitions 2019 Edition 」を発表。日本展示会協会が同資料を翻訳し、ご提供いただいた。

展示会産業が世界に与える経済効果(2019年版)

本報告書の要旨 p01
第1章:世界で開催される展示会の規模と直接支出 p04
第2章:展示会産業の経済効果 p09
第3章:調査方法   p16

本報告書の要旨

概要

世界で開催されているさまざまな展示会の経済的意義を定量化するために「オクスフォードエコノミクス」(OE)は、世界で開催される多様な展示会活動の総合的なモデルを開発、それは今や、展示会の経済的意義に関する近年のさまざまな研究の基準になっている。今回の調査のさまざまな結果が示すのは、直接支出と雇用の観点で見た世界の展示会産業の範囲だけでなく、展示会産業がより広い経済に与える全体的な効果の範囲といってよい。
今回の分析を行うにあたってOEが踏んだ手順は次のとおりである。

●UFIが所有している、展示会に関するさまざまな既存データ(販売された正味展示面積、来場者、出展者に関する数字など)を分析した。
●UFIが所有している、展示会産業に関する歴史的データ、13か国における展示会の効果に関する、基準になっている公開された研究、さらに、180か国以上にわたる展示会産業に関する第三者データをそれぞれ分析した。
●展示会産業の定量化がこれまで行われてこなかった国々における展示会活動を推定するために、経済的および旅行産業の諸データと、展示会産業が持つさまざまな効果との間の関係を示す計量経済モデルを開発した。
●既存調査とモデル化された関係とを組み合わせることで、世界的な推計値を準備した。以前に行われた、展示会活動に関する国レベルの分析は、推計される世界合計の4分の3以上を示しており、これが1つの確固たる調査基盤となっている。

本資料は、調査と知見に関するカギとなる諸要素を提供しており、それは次の4つのカテゴリーに分類される。
1. 展示会産業の諸基準と直接支出
2. 経済効果分析
3. 調査方法
4. 産業比較
個別の国に関するプロフィール報告は、UFIに加盟する各協会のためにのみ制作されるべきだという考えから、世界調査の補足として追加するに留めた。
なお、本資料に関するより多くの情報を必要とする場合は、UFI調査担当マネジャーであるChristian Druart(chris@ufi.org)までコンタクト願いたい。
展示会の“資格”とは・・・
UFIは、ISO 25639-1:2008 (E/F) の定義に従っており、本資料でもその定義を採用する。本調査が持つさまざまな目的に沿って、展示会(exhibition)、展覧会(show)、見本市(fair)とは、「さまざまな製品、サービス、または情報を陳列し広めるための催し」をいう。展示会は、会議(conference)、大会(convention)、セミナー(seminar)、またはその他の企業・消費者向けの催しとは異なり、またフリーマーケットや路上マーケットを含まないが、次のものは含まれる。

●商取引展示会(trade exhibition):商取引を促進するための展示会であり、主な来場者も商取引を目的とした人たちである。商取引展示会は、時間を限って一般に公開されることがある。
●一般公開展示会(public exhibition):もっぱら一般大衆のために開かれる展示会で、「コンシューマーショー」と呼ばれることもある。

本調査に使用された方法論に関する詳細は本資料の16ページを参照されたい。

経済効果の主な構成要素

●直接効果:展示会を計画し実行するために直接的に関わる直接支出と雇用であり、来場者や出展者が費やす展示会までの旅費、またその他の展示会関連支出もこれに含まれる。
●間接効果:展示会に関わるより“川下”のサプライヤーがもたらす経済効果であり、サプライチェーン効果とも呼ばれる。具体的にいえば、展示会が開催される施設が必要とする、エネルギーや食材などの仕入れ、また、多くの展示施設が契約する専門的サービス(マーケティング、設備の維持、クリーニング、技術サポート、経理、法的・財務的サービスなど)の提供者に支払う費用がこれに含まれる。
●誘発効果:従業員が賃金・給与をより広範囲な経済活動に費やすことをいう。例えば、ホテルの従業員が家賃、交通費、飲食、娯楽などのために支出する場合などがこれに含まれる。
経済効果を経済生産の観点で表現すれば、すべての事業販売、「中間投入を除外した事業販売」と定義されるGDP(国内総生産)、および雇用の総和であるといってよい。

展示会の直接効果(2018年)

展示会の経済効果(UFI)直接効果●展示会、来場者、出展者の数:この年、180以上の国においておよそ3万2,000の展示会が開催され、3億300万人の来場者と500万以上の出展者がこれに直接関わった。
●直接支出(事業販売):この年に行われた展示会は、来場者・出展社による直接的な支出、および追加的な展示会関連支出を合わせて、1,159億ユーロ(1,369億ドル)以上を生み出した。
●直接GDPおよび雇用:世界全体で130万人の雇用を支援するとともに、687億ユーロ(811億ドル)の直接GDPを創出した。
●この年、世界で約450万の出展者が1,150億9,000万ユーロ(1,360億9,000万ドル)を直接支出したとすると、世界全体で出展者1者あたりおよそ2万5,600ユーロ(3万200ドル)を直接支出した計算になる。
●この年の直接GDP効果を687億ユーロ(811億ドル)とすれば、世界経済における展示会産業の世界の経済規模は72位にランクされる。

世界で開催される展示会の経済効果の総合計(2018年)
間接効果と誘発効果の両方を勘案すると、2018年、展示会産業は世界全体で次のような経済効果をもたらしたと考えられる。
●2,751億ユーロ(3,250億ドル)の経済生産(事業販売)をもたらした。
●320万人分の雇用を創出した。
●世界全体の総GDPを1,672億ユーロ(1,975億ドル)押し上げた。

全経済生産を2,751億ユーロ(3,250億ドル)とし、すべての展示会スペースを3,468万平方メートルと推計すると(「UFI2017年展示会開催場所世界マップ」の報告による)、2018年、展示会スペース1平方メートルにつきおよそ7,900ユーロ(9,400ドル)が生産されたことになる。
展示会産業は、工作機械や医療・手術機器といった大規模な産業分野よりも大きい直接経済生産(事業販売)をもたらした。
また、世界全体の総GDPのうち展示会産業が押し上げた1,672億ユーロ(1,975億ドル)という数字は、世界の全産業部門の中で56位の経済規模を持ち、ハンガリー、クウェート、スリランカ、エクアドルといった国々のGDPよりも大きかった。

直接効果

展示会来場者数の合計:3億300万人
来場者の国は180か国以上にまたがる。

直接支出(事業販売)の額:1,160億ユーロ(1,370億ドル)
ここでいう直接支出とは、展示会を計画・実施するための費用、展示会に関連する旅費、およびその他の直接支出(来場者と出展者による支出)をいう。

直接GDPに占める展示会産業の経済規模:690億ユーロ(810億ドル)

創出された雇用:延べ130万人分
世界の展示会によって直接的に生み出された雇用数

間接および誘発効果
経済効果の合計

経済生産(事業販売)の合計:2,750億ユーロ(3,250億ドル)
直接、間接、誘発生産の合計

世界GDPへの押し上げ効果:1,670億ユーロ(1,980億ドル)
世界GDPに対する直接、間接、誘発効果の合計

創出された雇用:延べ320万人分
世界の展示会によって直接的・間接的に生み出された雇用数

出展者1者あたりの経済効果:6万700ユーロ(7万1,700ドル)
屋内展示会施設1平方メートルあたりの経済効果:7,900ユーロ(1平方フィートあたり870ドル)

第1章:世界で開催される展示会の規模と直接支出

世界で開催される展示会の規模と直接支出の概要

本章では、世界で開催される展示会活動の規模と範囲を要約する。ここで用いられる主要な尺度は次のとおりである。

●展示会における直接支出の額
●展示会のために販売された正味のスペース(平方メートル)
●来場者および出展者の数
●展示会に関わった直接的な雇用人数
このうち、展示会のために販売された正味のスペース(平方メートル)、来場者および出展者の数に関するデータはUFIが提供したものを用い、展示会における直接支出の推計額に関するデータはオクスフォードエコノミクス(OE)が開発した計量経済モデルに基づいている。
「展示会における直接支出」とは、「展示会、展示会への旅行、およびこれらに付随するさまざまな展示会関連活動の計画および実施のなかで直接的に発生する支出」をいう。この定義に従えば、展示会への参加者が支出する費用(旅費や登録料など)、展示会主催者が負担する旅費、出展者が支出する費用(スポンサー料、展示物制作費、展示会場以外の場所で開かれるイベントのために出展社が負担する費用など)、展示会主催者およびホストが支出する費用、および、その他一部の展示会関連費用もこれに含まれるといってよい。
展示会における直接支出はまた、多様な産業によって直接的に提供されるさまざまな製品・サービスの全体像を捉えており、それゆえに、展示会の経済的意義を示すための最も明確な尺度といってよい。われわれの要約分析の大半が展示会における直接支出と展示会参加者の数に焦点を当てているのも、こうした理由があるからである。

展示会の定義

UFIは、ISO 25639-1:2008 (E/F) の定義に従っており、本資料でもその定義を採用する。本調査が持つさまざまな目的に沿うために、展示会(exhibition)、展覧会(show)、見本市(fair)とは、「さまざまな製品、サービス、または情報を陳列し広めるための催し」をいう。したがって展示会は、会議(conference)、大会(convention)、セミナー(seminar)、またはその他の企業・消費者向けの催しとは異なり、フリーマーケットや路上マーケットを含まないが、次のものは含まれる。
●商取引展示会(trade exhibition):商取引を促進するための展示会であり、主な来場者も商取引を目的とした人たちである。商取引展示会は、時間を限って一般に公開されることがある。
●一般公開展示会(public exhibition):もっぱら一般大衆のために開かれる展示会で、「コンシューマーショー」と呼ばれることもある。

分析対象の地域

本調査では、展示会データ、直接支出の推計、および全体的な効果を地域および世界レベルで分析した。本調査に含まれる地域区分は次の6つである。

●アフリカ
●アジア/太平洋
●中南米
●ヨーロッパ
●中東
●北米
[注]ロシアは、ウラル山脈の西側をヨーロッパ、残る地域をアジアと見なすことができるが、同国の国家活動の大半が西部に集中していることを考え、本調査ではヨーロッパに分類する。

展示会に関する要約データ

2018年、展示会は世界で1,159億ユーロの直接支出を生み出しすとともに、およそ1億3,800万平方メートルの正味展示スペースを販売した。
2018年、世界の180か国以上の国でおよそ3万2,000の展示会が開催され、そのために販売された正味展示スペースは1億3,800万平方メートルだった。これらの展示会は、各展示会への来場者と出展社が費やした支出に、追加的な展示会関連支出を加えた約1,160億ユーロ(1,369億ドル)を生み出した。これを地域別に見ると、北米が44%で第1位、ヨーロッパが34%で第2位を占めた。
同じく2018年、これらの展示会は約3億300万の来場者と約450万の出展者を迎え入れた。これを地域別に見ると、1億1,200万の来場者、130万の出展者を受け入れたヨーロッパが第1位、次いで、9,120万の来場者と160万の出展者があったヨーロッパが第2位だった。

展示会活動の概要(2018年)

世界の展示会の概要

正味販売スペース   直接支出額             世界シェア
(100万m2)    (10億ユーロ)( 10億ドル) (直接支出)(販売スペース)

世界合計   137.5 115.9 136.9 100.0% 100.0%

地域別
北米 48.0 50.6 59.7 43.6% 34.9%
欧州 46.5 39.5 46.7 34.1% 33.8%
アジア/太平洋 33.8 22.4 26.4 19.3% 24.6%
中南米 5.2 1.8 2.2 1.6% 3.8%
中東 3.0 1.2 1.4 1.0% 2.2%
アフリカ 1.0 0.4 0.5 0.4% 0.7%

来場者数    出展者数 世界シェア
(1,000人) (1,000社) (来場者)   (出展社)

世界合計 302,950 4,534 100.0% 100.0%

地域別
北米 112,000 1,340 37.0% 29.6%
欧州 91,200 1,600 30.1% 35.3%
アジア/太平洋 81,500 1,210 26.9% 26.7%
中南米 9,900 217 3.3% 4.8%
中東 6,250 125   2.1% 2.8%
アフリカ 2,100 42 0.7% 0.9%

出所:オクスフォードエコノミクスおよびUFI(2019年)

展示会における直接支出

展示会がもたらす直接支出において、北アメリカとヨーロッパが1位と2位を占めた。

下表が示すように、2018年、北アメリカの展示会が生み出した直接支出は506億ユーロ(597億ドル)で、これは世界全体の直接支出の43.6%に相当した。一方、ヨーロッパとアジア/太平洋において生み出された直接支出はそれぞれ395億ユーロ(467億ドル)と224億ユーロ(264億ドル)、また世界全体に対する比率はそれぞれ34.1%、19.3%だった。

地域別に見た展示会における直接支出(2018年)

支出額 世界シェア
北アメリカ 506億ユーロ 43.6%
ヨーロッパ   395億ユーロ 34.1%
アジア/太平洋 224億ユーロ 19.3%
中南米 18億ユーロ 1.6%
中東 12億ユーロ 1.0%
アフリカ 4億ユーロ 0.4%

北米・欧州が世界の展示会をリード

展示会来場者

展示会来場者の数で見ると、ヨーロッパが世界で最も大きい地域だった。

展示会参加者の数でいうと、1億1,200万人の来場者があったヨーロッパが世界で最も大きい市場であり、この数字は世界全体の3分の1を占めるものだった。次いで9,120万の来場者(世界全体の30.1%)があった北アメリカが第2位、そのあとに8,150万人の来場者(世界全体の26.9%)を迎えたアジア/太平洋が続いた。中南米、中東、アフリカの来場者は共に1,000万人以下だった。

地域別に見た展示会来場者(2018年)

来場者数 世界シェア
北アメリカ 1億1,200万人 37.0%
ヨーロッパ     9,120万人 30.1%
アジア/太平洋   8,150万人 26.9%
中南米 990万人 3.3%
中東   630万人 2.1%
アフリカ 210万人 0.7%

出所:UFI(2019年)

展示会来場者数では欧州が訪米を上回る

展示会出展者

2018年、展示会出展者の数で見ると、160万の出展者を集めた北アメリカが最大地域だった。

2018年の展示会を出展者の数で見ると、世界全体の出展者数の35%以上に相当する160万の出展者を集めた北アメリカが最大市場だった。次いで、130万の出展者(世界全体の29.6%)を得たヨーロッパ、同じく120万(同26.7%)を集めたアジア/太平洋が2位と3位にランクされた。中南米、中東、アフリカの展示会に参加した出展者の数は共に25万未満だった。

地域別に見た展示会出展者(2018年)

出展者数 世界シェア
北アメリカ 160万社 35.3%
ヨーロッパ 134万社 29.6%
アジア/太平洋 121万社 26.7%
中南米 22万社 4.8%
中東 13万社 2.8%
アフリカ 4万社 0.9%

出所:UFI(2019年)

出展者数は北米が1位で160万社に

≈展示会が直接GDPと雇用に与える効果

世界の展示会のGDPに与える経済効果国際展示会のGDPへのインパクト地域別2018年、世界の展示会産業は687億ユーロ(811億ドル)の直接GDPと130万人以上の直接雇用を生み出した。

2018年、世界の展示会産業は687億ユーロ(811億ドル)の直接GDPと130万人以上の直接雇用を生み出した。このうち50万人以上の雇用は、展示会産業単独で維持されたものだった。この数字を地域別に見てみると、北アメリカは325億ユーロ(384億ドル)の直接GDPを生み出し、これは世界全体の展示会GDPの47.4%に相当するものだった。北アメリカはまた、53万9,000人の直接雇用を創出しており雇用に関しても世界最大の市場である。
第2位にランクされたヨーロッパは、200億ユーロ(236億ドル)の直接GDP効果を35万8,000人の直接雇用を生み出し、次いでアジア/太平洋(直接GDP:141億ユーロ[167億ドル]、直接雇用:35万6,000人)が第4位にランクされた。

展示会産業がもたらす直接GDPへの効果の地域別世界シェア

北アメリカ 47.4%
ヨーロッパ 29.1%
アジア/太平洋 20.5%
中南米 1.7%
中東 0.9%
アフリカ 0.4%

地域別に見た展示会の直接GDPと直接雇用への効果

直接支出     直接GDP 直接雇用    世界シェア
(10億ユーロ)(10億ドル) (10億ユーロ)(10億ドル)  (1,000人)   (直接支出) (直接GDP) (直接雇用)

世界合計 115.9  136.9   68.7  81.1   1,314    100.0%  100.0% 100.0%

地域別
北米   50.6 59.7 32.5  38.4 539 43.6% 47.4% 41.1%
欧州 39.5 46.7 20.0 23.6 358 34.1% 29.1% 27.3%
ア/太 22.4 26.4 14.1 16.7 356 19.3% 20.5% 27.1%
中南米 1.8 2.2 1.2 1.4 38 1.6% 1.7% 2.9%
中東 1.2 1.4 0.8 0.8 14 1.0% 0.9% 1.1%
アフリカ 0.4 0.5 0.3 0.3 8 0.4% 0.4% 0.6%

出所:オクスフォードエコノミクス(2019年)

1出展者あたりの展示会直接支出

出展者数あたりの消費額はUSD30,2002018年、世界全体で見ると、展示会産業は1出展者あたりおよそ2万5,600ユーロ(3万200ドル)の直接支出を生み出した。

すでに述べたとおり、2018年、展示会産業は世界全体で1,159億ユーロ(1,369億ドル)を直接支出した。これを、2018年の出展者総数(450万社)で割ると、1出展者あたりの直接支出は2万5,569ユーロ(3万201ドル)となる。
1出展者あたりの直接支出の地域別ランキングは、3万1,601ユーロ(3万7,325ドル)だった北アメリカが第1位、また、それぞれ2万9,512ユーロ(3万4,858ドル)、1万8,482ユーロ(2万1,830ドル)だったヨーロッパとアジア/太平洋がこれに次いだ。

1出展社あたりの展示会直接支出

出展者数 直接支出  1出展者あたりの直接支出
(1,000社) (10億ユーロ)( 10億ドル)   (ユーロ) (米ドル)

世界合計 4,534  115.9 136.9 25,569  30,201

地域別
北米 1,600 50.6 59.7 31,601 37,325
欧州 1,340 39.5 46.7 29,512 34,858
アジア/太平洋 1,210 22.4 26.4 18,482 21,830
中南米 217 1.8 2.2 8,433 9,961
中東 125 1.2 1.4 9,461 11,174
アフリカ 42 0.4 0.5 10,663 12,594

出所:オクスフォードエコノミクスおよびUFI(2019年)

施設1平方メートルあたりの展示会直接支出

2018年、世界の展示会産業は、展示会施設1平方メートルあたり3,300ユーロ(3,900ドル)の直接支出を生み出した。

すでに繰り返し述べたように、2018年、世界の展示会産業は1,159億ユーロ(1,369億ドル)の直接支出を生み出した。一方、展示会施設の屋内許容総面積は、UFI「展示会施設の世界地図」によれば3,468万平方メートルだったから、これを元に計算すると、展示会施設1平方メートルあたりの直接支出は3,343ユーロ(3,948ドル)ということになる。
この観点で世界各地域をランク付けすると、展示会施設1平方メートルあたりの直接支出が6,189ユーロ(7,310ドル)だった北アメリカが1位に、これにアジア/太平洋(2,717ユーロ[3,210ドル])とヨーロッパ(2,519ユーロ[2,975ドル])が続いた。

施設1平方メートルあたりの展示会直接支出

展示面積あたりの消費額はUSD3900/㎡施設面積 直接支出額合計   1m2あたりの直接支出額
(100万m2) (10億ユーロ)(10億ドル)    (ユーロ) (米ドル)
世界合計  34.68   115.9 136.9 3,343  3,948

地域別
北米 8.17 50.6 59.7 6,189 7,310
欧州 15.70 39.5 46.7 2,519 2.975
アジア/太平洋 8.23 22.4 26.4 2,717 3,210
中南米 1.20 1.8 2.2 1,525 1,801
中東 0.85 1.2 1.4 1,391 1,643
アフリカ 0.53 0.4 0.5 845 998

出所:オクスフォードエコノミクスおよびUFI(2019年)

第2章:展示会産業の経済効果

経済効果というアプローチ

展示会産業が生み出す直接支出は、展示会産業における直接雇用と労働収入、および展示会産業が持つ、より下流のさまざまな効果を推計するためにわれわれがこれまで用いてきた経済効果モデルのための1つのインプット(投入)という意味を持つ。したがってこのモデルを「投入・生産(I-O)モデル」と呼ぶこともある。

経済効果分析の諸要素

ある産業部門の全体的な経済効果には3つの主要な構成要素があるといわれる。

●直接効果:展示会産業における直接効果とは、展示会の計画と実行に関わる直接的な支出や雇用のことであり、展示会参加者が展示会に行く際の旅費やその他の展示会関連支出もこれに含まれる。展示会産業の特質を考えると、この直接的な活動はその他の多様な産業連関表部門にまたがるといってよい。例えば、展示会の制作はしばしば、ホテルその他の展示施設における“現場要員”を必要とする。ここでいう現場要員とは、バンケットスタッフ、AV機器その他の技術スタッフ、およびその他契約に基づく第三者サービスプロバイダー(例えば、娯楽・芸能プロダクションサービス、装飾業者、講演者や教育係、宣伝・PR会社など)などをいう。こうした業種の従業員はみな、展示会産業によって支えられる直接的な仕事を行っているといってよい。一方、展示会参加者が展示会場や宿泊施設に行くための移動費もまた、交通・輸送産業に携わる多様な人々を巻き込む直接支出と雇用の基盤となる。こここで注意したいのは、こうした支出はさまざまな産業部門・業種にまたがって発生するものの、それがすべて、展示会の直接支出によって裏づけられる活動を代表しているわけでなく、展示会産業の直接的な経済効果の一部になっているということである。

●間接効果:展示会産業における間接経済効果とは、より下流に位置するサプライヤーがもたらす効果であり、その意味でサプライチェーン効果ともいわれる。例えば、展示会が開催される施設が必要とするインプット(エネルギー、食材など)であり、また多くの展示会場が契約するマーケティング、設備保守、クリーニング、技術支援、経理、法務・財務サービスといった専門業者に対する支出である。

●誘発効果:誘発効果とは、従業員が賃金・給与をより広範囲な経済活動に費やすことで発生する。例えば、ホテルの従業員が自分の賃金・給与を家賃、交通費、飲食費、娯楽費などとして費やすことである。

なお、間接効果と誘発効果を一括して「間接的影響」と呼ぶこともある。
経済効果分析を行うためにわれわれは、展示会の経済効果に関する既存の研究において公開された、国レベルの経済効果乗数を用いた。展示会の経済効果乗数が不明な、または指標データと一致しない国については、「世界旅行ツーリズム協議会」(WTTC)とオックスフォードエコノミクスが所有している旅行・ツーリズム乗数を用いた。WTTCの各種乗数は、各国の産業連関表に基づいており、また、OECD(経済協力開発機構)または各国の統計部局(OECDデータが無い場合)のいずれかに典拠している。これらの産業関連表からわれわれは、ある産業における支出の帰結として発生するある国の経済支出の流れを詳細に見極めながら、各国経済のための乗数マトリックスを開発した。

さまざまな経済効果

2018年、世界の展示会産業は2,751億ユーロ(3,250億ドル)以上の経済生産(事業販売)の基盤となった。

2018年の、展示会産業の世界全体の経済効果は次のように要約できる。

●2,751億ユーロ(3,250億ドル)の経済生産(事業販売)
●世界GDPに対して1,672億ユーロ(1,975億ドル)寄与
●世界全体で320万人分の雇用を創出

展示会産業の世界経済への波及効果

こうした全体数字は、展示会産業内の直接支出(1,159億ユーロ[1,369億ドル])および130万人分の雇用に、間接・誘発効果の推計額を加えたものである。
この結果、世界の展示会産業の生産乗数は2.37であり、これは、展示会のための直接支出1ユーロ(1ドル)あたり1.37ユーロ(1.37ドル)の追加的な間接・誘発支出を世界経済にもたらしたといってよい。

展示会産業の世界全体の経済効果(2018年)

直接効果
生産(展示会産業の直接支出) 1,159億ユーロ(1,369億ドル)
雇用 131万4,000人
GDP 687億ユーロ(811億ドル)
経済効果の合計
生産 2,751億ユーロ(3,250億ドル)
雇用 324万人
GDP 1,672億ユーロ(1,975億ドル)

出所:オクスフォードエコノミクス(2019年)

地域別に見た経済効果(総生産)

総生産効果という点で見ると、北アメリカとヨーロッパが最大地域だった。

下表が示すとおり、2018年、北アメリカは1,188億ユーロ(1,404億ドル)の生産額を生み出したが、これは世界全体の展示会産業がもたらした全生産額の43.2%に相当する。一方、ヨーロッパとアジア/太平洋地域はそれぞれ923億ユーロ(1,090億ドル)と566億ユーロ(668億ドル)の生産額、33.5%、20.6%のシェアを占めた。

地域別に見た経済効果(総生産)

金額(10億ユーロ) 世界シェア(%)
北アメリカ 118.83 43.2
ヨーロッパ 92.27 33.5
アジア/太平洋 56.58 20.6
中南米 4.12 1.5
中東 2.39 0.9
アフリカ 0.94 0.3

出所:オクスフォードエコノミクス(2019年)

地域別に見た経済効果(総GDP)

2018年、北アメリカとヨーロッパが生み出した総GDPは1,672億ユーロ(1,975億ドル)だった。

2018年、下表が示すように北アメリカは、世界全体における展示会産業総GDP効果の46.8%に相当する782億ユーロ(923億ドル)の総GDPを生み出した。次いで、ヨーロッパとアジア/太平洋の展示会産業が生み出した360億ユーロ(426億ドル)という直接支出は、全世界の展示会産業がもたらした総GDPのれぞれ29.0%と21.5%を占めた。

地域別に見た経済効果(総GDP)

金額(10億ユーロ) 世界シェア(%)
北アメリカ 78.17 46.8
ヨーロッパ 48.55 29.0
アジア/太平洋 36.03 21.5
中南米 2.74 1.6
中東 1.17 0.7
アフリカ 0.54 0.3

出所:オクスフォードエコノミクス(2019年)

地域別に見た経済効果(総雇用)

2018年、世界の展示会産業は320万人分以上の雇用を創出した。

2018年、下表が示すように北アメリカの展示会産業は、130万人分の雇用を創出したが、これは世界全体の展示会産業が創出した雇用数の40.2%を占めるものだった。この数字に次いだのは、アジア/太平洋の98万人分とヨーロッパの82万4,000人分であり、地域割合はそれぞれ30.2%と25.4%だった。

地域別に見た経済効果(総雇用)

雇用数(1,000人) 世界シェア(%)
北アメリカ 1,302 40.2
ヨーロッパ 980 30.2
アジア/太平洋 824 25.4
中南米 85 2.6
中東 31 1.0
アフリカ 19 0.6

出所:オクスフォードエコノミクス(2019年)

地域別に見た経済効果(1出展者あたりの総生産)

2018年、世界の展示会産業は1出展社あたりおよそ6万700ユーロ(7万1,700ドル)の総生産額を生み出した。

2018年、世界の展示会産業は2,751億ユーロ(3,250億ドル)の総生産(事業販売)を生み出したが、同年、世界全体の展示会に出展した企業数(450万社)でこの金額を割ると、1出展者あたりの総生産額は6万680ユーロ(7万1,671ドル)となる。
これを地域別に見ると、1出展者あたりの総生産額が7万4,268ユーロ(8万7,720ドル)だった北アメリカが第1位、次いで、1出展者あたりそれぞれ6万8,858ユーロ(8万1,331ドル)、4万6,757ユーロ(5万5,227ドル)を生み出したヨーロッパとアジア/太平洋がこれに続いた。

展示会1出展者あたりの総生産額

出展者数 総生産額 1出展者あたりの総生産額
(1,000社) (10億ユーロ)(10億ドル) (ユーロ) (ドル)

世界合計  4,534 275.1 325.0 60,680 71,671

地域別
北米 1,600 118.8 140.4 74,268 87,720
ヨーロッパ 1,340 92.3 109.0 68,858 81,331
アジア/太平洋 1,210 56.6 66.8 46,757 55,227
中南米 217 4.1 4.9 18,989 22,428
中東 125 2.4 2.8 19,104 22,564
アフリカ 42 0.9 1.1 22,362 26,412

出所:オクスフォードエコノミクスおよびUFI(2019年)

さまざまな経済効果(展示スペース1平方メートルあたりの総生産)

2018年の、世界の展示会産業が生み出した、展示スペース1平方メートルあたりの総生産額はおよそ7,900ユーロ(9,400ドル)だった(1平方フィートあたりの総生産額は740ユーロ[870ドル])。

2018年の、世界の展示会産業が生み出した総生産(総事業販売)額は2,741億ユーロ(3,250億ドル)だったが、この数字を、「UFI2017年世界展示会施設マップ」で報告された、同年の世界全体の展示会で使われた全展示スペース(3,468万平方メートル[3億7,329万平方フィート])で割ると、展示スペース1平方メートルあたりの総生産額はおよそ7,900ユーロ(9,400ドル)となる(1平方フィートあたりの総生産額は740ユーロ[870ドル])。
これを地域別に見ると、展示スペース1平方メートルあたりの総生産額が1万4,544ユーロ(1万7,179ドル)だった北アメリカ(1平方フィートあたりの総生産額は1,351ユーロ[1,596ドル])が第1位に、次いで、1平方メートルあたりの総生産額が6,874ユーロ(8,120ドル)だったアジア/太平洋(1平方フィートあたりの総生産額は639ユーロ[754ドル]がこれに続いた。

展示スペース単位面積あたりの総生産

展示スペース 総生産額 1m2あたりの総生産額
(100万平方メートル) (10億ユーロ)(10億ドル)  (ユーロ) (ドル)

世界合計  34.68 275.1 325.0 7,933 9,370

地域別
北米 8.17 118.8 140.4 14,544 17,179
ヨーロッパ 15.70 92.3 109.0 5,877 6,942
アジア/太平洋 8.23 56.6 66.8 6,874 8,120
中南米 1.20 4.1 4.9 3,434 4,056
中東 0.85 2.4 2.8 2,809 3,318
アフリカ 0.53 0.9 1.1 1,772 2,093

出所:オクスフォードエコノミクスおよびUFI(2019年)

世界の展示会産業がもたらす経済効果ランキング

世界の展示会産業の総GDP規模は、世界第56位の国に匹敵する。

世界の展示会産業がもたらした直接的な生産(事業販売)額は、工作機械や医療・手術機器といった多くの主要産業部門よりも大きいものだった。
世界の展示会産業が裏づけた1,672億ユーロ(1,975億ドル)という総GDPは、世界経済の中でも56位に位置する大きな経済活動であり、これは、ハンガリー、クウェート、スリランカ、エクアドルなどの国の経済規模を凌駕する。次ページの表は、世界の展示会産業の総GDP効果を世界の主要国のGDPと比較したものである。

世界主要国のGDP比較

ランク 国名 GDP(10億ユーロ)

1 米国 19,391
2 中国 12,243
3 日本 4,874
4 ドイツ 3,691
5 フランス 2,587
6 英国 2,536
7 インド 2,521
8 ブラジル 2,055
9 イタリア 1,942
10 カナダ 1,652
11 ロシア 1,578
12 韓国 1,530
13 オーストラリア 1,379
14 スペイン 1,321
15 メキシコ 1,152
16 インドネシア 1,016
17 トルコ  851
18 オランダ  829
19 サウジアラビア  684
20 スイス  679
21 アルゼンチン  637
22 台湾  573
23 スウェーデン  539
24 ポーランド  524
25 ベルギー  494
26 タイ  455
27 イラン  419
28 オーストリア  418
29 ノルウェー  397
30 アラブ首長国連邦 378
31 ナイジェリア  356
32 イスラエル  351
33 南アフリカ  349
34 香港  342
35 アイルランド  334
36 デンマーク  325
37 シンガポール  324
38 マレーシア  314
39 フィリピン  314
40 コロンビア  309
41 パキスタン  303
42 チリ  277
43 フィンランド  252
44 バングラデシュ  245
45 ベトナム  221
46 ポルトガル  218
47 チェコ共和国  217
48 ペルー  215
49 ルーマニア  211
50 ギリシャ  200
51 エジプト  195
52 ニュージーランド 184
53 イラク 177
54 アルジェリア  170
55 カタール  168
56 世界の展示会産業 167
57 カザフスタン  152
58 ハンガリー  139
59 アンゴラ  132
60 クウェート  120
61 スーダン  119
62 ウクライナ  112
63 モロッコ  108
64 エクアドル  103
65 スロバキア共和国  96
66 キューバ 94
67 スリランカ 85
68 ケニヤ 77
69 グアテマラ 76
70 ドミニカ 76
71 エチオピア 76
72 オマーン 70
73 ミャンマー 66
74 ルクセンブルク 63
75 パナマ 62
76 ウルグアイ 59
77 ベラルーシ 58
78 コスタリカ 58
79 ブルガリア 57
80 クロアチア 55
81 タンザニア 52
82 レバノン 52
83 マカオ 50
84 リビア 50
85 スロベニア 49
86 リトアニア 47
87 ガーナ 47
88 ウズベキスタン 46
89 セルビア 41
90 ヨルダン 41

第3章:調査方法

調査アプローチ

われわれは、世界の展示会産業の規模と直接支出を具体的に示すために、既存研究の結果と、UFIが所有する展示会データとを統合した。その結果、世界の展示会産業の直接支出の4分の3を国レベルの調査に含めることができた。

世界の展示会産業調査に対するわれわれのアプローチは、次のステップを踏んでいる。

●UFIが所有している、展示会に関するさまざまな既存データ(販売された正味展示面積、来場者、出展社に関する数字など)を分析した(下記「注」参照)。
●13か国における展示会の効果に関する既存調査、および展示会産業に関する第三者によるデータを分析した。
●展示会産業の定量化がこれまで行われてこなかった国々における展示会活動を推計するために、経済的および旅行産業の諸データと、展示会産業が持つさまざまな効果との間の関係を示す計量経済モデルを開発した。
●既存調査のさまざまな結果を組み合わせるとともに、世界的な推計値を準備するために多様な関係をモデル化した。

全体に見て、世界の展示会産業が生み出した直接支出のおよそ4分の3は、われわれが分析した国レベルの調査の中にすでに含まれていることが分かった。その結果われわれは、これまで国レベルで調査されたことがない国々に対する推計値を準備するために計量経済モデルを当てはめてみたが、最も大きい国々および最も重要な国々に関する知見は既存の調査の結果とほぼ同様だった。これはわれわれの調査に対する確かな基盤になったといってよい。
今回の世界規模の分析においてわれわれは、各調査が報告している展示会活動と展示会参加者の主要尺度に幅広く依存した。定義の違いや特定の調査結果における異常値といった明確な違いはあったことを考えてわれわれは、特定の国レベルの報告基準を推計プロセスから除外した。
本章における調査方法に関するわれわれの議論は、同じ順序に従っている。つまり、まず最初に、調査過程を概観し、次いで統計的モデリングに注目し、最後に、概念的フレームワーク(枠組み)を強調するという手順である。
本報告書に記載されている数字は、丸めていない推計に基づいている。もし丸めれば、一部の表の合計が、個々の列・欄の総和とわずかながら異なることということも起きてくる。また、今回の分析は、市場の為替レートに基づいた名目的なユーロと米ドルによって行われた。まず初めにモデルとなる生産額を米ドルで分析し、それを、2018暦年の年末為替レート(1ユーロ=1.181ドル)を用いてユーロに換算した。

[注]UFIは、こうした基準を用いて世界および各地域の推計を行っている。これらの推計値は、そうしたデータが信頼できると見なされるいくつかの市場から得られたデータを用いた各種モデルに由来している。もちろんUFIは、ある市場に関する信頼の置けるデータが得られしだいこれらの推計値を更新するつもりである(これについてはchris@ufi.orgにコンタクトしていただきたい)。また、「来場者数」を「来場数」「出席者」といっている市場もかなりある。その意味で本調査のために開発された経済効果モデルが計算のための基準を使っていないことに注意していただきたい。

国の経済効果のプロフィール
世界の展示会産業の経済効果に関する知見の発表のほかにオックスフォードエコノミクス」とUFIは、国ごとのプロフィール要約を提供している。世界規模の経済効果分析の結果を基に本調査チームは、国レベルの経済効果プロフィールの要約を準備することができた。国単位のプロフィールに含まれる基準には、直接効果、間接効果、誘発効果のほかに経済生産(事業販売)、GDP、雇用といった指標に関する全体効果が含まれる。

経済効果に関する既存調査および第三者データ

われわれはまず、世界市場における展示会産業に関する既存調査を収集した。本分析に含まれる13の既存データの一覧を下表に示す。
また、本調査のチームは、各国ごとに次の指標を収集した。

●直接支出
●直接付加価値(GDP)
●直接雇用
●総参加者

こうした既存調査のほかに、今回の調査過程は次の2つのソースから得られた第三者データも網羅している。

●UFI
●世界ビジネストラベル連合

経済効果に関する既存調査


対象国: オーストラリア
調査年: 2015年
報告書題名:オーストラリアにおけるビジネスイベントの価値
ソース: Ernst & Young, Business Events Council of Australia


対象国: カナダ
調査年: 2014年
報告書題名:カナダにおけるビジネスイベントの経済的寄与
ソース: MPI Foundation Canada, Maritz Research, The Conference Board of Canada


対象国: デンマーク
調査年: 2012年
報告書題名:デンマークにおける会議活動の経済的寄与
ソース: Visit Denmark


対象国: フランス
調査年: 2011年
報告書題名:Étude sur les retombées économiques de l’activité des salons en France et en Île-de-France
ソース: Chambre de commerce et d’industrie de Paris, COMITÉ des Expositions de PARIS


対象国: ドイツ
調査年: 2018年
報告書題名:ドイツにおける展示会の経済的妥当性
ソース: Association of the German Trade Fair Industry (AUMA)


対象国: グアテマラ
調査年: 2017年
報告書題名:Medicion de la relevancia economica de la industria de turismo de reuniones en Guatemala
ソース: STA Consultores, Gobierno de la Republica de Guatemala, INGUAT (Instituto Guatemalteco de Turismo)


対象国: インド
調査年: 2017年
報告書題名:インドにおける展示会産業報告
ソース: Indian Exhibition Industry Association


対象国: メキシコ
調査年: 2016年
報告書題名:メキシコにおける会議の経済的妥当性
ソース: SECTUR (Secretaria de Turismo), Consejo do Promocion Turistica de Mexico, STA Consultores


対象国: ペルー
調査年: 2014年
報告書題名:会議ツーリズムのデスティネーションとしてのペルー
ソース: PROMPERU


対象国: ポーランド
調査年: 2015年
報告書題名:ポーランドにおける会議産業の経済効果
ソース: Poland Convention Bureau, Polka Organizacja Turystyczna, MPI Foundation, MPI Poland Chapter


対象国: 英国
調査年: 2012年
報告書題名:英国の展示会産業の経済効果
ソース: FaceTime & Oxford Economics


対象国: 英国
調査年: 2013年
報告書題名:英国における会議・イベント産業の経済効果
ソース: MPI Foundation


対象国: 米国
調査年: 2018年
報告書題名:米国経済にとっての会議の経済的意義
ソース: Oxford Economics, Events Industry Council

計量経済モデル

経済的および旅行産業に関するさまざまなデータセットと、展示会産業の経済効果との間の関係を、計量経済モデルによってテストした。

今回の調査チームは、これまで展示会産業の定量化が行われてこなかった国々における展示会活動を推計するために、経済的および旅行産業に関するさまざまなデータセットと、展示会産業の経済効果との間の関係の計量経済モデルを開発した。UFIによって提供された、また展示会産業の経済効果に関する既存調査から得られたデータのほかに、かかるモデル化の過程においてわれわれが加えたデータを下表要約に示す。

計量経済モデルにインプットされたデータ

データの概要 ソース
ビジネス入国者 国連世界観光機関(UNWTO)、各国統計部局
国際的なインバウンド旅行者の旅行支出 IMF 経常収支報告
国内ビジネス旅行の支出 オクスフォードエコノミクス/ 世界旅行ツーリズム協
議会(WTTC)
GDP(国内総生産) 「ヘイバーアナリティクス」、各国統計部局
総人口 「ヘイバーアナリティクス」、各国統計部局
国民1人あたりGDP 「ヘイバーアナリティクス」、各国統計部局
サービス産業の総生産 各国統計部局、各国中央銀行、各国財務省
経済全体の総生産 各国統計部局、各国中央銀行、各国財務省

計量経済モデル

結果として得られたモデルは、さまざまな旅行産業尺度と、展示会直接支出との間の強固な関係を反映している。
結果として得られたモデルは、国レベルの国内・国際ビジネス旅行支出(「世界旅行ツーリズム協議会」のために行ったオックスフォードエコノミクスの分析に基づく)の推計値をはじめとするさまざまな旅行産業尺度と、展示会直接支出との間の関係を反映するものとなった。経済発展がより進んだ国々においては、展示会活動に関する調査は、ビジネス旅行の支出に対して比較的高いレベルを示す傾向が見られることを考え、国民1人あたりのGDPもまたこのモデルに使われた。
結果として得られた推計値は、展示会支出が広範な経済活動と相関する傾向を示している。その一例として右図に示したのは、展示会支出と、GDPによって表される経済活動との間の相関である。

国単位で見た展示会直接支出とGDPとの相関

国単位の経済効果の特徴

世界の展示会が持つ経済効果の発表にくわえオックスフォードエコノミクスとUFIは、国ごとの特徴の要約を提供しており、それを見ると、展示会産業がもたらす国ごとの経済効果に関する洞察を得ることができる。既存の計量経済モデルと、世界的な経済効果分析のために行った調査を基盤とすることで調査チームは、国レベルの経済効果の特徴を要約することができた。
目下、入手可能なデータを基に、国ごとのプロフィールに含まれたのは次のような展示会指標である。

●展示会場の収容人員
●実際に販売された展示スペース
●出展者の数
●来場者の数

また、国ごとのプロフィールに含まれる経済効果指標には直接効果、間接効果、誘発効果のほかに、次のような指標で見た総体効果が含まれている。

●経済生産(事業販売)
●GDP(国内総生産)
●雇用数

個別の国の特徴報告は、UFIに加盟する各国協会のために作成されるもので、この世界調査の別表として用意されている。これに関する詳細は、UFI調査部長のChristian Druart(chris@ufi.org)まで問い合わせていただきたい。

経済効果の各指標

二次的なデータソースはこの調査にとってきわめて重要だった。

経済効果に関する既存の調査と計量経済モデルに基づいて直接展示会支出を推計したあとに調査チームは、下表に示すような情報源を活用することで追加的な経済効果指標を推計した。例えば、その国の経済全体と旅行産業の両方に対する総生産と付加価値を用いることで、各国GDPに対する直接効果を推計するたことができたほか、既存の経済効果調査を元にした乗数と、オックスフォードエコノミクスとWTTCが持っている旅行・観光乗数を用いることで、各国ごとの展示会産業の経済効果全体を推計することができた。

経済効果の各指標

指標 推計方法とデータソース
直接支出(直接生産) 既存の経済効果調査
計量経済モデルを元にした推計値
正味の販売スペース(平方メートル) UFIが持っている既存データ
来場者総数 UFIが持っている既存データ
出展社総数 UFIが持っている既存データ
GDPに与える直接効果 直接支出(直接生産)の推計値
各国の統計部局から得た、経済全体とサービス産業の総生
産に関する経済データ
各国の統計部局から得た、経済全体とサービス産業の付加
価値に関する経済データ
直接雇用 既存の経済効果調査
計量経済モデルを元にした推計値
各国の統計部局から得た、経済全体の総生産に関   する経済データ
オックスフォードエコノミクスとWTTCから得た旅行・観
光に関するデータと乗数
経済効果、GDP、雇用の合計 既存の経済効果調査
オックスフォードエコノミクスとWTTCから得た旅行・観
光に関するデータと乗数

本調査の関連団体紹介

UFI
UFIは、世界の見本市主催者、展示会施設運営者、主要な国別・国際展示会協会、および展示会産業に協力する厳選されたパートナー企業によって構成される世界連合である。
UFIの主要な目標は、UFIに加盟するメンバー団体および展示会産業のさまざまな事業利益を示すとともに、それを促進し支援することである。UFIは現在、世界の展示会産業に従事する約5万人の従業員を直接代表しているだけでなく、UFIに加盟する52の国別および地域別展示会協会と密接に協働している。

オックスフォードエコノミクス
オックスフォードエコノミクスは、海外進出を目指す英国の企業・金融機関に経済予測とモデリングを提供することを目的に、オクスフォード大学ビジネスカレッジとの共同で1981年に設立された民間ベンチャーである。以来オクスフォードエコノミクスは、世界最先端の独立コンサルティング会社の1つとして、200の国、100の産業部門、3,000以上の都市に関する各種報告、予測、そして分析手段を提供している。
英国オクスフォードに本部を置くオックスフォードエコノミクスはまた、ロンドン、ニューヨーク、シンガポールの地域センターのほかに、世界各国に数多くの事務所を展開している。現在、130名は専門的なエコノミスト、産業専門家、および業界編集者を含む200名の常勤スタッフを擁するオクスフォードエコノミクスは、名実ともに、世界最大のマクロ経済と思考リーダーシップのスペシャリスト集団の1つといってよい。

SISO
現在、SISOには、対面型見本市、コンシューマーショー、博覧会、会議、催事を所有・実施し、またはそれらのための一貫サービス管理を提供する企業、機関、および営利団体が加盟している。そのメンバーは大手企業だけでなく、世界で事業を展開する中小のベンチャー企業など多彩である。
また、SISOに加盟するおよそ200の企業は毎年世界で数千のイベントを実施している。SISOの使命は、「加盟企業同士の連携機会、教育、産業情報、円滑な事業過程、イベント産業における最善実践例を提供することによって各加盟団体・企業の共通ニーズに応える」ことである。

UFI(国際見本市連盟)

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17, rue Louise Michel
92300 Levallois-Perret
France

T: +33 146 397 500 F:+33 146 397 501
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UFIアジア・太平洋地域事務所

Suite 4114, Hong Kong Plaza
188 Connaught Road West
Hong Kong, China

T: +852 2525 6129 F:+852 2525 6171
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UFI中東・アフリカ地域事務所

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田中力 MICE研究所

田中力 MICE 研究所 代表 展示会 イベントの集客は、来場者数、来場者の質、滞留時間という「集客3D理論」を展開。