Home » Column
展示会のブース企画方法#04 フレームワーク実践編③

展示会のブース企画方法#04 フレームワーク実践編③ »

19 6月, 2017

図1フレームワーク実践編③:4WS 台車

展示会のブース企画のフレームワークも第3回を迎えました。今回は工業製品を対象にしてみましょう。工業製品は製品・ソリューションの種類が多いため、この回だけで十把一絡げに説明しきることは難しいですが、ぜひ自社製品・技術・ソリューションに当てはめるとどうなるか?という視点でご覧頂ければと思います。

工業製品のケース まず、簡単にこのワークシートの振り返りをしてきましょう。「要素」はその商品全体を構成する部品、パーツ、素材、世界観など。「機能」は性能、効力、ベネフィットなど。「属性」はターゲット、商品名や商品コピー、想定ユーザー、製品が属する商品や業界ジャンルなどでしたね。今回のケースは展示商品が「4WS台車」です。4WS 台車をまず要素・機能・属性別に分類して書き出していくと、図1のようになりました。「要素」には、この台車が有する「回転半径が極小であることは、四輪操舵であるといった情報が記載されています。機能」には、鉄工所が開発しているが故のコストメリットや、4WS 台車を使用することで、工場の作業スペースをより小さく使用することができるといったメリットを抽出。補足解説を致しますと、2DS 台車が曲がって走行しようとする場合、直角に対して楕円を描いて走行するのに対し、4WSは直角に曲がることができます。これによって、作業スペースをより確保することができるワケです。「属性」情報は数を出すことができませんでしたが、このワークに取り組んだ担当者の方が、ワーク中にパッ!と頭に浮かんだ製品のキャッチコピー「四角くついていきます」を書き込みました。このコピーは工場内の効率的なスペース管理に悩んでいる企業担当者にとっては、ハッとさせる力があるかも知れません。こうして抽出、分類した情報から、最も際立たせる情報として、ここでは「回転半径が極小」、「作業スペースをより広く確保できる」という二つを選びました。際立たせる情報が決まれば、次に取り組むのは、どのようにして際立たせるかというメソッド選びです。今回のワークではこの製品の導入を検討する企業担当者が、男性が多く、ミニカーなどに熱中した世代と仮定して、こうした担当者が思わずブースでワクワクするような仕掛けを与えたいと、比較・実証メソッドに加えて、置換メソッドを採り入れました。具体的には、この企業が 3DSプリンターを活用しているという自社リソースを活用して、4WS台車と2DS台車のミニチュアをつくり、その走行性を箱庭のような工場セットを用意して、比較してみるというブース内の体験を企画されました。これは、仮ターゲットがミニカーなどが好きだったのではないか?という大胆な仮説から考え着いたアイデアだったのですが、トミカやラジコンなどに熱中した世代にとっては胸が熱くなるような体験を提供できるのではないでしょうか。ここで補足したいのは、このターゲットを仮設定したことで、台車のミニチュアをつくるというアイデアが生まれているので、「属性」情報にはターゲットを書き込んでおくと良いのですね。ターゲットは一種類である必要はなく、複数設定しても構いません。そのターゲットの書き方も、年齢、性別に止まらず、仕事上課題としているであろう事柄も書いていくと、さらにブース企画のアイデアが湧いてきます。さて、このブース企画。少し先ですが、2017年7月27日(木)に、株式会社宣伝会議で展示会出展に関する基礎知識や獲得した名刺への営業方法などを学べる一日集中講座「展示会出展実践講座」として開催されます。 ご興味があればぜひお越しください! https://www.sendenkaigi.com/class/detail/exhibition.php

前田考歩 株式会社フレイ・スリープロジェクトエディタープロジェクトマネージャー

▶︎展示会のブース企画方法#01 出展企画者あるある ▶︎展示会のブース企画方法#02 フレームワーク実践編① ▶︎展示会のブース企画方法#03 フレームワーク実践編② ▶︎展示会のブース企画方法#04 フレームワーク実践編③

展示会のブース企画方法#03 フレームワーク実践編②

展示会のブース企画方法#03 フレームワーク実践編② »

19 6月, 2017

フレームワーク実践編②:銅食器

前回、展示会のブース企画のフレームワークを、私が現在関わっている動画制作アプリ『1Roll(ワンロール)』を例にとって解説しました。このブース企画は展示会セミナーでワークショップ形式で行っており、今月からは業種別に実際にワークショップで出てきたブースアイデアを、企業名や商品情報が特定されない範囲内でご紹介します。このブース企画ワークショップは、これまで東京、大阪、岡山、和歌山、広島などで行ってきておりますが、製造業が盛んな地域もあれば、食料品が展示会で主力となる地域もあります。

食器ブランドの例 今日ご紹介するのは、とある素材メーカーがその製品加工技術を活かして始めた、食器ブランドのブース企画を例にとってみましょう。まず、簡単にこのワークシートの振り返りをしていきましょう。「要素」はその商品全体を構成する部品、パーツ、素材、世界観など。「機能」は性能、効力、ベネフィットなど。「属性」はターゲット、商品名や商品コピー、想定ユーザー、製品が属する商品や業界ジャンルなどでしたね。今回のケースは展示商品が「銅食器」です。銅食器をまず要素・機能・属性別に分類して書き出していくと、上のワークシートのようになりました。「要素」には、町工場が確かな技術を活かして、食器に転用していたり、特長的な槌目模様などの情報があります。食器の「機能」というと、スタックができる、耐熱性、割れにくいといった特徴が思い浮かびますが、この製品の場合は手入れがラクで且つ一生ものといった情報を抽出しました。「要素」については実際に導入実績があったという高級飲食店という情報や、個人で購入するのではなく、贈答品や記念品として購入されることを想定しています。こうして抽出、分類した情報から、どの情報を最も際立たせるかは、出展する展示会のテーマや来場者属性などによって異なってきますが、ここではシンプルに飲食店などの建築・設計を手掛ける企業や、調理機器などの卸、小売企業をターゲットと考えた結果、この銅食器はその見映えの特徴である「モダン風」と、「高級・こだわりのある飲食店」に使ってもらうことを想定して、この二つの情報を最も際立たせる情報として選びました。際立たせる情報が決まれば、それをどのようにして際立たせるかです。際立たせるメソッドには「比喩」、「置換」、「擬人」などがあり、ここでは「高級・こだわりのある飲食店」から連想して(イメージを膨らませて)、高級な天麩羅料理屋さんのようなお店をブース内に再現することを企画しました。高級な天麩羅屋さんで、きれいな檜のカウンター越しに職人さんが天麩羅を揚げるイメージがみなさんにもイメージできるのではないでしょうか?間接照明でにぶく光る銅食器。職人さんに扮したスタッフの方が黙々と作業していては営業になりませんが、割烹着を着た女性スタッフが適宜アテンドしてくれる絵が浮かびます。火気使用不可の会場では天麩羅をブース内で揚げることはできませんが、ブース来場者の方はカウンターにご案内して、お品書きの代わりに商品ラインナップなどをお見せしてはどうかと、このワークシートをお作りになった担当者の方の想像がどんどん膨らんでいくのが印象的でした。ブース入口にのれんをつけて呼び込みするというのも楽しいかも知れません(いちいち行うのは面倒かも知れませんが・・・)。実際にそうしたデザインをブース内に再現するのは難しいとお考えになるかも知れませんが、ブース全体とはいかなくとも、今回の例を取れば、料亭のカウンターの一部分を再現するだけでも、他の凡百のブースと差別化できるはずです。ただ、この時大事なのは、見た目だけをしつらえるのではなく、上述のように商品パンフレットをお品書き風にするなど、再現の規模は小さくても、細部にこだわることです。それがまた凡百のノベルティやチラシを超える効果を与えるのですから。

前田考歩 株式会社フレイ・スリープロジェクトエディタープロジェクトマネージャー

▶︎展示会のブース企画方法#01 出展企画者あるある ▶︎展示会のブース企画方法#02 フレームワーク実践編① ▶︎展示会のブース企画方法#03 フレームワーク実践編② ▶︎展示会のブース企画方法#04 フレームワーク実践編③

展示会のブース企画方法#02 フレームワーク実践編①

展示会のブース企画方法#02 フレームワーク実践編① »

16 6月, 2017

フレームワーク実践編①:アプリ

前回は展示会に出展するブースを企画するためのフレームワークを提示しましたが、今回はそのフレームワークを使ったブースの企画方法をお伝えします。ブースの企画には大きく、伝えたい情報を選ぶ「メッセージ」。その情報を際立たせるための「メソッド」。際立たせた情報を届けるための「メディア」を考える3つのステップを踏みます。 まず、<1.展示する商品、サービス>を決めましょう。展示会には多くの自社製品を出したくなる所ですが、ブース来場者に「体験を訴求する」ためにも、できれば展示製品は絞った方が良いでしょう。スペースが狭い場合はなおさらです。 展示品が決まったら、ブース内において展示品のどんな情報を際立たせるかを選ぶために、展示品の情報を、「要素」「機能」「属性」の3つの種類にバラします。「要素」はその商品全体を構成する部品、パーツ、素材、世界観など。「機能」は性能、効力、ベネフィットなど。「属性」はターゲット、商品名や商品コピー、想定ユーザー、製品が属する商品や業界ジャンルなどです。限られたスペース、限られたブース来場者との接触時間を考慮すれば、伝えるべき情報は絞りに絞り、それを際立たせなければいけない、というワケです。これを弊社の動画制作アプリ、「1Roll (ワンロール)」に当てはめたのが上のワークシートです。要素には、1Rollを構成する「絵コンテ」「テンプレート」「iPhoneアプリ」を使用することや、サービスの特徴でもある「動画制作ワークショップ」などの情報を書き込みました。機能には、映像制作経験がない人でもビジネスに使える動画が作成できること。アプリだけで撮影できるので、「早く」「簡単」なこと。価格情報なども書き込みます。属性には製品名やターゲット層(映像制作未経験者、初心者)などを書き込みました。このように、展示品の特徴や情報をできるだけ細かく、分類していきます。この作業を踏まえ、我々が展示会で最も強調したいのは、「動画制作ワークショップ」「早い」「簡単」「未経験者、初心者」にしようと決めました。 では際立たせる情報を選んだら、次にどのような方法でその情報を際立たせればよいでしょうか?ここではCM制作などにも使われる代表的なメソッドをご紹介します。「比喩」は情報を何かに例えること。「置換」は語り手の視点や時代、立場を置き換えること。「擬人」はキャラなどを使った擬人化。「比較」は自社の従来製品や他社製品との比較。「実証」は実際にブース来場者に触ったり動かしたりしてもらうこと。「誇張」は製品の機能を大げさに伝えることです。このメソッドを選択する時にポイントとなるのが、情報を際立たせるのと同時に、「どう届けるか?」というメディアを意識しながら考えることです。展示会のブースは大きく分類すれば、ブースという「場所」と、そこに立つ「人」、そこで使用する「道具、ツール」という3つのメディアで構成されます。際立たせたい情報を体験してもらい、プレゼンテーションするのに相応しい場所・人・道具を選ぶにあたり、最も簡単でかつ有効なのが、現実にその製品を使用する場所をブース内に再現することですが、それが難しい場合は、展示品から連想される情報を、何らかの場所や役職(役割、仕事)に見立てると良いアイデアが出てきます。1Rollで展示会に出展した時は、「動画制作ワークショップ」「早い」「簡単」「未経験者、初心者」を際立たせたい情報として選び、その情報を際立たせ、ブース来場者にその情報を体験してもらうために「、比喩」と「実証」のメソッドを使って、ブースを「撮影スタジオ」に見立て(※見立てるということが比喩メソッドです)、ブース来場者にカメラマンになりきってもらい、1Rollを使用して弊社が用意したモデルを撮影してもらうという体験を提供しました。 こうして周辺のブースが自社製品を事細かに説明するパネルなどを掲げる中、撮影スタジオという物珍しい空間を作った結果、撮影体験に順番待ちができるほどの賑わいを、ブース内で作ることに成功したのです。

前田考歩 株式会社フレイ・スリープロジェクトエディタープロジェクトマネージャー

▶︎展示会のブース企画方法#01 出展企画者あるある ▶︎展示会のブース企画方法#02 フレームワーク実践編① ▶︎展示会のブース企画方法#03 フレームワーク実践編② ▶︎展示会のブース企画方法#04 フレームワーク実践編③

展示会のブース企画方法#01 出展企画者あるある

展示会のブース企画方法#01 出展企画者あるある »

16 6月, 2017

次回から、3つのMで企画するフレームワークの使用方法と、実際にこのフレームワークを使用した業界、商品別のブース企画例を紹介していきます!

はじめまして、フレイ・スリーの前田です。ネット×リアルなデジタル広告会社でのクリエイティブ業務経験を元に、展示会の出展ブース企画の担当になった方に向けて、フレームワークを用いた情報編集術を紹介します。 第1回目は、展示会の出展って大変な作業ですよね、という出展企画担当者あるあるなお話です。なかでも、ブースに展示する商品を、いかに魅力的に配置し、来場者に興味を持ってもらえるような装飾を施し、気持ちよく名刺交換やアンケートに応じてくれるようにするのは、出展計画における最大の注力事項です。展示会の成果目標は、見込客獲得や新商品PRなど様々ですが、それを達成するにはまず自社ブースに入ってきてもらうことが必要ですよね。来場者に自社のブースに足を踏み入れてもらうには、どのようなブースをつくることができるかに懸かっています。しかし、出展すること自体の業務負荷や多忙さから、展示会主催会社がお勧めするスタンダードプランを安易に選んでしまってはいませんか?スタンダードプランというのは、必要最低限の展示のための設備でしかなく、当然ながら自社商品の展示に最適化されている訳ではありません。そこで、最初に提言したいのが、ブースでは、「自社製品の導入に効果のあった体験を再現しよう」ということです。数あるブース群から、来場者(ターゲット)に足を踏み入れてもらうため、届けたい展示商品の情報を取捨し、際立たせ、関心を持ってもらうため、わかりやすく届ける必要があります。それを行うためのフレームワークが上図です。

前田考歩 株式会社フレイ・スリープロジェクトエディタープロジェクトマネージャー プロジェクト運営に編集的な視点や技法を持ち込んだ「プロジェクトエディティング」を提唱。ブース企画・行動フロー、獲得した名刺のフォローなどを解説する『展示会戦』を全国で開催。2 人の娘をもつ父で、ブログ『育児のアーティファクト』も執筆している。

▶︎展示会のブース企画方法#01 出展企画者あるある ▶︎展示会のブース企画方法#02 フレームワーク実践編① ▶︎展示会のブース企画方法#03 フレームワーク実践編② ▶︎展示会のブース企画方法#04 フレームワーク実践編③

TECH番長が行く その2

TECH番長が行く その2 »

25 4月, 2017

EVENTTECH(2016/11/14~16@ラスベガス)に参加したのは、最新テクノロジーの情報や市場動向などのセッションを聞くという目的もありましたが、主眼に置いたのは、自分たちが使用するテクノロジーを仕入れに行くという、より弊社のビジネスに直結した目的でした。すでに弊社で取り扱う方向で動いているものがいくつかあります。1つは19号でも紹介されたリストバンド「KLIK(クリック)」です。受付でのチェックイン機能のほかに、バンドを名刺代わりにタッチしてクラウドサービスでその後やりとりしたり、発光するのを利用して光の演出で一体感を出せるもので、イベントに高揚感と“新しい感”が生まれます。EVENTTECHのアワード会場で偶然KLIKの担当者の隣になり、コレ良いよねって話していました。日本国内での本格的なサービスインに関しては、現在最終調整中ですが、近いうちに皆さんにも弊社サービスの一つとしてご紹介できることになろうかと思います。少し似たものかもしれませんが、決済機能付きリストバンド「グローネット」も導入予定です。物販をともなうイベントで課題となっている、現金収受の手間や実売データの取得を容易にするだけでなく、決済の簡易化により購買障壁がさがり売上向上にもつながると期待しています。過去の既存の製品・サービスなどよりも導入コストが圧倒的に低く、音楽フェスなどのイベントに導入できると思います。来場者の行動データをどのように取得するか、ということで赤外線や顔認証などさまざまな技術がありま すが、米国ではWi-Fiを使って置測定をすることも多いです。米国ではモバイル端末を会場などのWi-Fi端末に接続することに日本ほどの抵抗がないので、数年前から商業施設などでも実用化されています。日本ではWi-Fiに繋いでもらうためのキャンペーン的なしかけがどうしても必要かと思いますが、大規模な機器を使わずに屋内測位ができる手法なので、ビーコンなどと同様に一考の価値はあると考えています。技術的なことをいうと、たとえば「KLIK」はRFIDとLEDを組合せたものですし、分かりきってることですが、一つひとつの技術がとんでもなく新しいということではなく、複数の既存技術や、アイデア 組合せてイベントに活用するアイデアを実用的な価格に落としこんでいるところなどが、欧米でのイベントテクノロジーの先進性だと感じます。ユニークネスという意味では、日本のそれも世界的に見ると非常に特殊で、価値が高いのですが、雑な言い方ですが、そこは僕らでなくても、必ず近いタイミングで誰かが紹介するし、導入されます。だとしたら、僕らはもうちょっと違う場所と視点で、情報を集めていこうと思っています。いま注目しているのは、インタラクティブで五感に働きかけるテクノロジーです。人間の意思決定は最終的に五感に頼るもの。腹落ちという感覚がありますが、それをデジタル文脈と自然な形でマッチさせ、イベントなどのリアルフィールドで表現・再現できる手法を探しています。私たちが手がけるプロモーション領域では、“体験価値”に予算がつくようになっています。収益性の高い“体験価値 を利便性の高いテクノロジーでどう再現するか、現場に来れない人たちをどうやってその空気感など含めて、巻き込めるかという事も、これから必要になってくると思います。

株式会社フロンティアインターナショナル 第4営業本部 シニアプロデューサー WOMマーケティング協議会国際委員会委員長 山中 良悦さん

[TECH番長が行く]その2 海外で買い付ける

[TECH番長が行く]その2 海外で買い付ける »

EVENTTECH(2016/11/14~16@ラスベガス) に参加したのは、最新テクノロジーの情報や市場動向などのセッションを聞くという目的もありましたが、主眼に置いたのは、自分たちが使用するテクノロジーを仕入れに行くという、より当社のビジネスに直結した目的でした。

以前に参加したことのある現地友人の話や、事前に主催者にアプローチして出展企業や紹介するソリューションなどは調べていたので、現地では最新ではなくとも、日本マーケット向けには、目新しく、いいものが見つかるだろうというある程度の予測はありました。

すでに弊社で取り扱う方向で動いているものがいくつかあります。

1つは19号でも紹介されたリストバンド「KLIK(クリック)」です。

受付でのチェックイン機能のほかに、バンドを名刺代わりにタッチしてクラウドサービスでその後やりとりしたり、発光するのを利用して光の演出で一体感を出せるもので、イベントに高揚感と “新しい感”が生まれます。EVENTTECHのアワード会場で偶然KLIKの担当者の隣になり、コレ良いよねって話していました。

日本国内での本格的なサービスイン関しては、現在最終調整中ですが、近いうちに皆さんにも弊社サービスの一つとしてご紹介できることになろうかと思います。

少し似たものかもしれませんが、決済機能付きリストバンド「グローネット」も導入予定です。物販をともなうイベントで課題となっている、現金収受の手間や実売データの取得を容易にするだけでなく、決済の簡易化により購買障壁がさがり売上向上にもつながると期待しています。過去の既存の製品・サービスなどよりも導入コストが圧倒的に低く、音楽フェスなどのイベントに導入できると思います。

来場者の行動データをどのように取得するか、ということで赤外線や顔認証などさまざまな技術がありますが、米国ではWi-Fiを使って位置測定をすることも多いです。米国ではモバイル端末を会場などのWi-Fi端末に接続することに日本程の抵抗がないので、数年前から商業施設などでも実用化されています。日本ではWi-Fiに繋いでもらうためのキャンペーン的なしかけがどうしても必要かと思いますが、大規模な機器を使わずに屋内測位ができる手法なので、ビーコンなどと同様に一考の価値はあると考えています。

技術的なことをいうと、たとえば「KLIK」はRFIDとLEDを組合せたものですし、分かりきってることですが、一つひとつの技術がとんでもなく新しいということではなく、複数の既存技術や、アイデアを組合せてイベントに活用するアイデアを実用的な価格に落としこんでいるところなどが、欧米でのイベントテクノロジーの先進性だと感じます。ユニークネスという意味では、日本のそれも世界的に見ると非情に特殊で、価値が高いのですが、雑な言い方ですが、そこは僕らでなくても、必ず近いタイミングで誰かが紹介するし、導入されます。

だとしたら、僕らはもうちょっと違う場所と視点で、情報を集めていこうと思っています。

いま注目しているのは、インタラクティブで五感に働きかけるテクノロジーです。人間の意思決定は最終的に五感に頼るもの。腹落ちという感覚がありますが、それをデジタル文脈と自然な形でマッチさせ、イベントなどのリアルフィールドで表現・再現できる手法を探しています。私たちが手がけるプロモーション領域では、“体験価値”に予算がつくようになっています。収益性の高い“体験価値”を利便性の高いテクノロジーでどう再現するか、現場に来れない人たちをどうやってその空気感など含めて、巻き込めるかという事も、これから必要になってくると思います。

勉強会以上飲み会未満な理由 「GRANDKIRIN CRAFT BEER ROOM」

勉強会以上飲み会未満な理由 「GRANDKIRIN CRAFT BEER ROOM」 »

13 3月, 2017

キリンビールが開催する「GRANDKIRIN CRAFT BEER ROOM」は、クラフトビールが楽しめる無料テイスティングイベント。グランドキリンびあのわ会員が集まり、学び系セミナーというよりも、文化を体験するイベントにカジュアルダウンして、2月から場所も新たに行われている。

イベントを企画したのは、グランドキリンの商品開発からコミュニケーションプランまで担当する白石大悟さん。白石さんはイベントで講師も務め、自らクラフトビールの伝道師役となっ ている。 「 きっかけは『日常でどのようにクラフトビールを楽しんでよいかわからない』という声でした」(白石さん)

グランドキリンは料飲店での扱いが少なく、コンビニなどの店頭でクラフトビールの楽しみ方を知ってもらうには限界がある。また、個性的な味のため、予備知識がないと好みでない味を選んでしまい失敗することもあるという。

「 楽しみ方を知る機会を提供したい」という理由と、「ジョッキでビールを飲むのが主流の日本のビール文化を、おうちでクラフトビールにシフトするには、実体験による驚きや発見を通して“ おもしろい”と思ってもらうことが必要」だと感じ、コミュニケーションプランに体験コンテンツのイベントをプラス。昨年からイベントを30 回以上開催し、30 〜50 人程度のセミナー型だったものを、現在はより距離が近く、密にコミュニケーションがとれるスタイルに近づけた。 2月8日に代官山で行われた「GRAND KIRIN CRAFT BEERROOM」には、20 名が参加。白石さんは、グランドキリンのラベルに描かれた醸造家の謎から、ビアスタイルの選び方のポイント、一般的なビールとの工程の違いを実験も織り交ぜて話す。また、シュピゲラウのクラフトビール専用グラスが用意され、動画付きのセミナーでの比較試飲体験、100 種類以上あると言われるスタイル分類の解説をしながら6種類の試飲体験など、濃厚な内容だ。「このイベントを通じて、少しでもクラフトビールを理解していただき、日常でも楽しんでいただくことで、生活を豊かにしてほしい」という想いが込められていた。

驚きと発見、知識と体験が詰まったイベントだけれど、難しい顔をした人のいないイベントだった。

 

「GRAND KIRIN CRAFT BEER ROOM」 Photo: Yuma Totsuka

【第9回】既存顧客を守るのに展示会は必要か?  B to B マーケター庭山一郎から見た 展示会エトセトラ

【第9回】既存顧客を守るのに展示会は必要か?  B to B マーケター庭山一郎から見た 展示会エトセトラ »

29 1月, 2017

展示会に出展していない企業の方と話していると、その理由をこう説明してくれます。

「ウチはニッチな仕事なので新規取引ってほとんど無いのですよ。売り上げも既存顧客からが毎年90% 以上になります。既存顧客には営業や代理店がしっかり付いていますから、展示会には出ません」

でも、この考え方だと既存顧客を守れないかも知れません。

ABM という言葉をご存じでしょうか?マーケティングの先進国である米国で2012 年頃から普及し、今では大きなムーブメントになっているマーケティングの概念で、別の言い方をすれば、「営業視点で再設計されたマーケティング」と言うこともできます。このABM は既存顧客からの売り上げを最大化するという特徴を持っています。

ターゲット企業の中でメールや電話、対面などでコンタクトできる人間をコンタクトポイントと呼びます。存在は知っていても会ったことがない、メールアドレスを知らない、という人はコンタクトポイントではありません。情報を送ることが出来る、つまりコミュニケーション可能な人間だけをこう呼びます。

既存顧客を「点」ではなく「面」で守るにはこのコンタクトポイントの数が重要な要素になります。

「既存顧客は担当営業や代理店がしっかりフォローしています」もよく聞く説明ですが、毎週顧客企業を訪問している営業でも、訪問するのは同じ部署で会うのは同じ人、というケースが圧倒的です。つまりグリップしているように見えても「点」でしか繋がっていないのです。

この問題に対する答えは、その顧客企業内のコンタクトポイントを増やすことで、営業個人の「点」でも、部署としての「線」でもなく、企業全体の「面」で関係を再構築することです。これが、既存顧客からの売り上げの最大化を目指す最適な方法であり、ABM なのです。顧客企業内の営業が訪問していない事業所や部署でのコンタクトポイントを増やすために、私は展示会を積極的に活用することを提案しています。工業用ロボットの設計者が集まる展示会、IoT の研究開発部門の人が集まる展示会、物流企業の情報システム部門の人が集まる展示会、そうした顧客内の他部署のコンタクトポイントを増やすために、展示会は非常に重要な意味を持つと考えています。

個人に依存した「点と点」の関係より、複数の部署に対して、多くの製品やサービスによって「面」で繋がる方が顧客を守れるのは言うまでもありません。

【第6回】お礼メールは必要か?? B to B マーケター庭山一郎から見た 展示会エトセトラ

【第6回】お礼メールは必要か?? B to B マーケター庭山一郎から見た 展示会エトセトラ »

29 1月, 2017

今回は展示会後のお礼メールについて書こうと思います。

展示会に出展する企業が当たり前のように行っていることを「見直してください」と提案することがあります。

例えば当社のクライアントはほとんどアンケートをとりません。理由は簡単で人はアンケートが嫌いだからです。展示会場でアンケート用紙を見せただけでさっと逃げられる経験をした人は多いと思います。嫌いなものをとろうとするから数が少なくなります。もしアンケートをとらなければ名刺は20 倍も30 倍も収集できたはずです。

しかも、そんなに苦労して収集したアンケートを営業や販売代理店は大して重視しません。彼らは気分で左右されるアンケート項目よりも、名刺に記載してある「どんな企業なのか?」「どんな部署なのか?」「どのクラスの役職なのか?」という情報の方が重要なのを知っているのです。

さらに私は当社のクライアントに、展示会後の「お礼メールを出すのを止めましょう」と提案しています。

私は、長年にわたって顧客データとそこに飛び交う情報のトラフィックを見てきました。大規模な展示会が開催されたおよそ1 週間後から10 日後に、この「お礼メール配信ラッシュ」が始まります。出展企業が来場者に一斉にお礼メールの配信を始めるのです。多い時は2 週間で数百万通のお礼メールが配信されます。それはまるでサンゴ礁の産卵のようです。そして、これが大量の「配信拒否」を生み出すのです。

多くの出展企業が来場者に対して一斉にお礼メールの配信を始めた結果、来場者のメールアドレスに山のようなお礼メールが届くことになり、うんざりした人はどんどん配信拒否をします。今の日本の法律では「配信拒否」をされた人にはもうメールを送ることは出来ません。セミナー案内も新製品情報も、サポート情報すら送れないので、捨てるしかなくなってしまいます。

そんなリスクを抱えたお礼メールですが、実は必要性もメリットもほとんどありません。

私は「せっかくブースに立ち寄ってあげたのに、なんて礼儀知らずな会社だ!」と怒っている人を見たことがありません。

そして前回説明したように、もしその会社がCPL(Cost Per Lead)10,000 円/ @ で名刺を1000 枚収集したとして、お礼メールに対して20% の配信拒否がくれば、その瞬間200 万円をゴミ箱に捨てたことになるのです。

多くの企業では「お礼メール」は「展示会出展の一区切り」という程度の意味しかありませんが、そんな軽い気持ちで不用意に配信した結果、実は数百万円の損失を招いているかもしれません。