Home » Interview (Page 6)
人形師 山本由也さん〜失われた気配を、五感を研ぎ澄まして感じる

人形師 山本由也さん〜失われた気配を、五感を研ぎ澄まして感じる »

 

「月刊イベントマーケティング」04号 インタビュー

人形師 山本 由也 さん

人形師として、生身の人間では表現できない世界をつくり出す山本由也さん。人形を はじめ、ストーリーや舞台美術に至るまですべてがオリジナルでゼロから生み出してい る。人形の後ろで山本さんが操作をする出遣いという手法であっても、みていると自然 と山本さんの存在は消え、人形がまるで役者として生きているよう。どうしてこのような 表現が可能なのだろうか。

――人形師として活躍されていますが、人形劇に興味を持たれたきっかけ、原体験は

山本 高校時代に、NHK の人形劇で辻村ジュ サブローさんの「南総里見八犬伝」を観て、 人形劇に、子供向けではなく大人に通用する世 界も有るんだと思い、興味をもったのがきっか けです。自分もつくってみたいし、演ってみた いと高校を卒業してそのまま劇団を紹介しても らって、大学には入らずに入団しました。

――どのようにキャリアを積まれ、独立されたんでしょうか

山本 高校卒業後にすぐ入った劇団では下から操るスタイルの棒遣いの経験を積み、その後、日本の伝統的な糸操り人形の劇団、東京都無 形文化財の竹田人形座に入りました。竹田人 形座では、操演と人形製作を学びました。 しかし、自分の中で手法が棒遣いや糸操り だけでは、どうしても表現の限界が出てきまし た。もっと人形で自分なりの自由な表現をした いという欲求が募り、演目から人形作りまでオ リジナルなもので表現するために、劇団かわせ み座を 1982 年に創立。33 年になります。

――ストーリー自体も創作される事が多いです ね

山本  ほとんどが原作のない作品です。やはり小説や本になっていると、原作を読んだ個々の 読者のイメージが強いですよね、私は、読者の イメージのほうが優れていると思っているので、 原作のないオリジナル作品をおみせしています。

また、人形は美術・デザイン・構造・操作方 法もオリジナル。すべてゼロから作り上げ、一体一体その人形にふさわしい材料を探し、動き に合わせた機構を考えて、100 以上のパーツで 組み立て、調整をしながら半年前後かけて創 作します。毎回、完成した人形だけのオリジナ ルな人形操作の練習を積んで初めて、役者としての人形が生まれるのです。

――本日、稽古をされていた「まほろばのこだま」もそうですが、実在するものではない題材が多いのはなぜでしょうか

山本  実在しないものや、架空のものをとい うよりはアニミズム的なものの見方をしたいの で、森羅万象… 基本的に、生物・無機物を問わないすべてのものの中に精霊が宿っているという考え方が好きだし、作品に活かしたいと 思っています。 また、人間が演じる役をわざわざ人形でやる 必要もないと思っています。人形だからこそ、 人形でないと表現できない舞台作品を心掛け ています。

――稽古のワンシーンでは、人形だけでなく 俳優さんも一緒に共演され、人形の向きが少し変わっただけで、「すごく視線を感じて怖い」と話されているのが印象深かったです

 山本  稽古していた「まほろばのこだま」は、ジブリの高畑勲さんが演出してくださった作品で、「日本の精霊たちをモチーフに、それを一つの作品としてつなげていくためには、人間の存在なり、同じ場所に住んでいる生き物を登場させていくべきだ」と仰っています。ですから、

人形と俳優が舞台に共存する形をとっていま す。人間の代表として童を登場させ、座敷童子 は「一緒にあやとりやお手玉をしたい」、「友達 になりたい」と思って関わろうとするけど、人 間の童からは見えない。結局、存在に気づいて もらえず、闇にすーっと消えていく… ちょっと 切ない感じを、人が入ることでより一層伝える ことができるようになりました。こうした雰囲 気を一貫してもっているような作品なんです。

――どんなメッセージをこめていらっしゃるん でしょうか

山本  気配を感じることの必要性ですね。そろ そろ雨が降りそうだとか、季節が変わったとか、視覚的なものだけではなく、いろんなものの気配を五感を研ぎ澄まして感じる事は、すごく大切だと思うし、そうすることで自然を大切にしなければいけない、ものを敬っていなかければいけない…という思いにつながっていくと思います。

――それをあえて言葉で伝えず、気配だったり、動きだったりで伝えていらっしゃる

山本  やっぱり言葉というのは、人間の芝居で 使うもの。人形が表現する場合は、言葉を使 わず人形たちの表現だけで伝えたいと思うんで す。それが私自身が描く人形劇の本質だと考え ています。

人形師 山本由也 「劇人形作品展」

山本由也さんが制作した人形約 30 点を展示。 多彩なゲストと人形とのコラボレーションラ イブも 16 ステージ開催する。 ■会期:11 月 17 日 ( 火 ) 〜

オラクル クリス・リンチ 氏 ~日本のマーケティングにイノベーションが起きはじめている

オラクル クリス・リンチ 氏 ~日本のマーケティングにイノベーションが起きはじめている »

日本のマーケティングにイノベーションが起きはじめている

クリス・リンチ 氏 オラクルコーポレーション オラクルマーケティングクラウド プロダクト・マーケティング統括シニアディレクター

 

8月20日、「Modern Marketing Tour 東京」のため、米国サンフランシスコから来日したクリス・リンチさん。「先取りしたいマーケターのビジョン」と題し、オラクルマーケティングクラウドについてのプレゼンを行えることに、ワクワクしているとイベント直前のインタビューで語ってくれた。マーケティング戦略の基盤技術を使って、どのような未来が拓けるのだろうか。

 

――今回の来日のミッションは

クリス オラクルマーケティングクラウドが日本市場でどれくらい成長しているのかを確認しに来ました。また、コンセプトを伝えるのが私の使命です。マーケターの皆さんがオラクルマーケティングクラウドを使うことで、企業価値にどういう貢献ができるのか、「Modern Marketing Tour 東京」でイメージしていただきたいと思っています。

――オラクルマーケティングクラウドのコンセプトとは

クリス 主に4つの効果をもたらします。

第一に、マーケターの皆さんには、いろいろなデータが存在しますが、それをつなげていくことで効果的に消費者の皆さまやお客さまに対してデータを展開していくことができます。たとえば、顧客関係管理(CRM)や、購入履歴に関連するデータ、イベントに関連するデータなど、お客さま一人ひとりの行動パターンに関連するさまざまなデータソースをつなげていくことが目的です。

第二に、いろいろな体験があると思うのですが、そこをコーディネートしていくという役割です。マーケターは、お客さまに対して多様なチャネル、たとえばイベントやメール、オウンドメディア、広告などを用いていると思うのですが、それを一元化されたキャンバス――白紙のような画面、をハブのような形で使用していただき、非常にシンプルな形式で体験の場を創造することができます。

第三に、お客さまのエンゲージメントをさらに醸成していきます。どう行っているのかというと、どんなやり取りがマーケターとお客さまの間で取り交わされているのかというのをよく耳を澄ませて聞いています。あらゆるチャネルにおいて、どのようなやり取りがなされているのかリスニングしているのです。たとえばソーシャルメディアのチャネルではどのような対話が行われているかなど、こうしたものに基づいてコンテンツをつくりあげていくということが目的の一つになります。

第四には、いま世の中にはさまざまなマーケティングに関する技術というものが存在しています。われわれがオラクルとして果たしていきたい役割というのが、オープンプラットフォームを展開することで、イノベーションを実現していただけるようにしていくことです。マーケティングのデータやアプリケーションなどさまざまありますけれど、それをオラクルマーケティングクラウドという環境のもとでマーケターの皆さんにお使いいただけるように提供していきます。

――MA の存在によって、イベントの成果の見える化が期待されます

クリス オラクルマーケティングクラウドには、独自性があります。オフラインとオンラインのさまざまな行動をつなげていくというところです。BtoB ビジネスのお客さまにとって、オンラインの事象は重要なデータだと思いますが、オラクルマーケティングクラウドのなかで MA をデザインすることでオフラインのデータを取り込んでいき、後々オンラインにつなげて市場をつくっていくことに活用できるのが魅力になっていくと思います。(詳細は本紙 02 号 6p「イベントと販促をつなぐ MA」参照)

――「Modern Marketing Tour 東京」は、オラクルマーケティングクラウドローンチ後の2回目のイベント開催になるわけですが、イベントというチャネルの重要性をどのように捉えていらっしゃいますか

クリス イベントは、その市場、あるいはその市場にいらっしゃるお客さまと対話ができる機会と思っています。今回、「Modern Marketing Tour 東京」を通じて日本の市場との対話にワクワクしている理由の一つには、日本のマーケティング市場にイノベーションが起きはじめていることです。その基盤となるような技術を提供させていただくことで、イノベーションをもっと進化させていけるのではないかと想像すると、とてもうれしく思います。ただ、われわれが提供できるのは、あくまでも基盤の部分です。各マーケターの皆さんがご自身の能力を加えていただくことで各社におけるマーケティングというものが重要な戦略として機能していくように使っていただけると思っています。

また、イベントでは、私どもからの一方的な情報提供だけでなく、参加者の皆さんからの話を伺うことによって学ぶことがたくさんありますので、楽しみにしています。私のように海外から来ても、市場特有の情報や、要望を自分の耳で吸い上げることがむずかしいのですが、こうしてイベントをすることでわれわれの戦略も固めていけますし、現実的なもの、皆さんの市場に合ったものに落とし込めますから、イベントはそういった意味でもすばらしい機会だと思っています

Innovator #2 ロボット+人間=最高のロボてなし フューブライト・コミュニケーションズ

Innovator #2 ロボット+人間=最高のロボてなし フューブライト・コミュニケーションズ »

Innovator #2 ロボット+人間=最高のロボてなし フューブライト・コミュニケーションズ株式会社

居山 俊治 さん   代表取締役社長(写真中央) 吉村 英樹 さん   取締役 (写真左) 近藤 幸一 さん サービス企画部長(写真右)

7月 24 日、インバウンド外国人観光客・国内観光客向けに Pepperを活用した「ロボてなし」をリリースしたフューブライト・コミュニケーションズ。

Pepper アプリ開発をする同社では、もともと医療介護を主軸として脳トレクイズや歌、エクササイズなどレクリエーションアプリのノウハウを蓄積してきた。

「ロボットが家庭に入ってくるという状況は、日本が先行しています。コミュニケーション型の Pepper はサイズ感と愛嬌で介護施設での反応もよく、今後高齢者家庭に余地があるでしょう。それと、いま向いているのが観光です」と居山代表は話す。

Pepper の表現プログラミングを担当する近藤さんは、Pepper の集客力を傍で感じてきたこと、事務所近くの爆買いストリートのようすを間近で感じ、2020 東京オリンピック・パラリンピックに向けニーズのある分野だと、観光大使として「ロボてなし」を開発したと続ける。

「ロボてなし」では、ビーコンと連携することで、国籍などのユーザー情報をスマホ・タブレットから受信し多言語対応(英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語)ができる。専用アプリから観光案内やクーポンを受け取るだけでなく、個別の質問には、多言語コールセンターへ Pepper が電話接続してくれる。

「ロボットは不眠不休で活動でき、クラウドを活用した情報リソースの活用など能力と可能性がある反面プログラミングされたことしかできません。そして、人間は稼働時間が限られ、同一のサービスを提供するにはある程度の教育時間が必要ですが、臨機応変に対応できるノウハウや気配りがあります」と、ロボットならではの「おもてなし」の提供を追求している。

観光シーンだけなく、集客力を活かして展示会での誘客や声がけ、ユーザーを招いた企業イベントなどですでに稼働中。「『ツーリズムEXPO』では自社ブースで誘客・デモ・接客にと大活躍です」と広報担当の吉村さんは、活用シーンの可能性は広いと話す。

これから地域のコンテンツ開発、伝統芸能とのコラボと意欲的だ。

Pepper があなたの町を紹介する