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    映像ある空間創出へ 〜 タケナカ・シンユニティグループ内覧会 »

    1 11月, 2018

    8月7日から3日間、映像制作のタケナカや空間演出のシンユニティなどが属するシンユニティグループの大阪本社3フロアと屋上を使って内覧会「SPARK」が開催された。同グループの内覧会は3年ぶりで、映像制作から映像を中心とした空間づくりへシフトしつつある同社の“いま”が見られた。

    会場内はさまざまなタイプのLEDやプロジェクター、ディスプレイなどの映像機器が展示されていたが、いずれも機器や映像演出の展示ではなく、空間のなかでどのように映像を組み込むかが提案されていた。

    入口近くにはLEDディスプレイ最新映像機器コーナーとなっていて、カーブやシースルー、ボックス型、ポスター型のなど多様なLEDでステージを構成。ポスター型では2.6mmからmmまで、ピッチ比較も行っていた。また、その側では、ホロキューブ、フレキシブルLED、水中LED、壁掛けLEDなど、ちょっと変わった映像ソリューションも展示。

     

    またラスベガスの映像機器展示会「Infocomm」で今年の話題となっていたプロペラ式ホログラムLEDも展示。12台連携でさまざまな映像を映し出していた。以前からあったの数文字のメッセージを映し出すものに比べて、格段に解像度や色再現性も高くなっており、ホログラムの名前にふさわしく、立体的で豊かな表現力は今後さまざまな活用ができそうだ。

    また順路案内に映像空間演出向けプロジェクターのEPSON Light Scene EV-100を利用するなど、さりげなく映像の新しい活用方法を提案していた。

    また2階フロアでは、リアルタイムのHD映像配信やUSTREAMなど公共配信にも対応する「Weppliタケナカ中継サービス」やiPadアンケートシステム、イベント抽選システムなどタケナカプロダクツやBluetooth Low Energyのシステム研究開発を行うタスクサービス社の展示も行われていた。

    映像作品の印象が強いシンユニティグループだが、学会運営などでの音響も手がけており、今回はDugan Automixer+ Dugan Speechのデモンストレーションが注目を集めていた。ノイズを防ぐだけでなく、複数の会議参加者の発言の総音量を規制し各マイクの音量を自動調整もできる。ハウリングを防いだり、音量のアンバランスを自動修正する。設定によってはモデレーターの発言を優先的に拾ったりすることもでき、聞きやすい音響づくりをソフトウェアで自動的に編集できる。

    お部屋マッパーは一つのプロジェクターで部屋の床や天井、四方の壁に映し出すもの。曲面レンズと鏡を使ったもので、映像の大きな歪みをつくりだしており、高精細で高輝度なプロジェクターがあってこそ実現するしくみだ。また、スクリーンのほぼ真横からプロジェクター2台で投射することで、スクリーン前に人がたっても投影ができるセッティングなどさまざまな実験的な映像演出が行われた。

    3階には、メディアインタラクティブコーナーとして、ハローモニタン、AIGA、VR-Treasure−Treck-、MITENE、HACOBUNE、音足す大阪ver.、Photo+4K、ウゴクトなどが設置されていた。屋上は屋外型LED、AirsPORT、M6ペリメーター型、M6ビジョン型など屋外対応LEDが展示されていた。

    そして今回の内覧会の目玉はデジタルプレゼンテーションステージ。

    キューブ型LED、高精細カーブLEDといった演出機器に加え、ビューポイントからの見え方を空間デザインに取り入れるビジュアルイルミネーション、リアルタイム自動追従システム、位置や回転情報のデータをリアルタイムに取得するBLACKTRAXなどを組み合わせて、演者と映像をリアルタイムに調和させるステージをつくる。なかでもステージの存在感を高めているのが、Holo Vale(ホロベール)だ。奥の景色がそのまま見える透過性が高いスクリーンで、映し出した映像が浮き上がっているような演出ができる。演者はスクリーンの間近まで近づけるなど狭い場所でもダイナミックなパフォーマンと映像が融合できる。プレゼンテーションでは、ライブ・コンベンション・表彰式などさまざまなシーンを提案。元劇団員だという社員さんと、それに感化された(?)演技経験のない社員さんも、ライブステージの提案ではノリノリでダンスも披露していた。布製のスクリーンをパトン等で円形などに設置することで、狭い場所でもパフォーマンススペースを大きく確保できること、場所を選ばず簡単に設営ができるといったメリットもある。

    商談席にもテーブルマッピングが施されるなど、本社社屋の3フロアのどこをとっても映像演出が散りばめられた空間をつくりだしていた。内覧会場の扉をあけると、そこには映像と空間の未来の姿があった。

    いいアイデアを生む環境づくりとは〜赤坂インターシティコンファレンス1周年記念イベント

    いいアイデアを生む環境づくりとは〜赤坂インターシティコンファレンス1周年記念イベント »

    18 10月, 2018

    9月28日、赤坂インターシティコンファレンスの1周年記念イベントとしてセミナー「いいアイデアはいい環境から生まれる × 働き方改革」が開催された。

    ワークプレイスデザインを手がける企業やオフィスデザインの変革を社内で進めた総務担当者などが、それぞれの取組みや成果を明らかにした。

    メイン会場となったthe Amphitheaterは、登壇者と投影したプレゼン映像が見やすい扇形で階段状の座席が特徴。ビジュアルを利用するプレゼンテーションに対応するべく、通常のスクリーンと映像を2面投影できるガラススクリーンを備えており、上手下手に2人の登壇者が配置して掛け合いもできるたてつけとなっていた。

    また、メイン会場に入りきらなかった参加者のために、別会場でパブリックビューイングを実施されていた。映像機器により、さまざまな演出・イベント運営の可能性が感じられた。

    ロビーでは、登壇者の企業ブースが設置されており、休憩時間に、セミナーの内容についての質問や、商品・サービスについて話を聞く参加者が多数集まっていた。

      

     

    セッション1 「海外オフィス環境のトレンド」

    コクヨ(株)ワークスタイル研究所リサーチャーの田中康寛氏と日本スチールケース(株)代表取締役の大野計一氏が登壇した。

    田中氏は、イノベーションについて、異分野の技術をつなぎ新しい価値を生み出すこととし、日本は基礎研究は強いが応用に弱くイノベーション力が低下していることをあげ、日本人の生産性が20年の間横ばいであることに繋がっていると分析。

    オフィスのしくみで、異分野が融合しイノベーションを起きやすい出会いを創出すること、オフィスの機能で個性を尊重した活動を支援し個人のパフォーマンス向上を目指しているという。イノベーションに不可欠な出会いを創出するために、多様な空間づくり、食事をともにする空間、手触り感など移動と交流を促す具体的な手法も説明した。オフィスを「行かなきゃ」から「行きたい」に変える環境づくりを進めているという。

    大野氏は、働き方改革は高コスト化の方向ではなく、効率・生産性向上、モチベーション向上などなど企業にもメリットを生むことを考えるべきとの考えをのべた。そのなかで、スチールケース社がオフィスに対するリサーチに多くの費用をかけていることに言及。グローバル展開のなかで、文化や価値観とオフィスユーザーの満足度の相関性の調査を行っている。

    また欧米のプロジェクトの進め方として、システム開発と同じようにアジャイル化しているとトレンドを説明。一つのプロジェクトで、拡散と収束のPDCAサイクルの高速化のために、働き方もアイデア出し(拡散)、決定、会議後のまとめ、集中して作業といった、多様な働き方に柔軟に対応するワークプレイスが求められていると語った。

     

     

    セッション2 「最新オフィスの実例」

    グラクソ・スミスクライン(株)人材・総務マネージャー長坂将光氏、新日鉄興和不動産(株)総務本部総務部長鶴田悟氏、(株) Phone Appli営業本部マーケティング部部長北村隆博氏、(株)オカムラ首都圏営業本部赤坂支店支店長の田口義規氏の順で発表があった。

    長坂氏は、少子高齢化と薬価引下げという製薬会社を取り巻く環境の中で、十分な研究費用を得るための生産性向上と、オフィス移転と職場環境の改善を目標として掲げたという。

    オフィス移転の趣旨をワーカーに浸透させるためのチェンジ・マネジメントとして、ニュースレターの配信から、情報共有のワークショップ、移転のためのタスクの明示、役職ごとにわけた勉強会、他オフィスの見学会など、さまざまなイベントを行い、細かなコミュニケーションを行った。そうして、オフィスの満足度78%(63%向上)、生産性43分向上、紙の利用を85%削減など、オフィス環境改善が業務効率向上に結びついた結果を発表した。

    鶴田氏は、高機能な物件をテナントに提供し、自社オフィスはコストを抑えることが多い不動産会社のなかで、自社の成長速度向上のために本社移転を行ない、フロアを集約し風通しの良い職場環境をつくったという。

    新オフィスのコンセプトMOVEについて、見える、知る、出会う、話す、交わるという意味をあててオフィスを設計。フリーアドレスの導入のほか、不透明なパーティションを撤廃し、役員室もガラス張りに。オープンでフラットな組織を目指す島型対抗から千鳥型の不規則のレイアウト。

    ビルの構造上、端にレイアウトすることが効率的な食堂を、オフィス中央にもうけランチタイム以外も利用可能にして交流を促す、フロアを1本のループでつなぎさまざまなテーブルを置き出会いを創出する。といったさまざまな工夫を紹介した。またオフィスサービスセンターを設置し、付帯業務を集約するなど、オフィスレイアウト以外にも生産性向上を支援する工夫も導入した。

    北村氏は、Collaboration and Meeting Placeと定義づけた自社オフィスについて、コミュニケーション改革企業No.1になるという“Vision”、カスタマーサクセスとともに自社の働き方改革・幸福を目指す“Value”と、顧客の前に自社で働き方改革を行う”Methods”,プログラマーの採用困難やミドルマネージャーの不足といった障害”Obstacles”、残業を減らす、One on One ミーティングの実施、産業時間の削減という”Mesurement”という「V2MOM」を掲げて推進したことを説明した。

    田口氏の発表では、働き方改革の方向性として、ルーチンワークを効率化して新しいことにチャレンジする業務に時間を使うワークスタイルの実現とした。そのために、「運用・制度」 「ICT活用」 「場と環境」の3本柱で進めているという。同社の働き方改革を「WiL-BE」名付け、多様な働き方の選択を推進するワークライフバランス推進委員会、どこでもワークや生産性向上を行う業務改善、「働き方カエル!プロジェクト」、「ソダテルプロジェクト」、「Bootcamp」、「健康経営推進委員会」の取組みを説明した。

    その検証を行うライブオフィスとして赤坂インターシティAir内に設置された「CO-Do LABO」の詳細についても説明した。

     

    セッション3 「今までのオフィスとこれからのオフィス ― 働き方改革に必要なもの (現場編) ―」

     総務・働き方改革コンサルタントの髙山源一氏は、1981年から他に先駆けてフレックスワークを導入した日本ヒューレッドパッカード(以下HP)で長年にわたり総務部門で勤務した経験から、同社の先進的な取組みや、外資系企業との比較からみた日本企業の働き方改革の課題について解説した。

    高山氏(高は”はしごだか”)によると働き方改革における根本的なポイントは、性善説か性悪説かということ。HPは創業以来、「すべての人は、良い仕事、創造的な仕事をしたいと思っている。企業はそれが実現できる環境を用意すればいい」という性善説をとっているという。社員を管理するのではなく、自由と教育によって成果を導くという考え方が働き方改革には欠かせないと、経営層の意識改革の必要性を語った。

    また、ITや通信環境の発展により、リアルとバーチャルの境目がなくなっており、時間・空間・デバイスに依存しない環境づくり、フリーアドレスの浸透の方法、オープンスペースにおいて機密性を保持するサウンドマスク、月間制フレックスの推奨など働き方改革を実現する具体的なアドバイスも行った。

     

    ネットワーキング 「働き方改革ケータリング」

    すべてのセッションの終了後は、ネットワーキングを実施。 会場には、働き方改革をテーマにしたケータリングメニューが用意された。 ライフワークをデザインするケータリングとして、絵の具とパレットをモチーフにした、「パレットグッシーニサーモンムースのペイント」や、変化を恐れず挑戦するワクワク感として提供された「ミントエスプーマのティーモヒート」など、オリジナリティに溢れた料理や飲み物、イメージを具体化したデコレーションなど、独創的なアイデアに参加者が刺激を受けている姿が印象的だった。

      

     

      

    [No Mapsレポート]2045年:人工知能の旅

    [No Mapsレポート]2045年:人工知能の旅 »

    19 12月, 2016

    10月10日から始まったNo Maps。チカホ空間にはブースが開設され、地上では市内観光用人力車にロゴがプリントされるなど、街はNo Maps 一色に染まっています。さらに専用アプリによる「No Maps GO!」が登場。位置情報やアクセス時間をもとに、近くで開催されているプログラムを伝えたり、街中に設置したビーコンからプッシュ通知を受信して、最新の情報を得ることができる。

     

    No Maps は10月16日(日)に、「2045年:人工知能の旅」と題し、有識者による基調講演およびパネルディスカッションをわくわくホリデーホール開催。人工知能の現状や方向性、生活へのかかわり、ビジネスに結び付けるための方策などが発表された。世の中を便利に変えるテクノロジーは、どのように生まれるのか。それを聞ける貴重な機会である。

     

    北海道において人工知能をビジネスに結び付けるためには

     

    松原 仁氏 (公立はこだて未来大学 教授)がモデレーターを務め、伊藤 博之氏 (クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 代表取締役)、岡田 陽介氏 (株式会社ABEJA 代表取締役社長 CEO)、川村 秀憲氏 (北海道大学 教授)、山川 宏氏 (株式会社ドワンゴ ドワンゴ人工知能研究所/NPO法人 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)、米倉 千貴氏 (株式会社オルツ 代表取締役)がパネラーを務め、自社の取り組みや大学での研究を発表、人工知能をビジネスに結び付けるためのセッションが交わされた。

     

    松原 仁氏は、「農業、酪農、水産、観光、北海道の基幹産業はまだアナログな部分が多く、人工知能が活用できる余地が多いという。例えば搾乳するためには出産をさせる必要があるが、数多くの牛の中から人工授精のタイミングを見分けるのは難しい。もし人工知能によって飼育している牛のデータを管理でき、それがモバイルで場所を選ばずに確認できたのなら、効率的に搾乳できるだけでなく、病気にも早く対応できる」と力説。

     

    最後に「他を追従するのではなく独自のビジネスモデルで、新しい可能性にチャレンジしていければいいと思う」と結び、大きな拍手に包まれてディスカッションが終了した。

     

     

     

    人工知能ビジネスの展望

    パネルディスカッション終了後、人工知能ビジネスの展望についてNo Maps実行委員長の伊藤 博之氏にコメント。

    「今日のコンベンションには農業、行政関係者も多数出席いただき、AIの活用について理解いただけたと思う。今後は「AIって必要だよね」という機運が高まり、現在計画している企業や行政は、スタートしやすくなるのではないか。来年もAIについてコンベンションを行うと思うが、話を聞くだけでなく、音楽やカンファレンスなどに積極的に参加して、アイデアをぶつけ、実践できる人を北海道から増やしていきたいですね」

     

     

     

    取材・執筆・撮影:(有)マーヴェリック

     

       

    [No Mapsレポート]ベンチャーカンファレンス MEET UP!! in Sapporo

    [No Mapsレポート]ベンチャーカンファレンス MEET UP!! in Sapporo »

    19 12月, 2016

    「映像や音楽、ITやAIなどのインタラクティブな世界が連携し合い、真っ白な地図に可能性を投影する」というコンセプトのNo Maps。そのプレ開催が10月10日~16日に札幌市内の各地で開催。新しいビジネス・コンベンションを札幌・北海道から世界に向けて展開するために様々なコンテンツが立ち上げられた。まずは13日に札幌テレビ塔で開催された「ベンチャーカンファレンス MEET UP!! in Sapporo Sponsored by 大日本印刷」をリポートする。

     

    「ベンチャーカンファレンス MEET UP!! in Sapporo Sponsored by 大日本印刷」は、東京の各分野で活躍するベンチャー企業やベンチャーキャピタル、アクセラレータ企業を招待。「北海道にベンチャーエコシステムをつくろう」を合言葉に、新しいビジネススタイルを共に考えるためのカンファレンスである。

     

    第1部はIMJ Investment Partners パートナーの岡 洋氏がモデレーターを務め、ベンチャー企業5社、アクセラレータ企業4社によるプレゼンテーションが行われた。最初に登壇した株式会社アクアビットスパイラルズの萩原 智啓 氏は、「ググらせない世界」をテーマに、スマホをかざすだけで起動するアプリの開発と、それをどう周知していくかを発表、またイベントレジスト株式会社の小笹 文 氏は、トップクラスの展示会や企業のカンファレンスにコミット、実績を積むことで多くの関連イベントも手掛けるようになり、業績を伸ばしていると発表された。

     

    アクセラレータ企業として、東京急行電鉄株式会社から加藤 由将 氏、大日本印刷株式会社の矢野 孝 氏が登壇。大企業がベンチャー企業と業務提携するメリットについて加藤氏は、「大企業の持っている既存の知とベンチャー企業が持っている既存の知をぶつけることでイノベーションが生まれ、新規事業ができるのではないかという思想を持っている」とコメント。矢野氏は「決断や情報処理が急がれる中、スピード感があるベンチャー企業との提携が必要」と語った。

     

    ベンチャーカンファレンスには、ベンチャー企業だけでなく、行政、アクセラレータ企業も多数参加。プレゼンテーションの後にはネットワーキングが開催され、新たなビジネスパーソンとの交流を深めていた。IMJ Investment Partnersパートナーの岡氏の言葉を借りれば、北海道はベンチャー企業が活躍する余地がありながら、それが活用されていない「眠れるライオン」である。しかし今回のカンファレンスによって意識が変わり、北海道にもベンチャーエコシステムが形成されていく。眠れるライオンが目を覚ますのは、そう遅くない日だと予感できるカンファレンスであった。

    取材・執筆・撮影:(有)マーヴェリック

     

    [BACKSTAGE Report]Session6 テレビ局が新たに仕掛ける 「体験価値コンテンツ」 »

    8月30日に開催されたイベンターのための夏フェスBACKSTAGEで語られた、Session4とSession6の2つの共通点は、コンテンツの作り手であるメディア、編集の役割。進化する時代にどう向き合い、イベントをどう捉え、活用するのか。

    Session6 テレビ局が新たに仕掛ける「体験価値コンテンツ」

     

    「体験価値」を高める民放3局の取組みとは

    Session6は慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授がモデレーターとなり、日本テレビ原浩生さん、TBSテレビ石井大貴さん、フジテレビ橋本英明さんがパネリストとして登壇した。

    中村さんは、日本で体験価値を高めるのに、TV局が果たす役割はとても大きいとし、それぞれの取組みから紐解いた。

     

    日本テレビの原さんはインターネット事業局に在籍し、配信事業、ネット化の支援事業、SENSORSというネット番組企画の新規事業を担当する。「SENSORS」では、テクノロジーの進化によって変わっていくエンターテインメントやメディアのあり方やビジネスを追う。番組というよりも、テクノロジーエンターテインメントというメディアプロジェクトだ。去年から「SENSORS IGNITION」という大型イベントを立ち上げ、専門イベントや、コミュニティイベントも開催。SENSORSは、メディアとして紹介するだけでなく、当事者になって新しいエンターテインメントメディア時代のイノベーションハブになれるようにとイベントを仕掛けている。

    日本テレビの石井さんは、次世代ビジネス企画室投資戦略部に。慶應義塾大学大学院の博士課程で中村教授のもと、視聴率以外の魅力的な指標づくりを研究中だ。もともと営業職が長かったことで、新しいモノの売り方や広告の売り方を研究しており、視聴率は最大指標ではあるがスポンサーによってニーズは個別に変わるという。いままでにないクリエイティブでエクストリームなスポーツ領域を探し、実際に日本でドローンの本格的なレースイベントを実施しBS、CSとGYAOと組んで配信。そのほか、BMXやストリートダンス、スケートボードというニッチな分野の世界大会を開催し、地上波での番組制作もした。「まだ道半ばだが世界に通用するコンテンツを日本でつくり海外にもっていくことを夢みて努力している」と話す。

    フジテレビの橋本さんは、コンテンツ事業局と兼務でフジスタートアップベンチャーズにてVC部門を担当。原さん、石井さんと同じくイベント事業局の出身ではない。インターネットを活用してどうフジテレビのIPや強みを生かし、エンターテインメントの経験をどう広げるかが主なミッションだ。フジテレビ全体のイベント事業では、シルクドソレイユのダイハツトーテムやブロードウェイミュージカル、日本科学未来館で開催した企画展また、「ULTRA Japan」やアイドルが一堂に会す「TOKYO IDOL FESTIVAL」、そして全社をあげてのイベント「お台場みんなの夢大陸」がある。CMで話題になったDMM.プラネッツも、実はお台場みんなの夢大陸のコンテンツのひとつだった、と解説した。「ソーシャルメディアを中心としたコミュニケーションの時代になって、FacebookライブやLINEライブに代表されるリアルタイムを追求するコミュニケーションが出てきて同期性や同時性が強くなっている、この辺のキーワードを加味しながら新しいテレビの楽しみ方をトライしているところ」と話す。 みせる技術をもち、ブームを起こす ストーリーテラーとしてテレビ

    中村さんは、戦略はかなり多様だがテクノロジーが軸になっていると感想を伝えるとともに、テレビ局がイベントを仕掛けていくことの意味、強みについて聞いた。

    石井さんは「純粋にアトラクションやイベントの面白さや見映えのような、みせる技術がまだまだ蓄積されている。あとは何と言っても映像化することの技術」とした。原さんは「テレビの力があるうちはブームをつくれる。メディアアートと言われていた少しマニアックなものが子供でも楽しめるものとしてブームになり同様のイベントがふえている」ことに触れた。

    中村さんは世界的に見ると日本はテレビの影響力がまだまだ強く、しかもソーシャル、ドローン、IoTなどをつかって先に進めようとしていようとしている。期待できるジャンル、とした。一方で、イベントとテレビ局の本業である番組や広告事業との関わりはどうみているかという質問に、橋本さんはこう話す。「やはり、テレビはストーリーテラーとしての存在だと思っている。テレビは単なる媒体や方法の一つでしかない。最近分散型メディアの話が話題になっていてるが、テレビ局はメディアコングロマリットで、出版からイベント、映画とありとあらゆるものをつかって、一つのストーリーを伝える。その一つの重要な要素がイベントだと思っている」。

    中村さんは「テレビ局がイベントというキーワードのもとで変化していることが短い時間でも共有できた。テレビ局のプラットフォーム力、吸引力は使い勝手が高く、皆さんと一緒にビジネスを広げていくことができると感じる。2020年に向けてアグレッシブなテレビ局の動きは目をそらすことができない」と、コラボの可能性などを示唆し、期待を寄せた。

     

    ▽合わせて読んでほしい

    [BACKSTAGE Report]Session4 :マンガ×DJ×テレビ

    [BACKSTAGE Report]Session4 マンガ×DJ×テレビ

    [BACKSTAGE Report]Session4 マンガ×DJ×テレビ »

    8月30日に開催されたイベンターのための夏フェスBACKSTAGEで語られた、Session4とSession6の2つの共通点は、コンテンツの作り手であるメディア、編集の役割。進化する時代にどう向き合い、イベントをどう捉え、活用するのか。

     

    BACKSTAGE Session4マンガ×DJ×テレビ

    365分の1以外のコミュニティ 多様性とグラデーションの世界

    マンガ編集者、DJ、テレビプロデューサーというBACKSTAGEのセッション登壇者のなかで、一見すると異色ともいえる3人の共通点は、コンテンツの「編集者」であること。

    佐渡島庸平さんは、「宇宙兄弟」「バカボンド」など数々のヒット作を手がけ、講談社から独立して現在はクリエイターエージェント会社コルクの代表を務める。大谷ノブ彦さんは今回、芸人ダイノジではなく、全国各地でジャイアンナイトというDJパーティを主催するほか、多くのフェス出場の実績もあるDJダイノジとして登壇。モデレーターをTBSテレビプロデューサー(当時)の角田陽一郎さんが務め、“編集”を切り口に、冒頭にいきなり炎上という話題からスタートした。

     

    大谷さんは、佐渡島さんが以前、編集について『読者が単行本を手に取るのは365日分の1日とすると364日をどう振り向かせるのか、作家の方がどんな発信をすればよいのかを含めて編集していくこと』という話を引用し、「意図的な炎上は364日を埋めている演出で、ひとつの隙間をうめている」という持論を展開。佐渡島さんは、「炎上って、ある種コミュニティができる。話題を共有するのに、いまTwitterやFacebookのハッシュダグが便利だけれど、週刊誌でいうところの中吊りタイトルに近い」とし、「人が人と交わるのを楽しむ共通の話題は、天気やテレビという狭い範囲から幅広く多様化し、そのなかでも細かいグラデーションをつくれる世界に変わってきた」と話す。

     

    編集者は流れを考えトータルでプランニングする人

    マンガや小説、音楽のライブやCDという作品は、多様化した世界で、どう生き残っていったらよいかと角田さんは問いかける。

    大谷さんも佐渡島さんも共通したのは、ユーザーを巻き込む、インタラクティブなコンテンツづくりだ。昔もいまも、音楽は奏でる人と聴く人、本は書く人と読む人で、両者の行為があってはじめてコンテンツとして成立する。その構造に変わりはないが、昔はユーザー側がつくり手に化学反応を起こすことはできなかった。それがいま、ネットでのコミュニケーションによって、ライブ感ある作品が生まれ、そこでしか体感できない、あるいは体験共有といった付加価値が生まれているという。

    忘れてはいけないのは、テレビで一気に100万人のファンが生まれる時代と違い、いまのネット時代の100万人は、一人ひとりの積み重ねだということだ。連続性があって、継続したコミュニケーションだからこそ、創作過程の瞬発力が理解でき、距離感の近いコミュニティをつくる。たとえれば友達のような “It’s all light”という感覚の関係性が育ち、その土壌でインタラクティブなことが起きてくると言う。

    大谷さんがDJイベントの地方興行でお客さんの入りの多い場所には、使命感をもったボランティアスタッフが必ずいると話すように、ユーザー側を巻き込むと、一人ひとりにとってコンテンツは完成品を楽しむものではなく、自分もその一部になる、とも話した。

    そのうえで、流れを考え、コミュニケーションのストーリーをつくる、トータルでプランニングをする編集者の存在は大切だ。佐渡島さんは、「日本は一つの強いコンテンツがあると一発逆転できるような、魔法みたいなことに期待しちゃうけれど、コンテンツに限らずビジネスの基本は流れをいかにつくるかだと思っている」と言う。

    さいごに大谷さんは「DJと言いながら選曲というよりも、現場のチューニングを合わせているだけ」と表現し、セッションを通じて編集者は絶対に必要な存在と確信したと話した。これに対して佐渡島さんは「編集の定義は広いけれど、チューニングの価値はデータ処理や解析が進んでも機械化ができない、リプレイスできない」とし、角田さんがそこに人間の価値があると、編集者の存在する意義をまとめた。

    ▽合わせて読んでほしい

    [BACKSTAGE Report]Session6 :テレビ局が新たに仕掛ける「体験型コンテンツ」

     

     

    日本のポップカルチャーを世界に発信 〜もしもしにっぽんプロジェクト/もしもしにっぽんシンポジウム

    日本のポップカルチャーを世界に発信 〜もしもしにっぽんプロジェクト/もしもしにっぽんシンポジウム »

    28 11月, 2016

    ジャパニーズポップカルチャーを世界に向けて発信するもしもしにっぽんプロジェクトが仕掛けるジャパニーズポップカルチャーの祭典「MOSHI MOSHI NIPPON FESTIVAL2016 in TOKYO」が11月24日から27日までの4日間、東京体育館で開催された。東京以外にもワールドツアーを敢行し、ファッション、音楽、フード、アニメなどを世界に向けて発信してきた。

    会場には日本のコンテンツ体験が盛りだくさんに用意されていた。ステージではZipperモデルのセッション、新しい学校のリーダーズLIVEで盛り上がり、出展ゾーンではやぐらが組まれ、その周りに各種インバウンドサービスの提供各社がブースを展開。マルコメ君でお馴染みのキャラクターがDJ MARUKOMEとしてMiso meets musicを実施。ドローンをエンターテインメントに活用するドローン体験アトラクションや、屋外ではにっぽんグルメが出店、と海外からの参加者を五感で楽しませていた。日本人もにっぽんを再発見する複合型のイベントとなった。

    イギリスから参加した女子学生の1人は、「トトロをはじめ日本のアニメが好きなので友人を誘って参加した。とてもエキサイティングなイベント」と語った。パスポートを提示すれば外国人は参加無料ということもあり、多くの外国人参加者の姿が見られた。

    また3回目の開催となる今回は「もしもしにっぽんシンポジウム2016」を初開催。会期中11月24日(木)・25日(金)の平日2日間は、世界で成功を収めている著名人や文化人、経営者のトークセッションを中心に、団体・個人・スタートアップなどへの支援・連携・交流の場と機会を創出した。

    月刊イベントマーケティングが実行委員会を務めるBACKSTAGEも、セッションを1枠提供。「光と創造性で街の未来を考える」をテーマに

    ネイキッドの大屋友紀雄氏、東急電鉄の山口勘太郎氏が登壇。両社が手がける渋谷を舞台とした映像演出から、街、人をどう捉えるかで日本の未来を考えるヒントに語りあった。モデレーターはインフォバーンの田中準也氏が務めた。

    同セッションのようすは、後日レポートする。

    [BACKSTAGE Report]Session9「地域から日本とアジア、世界を変える為にイベントが出来ること」

    [BACKSTAGE Report]Session9「地域から日本とアジア、世界を変える為にイベントが出来ること」 »

    1 11月, 2016

    8月30日に開催されたイベンターのための夏フェスBACKSTAGEでは、「イノベーション」が大きなテーマとなったが、Session8「海外テクノロジーイベントの最新トレンドを見通す」と今回紹介するSession9を合わせて読むことで、日本にも海外でトレンドとなっているテクノロジーイベントのような、未来のイノベーションが生まれ育つ場としての地域イベントが、近いうちに誕生することを予感させる。(「月刊イベントマーケティング」10月31日発行号掲載)

     

    Session9「地域から日本とアジア、世界を変える為にイベントが出来ること」

    [登壇者]

    日本経済新聞社 デジタルビジネス局シニアプロデューサー 戸井精一郎さん

    札幌「No Maps」実行委員会 伊藤博之さん

    福岡「明星和楽」実行委員会 村上純志さん

    神戸「Comin’ Kobe Interactive」実行委員会 舟橋健雄さん

    「SXSW」アジア事務局のサカモトハルヒコさん

     

    SXSWをロールモデルに展開図る

    札幌、福岡、神戸の地域イベント

    Session9「地域から日本とアジア、世界を変える為にイベントが出来ること」のテーマは地域イベント。直前のSession8において、海外では地域イベントが大きな盛り上がりをみせていることが紹介されたが、近年、日本でも地域ムーブメントの核となるようなイベントが立ち上がってきている。このセッションでは、Session8でも話題となったアメリカ・テキサス州オースティンのクリエイティブビジネスイベント「SXSW(サウスバイサウスウエスト)」と、このSXSWをロールモデルとして展開している3つの日本の地域イベントを取り上げ、イベントの魅力や可能性について展望した。

    パネラーは、札幌「No Maps」実行委員会の伊藤博之さん、福岡「明星和楽(みょうじょうわらく)」実行委員会の村上純志さん、神戸「Comin’ Kobe Interactive」実行委員会の舟橋健雄さんに加え、「SXSW」アジア事務局のサカモトハルヒコさんが登壇した。モデレーターは、日本経済新聞社 デジタルビジネス局シニアプロデューサー 戸井精一郎さんが務めた。

    サカモトさんは「SXSWはオースティンの街中900mに渡って展開していて、渋谷で言うとビックカメラからアパホテルまでくらいの距離感」であることを紹介。さらに「非常にたくさんのプログラムが行われており、例えばカンファレンスのセッション数は約2000、登壇するスピーカーの人数は約4500人。特筆すべきは取材に来るメディアの多さで、8500人のメディア関係者が世界中から訪れた」と語った。

    その後、日本における3つの地域イベントの紹介となり、トップバッターとして札幌「No Maps」の伊藤さんが同イベントの概要を説明した。同イベントは今年10月10日から16日まで、クリエイティブ産業の活性化と他産業への波及を目的に初開催される予定で、自治体の産業政策としての側面が強いのが特徴。Film(国際コンペティションなど)、Music(ライブイベント)、Interactive(人工知能カンファレンスや展示会など)の各テーマをクロスさせながら、コンテンツミックス型コンベンションとして展開していくことを明らかにした。

    続いて、村上さんが福岡市天神一帯を舞台に展開している、テクノロジーとクリエイティブの祭典「明星和楽」を説明。2011年から開かれていて、今年11月の開催ですでに6回目を迎える。「明星」にはスターを生み出す、「和楽」にはみんなで楽しく、という意味が込められている。これまでロンドンと台北でも開催した実績を持つ。

    最後に、舟橋さんが2017年5月6、7日に神戸で開催予定の「Comin’ Kobe Interactive(CKB)」を紹介。これは、音楽+映画+IT+生活に関する多彩なコンテンツで構成されるイベントだ。舟橋さんは「神戸は“残念なまち”だ」と言う。震災で賑わいが壊滅し、その後、素晴らしい取り組みや人材が現れたものの、今でもバラバラのまま。市内に大学は多数あるが、卒業生は市外の企業に就職し、新たな産業もなかなか出てこない。舟橋さんは「今の神戸に必要なのは“つながり”と“若者”だ」と強調。そこで“神戸をひとつの大家族に”をキャッチフレーズにCKBを開催し、神戸のさらなる魅力を創出していく考えだ。

     

    イベントが育つにつれて変わる

    参加者の意識にどう対応するか

     

    戸井さんの「イベントの収支は儲かっていますか?」という問いかけに、明星和楽の村上さんは「儲かってはいない。でも参加者からイベントを続けてほしいという声が寄せられているのは、何かが生まれているからだと思う」と話す。

    サカモトさんは「イベントが立ち上がった当初は理念で人が集まるが、イベントが育ってくると違ってくる。SXSWの場合、オースティンを良くしようと思って参加している人は意外と少ない。例えばあるボランティアの参加目的は、音楽イベントに無料で入れることだ。イベントが成熟してきたら、参加者に支払う対価についてもよく考える必要が出てくる」と話した。

    戸井さんが「集客はどうやっているのか?」と質問すると、No Mapsの伊藤さんは「地方イベントで東京と同じことをやるのは意味がない。例えば、北海道は土地が広いので、それを活かす企画を立て訴求していくことが集客につながると考えている」と話した。

    最後に、サカモトさんから「SXSWの期間中、オースティンの住民の多くは市外へ出て行ってしまう」と興味深い発言があった。「地域イベントだからといって“地域”を重視し過ぎないほうがいいかもしれない」ともアドバイスした。

    “地域セントリック”に偏ることなく、地元と来街者双方がメリットを享受できるような企画・運営を行っていくことも、地域イベントの発展には欠かせない視点になっていきそうだ。

    日本にもSXSWのような、未来のイノベーションが生まれ育つ場としての地域イベントが、近いうちに誕生することを予感させるセッションであった。

     

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    1 11月, 2016

    8月30日に開催されたイベンターのための夏フェスBACKSTAGEでは、「イノベーション」が大きなテーマとなったが、今回紹介するSession8とSession9「地域から日本とアジア、世界を変える為にイベントが出来ること」を合わせて読むことで、日本にも海外でトレンドとなっているテクノロジーイベントのような、未来のイノベーションが生まれ育つ場としての地域イベントが、近いうちに誕生することを予感させる。(「月刊イベントマーケティング」10月31日発行号掲載)

     

    Session8「海外テクノロジーイベントの最新トレンドを見通す」

    [登壇者]

    電通 CDC部長 事業開発ディレクター 中嶋文彦さん

    THE BRIDGE共同創業者/ブロガー 池田将さん

    未来予報 Co-Founder/プロジェクトデザイナー曽我浩太郎さん

    未来予報 Co-Founder/コンテンツストラテジスト宮川麻衣子さん

     

    音楽やインタラクティブが充実してきたSXSW

    日本からの参加者は毎年1.5倍のペースで増加

    イベンターにとって今、注目すべきトピックのひとつとして、世界各地で開催されている様々なスタートアップ企業イベントを挙げることができる。

    このセッションでは、電通 CDC部長 事業開発ディレクター 中嶋文彦さんがモデレーターとなり、海外のイベント事情に精通したTHE BRIDGE共同創業者/ブロガー 池田将さん、未来予報 Co-Founder/プロジェクトデザイナーの曽我浩太郎さんと同社Co-Founder/コンテンツストラテジストの宮川麻衣子さんがパネリストとして登壇し、海外のスタートアップ企業イベントの最新動向を紹介した。

    冒頭、中嶋さんが北米において開催されている有力イベントを独自にマッピングした資料を披露(写真参照)。そこには、ベンチャー向け/大企業向け、テーマ特化型/総合型の2軸で分類された20以上のイベントがマッピングされており、中嶋さんは「まさにイベント花盛りの状況」とコメントした。

     

     

    その後、宮川さんと曽我さんからアメリカ・テキサス州オースチンで毎年3月に開催されているクリエイティブビジネスのイベント「SXSW(サウスバイサウスウエスト)」の最新動向について報告があった。ふたりが所属する未来予報はSXSW日本事務局オフィシャルパートナーとして、日本での広報活動などを行っている。

    宮川さんは「SXSWはSession(勉強会)、Demo(トレードショー)、Pitch(コンペ)、Meet-up Party(お見合い)の4形態で構成されているイベント。10日間の会期中、延べ約10万人が参加し、経済波及効果は約380億円に達する、世界最大のクリエイティブビジネスフェスティバル」と紹介。「会場でたまたま会った人が有名な開発者だったりして、人との出会いがSXSWの魅力」と語った。

     

    日本からの参加者も毎年1.5倍のペースで伸びており、今年は765人が参加。曽我さんは「最近は広告関連やマーケターの参加者も増えてきた。カンファレンスプログラムなどを通じて“未来を見たい”という気持ちがあるのだと思う」と話した。

     

     

    欧州イベントがアジアに進出

    特定分野に特化したイベントが増加傾向

    続いて、テクノロジー系ニュースを配信するブログメディア「THE BRIDGE」の池田さんが、世界のスタートアップ企業イベントについて概況を紹介した。

    アジア地域では、ソウルの「be GLOBAL SEOUL」、シンガポールの「TECHINASIA SINGAPORE」などをピックアップ。どのイベントも2000~3000人の参加者を集めているという。池田さんはアジア地域でスタートアップ企業イベントが活況を呈している理由について、東南アジアは渋谷のようなスタートアップ企業の集積エリアが特にないので、イベントがないと人が集まりにくい状況にあるのではないかと分析した。

    ほかにも中国・アモイの「ASIA BEAT」や北京の「GMIC(グローバル・モバイル・インターネット・カンファレンス)」、台湾の「IDEAS SHOW」などのイベントを紹介した。

    「GMICは3日間の会期中だけでなく、会期前後に会場近くで参加者が集まってパーティを開いたりしていて大変に盛り上がっている」と話す。

    ヨーロッパは、イギリス・ロンドンの「INNOVATE」やスペイン・バルセロナの「4YFN」(4 Years From Now=4年後に世界に大きな変化を起こすスタートアップ企業という意味)を注目イベントとして挙げた。

    近年の傾向として、ヨーロッパのイベントがアジアに進出していることと、フィンテック(金融テクノロジー)に特化した「FINNOVASIA」などバーティカル(分野)別のイベントが増えていることを指摘した。

    SXSWの最新動向について、宮川さんは「もともとテクノロジー関連が充実していたが、去年くらいから音楽やインタラクティブを取り込んだコンテンツが増え、盛り上がりをみせている」、曽我さんは「語られているテーマがモノやサービスから概念になってきている。今後、コンテンツとテクノロジーがどう絡んでいくのか楽しみだ」と語った。

    池田さんは「イベントの隙間を埋める何かが大事になるのではないか。例えば、イベント会場に来ている人同士で連絡が取り合えるアプリの活用などが考えられる」と、今後のイベント展開における展望を示した。

    これまで、海外のスタートアップ企業イベントのトレンドを、大きな視点から把握する機会はなかなかなかった。最新のイベントトレンドを世界規模で俯瞰した今回のセッションは、聴講者にとって今後のマーケティング活動に大きなヒントと刺激を与えたに違いない。

     

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    Session9「地域から日本とアジア、世界を変える為にイベントが出来ること」

     

    ViaLux Setouchiレポート(1)瀬戸内に集結した緑と青の戦い
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    ViaLux Setouchiレポート(1)瀬戸内に集結した緑と青の戦い »

    28 10月, 2016

    はじめに

    これはIngress初心者が世界的なIngressの公式イベント「ViaLux Setouchi」に知識が足りないまま突入したレポートである。つたない表現がたぶんに含まれると思われるが許していただきたい。

     

    Ingressとは

    今年の夏ごろより世界中の人という人を虜にしているゲームがある。その名はPokémon GO…日本を代表する企業、任天堂とGoogleと関係がある会社、ナイアンテックが手を組んで実現したゲームだ。9月末には100を超える国々で遊ぶことができ、日本でもいくつものニュースになるほど熱中したプレイヤーがおり、いま最も注目されているゲームである。

    そのPokémon GOには親に当たるゲームがIngressだ。IngressはGoogle社内で開発され、後に独立した前述のナイアンテックが引き続き開発を続けている。その歴史は2012年にベータ版がリリースされ、2013年12月に正式リリースされたまだまだ若いゲームである。

    Ingressの内容は簡単に書くとGPS機能があるスマホ(Android、iOS)で遊ぶことができるゲームで、エンライテン(緑色のチーム、以後「緑」と表現する)とレジスタンス(青色のチーム、以後「青」と表現する)に別れて世界中を使う、日本になじみのある表現をすると「陣取りゲーム」である。世界中にあるポータル(自分で作ることもできる)を奪い点を集め、点と点を結んでチームの自色に染める(この「点」をポータルと呼び、染まった色を「セントラルフィールド」と呼ぶ)…大枠としてはこのようなもので、さらに様々なゲーム要素を追加され、この「陣取り」にプレイヤーは日々一喜一憂しながら世界中を歩き回るのである。それぞれのチームの活動はその色から「水没」「草刈り」「緑化」といわれることがある。

     

    ナイアンテックでは頻繁に公式イベントが世界中で頻繁に開催されており、そのイベントのひとつにXM Anomalyと呼ばれるイベントがある。今回はそのXM AnomalyがVia Luxというシリーズ名で9月24日に開催した。「ViaLux Setouchi」は、瀬戸内海が中心としてインド、シンガポール、中国を巻き込み世界中が沸いた日なのである!!

     

    9月23日 ―前日―

    愛媛からメイン会場へ

    筆者は愛媛県松山市に住んでおり、当イベントの為に前日入りをし、会場のサンポート高松へ行ってみた。正直どういうイベントなのかいまいちイメージができずにいたからだ。サンポート高松へ向かう最中、目についたのはIngressのロゴ。

    そこらじゅうにこのロゴが釣っているのが見えた。少し本当にここでイベントがあるんだ…という気持ちが入ってくる。Ingressは以前より町おこしの一環として使われる事例がある。このロゴももしかして…と思っていたが、のちに聞いたところ香川県が準備したもので、ナイアンテックが準備したものではないらしい。

    そして、そのロゴをわき目にしながら周囲の人々を見てみると…、そこにはスマホを触って歩いている人…人…人…ほとんどの人はPokémon GOをやっているのかIngressをやっているのかはわからないが明らかにゲームをやっている風景だったし、画面がどう見てもIngressという人もいたし、画面を連打していてこれはPokémon GOか?という人もいた。

    その風景からIngress初心者の筆者も慌ててスマホを見る。すると…なんだこれは…

    見たことがないマークが画面に映し出されていた…本当にここであの熱狂的なイベントが…本当にあのイベント(しつこい)が開催されるんだ!!という気持ちになってきた!!今更ながら周囲に最大限注意しながら少しばかり草刈りに励んだ。ただし筆者Ingressは相当の初心者である。

    少し草刈りをしたのち、Airbnbで予約をした宿へのチェックインの都合でサンポート高松を後にした。

    >>ViaLux Setouchiレポート(2)「イベント当日」編

    >>ViaLux Setouchiレポート(3)「メジャーメント始まる!」編