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樋口陽子

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樋口陽子  月刊イベントマーケティング 編集長 MICE 研究所「イベントは体験提供の場」として、イベント現場で体当たり取材を行っている

優秀賞(部門賞)7作品が決定 -第2回JACEイベントアワード

優秀賞(部門賞)7作品が決定 -第2回JACEイベントアワード »

一般社団法人日本イベント産業振興協会(成田純治会長)は、「第2回JACEイベントアワード」優秀賞(部門賞)を発表した。

総応募数は126作品。優秀賞(部門賞)に選ばれた各賞は、次の通り。

Slush Asia2016がスタート〜ムーブメントのつくりかたとは

Slush Asia2016がスタート〜ムーブメントのつくりかたとは »

フィンランド発の国際的スタートアップイベントのSlush Asiaが、2016年5月13日からスタート。14日まで、幕張メッセで開催される。

 

 

Slushは2008年からフィンランドで開催されており、2014年は世界中から起業家、学生、投資家が14000人以上集まったイベント。フィンランド首相、中国副主席、エストニア大統領、スウェーデン王子等、各国の首脳陣なども参加している。

 

 

日本では「SlushAsia」として昨年4月に東京のお台場で初開催され、約3000人が集まった。 Slush Asiaの見どころは、豪華なスピーカー陣、キーノートステージで豪華登壇者によるスピーチ、ピッチングステージにて行われるスタートアップ60社が賞金を競い合うピッチコンテストや、製品を手にとって見ることができるデモエリア、スタートアップと投資家の出会いを演出するミーティングルームなどマッチング機会の充実。また、Slush が目指す、「誰でも挑戦できる環境、世界を本気で変える環境を創る」(月刊イベントマーケティング08号特集参照)というムーブメントに触れられること。

 

 

今年は、学生ボランティア主体で企画・運営され、豪華スピーカー陣への出演交渉やスポンサー集め、出展募集、集客から運営オペレーションまでを実施。約400人強のチームワークにも注目だ。

 

 

Slush AsiaのCEOアンティ・ソンニネン氏は、スタートアップイベントでムーブメントをつくるのに必要なことについて、「意味のあることを楽しくやること、そこからムーブメントははじまる」と話す。学生ボランティアに対しても、ただ感情的に楽しいだけでも盛り上がりをつくることはできるが、自ら納得して、意味を見出せるようトップダウンのリーダーシップはとらなかったそうだ。

 

 

「たとえば、ビジネスマッチングの集客は目標というミッションを与えただけで『やり方も好きにやっていい。困ったときには相談にのるよ』と伝え、スピーカーとの交渉も必要な部分には力を貸して、ほとんどを任せた」(アンティ氏)

 

 

昨年のプロチームとは異なり、学生チームははじめはスキルがゼロでも、パッションをもって実施していくなかで短期間で大きく成長した、とアンティ氏。会場でSlush AsiaのチームTシャツを着て運営する学生たちは、指示を待つのではなく、主体的に、そして楽しそうにSlush Asiaに参加していた。

 

 

 初日13日のオープニングセッションには、ソフトバンクグループのニケシュ・アローラ副社長やアリババグループのJian Wang (王堅)CTO、DeNAの南場智子代表取締役会長、グロービス経営大学院の堀義人学長、お笑い芸人で東京証券取引所マザーズ市場にも上場しているテラスカイの厚切りジェイソンことジェイソン ダニエルソン氏らが登壇。14日は、ピッチコンテストのファイナリストが決定する。

 

 

アンティ氏は「Slush Asiaをアジアと日本のスタートアップをつなぐ革命的なものにしたい。イベント後に何を起こせるのかが大事で、アクションにどうつながったのか、それが実績にもなる。イベントはゴールでなく、スタート」と今後、さらなる規模拡大に向けて意欲を語った。

 

 

投資家やスタートアップ企業はもちろん、ビジネスイベントを実施している担当者にとっても演出や運営に新しい発見の多いSlush Asia。ムーブメントのつくりかたを体感してみてはどうだろうか。

#SlushAsia16

▽Slush Asia 2016 http://asia.slush.org         

全国展示場連絡協議会 平成28年度体制を発表

全国展示場連絡協議会 平成28年度体制を発表 »

4月26日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で「全国展示場連絡協議会 平成28年度総会」が開催され、昨年度の事業報告および新年度の事業計画の発表が行われた。

総会には、43社・64名が参加。総会では、新役員についても体制が発表された。

新役員については、下記の通り。

平成28年度 全国展示場連絡協議会 役員体制

会長=水野 正登氏

一般財団法人山形コンベンションビューロー副理事長(兼)山形国際交流プラザ館長

副会長=中島 晢氏

一般財団法人くにびきメッセ専務理事・島根県立産業交流館館長

理事=清水 繁氏

公益財団法人大田区産業振興協会副理事長(大田区産業プラザ)

理事=小林 明生氏

公益財団法人名古屋産業振興公社常務理事(名古屋市中小企業振興会館)

理事=南部 英幸氏

公益財団法人大阪産業振興機構理事長(マイドームおおさか)

監事=今 義範氏

一般財団法人札幌産業流通振興協会専務理事(札幌流通総合会館)

また、総会では会員であるグランメッセ熊本に対し、熊本地震へのお見舞い金を送ることが承認された。

総会後には、株式会社ホットスケープ代表取締役前野伸幸氏が「生き残る施設のヒントー施設のポテンシャルを最大限発揮させる」をテーマに登壇、講演(後日詳報)が行われた。

特別企画テーマは「伝えたくなるデザイン」ーインテリア ライフスタイル

特別企画テーマは「伝えたくなるデザイン」ーインテリア ライフスタイル »

メサゴ・メッセフランクフルト(東京都千代田区、梶原靖志代表取締役社長)は、6月に開催する「インテリア ライフスタイル」の概要を発表した。会期は2016年6月1日から3日までの3日間、会場は東京ビッグサイト西ホール全館とアトリウム。

今年の出展規模は、806社(国内624社/海外182社)で、34カ国・地域から参加が決定している(2016年4月14日現在)。主催者代表の梶原氏は、「海外からの参加が昨年より40社増となった。トルコから24社のほか、3年ぶりに英国パビリオンの出展があったことが理由。よりインターナショナルな雰囲気での開催となる」と挨拶した。

また、毎年恒例となっているアトリウム特別企画について、今回ディレクターを担当するトラフ建築建設事務所の禿真哉氏が解説した。

[レポート]ロボット王国よりロボット王国だった-コミュニケーションロボットの夜明け前

[レポート]ロボット王国よりロボット王国だった-コミュニケーションロボットの夜明け前 »

4月21日、「ロボットパイオニアフォーラム008」がdots.渋谷(東京都渋谷区)で開催された。2015年2月から定期に開催しているイベントで、今回のテーマは『コミュニケーションロボット大集合〜人間とロボットが会話する時代がやってきた』。

今年注目のコミュニケーションロボットメーカー15社がプレゼンし、10体以上のコミュニケーションロボットが展示された会場には、約220名の開発者、研究者ほかコミュニケーションロボット関係者らが参加した。

コミュニケーションロボットが大集合!

今回のフォーラムは、開始以来もっとも大きな規模となる会場dots.渋谷で開催。10体以上のロボットをずらりとステージ上に横並びで展示し、プレゼンターも過去最多の15社と、初の試みづくしで行われた。

18:30の開場からすでに多くの参加者で会場はにぎやか、開始19時には満席の状態になってのスタートを切った。約2時間にわたって、2016年注目されるコミュニケーションロボットメーカーの15のプレゼンテーションが、各5分間の持ち時間で行われる。

トップバッターのMJI/Tapiaから、CocoroSB/pepper、ユカイ工学/Bocco、Aldebaran Robotics/Nao、ロボットゆうえんち/ナビゲーションロボット、DeAGOSTINI/Robi、ユニロボット/unibo、Vstone/Sota、CAC/JIBO、CACのBuddy、Sharp/RoBoHon、タカラトミー/OHaNAS、AKA/Musio、DMM.make ROBOTS/PaLmi、テレノイド計画/テレノイドというラインナップ。

プレゼンされたロボットハードウェアは、「国内コミュニケーションロボット業界マップ」2016Q2版(ロボットスタート株式会社作成)でも紹介されている最新のものばかりで、開発者からのアップデート情報やデモでの生トークを聞き、Twitter上(#roboph)では「OHaNaSの購買層使用者のピークが50代というのは意外」、「Robi 12万体!!(日本)」「Musio ディープラーニングで自然に会話ができる」といった感嘆の声もつぶやかれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「国内コミュニケーションロボット業界マップ」2016Q2版は、https://robo-lib.com/repositories/summary/80 からフルサイズPDFがダウンロードできる(ダウンロードにはロボットライブラリのアカウントが必要。アカウント登録は無料)

チケット販売から即日完売、追加販売も

8回目となるロボットパイオニアフォーラムのなかでも、コミュニケーションロボットをテーマにした今回は、チケット販売から数時間で予定数の半分が売れ、これまでの販売ペースを更新するスピードで売り切れたという。

「2015年にPepperの登場でコミュニケーションロボットの胎動が起きた。2016年はPepperに続けと新しいコミュニケーションロボットが複数登場することが発表され、一気にマーケットが立ち上がる機運が盛り上がってきた」(主催者)

とコミュニケーションロボット市場の盛り上がりについて話すように、プレゼンテーションでも多様なコミュニケーションロボットが披露され、市場展開後の展望についても語られるなど、成長真っ只中という印象。同日に、ハウステンボスに新しく誕生するロボットをテーマとした体験型ミュージアム「ロボットの王国」の記者発表があったことを受け、「ロボットパイオニアフォーラム会場に集まった最新機体を前にすると、ロボット王国よりロボット王国」とラインナップの充実ぶりに、驚く声も多かった。

マーケットを肌感覚で感じる

「ロボットパイオニアフォーラム」は、2015年にロボットを愛する、ロボットビジネスを信じる人の集いとして設立。立場を忘れてロボットビジネスのためにオープンに語ろうということを基本指針に、アスラテック、アールティ、ロボットスタートの3社が共同で運営する。

「会の場を通じて、いろいろな出会い、そこからの化学反応が起きていくことを期待しています」(主催者談)

ロボット関連のイベントは、ほかにも「国際ロボット展(日本ロボット工業会/日刊工業新聞主催)」や「サービスロボット開発技術展(実行委員会主催)」といった展示会はメーカーがユーザーへの導入を提案する機会となったり、「スーパーロボット展(TOKYO DESIGN WEEK内)」でクリエイター制作の最新テクノロジーを搭載したロボットを展示し一般への体験提供の機会をつくったりして、BtoB、BtoC向けの違いはあるが販促やブランディングをメインとしている。

一方、「ロボットパイオニアフォーラム」では、メーカー開発者同士の情報交換をメインにしたオープンスタイルで、ロボットビジネスのマーケットを肌感覚で感じることができる。今回のプレゼンでも、各メーカーが自社のコミュニケーションロボットのスペック解説や開発状況についてだけでなく、自慢と公言しながらいかに魅力的かについてポイントを解説する姿に何度もロボット愛を感じた。

参加者の声

プレゼン後には、より理解と交流を深めるため懇親会が用意された。参加者に感想を聞くと、「コミュニケーションロボットは感情認識機能をもつものが多いが、そのなかでパフォーマンスに特化した機能をもつロボットゆうえんちは印象的だった」、「アプローチ方法がさまざまで刺激になった」と話すフォーラム初参加の開発者や、「シャープのRoBoHonは電話だけでなくプロジェクタ機能もあっておもしろい」と期待を寄せる販売担当(フォーラム参加は4回目)、「最新の情報を取得する場として活用している。大学で将来医者や看護師を目指す学生に教えているが、彼らが現場で活躍するころにはロボットがいる環境が当たり前になっているだろう」と近い将来の実用化に向け開発と教育を進める教授(初回からすべてに参加)など、さまざまな立場から、フォーラムでの発見や展望についての意見がうかがえた。

次回のロボットフォーラムについては、まだ未定だが、開催規模の拡大も視野に検討している。

#robopf

▽各プレゼンの詳細が読める関連記事

「ロボットパイオニアフォーラム008」参加レポート(前編)  #robopf

セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線  その5 HR系イベント (ホットスケープ/日本能率協会)

セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線  その5 HR系イベント (ホットスケープ/日本能率協会) »

ROI求めるインセンティブイベント、体験主流の研修

業界ごとのイベント傾向以外にも、どの業界にもあるHR(Human Resources)系のイベントについて、そのトレンドを聞いた。

 

株式会社ホットスケープ

代表取締役 前野 伸幸さん

 

採用、インセンティブイベントの企画・運営を手がけるホットスケープの前野さんは、「HR系イベントとして企業の表彰式や社員総会などを手がけて25年。以前は主催企業の人事・総務担当者から予算や環境条件に合う会場・内容の提示を求められましたが、最近ではROI(費用対効果)を気にする企業が増え満足度調査などのニーズが高まってきています」と、イベント制作側への要求がモノの提供からコト(ソリューション)の提供にシフトしていると指摘する。また「社内イベントに価値提供を追求するようになって、規模の変化や定期イベントのマンネリ化の刷新、予算確保を背景にこれまで内政化していた業務を外注する企業も見受けられます」とHR系イベントの発注数は増加傾向にあると話す。ホテルでの開催以外のイベントスペースを選択するケースもふえ、その場合は、ホテルでサポートされているサービスを補完するために専門会社が入る。こうした流れもイベント制作会社の出番がふえている理由のようだ。

 

一般社団法人日本能率協会

経営・人材センター経営ソリューショングループ第2チーム

エキスパート 中島 克紀さん

一方、HR系イベントでも学びを中心に年間150日、延べ3,000人にマネジメント研修を提供する日本能率協会の中島克紀さんは、「研修形態は、過去のできごとを意味づけし、解釈の仕方を授ける”知識習得型研修”と、体験しその体験を客観的に良く観察、内省と省察を繰り返し、体験を概念化し、実践につなげる”体験型研修”との2タイプにわかれる」とし、最近の役員・グローバルリーダー育成の研修は、学習プロセスに対話が組み込まれ学び手がアクティブになる体験型が主流と話す。

セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線  その3 アパレル業界(アッシュ・ペー・フランス PR01)

セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線  その3 アパレル業界(アッシュ・ペー・フランス PR01) »

インタラクティブ・体験・高付加価値 セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線  その3 アパレル業界

メール・ウェブ・SNS、オンラインのコミュニケーションツールがどんどん便利になっているのに、時間・コスト・手間をかけて、1つの場所に多くの人が集まるのはなぜなんだろう。製薬、IT、アパレル、人事・総務のイベント担当者に、リアルの意味、イベントのトレンド、会場に求めること、会場の選び方などを聞いてみた。

最前列にはインスタグラマー アッシュ・ペー・フランス PR01 三上 剛史さん

H.P.FRANCE(アッシュ・ペー・フランス)PR01.は、国内外のファッションブランドのプロモーション・ブランディング・メディアプランニングをサポートし、トレードショーやプレスプレビュー、展示会などのイベント企画・制作・発信も行っている。同社でプロモーションイベントを中心に10年ほどファッッション業界のイベントを企画してきた三上剛史さんは、インターネット・SNSの普及でファッションイベントに変化が起きていると話す。

ファッションショーでいえば、これまで各ブランドは半年先のコレクションをメディアを通して発表していたものから、オンシーズンに一般消費者に向けて行うブランドも出始めてきているという。2月に春夏のトレンドをみるためのショーは、8月にその場で買うためのショーになり、メディアが座っていた最前列には、いまや数十万人のフォロアーをもつインスタグラマーが座る。トム・フォードやバーバリーなど老舗ブランドも、実際にこうした変化を取り入れたショー運営を予定しているという。

「特に若い世代では雑誌の求心力がうすれてきていて、数万部のメディア訴求よりも数十万人のフォロアーに一気に拡散するSNS施策を重視する動きが出てきています」(三上さん)

企画面では、以前はタレント・モデルの1人をアイコンに立てていたプロモーション手法も、ソーシャルへの拡散を意識してより多くのインフルエンサーを確保するなど、リレーションが変わっているようだ。

SNSというチャネルを得たことでBtoBtoCから、BtoCへの変化は加速しているが、すべてがそうシフトしているというよりも、選択肢がでてきたことで、ショーやプロモーションごとに、イベントの着地点をイメージづけか、売上げ貢献か、明確になってきたと指摘する。

「日本では2011年の3.11以降、一時、ファッション業界はプロモーションコストの低いSNSやネット単独の戦略に流れましたが、いまはリアルイベントに戻ってきつつあります」

購買を促進するSNSと、リアルにみて触れることのできるショーの双方のハイブリッド型が売り上げ貢献のプロモーション手法として注目される。

また、一方でイメージをつかさどるショーもファッション業界には欠かせないイベントだと三上さんは話す。

「たとえば、アウディがリブランディングに10年の長期にわたって取り組んだように、ブランドにとっての成功は、イメージが末長く愛される定番になり、消費されないものになること。ファッションにとってイメージづけは最重要です」

そのイメージづくりを空間でいかに展開するかが、自分の仕事だと三上さんは話す。

<会場選択の課題>

・貸し会場を選択するよりもイベントコンセプトに合わせた会場に仕立てることが仕事。常に新しい空間は探している

 

<DM例>

ショーへの招待DMを等身大パネルにして話題を呼んだ。いかに話題化させるかも重要と三上さん

セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線 その1〜製薬業界 ファイザー

セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線 その1〜製薬業界 ファイザー »

インタラクティブ・体験・高付加価値 セミナー・コンファレンス施設/イベントホール最前線 

メール・ウェブ・SNS、オンラインのコミュニケーションツールがどんどん便利になっているのに、時間・コスト・手間をかけて、1 つの場所に多くの人が集まるのはなぜなんだろう。製薬、IT、アパレル、人事・総務のイベント担当者に、リアルの意味、イベントのトレンド、会場に求めること、会場の選び方などを聞いてみた。

その1〜製薬業界 ファイザー株式会社 畑中 朋継さん / 玉置 千津子さん

医薬業界のイベントといえば、製薬企業が企画・主催する講演会や勉強会、各医学会が主催する学会へ出展する展示ブースなどスタイルはさまざまだが、「参加対象者である医師や看護師などの医療従事者に適切な医薬情報を伝え、患者に貢献することが共通する使命です」とイベント開催の目的について、業界最大手のファイザー株式会社畑中朋継さんはこう説明する。

同社では、カスタマーエンゲージメント(ミーティング)グループという専門部門(以下CE)で、年間約100件のイベントを担当。畑中さんと同様にCEを担当する玉置さんは、医薬業界のイベント事情について「公的医療保険からの償還を収入の源泉としている業界であるため、法令をはじめとして業界の自主規制ほか様々なルールに則って講演会や展示を企画する必要があります。それに加え、外資系なのでグローバルルールにも準拠しています」と、前提条件が他業界とは多少異なり「イベントとしてはもっとも地味な業界かもしれない」と解説する。具体的には、講演会後の情報交換会での食事提供は立食、宿泊ホテルのランクはいくつまで、講演会でアンケート謝礼を出すのにもいくつかの制限があるなど、透明性を担保するルールがあり、コンプライアンスファーストが求められる業界ならではの文化がある。

とはいえ、情報分析力の高い医師の参加満足度を高めるため、「制約のなかでいかに創意工夫を入れる」かが課題と語る。同社は製薬業界の最大手企業としてFirst moverの役割を担っている。

最近では、3Dの360度パノラマ映像を活用して製薬工場の見学会をするなどの視覚化、話を聴くだけではなくタブレット端末を全員に配布しリアルタイムな反応を生かすインタラクティブ性を重視する傾向がある。その背景にはインターネットシンポジウムの増加もある。「同社でも2015年は前年比30〜40%増でした。これは業界全体の傾向でもあります」(畑中さん)

バーチャルでは、移動がないぶん忙しい医師の参加へのハードルは下がるが、参加満足度はやはりライブのほうが高い。

「ライブとバーチャルの使い分けが喫緊の課題ですが、それぞれの強みを活かし、ライブではコミュニケーションの創出を重視した内容にしたり、ツールを使って参加感を強めたりとイノベーティブなものの取り込みには積極的です」(畑中さん)

常に新しいものがないかを貪欲に情報収集している。

 

<会場選択の課題>

・ホテルはインバウンドの増加等で、特に宿泊が確保できない

・カンファレンス施設を使用することにも積極的になってきたが、宿泊面、ホスピタリティ面での充実が必要

 

[レポート]ポイントは世界初、日本発〜ジャパン・ドローン2016

[レポート]ポイントは世界初、日本発〜ジャパン・ドローン2016 »

ドローン163機を展示

3月24日から26日までの3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で「ジャパン・ドローン2016(Japan Drone2016)」が開催された。

「空における新たな産業革命」をテーマに開催された民間ドローン産業の国際展示会&国際コンファレンス「ジャパン・ドローン2016」は、単独としては日本初の展示会。第1回開催には、118社・団体(うち海外6カ国・地域から15社・団体)が出展、展示されたドローン機体総数は163機、フライトショーケースには25機が登場し、登録来場者数は8,023人だった。

同展に出展していた日本初のドローン専門メディアDRONE MEDIAの岩崎覚史氏によると、「日本のドローン市場は、海外にくらべ数年遅れの状況。ドローン機体に関しては、中国、アメリカ、フランスが先行している状態」と現状を分析する。

 

 

岩崎氏が注目していたのは、DJI Japanによる農業用ドローン実機で、民生用ドローンでシェア7割を占めると言われる中国メーカーのDJI。農業用ドローンは実機の展示やフライトショーケースでのデモフライトは日本初披露だった(トップ写真)。そのほか、遠隔会議システムなどを提供するブイキューブがロボット関連事業を展開しその一つとしてドローンへの取組みを展示した例やEVバイクを東南アジア向けに展開するテラモータースがドローン市場に参入しテラドローンとして出展している例など、新規参入組の動向にも着目する。「2015年は民生機のドローン元年と言われましたが、今年はサービス利用のドローン元年だと言われています。一般からドローンという言葉が去年騒がれて、ビジネス利用は今年という感じですね」(岩崎氏)。

会場には、個人用の空撮以外に、ビジネス利用として建築関係の点検・測量用、防災用、農業用などさまざまな用途に対応するドローンが展示された。海外勢では、アジアで中国に次いで利用の進む韓国からDROGENが出展するなど、海外では有名でも日本ではまだ知名度の低い企業も参加し、新型ドローンを積極的に売り込んでいた。

世界初、日本発をキーワードに

今回、「ジャパン・ドローン」の開催を企画・運営した(株)スペースメディアジャパン代表取締役の管埜寛之氏は、初開催の経緯について、2014年秋ごろから企画をスタートさせたが、その契機となったのが今回イベントの主催者となったJUIDA((一社)日本UAS産業振興協議会)が2014年7月に創設され、その第1回セミナーを聞いたときだという。「はじまったばかりで大きな産業界ではないけれど、発展性、可能性があるのではないかと感じた」と管埜氏は話す。

ジャパン・ドローン初開催までの間、日本では昨年メカトロニクス・エレクトロニクス関連の要素技術が集まるTECHNO-FRONTIER内で「国際ドローン展」が併催され、コンシューマ・エレクトロニクス分野では世界最大の見本市「CES」やIT・エレクトロニクス総合展の「CEATEC 」でもドローンが取り上げられるなど、一気にドローンに関する情報収集の場は広がりをみせる。

「ここはきちんと差別化をしよう、ポイントをつくらなければと思いました。それで、ポイントは『世界』だろうと。世界初、日本発というキーワードで伝えてきましたが、日本からも発信するし、世界からも発信する場になること」と、管埜氏は「ジャパン・ドローン」の立ち位置をこう定め、アメリカ、中国、シンガポールなどで積極的にプロモーションを展開、基調講演で登壇したUVS協会についてはアメリカまで行って直接説得したという。

国際展示会&国際コンファレンスとうたっているように、基調講演のほか、シリコンバレー商業ドローン最前線などの講演があり、海外からの最新情報の発信の場になった。

ドローン特区・千葉市での開催

会場となった千葉市は、2015年12月15日に地域を絞って規制緩和する国家戦略特区の一つに指定され、人口集中地域などで小型無人機「ドローン」の飛行を禁止する航空法の規制を緩和しドローンを活用した薬や生活必需品の宅配サービスができるようにする、としている。

ドローン特区での「ジャパン・ドローン」の開催はじつは偶然だったというが、こうした行政の動きが後押しとなり、初開催ながら千葉市が後援につき、特別講演でも千葉市長の熊谷俊人氏が登場、仙北市長の門脇光浩氏と内閣府地方創生推進室次長の藤原豊氏とともに「開発用テストフィールドと国家戦略特区」と題し、行政の取組みについて展開した。

千葉市の小学校には「ジャパン・ドローン」の案内を全校にするとともに、千葉市内小学生向け「春休み企画!ドローンスクール・体験会」を最終日に開催。ドローンの操縦ができる内容で、応募すぐに50名の定員はいっぱいとなった。

管埜氏は、これまでさまざまな産業分野で展示会を立ち上げてきた経歴をもつが、今回の「ジャパン・ドローン」について、「どうなっていくかは未知数。個人的には、20年前に日本にもってきたインターネットの展示会『インターロップ』のときのモーメンタム、勢いを感じる。アメリカではさまざまなドローンベンチャーも出ており、中国にはメーカーだけで400社いると言われ、インターネット創生期のような状況。今回、日本での初開催では、まだ一握りで、まだまだ拡大の余地があると思っています」と話す。

今後はドローンを使って何ができるのか、インターネットと合わせてどう使えるのかが問われ、産業界にどのようなイノベーションが起こるのか期待される。

次回は、2017年3月23日から25日、幕張メッセでの開催を予定している。

 

 

「ドローンレース in Japan Drone 2016」 「ジャパン・ドローン2016」では、ドローンレースも行われた(3/26@幕張メッセ展示ホール5のフライトショーケース内)

すべて試すべきアイデアだ   テックショップジャパン株式会社 代表取締役社長 有坂 庄一さん

すべて試すべきアイデアだ   テックショップジャパン株式会社 代表取締役社長 有坂 庄一さん »

4月1日、港区赤坂のアーク森ビルにTechShop Tokyoがグランドオープンする。 アイデアさえもっていれば夢はかなう場所、というコンセプトを聞いて、プレオ ープン中のTechShop Tokyoにモノづくり経験のない編集部も行ってみた。

——TechShopをまだ知らないという方にも簡単にどんなものか教えていただけますか

有坂 TechShopはアメリカ発の会員制オープンアクセス型DIY工房です。DIYというと日本では日曜大工を連想され、ベニア板にとんかち、釘での木工製作をイメージされるかと思います。4月1日からオープンするTechShop Tokyoは、金属加工・溶接、3Dプリンティング、皮の縫製もできる工業用ミシンまで、本格的な工作機械が約50種類あります。

——ひと通り機械をみましたがDIYよりもモノづくりと言ったほうが近い印象を受けました。どんなモノがつくれるんでしょうか

有坂 基本的にはアイデアさえあればなんでもつくれます。たとえば、店内に入る前に受付を通られたと思いますが、そのカウンターテーブルもそうですし、いまコーヒーを運んできたトレーもスタッフのつくったものです。

アメリカのスタッフから聞いた言葉が僕はTechShopらしくて好きなんですが、「悪いアイデアなんてない。すべて試すべきアイデアだ」と言うんですね。

 

——一歩踏み出す勇気が出る言葉ですね

有坂 アイデアはカタチになると話が弾みます。アイデアだけの会話の場合「…だからダメだよね」とネガティブな意見も出がちですが、面白いのは、プロトタイプを一つテーブルに置くだけで「ここをこうすればもっとよくなる」と、発言が前向きに、改善点としての意見に変わるところです。モノづくりの経験が無い人でも、モノがあるとそれをきっかけにアイデアが出てくるという感じで、カタチからアイデアへという流れになりやすいですね。

 

——アメリカでの使われ方を教えてください

有坂 いまアメリカにはオープン予定も含め10店舗が展開されています。平均して1店舗に1,000人の会員がいて、起業家や学生、クリエイター、または企業利用など、個人と個人、個人と企業会員同士のコミュニティができているのが特徴です。TechShopで生まれたプロトタイプが企業、ベンチャーキャピタルからの出資を得るなどして100以上のビジネスが生まれています。なかでもスマホやタブレットでクレジットカード決済ができるSquareという製品がTechShopでつくられた話は有名です。海中版のドローンとも言われる水中探索ロボットOpenROV は、実物をTechShop Tokyoで見られますよ。

 

——日本でもコミュニティの場となるでしょうか

有坂 ワークスペースは仕切りがなく、空間的にもオープンな状態です。コーヒーと自動販売機のあるブレイクエリアの前には黒板があって、音楽スタジオの掲示板にある「バンドメンバー募集」の貼り紙みたいに、アイデアを書いて「構造作家募集」としてもいいし、回路図を囲んで話し合う風景があっていいと思います。

理由は解明できていないんですが、アメリカでは店舗の会員が500人未満だと一人で作業をして帰ってしまうけれど、500人を超えるとコラボするという傾向があるようです。

また、人と人をつなぐのは人だというアナログな仕掛けもあります。TechShopには工作機械のエキスパートがいますが、彼らは個人のサポート以外にコミュニティづくりのマッチングサポートもするんです。ドリームコンサルタントと呼ばれるスタッフです。

 

——ターゲットとしては、どんな方に活用してもらいたいですか

有坂 ベンチャー企業やスタートアップにはWebサービスやスマホアプリが多いのに、それに比べるとハードウェアはまだまだ多くはないと感じます。

本格的な道具だけでなく、コミュニティがあることで、自分のアイデアを誰かの力を借りてカタチにすることもできるし、一度つくったプロトタイプをみてもらうことで別のプロフェッショナルに価値を足してもらうことだってできる。また、自分でつくる場所をもつことは、すぐに直すことができるということ。1ヶ月もここにきて仲間からのフィードバックを受け続けていれば独りよがりのアイデアよりは、きっと洗練されるはずです。このサイクルを早めることは試行錯誤を繰り返すリーンスタートアップの考え方と共通します。モノづくりもソフトウェアと同様にオープンイノベーションであるべきだと思っています。

ただ、矛盾するかもしれませんが、ビジネスユースをターゲットとしているわけではありません。あえて言えば、集まるひと、みんなオールターゲット。これまでモノづくりをしてこなかったひとにも、アイデアがあっても、なくても一度体験してほしい。こうした場が一般的になることで日本はもっと面白くなると思っています。

<協賛>

イベントレジスト株式会社 http://info.eventregist.com/service-display-ad

株式会社ブレイブソフト https://www.bravesoft.co.jp

株式会社レイ イベント事業本部 http://showtech.jp